大河原遁のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ二巻ではコスプレの仕立てを手掛けるアマチュア女子高生・大島依都が登場。物語に華を添える存在が増えている。
針生親方が現場復帰をしないことで織部の代行業は継続することになった次第だが、今回からは本腰を入れて、基礎を固めるような内容が描かれている。
長期連載に付き、どうしてもネタ被りしてくる部分があるのではあるが、初期の連載を知らない読者にも改めて基礎知識を披露するようなニュアンスがあるようだ。
例えば服装自由の会社の今時社長の窮地を手助けする「order #8 柳生の活人剣」では、上から下までTPOに即したコーディネイト法が説かれている。
あるいは「order #10 さんしょのピリ -
Posted by ブクログ
ネタバレおそらくはフィオリ・ディ・ジラソーレの章が終了となる7巻である。
シリーズとしては現行のまま進むのかもしれないが、この間の最後に収録されている特別編「維新の鋏」から日本編が開始しており、ジラソーレに焦点を合わせた物語シリーズから外れるのは間違いない。
作者自身が扉で「抜本的テコ入れ、リメイクレベルのリニューアルです」と述べているのだから、変化は免れ得ないだろう。
この巻もまた安定した面白さを提供してくれている。それぞれのシチュエーションに合わせ、農学者に、ゴルフの席に、日本人版画家にと見事な手並みで仕立てを行う短編集だ。
だが、それが個人的に星四つ程度と評価している面も否めない。
-
Posted by ブクログ
仕立て屋第三シーズンの六巻目では、これまで仕立てをしたことのない様々な層の依頼に応える、実に本作らしい内容が収録されている。
この辺、相変わらず「ジラソーレがメインのシリーズだったのでは……?」という疑問は残るが、やはり本領となる内容では充実した物語を組むなあという印象である。
一方で初期に多く見られたような、服飾版美味○んぼ的な説教臭さはこの巻ではほとんど見られず、圭角が取れてきている部分はあるだろう。
今回も楽しく読ませていただいた。星四つ半相当と評価している。
どうにも内容のないレビューで申し訳ないが、この作品シリーズについては(ここでの仕立てを実用するのでない以上は)おおむ -
Posted by ブクログ
紳士服を題材に取り扱ったこのシリーズ第三シーズンの五巻となる本巻でシリーズ累計50冊目を達成されたとのこと。足掛け15年もの長期連載は見事な物である。
それはさておき、本巻はやや着こなし術的な要素の強い内容で取りまとまっている。order#29では撥水生地のスーツを扱い、30、31で着こなし術を題材にしてジャケットとボトムスをそれぞれ用いた三種の着こなしを紹介している。
この辺はさすがに、長期連載ゆえの題材選びの難しさを感じるところである。33での船医向けの着こなしや34のサマーセーターなど、限定的なシチュでの仕立て・着こなしが題材にならざるを得ない。
短編それぞれの物語は、マンネリ -
Posted by ブクログ
三つ目のシリーズに移行した本作も四巻目。今回も一筋縄ではいかない仕立てのトラブルを解決する物語が展開されている。
スカジャン好きの中年アートディレクターにベロア地のジャケットを仕立てる「阿弥陀の光背」、ナポリ仕立てとミラノ仕立ての違いに焦点を当てた「僕のアモーレ」「呼び継ぎの腕」、黒スーツという日本的な伝統がトラブルを起こした「黒羽二重の五ツ紋付」など7作が収録されている。
ただ、新シリーズはジラソーレを中心に据えた内容だったはずであるが、ここでの物語は織部に寄りすぎている感は否めない。最後に収録された「市民の護り手」はサービスジャングルとジラソーレが関わるエピソードであるが、やはりメイ -
Posted by ブクログ
ジラソーレ社に焦点を置いた第三シリーズの三作目は、ややごった煮の内容。今までのような〇〇編といったとりまとめは今回見られなかった形である。
さすがに大ネタは攫いつくした感は否めないのだろう、ここではかなり特定のシチュ、例えばボヘミアンスタイルの女性と高級リストランテに入るコーデや、革ジャンでレトロなバイクに乗る上でエレガンテを維持したコーデなどが採り上げられている。
話を転がす手並みは相変わらずお見事で、クロコダイルダンディ(※実際はダサい)が都会で四苦八苦させられる♯17「ワニの涙」などは小ネタで落とす計算がよく為されている。
いつもながら安定した楽しみを提供してくれる。それだけに -
Posted by ブクログ
今回は日本人のスタンダードなスタイルである白シャツを扱った巻となっている。正格なスタイルになりがちな白シャツをどのように(ナポリの感覚で)粋に着こなせるかがテーマだろう。
物語としては、ジラソーレとナルチーゾの小競り合いを軸にして連作短編に近い形で展開している。後半は日本人編集者がイタリア人作家に白シャツを使った難題を叩きつけられた二編が収録されているが、全体を通せばナルチーゾのちょっかいに対応するジラソーレという図式である。
今回は星四つ半相当と評価している。
全体的には良いのだけれど、ハリウッドスターのチャリティイベントのエピソードがやや気忙しいような物語の締め方になっているため -
Posted by ブクログ
新装開店し、第三シーズンを始めた本作は、今回からジラソーレ社に視点を移して物語を展開している。
一巻を通してキャラのおさらいをしているような内容が特徴的だろうか。先のシーズンで顔見世しているライバル的存在、大手通販サイト「サービスジャングル」のイタリア支社長ゾーエのエピソードも加えられていて、彼女もこの新たなシリーズで活躍することが窺われるところだ。
内容的には、改めて一から紳士服を扱っていくようなニュアンスが感じられる。新装開店で新たな読者を得ようという意図も感じられるが、ストーリーとしてみた場合、やはり既存のシリーズを読んでいないと難しい部分も多い気がする。
今回は星四つ相当と評 -
Posted by ブクログ
6巻ではサヴィル・ロウのパウエル親方が成金から狙われ、織部の元に逃げ込んできた「格上の男」編が収録されている。
親方に仕事を手伝ってもらう過程で、ナポリ仕立てとイギリス仕立ての様式の違い・仕事の作法の違いで互いに譲れない部分が出たりもしている。あえて差異を出すことで特徴を際立たせる手法だろう。
親方を指名手配した成金に対しどう対すべきか、という部分に焦点が当たっているが、英国貴族勢にせよ、ベリーニ伯にせよ、フィレンツェの彼女にせよ、それぞれの勢力を上手く絡めて展開させる手並みは相変わらずお見事である。
今回も星四つ半相当と評価している。 -
Posted by ブクログ
アメリカ編が始まった21巻である。本社とNY支社で摩擦が起こりながらも、毎度のようにオーダーを消化していっている。
物語の舞台は当然ニューヨークなのだけど、中にはorder127「注文の多い洋品店」のような変り種も混ざっている。織部自身もアメリカ的な合理主義に揉まれて、少し得るところがあったようであり、物語としては溜めに入っているかのような印象を受けた。
NY支社としては本社からの抗議(織部らを勝手に連れ帰った件についてである)を上手く逸らしながらのらりくらりやっているが、この辺の摩擦もおそらく後の巻で本格的に取り上げていくことになるのだろう。
というわけで、物語としては星四つ半相当