小林由香のレビュー一覧

  • この限りある世界で

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    中3の女の子が同級生を殺した。
    小説の新人賞に応募したのに落選したから殺した。
    殺された子が同級生をいじめていたから殺した。
    自分がいじめられていたから殺した。
    二転三転する犯行動機。
    そして「自分の本当の動機を見つけて欲しい」そういう彼女の真意はどこにあるのか。

    一筋縄ではいかない、思春期の難しい感情がうまく書いてあるように感じた。大人びているようで、でも自分の犯した罪は、ただ目の前の殺人だけであるとしか気付けない。
    主人公の強引なやり方で、彼女は自らの罪に向き合うようになれたのだろうか?!
    その時、父親はどうしていたのか?なんとなくもやもやしたものは残るが、いちおう前向きな終わりかたでは

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    2024年01月05日
  • まだ人を殺していません

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    殺人犯の息子。小学生。
    この子の性格がまぁ捉えどころがなくて翻弄された。
    そりゃ歪んで当たり前だろうけど、気が強いようで弱そうで、残酷であり傷つきやすくて。
    翻弄されたまま終わった感じ。
    感動とまではいかなかったな。

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    2023年12月09日
  • この限りある世界で

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    同級生を刺殺した女子中学生と篤志面接委員の女性とのやりとりが、すごい緊張感で引き込まれた。
    女性の正体がわかった時にそれまであった違和感の原因が一気に明らかになって唸ってしまった。
    心理描写はかなりよかったけどストーリーは予想内のラストだった。なんか物足りなさを感じた。

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    2023年11月25日
  • この限りある世界で

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    この限りある世界で
    小林由香さん

    胸の内は、わからない。
    難しい。

    ドミノ倒しのように、
    他人事だと思っていたことが、
    バタバタバタ。
    関係者になってしまう。

    未来を信じたい。

    小林由香さん。
    うまいです。

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    2023年11月13日
  • ジャッジメント

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    表題作は面白かった。
    登場人物の苦悩がリアルに伝わる。ストーリー展開も意外性があって小説として面白い。

    ただ、作中の拷問描写が読んでいて辛い。このトーンで一冊読み通すのは無理だと思い、途中脱落。

    小説としてはクオリティーが高いと思うので、残酷描写に抵抗が少ない人にはおススメ。

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    2023年10月16日
  • この限りある世界で

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    15歳の少女がクラスメイトを白昼昼間から教室で4回刺し、殺す事件が発生。何度も犯行理由を変える彼女を更生させるべく、主人公は篤志面接委員として本当の理由を探すこととなる。。。

    思ったよりも内容というかメッセージ性は薄い気がする。責任とか???

    複雑に絡み合う人間模様、軽快に進むストーリー、コロコロ変わる場面にサクッと読めた。
    最後のどんでん返し的な構成、ちょっと無理に狙いすぎて、少し読みにくくしてる感がある。

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    2023年10月05日
  • この限りある世界で

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    加害者は犯した罪を悔やみ反省するのか。
    間接的に起こった事実を知ったとき、
    身勝手な動機や嘘をどう捉え、そこから
    反省は生じ更生できるのか。


    人は大切な人や身近な人を失ったとき、
    何かできたのではないかという後悔の念を
    抱え苦しみながらも、絶望から立ち直り、
    再び生きようとする瞬間までの葛藤の物語。

    ーーーーー
    胸に大きな後悔を抱えながら、
    篤志面接委員として少女の更生に携わる
    元教師の白石結実子。

    担当作家の自死をきっかけに心を塞ぎ、
    生きる意味を見失った元編集者の小谷莉子。

    結実子は大人びた加害者との面談を重ね
    翻弄されながらも、遂に不可解だった
    動機の真相に辿り着く。

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    2023年08月29日
  • この限りある世界で

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    次へ次へとぐいぐい読ませる筆力のある作者。
    登場人物たちの心情を描き出すのがとても上手くて気持ちが揺さぶられたからこそ仕掛けとかそういう小細工無しで勝負してほしかったなとも思う。

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    2023年08月21日
  • チグリジアの雨

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    ネタバレ

    いじめられている少年と病気の少年の報復の物語。
    颯爽感はあまりないが、咲真少年の儚さに相反する厳しさには引き込まれるものがあった。
    登場人物の中で母親が1番腹が立った。

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    2023年08月20日
  • この限りある世界で

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    『中3女子、教室で刺され死亡』
    ショッキングな幕開けだ。

    殺人容疑で逮捕されたのはクラスメイトの遠野美月。

    犯行の動機は二転三転。
    小説の投稿サイトには「シルバーフィッシュ文学賞、最終選考で落選。哀しいので明日、人を殺します」の書き込みが。
    その書き込みに端を発しSNSは炎上。

    結果、新人文学賞を受賞した何の罪もない作家・青村が自死へ追い込まれる。
    やるせなさは募り、美月と誹謗中傷を書き込むネット民に怒りが込み上げた。

    美月が犯行に至った真の動機を知っても同情は出来ない。

    想像力を鍛え罪を償って更生してくれる事を祈る読後。

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    2023年07月27日
  • イノセンス

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    中学生のときにカツアゲにあった主人公は
    助けてくれた青年を置いて、通報もせずに逃げてしまう。
    その結果、青年は亡くなり、
    ネットで誹謗中傷を受けたり、嫌がらせでバイトを続けられないなどの影響を受けながら
    大学生活を送っているという中で展開する物語。


    冷静なときには、こうするべきと思っていても
    実際に命が脅かされるような事件に遭遇したら
    自分が正しい判断ができるかなんて分からない。
    特に中学生にそこまで求めるにも酷だと思う。

