ルイス・キャロルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
«哲学と言葉遊びの世界へようこそ!»
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有名なアニメ映画版は見たことがあったものの、本では読んだことがなかったアリスの物語。青柳碧人先生の『浜村渚シリーズ』の2巻を読んで原作にアリスが九九を暗唱する場面があることを知り、原作はどんな話なのか気になって手に取ってみました。
読んでびっくり。アニメ映画版とはかなり違うではありませんか。
今回はそんな「小説」ならではの面白ポイントを(なるべくネタバレしないように)紹介します。
・とことん読者目線の冒険描写
アリスが白うさぎを追いかけて穴に落ちるところから不思議な世界の旅が始まるのはご存知の方も多いかと思いますが、その後アリスが -
Posted by ブクログ
原作と同じ挿絵を使っているところが良い。妙に大人びていて気が強そうで、不機嫌そうな顔は多いけどアリスが笑ってる絵は一枚もない。異常な世界を冷静に見ていつも通りに振る舞う利口な子供、それが不思議を生む様を見事に描き表していると思う。この挿絵抜きでアリスは味わえない。
大人になるにつれ、この作品に描かれている不思議性は現実に普通にあるように思えてくる。それは恐らく、数学のように自由な思考で考えると、学校で習いもしないごく当たり前のことほど突き詰めれば深遠な謎があり、一方で日常の社会常識は突き詰めるとナンセンスな偏見ばかりだからだ。意識すれば不思議の国はどこにでもあるけど、ただのトランプのくせに!と -
Posted by ブクログ
ネタバレこれも何度手放しても買ってしまう本。
他のアリスも読んではみるが、ピンとこない。
結局、自分の中では矢川澄子翻訳版が一番しっくりくる。
例えば
88-89ページ
'Would you tell me, please, which way I ought to go from here?'
「あのう、わたくし、ここからどの道を行けばいいか、教えていただきたいんですけど」
'That depends a good deal on where you want to get to,' said the Cat.
「そりゃ、あんたがどこへ行きた