ルイス・キャロルのレビュー一覧
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アリスって、つじつまが合うかを追う話ではなくて「何これ、変なの!」と笑う話なんじゃないかな。そもそもキャロルがアリス・リデルに贈ったお話なわけだし。面白がらせて、ツッコまれるのを待っている。だからこの話に意味を求めるなんて、そもそもナンセンス!
場面場面の珍妙なキャラクターがおかしくて。イモムシやトカゲのビルなんて、最高。ハートの女王も「みんなクビを切っておしまい!」なんて、世間の大人が子どもに対して似たようなこと言いまくってキレているのにそっくり。
案外子供の目で世の中を見ると、こんな感じに見えてる気がするよね。アリス(子ども)から見たら、不思議の国は今の大人社会のことなのかも。全くもっ -
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『不思議の国のアリス(Alice's Adventures in Wonderland)』は、元々は、作者ルイス・キャロル(本名チャールズ・ドジソン)が、仲良しの3姉妹、とりわけ次女のアリス・リデルのために書いた物語です。1865年に刊行されて以来、この不思議で愛すべき本は多くの言語に翻訳され、多くの人に親しまれてきました。日本語訳だけでも、翻案や抄訳も含めると、続編の『鏡の国のアリス』と併せて、150ものバージョンが存在するようです。
挿絵ももっとも有名なものは原著初版時のテニエルのもの、それからアーサー・ラッカムのものがあげられるでしょうが、この不思議な物語は絵心を刺激するのでし -
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横浜のアリス展にて懐かしくなり、再読。
やっぱり脇明子さんの翻訳は素晴らしい。
解説も詳しく、英国への愛に溢れており、興味深い。
福音館のバージョンで読んだ際に釈然とせず、「まあ面白い?ってことにしとこう」とくくっていた箇所を、本当に面白く読めるように意訳してくださっており、感謝しかない。
「いつか英語で読んで」とあとがきにあるが、その「いつか」はいつ来るのやら。
昔、2001年ぐらいのMOEで「魔女の宅急便」特集を組んでおり、角野栄子さんのインタビューで、英文科を卒業する集大成として教授から与えられた課題がアリスの原書で、「今更アリス?」と思ったが読んでみたら非常に難しかったと書いてあった気 -
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鏡を通りぬけた先にあったのはチェスの国。前に進めば後ろに進み、丘が谷になり、古いものが新しいという鏡のような対称の世界だった。そこで出会った赤の女王に「白の女王になれ」と言われ、アリスは「女王」になるため“小川を渡った先にある八列目の枡”を目指すことになる。
おしゃべり好きの花たちや体がお菓子で出来た虫、ハンプティ・ダンプティなど登場人物は魅力的なものだらけ。強引で高慢な赤の女王・どこかとぼけた様子の白の女王は、ティム・バートン監督の映画を観た人ならつい重ねてしまうのではないでしょうか(超余談ですが劇中で白の女王を演じるアン・ハサウェイは可愛すぎます)。
この国では自然や時間や物理…あらゆ -
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ネタバレ生涯に書いた手紙の総数は十万弱…
すごい!すごすぎる!!と思ったけど今の時代のラインや
メール好きな人ならこれぐらい書くかな?
キャロルのすごいところはこれらの手紙の詳細をすべて記録していたところ
手紙の内容は作品同様ユーモアにあふれている上に
最後の本名の前に書かれた一言がとてもしゃれている
「きみゆえに苦しむ」とか「遠くから君を愛する友」とか
「まちがいなく君を愛する」とか、こんなことばが書かれた手紙
人生に一度くらい欲しかったかも…と思ったけど少女時代に
年齢が離れた男性からもらうのは無理。きっと封を切らずにお返しするでしょう。 -
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鏡に映る姿は凸レンズと違い
上下をそのままとして左右のみ反転させている
しかしその反転には気付きにくい
もし気付ければ自分の反転している姿を見ることで
本来の自分を描き出せるし
世の中で出合ったモノを逆手に取り反面教師として
真理のカケラなりとも学び取ることを可能にしてくれる
この本の作者はこの世の不思議な歪みの現象を皮肉って
物語に仕立て直していたのだろう
鋭い眼力である
140823
不思議の国もアリスの続編
マザーグースでお馴染みの登場人物の大方は
前作と同じだけれども
トランプではなくチェスを舞台にして話が進む
鏡の中なのでアベコベな現象に振り回されながら
アリスはポーンと言う