熊谷玲美のレビュー一覧

  • 疾病捜査官――感染症封じ込めエキスパートの事件簿

    Posted by ブクログ

    感染症封じ込めのための仕事の現場を臨場感ある文章で楽しめる。
    楽しめると書くと、不謹慎なような気もするが、感染症という常に身近に存在していても、自分が罹るまではなかなか意識することのない事柄について、認識を改める一助になった。
    特に、エボラ出血熱やエイズに対して、漠然と恐ろしさを感じていたのに対して、身近なインフルエンザや、現状のコロナウイルスに対しては慣れのような感覚が自分に生まれていて、この本をきっかけに、過大な恐怖心と、薄まっていた危機感を正してもらえたような気がする。
    また、定期的に起こるウイルスの変異によってパンデミックが引き起こされる可能性が常にあること、それを防ぐためにワクチン接

    0
    2024年10月05日
  • ダイエットの科学 「これを食べれば健康になる」のウソを暴く

    Posted by ブクログ

    生活の考え方を根本的に変えた本。人によって千差万別であることは前提に、腸内細菌がまるで土壌のように多様性豊かであること、そのために加工されていない様々な食品を食べたり、間欠的な食習慣が有効であることは、カラダに対する見方をとても変えてくれた。

    0
    2023年11月18日
  • 超人の秘密 エクストリームスポーツとフロー体験

    Posted by ブクログ

    エクストリームスポーツという馴染み薄い(しかしインパクト抜群)を題材に、人間の身体と精神の能力を飛躍させるFLOWという概念について、豊富な事例と科学とウィットをもとに、紹介してくれる名著。
    科学的説明や、エクストリームスポーツにおける歴史の紹介によって、FLOWがもつ怪しい側面の意味がだんたんと明らかになり、日常生活への活かし方も見えてくる。

    とはいえ、実践はかなり難しい概念だけれども、これを大真面目に仕事に取り入れることができたなら、確かに景色は変わるのだろう。まずは4%、無理めな目標設定をすることから始めてみよう。

    0
    2023年08月17日
  • 太陽を創った少年 僕はガレージの物理学者

    Posted by ブクログ

    物事はもっとシンプルだったのかもしれない。好奇心の赴くままに、やりたいことができていれば、ゲーム感覚で核融合炉だって作れてしまう。しかし、そのレシピを理解する知能、あるいはそのレシピと出会うかどうか、これはやはり遺伝子、環境、運によるのだろう。誰もがそうなれる訳ではない。

    本書は、科学の魅力に取りつかれ核融合炉を作った少年の話。またそうした才能を巡る、教育論的な内容。ギフテッドか否か。それを見抜くのは難しい。どの分野に秀でているか、経験させてみないとわからないからだ。理解できる親の素養も必要だし、時には、庭で爆発物をイジる子供を好きなようにさせてあげる寛容さも必要という事だ。

    本書はまた、

    0
    2021年12月11日
  • 宇宙考古学の冒険~古代遺跡は人工衛星で探し出せ~

    Posted by ブクログ

    この本を読むと、考古学者の一番の苦労は資金繰りなんじゃないかと思わせられる。いかに研究助成金を申請するか。アピールポイントとして発掘するのに的確な場所を見つけなくてはならない。そのために、人工衛星からの情報がいかに役に立つか。埋もれている遺跡を見つけることはできないだろうと思っていたけれど、過去は現在に色々な形で影響を残していて、植生や地形からわかることがいかにたくさんあることか。さらに著者は、考古学で過去の人々の生活を知ることの面白さと、それが未来へも繋がっていくこと、そのために現代で解決すべき問題にも触れている。たとえば女性のこの分野への進出について。盗掘についての警鐘と、それを防ぐための

    0
    2021年09月26日
  • ダイエットの科学 「これを食べれば健康になる」のウソを暴く

    Posted by ブクログ

    ダイエットのために読みました。
    マイクロバイオーム(腸内細菌)を軸に様々な栄養素や食品が身体に及ぼす影響をまとめてあります。
    多数の人間で実験されたことを根拠に書かれていることが多いので、信憑性はありそうです。
    腸内細菌は食べ物の消化吸収を助けてくれるだけでなく、体全体に影響を及ぼしている。そしてその腸内細菌には個人差があるため、「○○を食べて痩せました!」的なSNS等の報告は、その人には合っていただけで、自分には合わないかもしれない。ダイエットには答えがない。といったことが分かりました。
    ただ、腸内細菌にとっていいことは書いてあったので、それを一つひとつ試してみて、自分の腸内細菌が喜ぶエサ(