    でも被害者や遺族などの関係者からみたら、その後の影響は大きく、
    許せないという気持ちも分かるし、答えは出ないな…。
    (ただ無関係な第三者がネットで私刑にするのは、やは

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    2023年04月10日
  • イノセンス

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    一つの犯罪が、周囲の人間たちを狂わせる。
    佳作ながら深いテーマに挑んだ作品である。
    暴行現場から逃げ出した少年と、彼を命がけで守った青年。少年へのバッシングは強くなってきて……。
    作品の中で行われている出来事が我々の住む世界で行われている事と重なって慄然とする。報道や過熱するネットの書き込みなど背景にある深い闇を感じさせる一作。

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    2023年04月05日
  • 罪人が祈るとき

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    いじめの描写がツライ。本当にツライ

    私は、最初からの悪人なんていないと思っています。何が正しく、何が悪となるのか、そういった話は置いておいて、です
    犯罪に手を染めるとき、きっと何かのきっかけがある。それを理解できるのかどうかも別として

    人は人によって傷つき、でも人によって救われる

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    2023年03月25日
  • ジャッジメント

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    うーーーーん。

    この本を紹介されて、どんな復讐を選ぶのか。そんなこと言っても復讐するって相当の覚悟が必要だから本当にできるのかって思いながら読みました

    個人的には、復讐には反対です
    もし、私が殺されたとしても、家族には絶対に復讐なんてして欲しくない。殺した相手と、同じ立場になって欲しくない
    逆は?と聞かれても、私の大事な人を殺した人を同じ様に殺そうとは、私には思えないでしょう
    そうしたって、その人は帰っては来ない。悲しくて辛くて赦せなくても、生きることに意味がもてなくても。

    結局復讐なんて、悲しみしか生まない

    赦す、ということの意味を問われている気もします。相手を殺さないという判断をし

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    2023年03月22日
  • チグリジアの雨

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    カロリーゼロのコーラみたいな一冊。
    うーーーーーん……なんだか騙されてる気がする。イジメの内容も復讐も描写が割と凄惨。あと全く関係ないモブキャラが虐待やら殺人事件やら起こすし、主人公は希死念慮持ってるし、離婚歴ある母とセクハラ教師疑惑がある継父率いる家族は崩壊しかけてるし、さらには壮絶な生い立ちだったメインキャラは病死するしでもう登場人物全員が満身創痍なので「笑顔」とか言うワードが文中に出てくるだけでそりゃもう「あぁ良かったぁ」ってなるのおかしくない?もう全てはラストの輝きを引き立てるためにやってるとしか思えん。たいして安くないのに「小売希望価格から6割引」とかやってるスーパーマーケットの特売

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    2023年01月24日
  • 罪人が祈るとき

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     一人の少年の自殺を機に、加害者側に立った少年たち、復讐に燃える被害者遺族の心の葛藤を描いた重たい作品。家族を失った悲しみから「殺してやりたい」と思う被害者遺族の悲しみと加害者側の心の闇。そして復讐を実行に移してしまった場合、今度は加害者側に立ってしまうという現実。本当の罪人は誰なのか。
     自殺事件に絡む様々な人たちの思惑、心の闇。人が人を守ろうとするとき、誰かが犠牲になっているのかもしれない。「ある人にとっては善人で、ある人にとっては悪人」という言葉は現実世界を表現する言葉としてあまりにも重い。

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    2022年11月14日
  • ジャッジメント

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    近未来、凶悪犯罪が増加する中で、新しい法律が制定された。
    『復讐法』と呼ばれるその法律は、目には目を歯には歯を、という趣旨で、被害者遺族が犯罪者に復讐するという...

    ・サイレン
    ・ボーダー
    ・アンカー
    ・フェイク
    ・ジャッジメント
    の5篇

    人が人を裁くことの難しさ、人を赦すこと、自分を赦すこと、それぞれのテーマ毎に、苦しみと悲しみが描かれます。
    なかなか難しいテーマですね。

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    2022年07月10日
  • ジャッジメント

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    とてもショッキングな話。大切な人が殺された時に復讐法を選ぶか、、選択をすれば、応報執行者となり殺人した同じやり方で執行出来る。受刑者を前にして双方様々な葛藤がある。殺してやりたい程、憎いが自分の手でそれが出来るのか…執行しても心は救えるのか。辛い選択。

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    2022年06月09日
  • イノセンス

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    怪しげな人物が主人公の周りに配置されていて、それが二転三転する展開はエンタメ作品として面白かったです。真相が明かされてくると、トリッキーな人物が多く、こんなひといる?!こんな思考になる?!となりますが実は主人公を助けて命を落とした大学生の設定や人物像が一番非現実的に感じます、、、

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    2022年06月09日
  • 救いの森

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    小林由香『救いの森』ハルキ文庫。

    子供たちを救おうとする新米児童救命士の奮闘を描いた連作形式の作品。推理小説のような一面もあり、面白い話もあるのだが、余りにもぶちこみ過ぎた最終話が全てを壊している。

    最近、親が子供を虐待したり、育児放棄したり、虐めによる子供の自殺など悲しい報道をよく目にする。少子化が加速し、かつて国の宝と呼ばれた子供たちは減少の一途である。

    児童保護救済法が施行され、虐めや虐待、誘拐など児童が命の危険を感じた時に腕に巻いた『ライフバンド』を起動すると児童救命士が駆け付け、児童の命を救うという架空の日本が物語の舞台である。

    『第一章 語らない少年』。自分の窮状をなかなか

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    2022年05月25日