ルイス・キャロルのレビュー一覧
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【名作文学を読む】
シュヴァンクマイエルの映画『アリス』を観て、あれ、これってどこまで原作に則ってるんだ? てか原作ってどんな感じやったっけ? と思ったので、この際きちんと原作を読んでみることにしました。
『不思議の国のアリス』はあまりにも有名なゆえ、沢山の翻訳家がキャロルの世界を紐解いています(100種類以上はあるとかないとか)。そのため翻訳者によって少々印象の変わってくる『不思議の国のアリス』なのですが、自分は矢川澄子さんの訳を選びました。金子國義氏の挿絵も大きなポイントを占めていますね。
気になる本文はなるほど「小説のシュルレアリスム」の嚆矢と言う人がいるのも頷ける内容で、狂っていると言うよりは絶妙な会話のズレ具合で、終始困惑したりクスッとなったり、忙しかった……。コロコロ場面は変わるし、突拍子もない展開もしばしば。ウミガメモドキのとことか、まじでなに言うとるんかわからんかった……。最後に呼んだのはいつだろう。とにかく、初読の時からはかけ離れたまでの違った印象を受けました。 -
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「不思議の国のアリス」から半年後のお話。
子ネコのキティとおしゃべりをするアリスは、暖炉の上の鏡をくぐり抜けて、鏡の国の部屋にかろやかに跳び降りてしまいます。
鏡の国では文字がさかさま。
赤と白のキングやクイーン、しゃべるお花たちや、卵のハンプティ・ダンプティに出会います。
小さな丘から見た田園は、大きなチェス盤みたいに仕切られていました。
次々と起こる不思議な出来事に想像力をかき立てられ、訳者のあとがきによって、この物語がより鮮やかものになりました。
「不思議の国」は、子どもの頃何度も繰り返し読んでいたのですが、「鏡の国」は初めて読みました。
もし子どもの頃にこの本に出会っていても、きっと今のようにに楽しめていなかったかもしれません。
韻を踏んだ詩の訳が、とても素晴らしく、挿絵も素敵です。 -
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アリスって、つじつまが合うかを追う話ではなくて「何これ、変なの!」と笑う話なんじゃないかな。そもそもキャロルがアリス・リデルに贈ったお話なわけだし。面白がらせて、ツッコまれるのを待っている。だからこの話に意味を求めるなんて、そもそもナンセンス!
場面場面の珍妙なキャラクターがおかしくて。イモムシやトカゲのビルなんて、最高。ハートの女王も「みんなクビを切っておしまい!」なんて、世間の大人が子どもに対して似たようなこと言いまくってキレているのにそっくり。
案外子供の目で世の中を見ると、こんな感じに見えてる気がするよね。アリス(子ども)から見たら、不思議の国は今の大人社会のことなのかも。全くもって、ヘンテコだ! -
Posted by ブクログ
『不思議の国のアリス(Alice's Adventures in Wonderland)』は、元々は、作者ルイス・キャロル(本名チャールズ・ドジソン)が、仲良しの3姉妹、とりわけ次女のアリス・リデルのために書いた物語です。1865年に刊行されて以来、この不思議で愛すべき本は多くの言語に翻訳され、多くの人に親しまれてきました。日本語訳だけでも、翻案や抄訳も含めると、続編の『鏡の国のアリス』と併せて、150ものバージョンが存在するようです。
挿絵ももっとも有名なものは原著初版時のテニエルのもの、それからアーサー・ラッカムのものがあげられるでしょうが、この不思議な物語は絵心を刺激するのでしょう。やはり数多くの画家が挿絵を描いています。
個人的には子どもの時読んだ福音館の版がなじみ深いです。こちらは生野幸吉訳、テニエルの挿絵でした。
川辺の土手で、姉さんの隣に座って退屈していたアリス。その彼女の前を、1匹の白ウサギが通り過ぎます。ところがこのウサギ、チョッキを着てポケットから時計を取り出し、「たいへんだ、遅刻しそうだ!」と言いながら、巣穴に飛び込んでいくのですね。驚いたアリスもすぐさま続いて飛び込みます。
これが冒険の始まり。
「ワタシヲオノミ」と書いてある薬を飲んだりキノコを食べたりして、大きくなったり小さくなったり。涙の海で溺れかけたり。水ぎせるを吸うイモムシと問答したり。ウサギとネズミと帽子屋のおかしなお茶会に同席したり。ウミガメモドキの哀しい歌を聞いたり。にんまり笑うチェシャネコに会ったり。
最後には横暴な女王さまと対決しますよ。
さあどうなるのでしょうか。
文庫本も各社から出ていますが、この新潮社版は、矢川澄子さんの訳、金子國義さんの挿絵です。
詩人でもある矢川さんは、地の文も話し言葉で綴ります。「~してね、~でね」と進む物語は、キャロルが少女たちに語って聞かせているようでもあり、矢川さんの語りのようにも思えます。
金子さんの描くアリスはどこかコケティッシュで、洗練された雰囲気です。
こうして読み進めていくと、本当に夢の中に迷い込んだように感じます。