    0
    2021年07月30日
  • 宇宙考古学の冒険~古代遺跡は人工衛星で探し出せ~

    Posted by ブクログ

    航空写真、人工衛星からの写真で、遺跡の痕跡を見つけることを宇宙考古学と言っている。その第一人者の著者が、考古学について、実際の発掘を通じて、著者の専門であるエジプトの小王国中浮き彫りにしていく。
    衛星写真の高解像度化、権利の解放、低価格化により多くの遺跡候補地が探索できるようになった。これにより過去のたまたま見つかるのとは違う、確率論的に遺跡の数、在りかがわかるようになった。著者はそのテクノロジーの進歩と旧然たる考古学を結びつけ改革していくことに熱意を注いでいる。

    0
    2020年11月22日
  • ダイエットの科学 「これを食べれば健康になる」のウソを暴く

    Posted by ブクログ

    例えば、糖質ゼロダイエット。
    例えば、キャベツダイエットやリンゴダイエットなど、特定の食材だけ食べるとか、あるいは食べないというダイエット。
    世の中には何百、何千といった数のダイエット法が蔓延している。
    この『ダイエットの科学』、乱立するダイエット法や“健康そう”で“素晴らしい”健康食品に警鐘を鳴らすことから始まる。
    そこまでは比較的良く見受けられる“現代の食に対する啓蒙本とさして変わらない。
    ただこの本の面白いところは、様々なダイエット法、そして油やお酒など、一般的に“悪”とされている食材を切り口に、腸内細菌に焦点を当てて論じているところ。
    この本を読めば「太りやすいって聞くし、この食材は食

    0
    2019年09月09日
  • 太陽を創った少年 僕はガレージの物理学者

    Posted by ブクログ

    テイラーの核融合の話であり、教育書でもある。

    表題に書いたとおりです。核融合の話が出てくるのは本のかなり後半の方であり、前半の大部分は放射能や放射性物質の話、テイラーの幼少期や両親の話となります。

    テイラーのような天才(ギフテッド)についての考察も非常に多く、テイラーの両親がテイラーの才能をどうやって引き出したのかも語られています。また、テイラーと同じような才能を持ちながら、両親の間違った教育によってつぶれてしまったデイヴィッド・ハーンも引き合いに出しており、その比較もまた興味深かったです。それらの話を推測でおわらせず、専門家の意見や考えをしっかり提示しているのも良いところです。

    という

    0
    2019年01月17日
  • ダイエットの科学 「これを食べれば健康になる」のウソを暴く

    Posted by ブクログ

    食事についての現状における決定版。様々な食材や食べ方の効能を実際に調べられている範囲でまとめている。実際にきちんと調べられていることはあまり多くなく、巷で言われていることの多くが宣伝。

    基本的に人は個々人で食事に対する反応は異なる。遺伝子や腸内細菌によるもので、一卵性双生児間でも太り方などは異なるケースがある。その人にあった食事法というのがあるし、腸内細菌は抗生物質の取り方や食事で大いに変わる(が、良い方向に変えるのは時間がかかる)。

    単品の食事法は、食べられる種類を減らすことで摂取カロリーが大幅に減り痩せることにつながるが、栄養素は減り、その後体が慣れることでリバウンドを引き起こし良いこ

    0
    2017年08月04日
  • ビッグクエスチョンズ 数学 Mathematics

    Posted by ブクログ

    とてもよかった。

    数学に詳しくないけど興味があったら最善の一冊になると思う。

    僕はその一人です。

    0
    2014年08月21日
  • オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史2 ケネディと世界存亡の危機

    Posted by ブクログ

    トルーマンからアイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン、ニクソンまでの大統領によるアメリカの歴史が核の問題を中心に語られる。どのように冷戦が始まったか、ソ連との関係、軍産複合体の陰、アメリカの中南米、ベトナムへの介入などアメリカの帝国主義的、負の側面が暴かれる。ケネディとフルシチョフによるキューバ危機は本当に核戦争一歩手前だったし、その後も危険な状態はいくらもあったことが明かされると、改めて運の良かったことに驚かされる。アメリカにとっては、中南米、アジアは征服されるべきアメリカの権益範囲だとしか考えていないと感じる。その一方でベトナム反戦運動が起こり、サイゴンは陥落し、最終的にはニクソンが辞任に追

