小林由香のレビュー一覧
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「児童保護救済法」という法律が可決された世界を舞台に、虐待やいじめ、貧困などで苦しむ子供たちを救うための「児童救命士」を主人公とした小説作品で、4つの事件が連作短篇形式で語られています。
「子どもを救う」という、まさに失敗が許されない仕事に対して、恐怖を感じながらも真正面から取り組もうと奮闘する主人公や、その傍らに立ちつつも昼行灯のように何の役にも立っていないように見えるのに、しっかりと真相を把握している先輩など、登場人物のキャラクターもしっかりと描かれています。
なにより、辛く厳しい環境におかれて崩れ落ちそうになる子供たちを、ギリギリのところでつなぎとめている児童救命士たちの活動には、創作 -
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最終話のジャッジメントを読み終えて、
二の腕には鳥肌が立ち、背中は粟田って
身震いし、言葉では言い尽くしきれない
さまざまな感情に心が震えました。
第1章 サイレン
第2章 ボーダー
第3章 アンカー
第4章 フェイク
第5章 ジャッジメント
凶悪な犯罪に対し法改正で“復讐法“が生まれ、
被害者側が加害者へ合法的に復讐することが
認められるように変わった時代。
ただし、復讐の執行は被害者側が自らの手で
行い、かつ被害者が受けたことと同じことを
加害者に対して応報する。
大切な人を失った悲しみ、怒り、後悔、
憤り、喪失感、虚無感、やり場のない
さまざまな感情を抱えて思い悩む被害者と
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葉月翔子は、5歳だった娘を交通事故で亡くし、夫と離婚してから1人で暮らしている、元美術教師だ。
ある日、亡くなった姉の夫である南雲勝矢が、自宅に2人の遺体をホルマリン漬けにしていたという事件が起きる。
勝矢と亡き姉の息子である良世(りょうせい)は小学生であり、もし翔子の娘が生きていれば同じ年だ。
翔子は、兄から頼まれて良世を引き取る決意をする。
良世は場面緘黙症であり、当初言葉でのコミュニケーションをとることはできない。
ただし、絵が抜群に上手い。
少しづつ言葉を交わすことができるようになっても、良世が何を考えているのかは、よく分からない。
良世の父親が老婆と幼女を殺害して首を切断し死体を保 -
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著者初読み。
死んだ姉の子良世と同居することになった翔子。父親が猟奇殺人を犯している良世は、場面減黙症となって口を閉ざし、何を考えているかわからない。翔子は娘を事故で亡くしており、その過去が良世との関係にも影を落とす。
彼との関係を良好にしたい翔子は、姉の親友の助けも借り、何とか良世が口を聞くようになる。
しかし、翔子が良しと思った決断も、「翔子さんは神様じゃないのに責任がとれるのですか」との良世の言葉が暗示するがごとく、二人の環境が暗転する。
現代を舞台にした場合、ISNなどネット関係を取り入れない小説はあり得ず、本書でもネット社会の負の側面が物語の展開に影響を及ぼす。
不穏な状況の連続に、 -
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ネタバレ「大切な人が殺された時、あなたは『復讐法』を選びますか?」衝撃的な問いで始まる物語は、復讐法の”残酷さ”を語っているようです。同時に”復讐の意味の無さ”も。
被害者の無念は、どうすれば救われるのだろうか。その家族はどう受け止めればいいのだろうか。加害者はどうすれば赦されるのだろうか。そして、裁判は正当な判断を下せない。ときに、加害者に優し過ぎたり、反省にならなかったり。だが、同害報復が解答とも思えない。きっと、被害者家族の願いはそこにはないのはないかと、と思えてしかたがない。
”復讐”は、選択肢としては「あり」かもしれないが、選んでほしくはない。「人を呪わば穴二つ」にならなければよいと祈る -
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ネタバレ読書備忘録699号。
★★★★☆。
小林由香さんを読んで苦しむシリーズ。笑
苦しかったです。ただ、小林さんらしくラストは救いのある終わり方でした。
主人公音海星吾、大学2年生。
ベランダに「カガイシャハシネ」と書かれた文庫が投げ込まれる。どうやら何かしらの事件の加害者とされていることはわかる。
動揺する気持ちを落ち着かせ、大学に向かう。
最寄り駅で電車に飛び込もうとする男性を救う。ただ、「昼間に飛び込むな。迷惑だ。飛び込むなら深夜にしろ」と暴言を吐く。
その場に居合わせた女子大生が「今の発言でこの男性が今夜自殺したら、貴方のせいだ!」と星吾を罵る。その言葉に星吾は動揺する・・・。
星吾の -
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表題作「ジャッジメント」を含む5編収録の連作短編集で、著者のデビュー作。表題作は2011年第33回小説推理新人賞を受賞した。
日本に復讐法というものがあったらという架空の設定だが、実に興味深い内容だった。復讐を実行するのは、殺された被害者遺族。しかも殺された方法と同じ方法で復讐を行うというもの。加害者のことを殺してやりたいとは思うのかもしれないが、それで被害者遺族の悲しみや憤りが救えるのかというと必ずしもそうとも言えない。自分も加害者になってしまうという意識が働くからだ。
人が人を裁くことの難しさや葛藤などを様々なシチュエーションから描き出しており、考えさせられることが多い。読み始めたと