小林由香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
週刊誌記者の今井柊志は幼少期、兄が殺人容疑で逮捕、父と母は失踪し、姉は事故死という壮絶な過去を持つ。
その27年後、自身と姉をモチーフにしたかのような小説を発見。雨宮世夜という覆面作家の正体は?この小説を書いた目的は?
柊志は胸の内に秘めていた事件の再調査を開始するが、何者かに調査を妨害され…
謎の不可解性が高く、調査の過程で次々と新たな謎が発生するプロットでリーダビリティは高い。
一方、終盤の展開は色々な要素をぶっ込み過ぎて大味になってしまい感動には至らず。
親友同士が被害者遺族と加害者家族の関係になってしまうのは読んでいて胸が痛む。
毒親の元に生まれ、犯罪者の家族となってしまう柊志。普 -
Posted by ブクログ
これは凄い作品だわ!
ある意味問題作だわ!
あなたは究極の選択を選べますか!?
もし、、、
もしですよ、、、
あなたの大切な人が殺されたら、、、
あなたは「犯罪者に復讐してやりたい!」と思いますか?
「被害者と同じ目にあわせてやりたい!」と思いますか?
つまり、殺してやりたいと思いますか?
私は、、、
きっと思うでしょう、殺してやりたいと!
そして、実際にそれができる法律が作られたらどうします?
犯罪者を殺すことができる法律、『復讐法』が作られたら、、、
復讐法は、犯罪者から受けた被害内容と同じことを合法的に刑罰として執行できるものである
ただし、復讐法を選んだ場合、選択し -
Posted by ブクログ
週刊誌記者の今井柊志は、ある小説を読んで寒気がした。
それは覆面作家 雨宮世夜の書いた『ゴールドフィッシュ』という小説だった。
その小説の内容が、偶然だと片付けられないほど、柊志の幼少期の出来事と酷似している。
この思い出を共有できるのは姉の小夜子だけだ。けれど姉は27年前に事故でこの世を去っている。
著者は、なぜ姉弟しか知らない出来事を知っているのか?
そして、小説の発行日は7月7日…姉の命日だ。これも偶然なのか?
封印したい過去を持つ柊志にとって、人生を脅かす小説-。「【あの事件】を知る人物は脅威となりうる」
「週刊誌記者の自分は秘密を暴く側の人間だと安心しきっていたが、暴かれる側 -
Posted by ブクログ
主人公の翔子は、ニュースで亡くなった姉の夫の家から、行方不明になっていた少女の遺体が発見されたと知る。
姉は息子を産んですぐに亡くなっており、息子の良世に会うことは叶わずにいた。
翔子は事故で娘を亡くしており、兄と相談して良世を引き取ることにしたが、初めて会う良世は言葉を発さず、何を考えているかわからない。
どうしても背景にある容疑者とされる父親の影響を受けて、良世を怖いと思ってしまう瞬間がある。
ネットでは「悪魔の子」と噂され、これからどうなるのか不安を抱える翔子。
なんとか彼の本心を知りたいとする翔子の苦悩が綴られる。
2024.8.14 -
Posted by ブクログ
殺人犯の子供もまた、親の咎を引き受けなければならないのだろうか?
翔子はある日、亡くなった実の姉の配偶者が殺人で逮捕されたというニュースを耳にする。
姉の息子、甥である良世を引き取り共に暮らし始めるが、彼は心を開かない。
寡黙で、暗闇と共に生きている。
翔子もまた、暗闇の中で生きている。
彼女は、娘を亡くしている。
良世は悪魔の子なのだろうか。
やさしかった姉は翔子を疎んじていたのだろうか。
疑心暗鬼、猜疑心、恐怖、無関係、誰の心も読めない。
読者も翔子と共に、ざわつく心を体験する。
どうかどうか、おかしな方向にいかないで。
こんな時代だから、誰もが簡単に他人を攻撃してしまうから。
純粋 -
Posted by ブクログ
新鮮かつほぼみんなのハッピーエンドが良かった
恩人を捨てて逃げ出したとか、世間的無関心に陥ったとか、そんなことよりも登場人物それぞれが抱えていた苦悩がスッキリすらエンディングが素晴らしいと感じた。
ちょっとした掛け違いは、いつどこででも起こり得る。それらと向き合い、折り合いをつけながら前に進んでいく様がきれいに見えたってこと。
約30ページという少し長めのエピローグのような後半の謎解き部分はもう少し整理できそうな気がするし、唯一救われないある意味の真犯人だけが取り残されているの、気の毒に感じたけれど、短めの物語を楽しむことができた。
他を読んで良かったから本作を手に取ったはず。さらに他