小林由香のレビュー一覧
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本男さんのおすすめだったので読んでみた。
ある日突然、亡くなった姉の息子を引き取ることになる主人公。
しかし、その理由は、父親が殺人で捕まったため…
「殺人犯の息子」との向き合い方への迷いがちみつにえがかれていて、殺人犯の血を継いでいるという事実に慄いたかと思えば、「子供に罪はない!」と先入観を持ちすぎないようにしたり…
とにかく気を使うよなぁと思います。
息子の良正は頭のいい男の子で、本当によくできた子です。
蟻の手足をもいだりとするような、子供の頃なら誰でもやるようなことですら、殺人犯の息子というレッテルのせいで必要以上に恐れてしまう。
難しいなぁと思いました。 -
Posted by ブクログ
悪質ないじめを受ける高校一年生の主人公が、ゴーストリバーと呼ばれる河で自殺を図ろうとする。その河で「死ぬなら暇なんだろ」「どうせ死ぬなら誰かの役になってからにしろ」とのたまう不登校がちのクラスメイトに出会い、物語が展開していく。
そのクラスメイトは不気味で、何を考えているか全く分からず、だけれど主人公や読者を惹きつける何かがある。
彼らを取り巻く登場人物も、良い意味でも悪い意味でも魅力的。ページを巡る手が止まらなくなる。
小林由香さんの小説は、痛みのなかで人の弱さを包んでくれる、優しい光を感じさせる何かがある。
「まだ人を殺していません」でもそうだが、声にならない絶望感な叫びをあげる子どもの心を、拾い上げようとする。
拾い上げようとしてくれる人もまた、叫び続けている人だったりする。
身体から出る血は赤いから傷ついたら誰かが気づいてくれる。だれど、心の傷から流れるものには色がついていなくて、誰からも気づかれないことが多い。
子どもたちの心の傷に気づき、行動を起こせる大人がどれくらいいるのだろう。
少子化対策が叫ばれているなか、私たちができることは、今現在を生きている子どもたちの心の叫びを拾い上げ、向き合い、将来家族をもつことに希望を持ってもらうことではないだろうか、と思ってしまう。 -
Posted by ブクログ
終盤で思わず泣いちゃった…
児童虐待や少年犯罪、リンチ殺人事件の加害者家族に対するいじめなど重いテーマを扱った作品です。
中盤は主人公の姉があまりにも気の毒すぎて読むのがとてもしんどかったです。
未成年の不安定な正義感と排他主義によるいじめはとてもリアルで想像しやすかったです。
社会に問いかける問題も多く、その中でミステリー要素もあったので読みやすく面白い作品でした。
でも面白いという表現は不謹慎かな…
ラストは希望を感じさせられるもので良かったです。
いい話を読んだな~~~という感想で締めくくりました。
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誰も知らないあなたの過去が、もし、小説で暴かれていたらーー。
言葉で私たちを攻撃する魔者は誰だ?
SNSの炎上、加熱する週刊誌報道……人の不幸を喜ぶ人間がいる。
──お前たちを守るため、人間を喰おう。そうしよう。
衝撃のデビュー作『ジャッジメント』の著者、書き下ろし長篇ミステリ
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ネタバレ悲しい、悲しい事件の話。
ある日週刊誌の記者が本を読んでいると
自分の過去と酷似した内容の本と出会う。
と、同時に
職場に自分を告発するメッセージや、
過去を探るなという警告が届く。
本の作者の意図とは?作者は誰なのか。
告発や警告の犯人は誰か。
少年集団リンチによる死亡事故って
世の中には本当に沢山ある。
それ自体、すごく悲しいことなのに
加害者の家族と、被害者の家族が親友であったり、事件の後に出会って助け合ったり、恋に落ちたり。
なんとも人間関係がごちゃごちゃしていて、切ない。
加害者家族に非がないパターンなんて
きっとほとんどなんだろうけど
自分の家族が"加害者"になった瞬間から
周囲の目は変わるんだろうな。
自分は悪くないし、自分は自分!って思っていても
同じ血が流れているんだから、、いつ何が起こるかわからない。と、不安になることもあるだろう。
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Posted by ブクログ
2011年第33回小説推理新人賞
日本の近未来
「復讐法」が制定される
被害者の親族は自ら加害者に裁きを与える選択肢を持つ
各事件の5章から成り
それぞれの事件の被害者家族の心情と
加害者との関係性を
緊張感と苦悩をもって描かれていきます
復讐で被害者家族は救えるのか
どんなに考えても結論は出ないけれど
新人賞とは思えない作品で
各章の事件と復讐方法がよく考えられていて
それぞれが違った方向から考えさせてくれる
これが事件そのものの抑止力となるのであれば
一つの方法であるし
一部であっても 復讐で救われる被害者家族が居れば 一つの選択肢になるのかもしれない
と、思いました
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Posted by ブクログ
悲しくて、やるせなくて、胸が苦しくなるお話だった。
特に最後の話が一番辛かった。
虐待やいじめなど、酷い事件をニュースで聞くたびに「犯人も同じ苦しみを味わえばいい」と何度も思ったことがある。
ただそれが現実に可能になったとしても、神様が罰を与えてくれるわけはなく、結局誰かが手を下さないといけない。
自分の大切な人が酷い殺され方をしたとして、同じことをやり返していい権利をもらったとしても、それを実行して新たな苦しみがプラスされるだけ。
かといって、許すことも忘れることも出来ない。
そう考えたら救われる道なんて何もないのかな、とも思える。
自分だったらどうするか、ずっと考え続けるだろう。