小林由香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
(第33回小説推理新人賞受賞)
大切な人が殺された時
あなたは「復習法」を選びますか?
そんな帯の言葉に惹かれて買った本です。
20xx年、凶悪な犯罪が増加する一方の日本で、
新しい法律が生まれた。
それが「復讐法」
「復讐法」とは、犯罪者から受けた被害内容と同じ事を、
合法的に刑罰として執行できる法律。
昔で言うなら、「仇討ち」のようなものなのだが、
果たして、それで被害者の家族の気持ちが癒えるのかどうか・・・
窓のない部屋の椅子に座らされ、
鎖でつながれた加害者に対し、
悲惨な復讐が始まる・・・
刑を執行しようとする被害者の家族、
それを見守る応酬監査官と -
Posted by ブクログ
ネタバレこの世に復讐法がある世界の話
復讐法の行使を見守る仕事側の目線
とても重くて、とても重かった
5つめの話が個人的に1番好み
兄妹ともに虐待をされてて、妹のみが亡くなった。
そにお兄ちゃんが妹のために復讐方を選ぶ
両親は確かに憎いし復讐したいけど
実は虐待の矛先が妹に向いたことで自分は安全だと安心してしまったその気持ちに苦しんでて、最終両親の解放を望んで自死を選ぶ
主人公が仕事を投げ出して助けようとしたけど最終助からなかった
わずか10歳
読んでて苦しくてどうしようもなかった
実際に復讐法があったらって今まで考えたこともあったけど改めて色々考えさせられた
考えても正解なんてきっとないけ -
Posted by ブクログ
咲真。この物語の素晴らしさは彼の存在に尽きる。
高校生の航基は母親の再婚をきっかけに田舎町に引っ越しをし、継父の勤める高校に通っている。
最初は順調にいっていた高校生活も、継父が女子高生にセクハラをしたという噂が広まりイジメのターゲットとされ、悲惨な毎日を過ごしていた。
航基は遺書が5枚になったら自殺をしようと決意し、5枚となった翌日、河で入水自殺を試みるが、石をぶつけてくる不思議な少年、咲真がいた。
同じクラスの咲真は、アンタッチャブルな存在で、誰も咲真を見えないように接していた。
そんな咲真が一緒に復讐をしないかと誘ってきた。
【ここからネタバレ】
やっぱりと -
Posted by ブクログ
号泣!読んでいて、恥ずかしいくらいに涙が出て、鼻水が出て、泣いた泣いた。
いい話だった。
これは心強いはず。孤独を感じいている全ての人に読んでほしい。
たくさんの人に勧めたい本。
11月25日世界報復デーのメッセージが泣ける。その通りだと思う。
「助けてください」と言おう。
リバートントン→水切り。意味があった。最後まで読んで伏線が繋がった。
上手くまとまらない。良書。
いじめ問題。
義父もお母さんも弟も、すごくウザいって感じていたけど、そうじゃなかった。
最後まで読んだらわかる。
石田さん、ありがとう。
チグリジアの花言葉→あなたを誇りに思う。
ググって出てきたのは、↓
チグリジアの花言葉: -
Posted by ブクログ
虐めに遭い、自殺しようとした高校生・航基。彼を救ったのは、謎めいたクラスメイトの咲真だった。咲真の提案した「報復ゲーム」を実行するため、それまではとりあえず生きることにした航基。しかしいったい何をしようと、させようとしているのかがわからない咲真の態度は不気味にも思えたり。この物語にどのような結末が待ち受けているのか、目の離せない作品です。
こういう題材を扱っているのだから当然といえるかもしれないけれど、とても痛々しい物語です。理不尽な理由から虐めに遭い、身も心も削られていく航基の気持ちがあまりに痛くて辛くて、「死ぬなんて考えないで頑張れ」とも言えない状態。とはいえ彼のことを親身になって心配して -
購入済み
復讐は有りか?
表題作で小説推理新人賞を受賞。この短編集がデビュー作となる。
被害者遺族が同じ殺害方法で加害者に対して合法的に復讐ができるという「復讐法」が施行されている仮想世界の話。
山田悠介さんの『復讐したい』が同様のテーマであるが、こちらの作品の方がリアリティーがあり、心情描写の深みがある。
自分は死刑廃止論者だが、自分の家族が惨殺されてもなお極刑を望まずに信念を貫けるだろうか?
ましてや、同じ手口で復讐するなんてことになったら、自分の心が壊れてしまいそうで、とてもできそうもない。
正義とは何か?を考えさせられる小説。