    0
    2014年03月06日
  • オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史2 ケネディと世界存亡の危機

    Posted by ブクログ

    2巻目。第二次世界大戦後、米ソ冷戦、朝鮮戦争、赤狩り、ベトナム戦争、カンボジア内戦、チリのクーデター、沖縄返還、ウォーターゲートまでの裏話。米国は、あらゆる戦争で核兵器を使いたがっていたのと、民主的な政権でも米国企業に害のある政権は排除するのにCIAが大活躍したのと、とにかく危ない賭けをしてでも自国の利益最優先で動いていたことがよくわかります。むしろソ連を始めとする敵対国の方が冷静に見える。

    通勤電車で読むには重過ぎ。

    0
    2013年07月16日
  • ビジュアルスタディ 世界を変えた発明発見

    Posted by ブクログ

    19世紀以降の重要な発明発見を、大判の写真と解説付きで掲載した大型本。
    詳細な内容までは触れていないが、概要とビジュアルを把握できる。この分野への第一歩、そして概観するためにはうってつけ。
    デザインや文章は洗練されており、おしゃれで読み進めやすい。

    0
    2025年05月25日
  • 超人の秘密 エクストリームスポーツとフロー体験

    Posted by ブクログ

    ■評価
    ★★★★☆

    ■感想
    ◯エクストリームスポーツをやる人が、なぜそこまで惹かれるのか。挑戦の中でフローに入って人生を味わっているのかを様々な事例と理論を元に語られている本。
    ◯チクセントミイハイの理論が教科書だとしたら、本書は応用事例集だと感じた。

    0
    2024年06月05日
  • ファーストスター 宇宙最初の星の光

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    各章の冒頭部分にある枕の話がうざったいが、他はとてもわかり易い。黒体放射や宇宙背景放射など、個人的には他書であいまいにしか理解できなかったことも明快に書かれている。天文学は遠くの星を見ているのでなく、昔の光を見ているのだというのがよく分かる。

    恒星には太陽のように種族Iと呼ばれる比較的若く、金属(Liより原子番号が大きいもの)を含む群と種族IIである金属含有量の少ない星(銀河周辺部の星がまばらな領域や銀河中心部にまとまっている)がある。
    宇宙誕生直後には金属をほとんど含まない種族IIIがあったはずで、これをファーストスターと呼ぶ。これらは宇宙が誕生してから2000万年から2億年の間ぐらいには

    0
    2023年07月01日
  • 超人の秘密 エクストリームスポーツとフロー体験

    Posted by ブクログ

    フロートリガー(内部要因、外部要因、社会的サポート、創造性)を再度読み直して、日常で実践できる状態にしておくことで、フローに入ることが多くなり、幸福度の高い人生を歩める。
    エクストリームスポーツのアスリートの成功の90%が精神面によるものという試算があるが、計測できないため実証できていないという点に興味を感じた。

    0
    2021年04月03日
  • 超人の秘密 エクストリームスポーツとフロー体験

    Posted by ブクログ

    サーフィン、スノボなどエクストリーム系スポーツプレイヤーが極限状況になるフローを解説。
    フローがビジネスでも通じるところが面白い。
    所謂、全集中。

    0
    2020年12月31日
  • ビジュアルスタディ 世界を変えた発明発見

    Posted by ブクログ

    発明や知的財産権に関心を持つきっかけになる良書といえる。
    索引以外で最後のページは、今話題のマーク・ザッカーバーグだ。
    もっともインターネットを発明、実用化したのは、アメリカの国防省で具体名は、ARPANETだ。

    村井純さんの講演会で、彼がアーパ、アーパ、アーパと連呼していたのが、思い出される。

    0
    2020年10月23日
  • 超人の秘密 エクストリームスポーツとフロー体験

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     フロー体験とはなにか?読んでいてとにかく「痛い」本である。
     本を読んで知った気になっていた自分が恥ずかしくなるぐらい実例が豊富であった。その実例の多くがエクストリームスポーツというのは偏りがあると言えばある。
     骨折したまま難易度の高い技を何回も行った、失敗して戻ってこなかった(死んだということ)などの実際の話しがてんこ盛りである。
     「フローに入れば楽ちんだ」などと軽く考えていたのが懐かしい。

    0
    2020年06月28日