小林由香のレビュー一覧
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中3の女の子が同級生を殺した。
小説の新人賞に応募したのに落選したから殺した。
殺された子が同級生をいじめていたから殺した。
自分がいじめられていたから殺した。
二転三転する犯行動機。
そして「自分の本当の動機を見つけて欲しい」そういう彼女の真意はどこにあるのか。
一筋縄ではいかない、思春期の難しい感情がうまく書いてあるように感じた。大人びているようで、でも自分の犯した罪は、ただ目の前の殺人だけであるとしか気付けない。
主人公の強引なやり方で、彼女は自らの罪に向き合うようになれたのだろうか?!
その時、父親はどうしていたのか?なんとなくもやもやしたものは残るが、いちおう前向きな終わりかたでは -
Posted by ブクログ
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加害者は犯した罪を悔やみ反省するのか。
間接的に起こった事実を知ったとき、
身勝手な動機や嘘をどう捉え、そこから
反省は生じ更生できるのか。
人は大切な人や身近な人を失ったとき、
何かできたのではないかという後悔の念を
抱え苦しみながらも、絶望から立ち直り、
再び生きようとする瞬間までの葛藤の物語。
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胸に大きな後悔を抱えながら、
篤志面接委員として少女の更生に携わる
元教師の白石結実子。
担当作家の自死をきっかけに心を塞ぎ、
生きる意味を見失った元編集者の小谷莉子。
結実子は大人びた加害者との面談を重ね
翻弄されながらも、遂に不可解だった
動機の真相に辿り着く。 -
Posted by ブクログ
中学生のときにカツアゲにあった主人公は
助けてくれた青年を置いて、通報もせずに逃げてしまう。
その結果、青年は亡くなり、
ネットで誹謗中傷を受けたり、嫌がらせでバイトを続けられないなどの影響を受けながら
大学生活を送っているという中で展開する物語。
冷静なときには、こうするべきと思っていても
実際に命が脅かされるような事件に遭遇したら
自分が正しい判断ができるかなんて分からない。
特に中学生にそこまで求めるにも酷だと思う。
でも被害者や遺族などの関係者からみたら、その後の影響は大きく、
許せないという気持ちも分かるし、答えは出ないな…。
(ただ無関係な第三者がネットで私刑にするのは、やは -
Posted by ブクログ
うーーーーん。
この本を紹介されて、どんな復讐を選ぶのか。そんなこと言っても復讐するって相当の覚悟が必要だから本当にできるのかって思いながら読みました
個人的には、復讐には反対です
もし、私が殺されたとしても、家族には絶対に復讐なんてして欲しくない。殺した相手と、同じ立場になって欲しくない
逆は?と聞かれても、私の大事な人を殺した人を同じ様に殺そうとは、私には思えないでしょう
そうしたって、その人は帰っては来ない。悲しくて辛くて赦せなくても、生きることに意味がもてなくても。
結局復讐なんて、悲しみしか生まない
赦す、ということの意味を問われている気もします。相手を殺さないという判断をし -
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カロリーゼロのコーラみたいな一冊。
うーーーーーん……なんだか騙されてる気がする。イジメの内容も復讐も描写が割と凄惨。あと全く関係ないモブキャラが虐待やら殺人事件やら起こすし、主人公は希死念慮持ってるし、離婚歴ある母とセクハラ教師疑惑がある継父率いる家族は崩壊しかけてるし、さらには壮絶な生い立ちだったメインキャラは病死するしでもう登場人物全員が満身創痍なので「笑顔」とか言うワードが文中に出てくるだけでそりゃもう「あぁ良かったぁ」ってなるのおかしくない?もう全てはラストの輝きを引き立てるためにやってるとしか思えん。たいして安くないのに「小売希望価格から6割引」とかやってるスーパーマーケットの特売 -
Posted by ブクログ
小林由香『救いの森』ハルキ文庫。
子供たちを救おうとする新米児童救命士の奮闘を描いた連作形式の作品。推理小説のような一面もあり、面白い話もあるのだが、余りにもぶちこみ過ぎた最終話が全てを壊している。
最近、親が子供を虐待したり、育児放棄したり、虐めによる子供の自殺など悲しい報道をよく目にする。少子化が加速し、かつて国の宝と呼ばれた子供たちは減少の一途である。
児童保護救済法が施行され、虐めや虐待、誘拐など児童が命の危険を感じた時に腕に巻いた『ライフバンド』を起動すると児童救命士が駆け付け、児童の命を救うという架空の日本が物語の舞台である。
『第一章 語らない少年』。自分の窮状をなかなか