あらすじ
腕利きの職人が集まる紳士服の聖地ナポリで小さな仕立て店を営む織部悠。彼は日本人でありながら伝説の職人マリオ・サントリヨが唯一認めた弟子で、“究めし職人”と称される男である。本巻では、アラフィフを迎えた大人の為のスカジャン着こなし術や、新社会人が陥りやすいブラックスーツの思わぬ落とし穴…など、依頼人の人生を一変させるプロの仕立て7本+特別描きおろしを収録!!
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Posted by ブクログ
三つ目のシリーズに移行した本作も四巻目。今回も一筋縄ではいかない仕立てのトラブルを解決する物語が展開されている。
スカジャン好きの中年アートディレクターにベロア地のジャケットを仕立てる「阿弥陀の光背」、ナポリ仕立てとミラノ仕立ての違いに焦点を当てた「僕のアモーレ」「呼び継ぎの腕」、黒スーツという日本的な伝統がトラブルを起こした「黒羽二重の五ツ紋付」など7作が収録されている。
ただ、新シリーズはジラソーレを中心に据えた内容だったはずであるが、ここでの物語は織部に寄りすぎている感は否めない。最後に収録された「市民の護り手」はサービスジャングルとジラソーレが関わるエピソードであるが、やはりメインとは言いがたい。
その点も加味して星四つ相当と評価している。
良くも悪くも各々のエピソードは安定しているのだが、趣旨から外れた物語構成はやはりマイナス評価とならざるを得ないだろう。