矢川さんは解説で
『不思議の国』でも、『鏡の国』でも、アリスはみごとにひとりぼっちです。
とすればアリスは、(中略)すべてを自分できめて、不測の事態に素手で立向かってゆかなくてはなりません。
といいます。
そこに矢川さんは「少女の孤独」を見ます。
この観点は自分にはあまりなかったのでちょっと意表を突かれたのですが、なるほど言われればそうかもしれません。不思議で楽しい、でもどこか物悲しい。
その奥には、どこか誰しもが持つ「痛み」が潜んでいるのかもしれません。
永遠の少女、アリスは、今日も不思議の国をさまよっています。 -
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横浜のアリス展にて懐かしくなり、再読。
やっぱり脇明子さんの翻訳は素晴らしい。
解説も詳しく、英国への愛に溢れており、興味深い。
福音館のバージョンで読んだ際に釈然とせず、「まあ面白い?ってことにしとこう」とくくっていた箇所を、本当に面白く読めるように意訳してくださっており、感謝しかない。
「いつか英語で読んで」とあとがきにあるが、その「いつか」はいつ来るのやら。
昔、2001年ぐらいのMOEで「魔女の宅急便」特集を組んでおり、角野栄子さんのインタビューで、英文科を卒業する集大成として教授から与えられた課題がアリスの原書で、「今更アリス?」と思ったが読んでみたら非常に難しかったと書いてあった気がする。
読むなら対訳版がいいと思う。
脇明子さん、ぜひハリーポッターとメアリーポピンズとカニグズバーグも訳してください。 -
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鏡を通りぬけた先にあったのはチェスの国。前に進めば後ろに進み、丘が谷になり、古いものが新しいという鏡のような対称の世界だった。そこで出会った赤の女王に「白の女王になれ」と言われ、アリスは「女王」になるため“小川を渡った先にある八列目の枡”を目指すことになる。
おしゃべり好きの花たちや体がお菓子で出来た虫、ハンプティ・ダンプティなど登場人物は魅力的なものだらけ。強引で高慢な赤の女王・どこかとぼけた様子の白の女王は、ティム・バートン監督の映画を観た人ならつい重ねてしまうのではないでしょうか(超余談ですが劇中で白の女王を演じるアン・ハサウェイは可愛すぎます)。
この国では自然や時間や物理…あらゆる摂理が“あべこべ”でアリス自身も作中で混乱していますが、読者もかなり混乱します(笑)とにかく場面も会話の展開も登場人物も目まぐるしくコロコロと変わります。読み終わる頃にはどっと疲れていたのは私だけではないはず。
巻末の詩は華やかに、しかし幕の下がる一抹の寂しさを感じるように物語のラストを飾っています。
激しくも愉快な、どこか捻くれたワンダーランド。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ生涯に書いた手紙の総数は十万弱…
すごい!すごすぎる!!と思ったけど今の時代のラインや
メール好きな人ならこれぐらい書くかな?
キャロルのすごいところはこれらの手紙の詳細をすべて記録していたところ
手紙の内容は作品同様ユーモアにあふれている上に
最後の本名の前に書かれた一言がとてもしゃれている
「きみゆえに苦しむ」とか「遠くから君を愛する友」とか
「まちがいなく君を愛する」とか、こんなことばが書かれた手紙
人生に一度くらい欲しかったかも…と思ったけど少女時代に
年齢が離れた男性からもらうのは無理。きっと封を切らずにお返しするでしょう。 -
Posted by ブクログ
鏡に映る姿は凸レンズと違い
上下をそのままとして左右のみ反転させている
しかしその反転には気付きにくい
もし気付ければ自分の反転している姿を見ることで
本来の自分を描き出せるし
世の中で出合ったモノを逆手に取り反面教師として
真理のカケラなりとも学び取ることを可能にしてくれる
この本の作者はこの世の不思議な歪みの現象を皮肉って
物語に仕立て直していたのだろう
鋭い眼力である
140823
不思議の国もアリスの続編
マザーグースでお馴染みの登場人物の大方は
前作と同じだけれども
トランプではなくチェスを舞台にして話が進む
鏡の中なのでアベコベな現象に振り回されながら
アリスはポーンと言う歩からスタートして
無事に女王に成ってどんちゃん騒ぎの舞踏会で終わります
昔最初に不思議の国のアリスを読んだときは
支離滅裂な中に新鮮で哲学的なものを感じたのですが
今回はそれ程に引き込まれるものがありませんでした
言葉というのは約束事で成り立つ符号で
その解釈はTPOで異なりお互いに立ち入れないものがある
従って既に十分抽象的なわけだけれども
人間はそれにも飽き足らず
支離滅裂をかき集めたようなモノを表して見たくなるのだろう
人の口の戸口は建てられぬと言われる無限性を
有限の枠にはめながら姿形を固定して表現するなど
所詮できないわけで
それでもヤッてみないと気がすまないのが欲望という性なのか
最も夢の世界では常に垣根など作らずに
豹変しながら飛び回っているのだけれど・・