小林由香のレビュー一覧
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『心から流れる血は透明だから誰も気づかない』
物語が始まってすぐに出てくるこのフレーズ。
ここからもう一気読みでした。
この世界に入り込んだら、もう戻れません。
二人の少年の苦しみがどこへ向かうのか、気になって、こちらも苦しくて、心配で本を閉じることができなくなってしまいました。
基本的にイジメの話です。
もう、本当に、イジメてくるヤツら○ねばいい。お前ら○ね!と思ってしまう。そのくらい、イジメのシーンが酷すぎて……イジメに苦しむ主人公成瀬の姿が痛すぎて……
同じクラスの咲真と出会い、咲真に翻弄されているうちに、成瀬の気持ちや二人の関係に少しずつ変化が現れ……最後はもう涙が止まらなかった。
イジメてる方にも理由があるのかもしれないけれど、その先、一線を越えるか越えないかは、想像力なのだと思います。
今、苦しんでいる人達へのエールの1冊。
大人は全然分かってくれないのだと思う。
でも、苦しい時は大人に助けを求めてほしい。
読んで良かったと思える1冊。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本では、『人を信じる力』を試されます。
父が猟奇的な事件を起こし、悪魔の子と噂される少年。
その少年を、どこまで信じられるのか。
私は物語を読みながら、少年の肩書きや過去ばかりをみて、少年自身を信じてあげられなかった。主人公には信じていてほしいと願いながら。。。
すごい矛盾ですね。
過去や人の話や肩書き、家庭環境。
さまざまな情報をもとに、私たちは人を『こんな人だろう』と決めつけてしまうことが多い世の中だと思います。
けれど、真のその人を知るためには、ただ目の前のその人を見ること。共に時間を共有すること。信じることが必要だなと感じました。
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Posted by ブクログ
ネタバレ加害者の妹と、被害者の姉。
そんな立場にならなければ、永遠に続いていたであろう2人の友情に亀裂が入ってしまい、加害者の妹が自殺した(ように見える)結末を迎えてからの、その未来の話。
被害者の姉が書いた小説は、親友を悪者にしたかったわけでも、魔者に魅せられた愚か者にしたかったわけでもなくて、あの時無力だった自分に対する憤りと、親友に対する謝罪、そして、「自分が、魔物くらいに強かったら、こういう結末を迎えられたかもしれないのに」という幻想なんだろうなと、最後のエピローグを読んで思った。
「ふたりは、エスポワール」と言った魔物の言葉。あれは作者が魔物に自分を投影したからこその言葉だったんだろうなと。
当事者に限りなく近い、弟にすら分からない、あまりにも分かりにくい、贖罪のような、謝罪のような、後悔の塊のような、そんな話だったんだろうと思う。
事件さえ怒らなかったら、と何度も思ってしまうような、悲しい話。でも読後感は悪くなかった。 -
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なんか、こういう作品好きだぁ…ひたすら読んでいて苦しいけれど、個人的には好き!!
20XX年、凶悪犯罪増加に歯止めをかける目的で施行されたのが「復讐法」。被害者遺族は加害者に今まで通り旧法により裁かれるのを望むか、それとも自らの手で復讐をするのかを選択することができるというもの…。執行を見届けるのは応報監察官の鳥谷文乃…「復讐法」を選んだ被害者遺族の5つの短編集がこの作品です。
〇サイレン
未成年の少年にリンチ殺人された息子
応報執行者は父親
〇ボーダー
祖母を殺害した孫娘
応報執行者は母親
〇アンカー
心神喪失と偽り、無差別殺人を犯した青年
応報執行者は被害者たちの、母親、弟、婚約者の3名
〇フェイク
孫の危険を察知した予言者が、孫の友達を殺害
応報執行者は被害者の祖母
〇ジャッジメント
暴力、ネグレクトで餓死した幼女の実母と内縁の父
応報執行者は幼女の兄で10歳の少年
大切な人の命が突然凶悪な犯罪者の手で摘み取られてしまった時、どんなことを思うでしょうか?復讐にかられる?それでも赦す??私なら…嘆きますが、ビビりなので応報執行者にはなれないとは思います。でも、復讐したからって、応報執行者の気持ちが晴れるのか…そもそも、被害者が戻るわけではないのに…ね!読んでいて一番苦しかったのは最終話、表題作の「ジャッジメント」で泣きそうになりました。ここまでレビュー作っててわかったこと、この作品の加害者クズばっかりでしたよ! -
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週刊誌記者の柊二には、幼い頃に兄が殺人を犯し、姉が事故死したという過去があった。そして限られた人間しか知らないであろう姉と自分との思い出が、とある小説の題材にされていることに気づく。その小説の作者は何者なのか、そして何を伝えようとしているのか。真相を探り自らの過去とも向き合う覚悟をした柊二に、不穏な魔の手が迫る。スリリングで痛々しく、しかし穏やかな優しさと切なさも感じられるミステリです。
常々思うことだけれど、事件の加害者家族はなぜこれほどまでに苦しめられないといけないのでしょうか。親はまだしも、兄弟姉妹なんてとばっちりでしかないのにね。そしてその偏見や排除によって新たな悲劇が起こってしまうこともやりきれません。
なので今回のこの物語も、読み進めるのは非常につらいお話です。苦難に晒される加害者家族、事件によって引き裂かれてしまった友情、そして残された人たちの深い悔恨。一方では無関係な人たちによる批判や流言に腹が立ち、だけれど世間的にはそうなってしまうのが大多数なんだよなあ、と暗澹たる気分になります。どちらが「悪」なのかわからない。そういう意味では、「魔物」は間違いなく誰の心にも存在するものだと実感させられます。
真相もまたあまりに切なくて、だけれど救いはあります。そして柊二の置かれた環境の温かさもまた素敵。とはいえ、それは柊二自身が自ら築き上げたものなのだということを忘れてはいけませんね。 -
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一気読みしました。
福岡観光するのに飛行機の中で読む用に買ったのですが、読み始めたら止まらず、福岡着いても観光中も本の続きが気になって、観光は早々切り上げてカフェに寄り読み続けました笑
残虐な事件を起こす悪人。決して許されないことをしたことに変わりはないけれど、彼等はなぜ犯行に及んでしまったのか。彼等の生い立ち、バックグラウンドを考えずにはいられません。彼等の味方をするつもりはもちろんないけれど、彼等が出会う人が違っていれば、悪人にならずに済んだのではないか。表面的な出来事だけで人を判断して決めつけることは簡単。でもニュースで知らされる事実だけで、外から批判する人にはなりたくない。
人のことを大切にできるのは人から大切にされてきた人だから。
だれと出逢うかで変わりうる人生。
とても大切なメッセージが詰まった一冊。
良世が翔子と出会えてよかった。翔子が良世と出会えて心からよかった。 -
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ネタバレ過去の事件から心を閉ざした主人公、星吾の心情が丁寧に描かれていて、とても惹き込まれた。
大学生になった星吾が嫌がらせを受けたり殺されかけたり危ない目に合うが最後の方まで誰が犯人か私はわからなかくて全員が怪しく見えてドキドキした。
やっぱり光輝…か…と思った時は、絶望的な気持ちになったけど、それでも光輝を1番に思う星吾に涙しました。
読み進めていくと、ちゃんと友情はあった、紗椰ともちゃんと惹かれあっていたとわかって、安心しましたし、結果みんなハッピーエンドで本当に本当によかった。
星吾の描いた絵のくだりも泣いてしまいました。
とにかく、心を完全に閉ざしていた主人公が徐々に変わっていくのがよかった。 -
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主人公は高校1年成瀬航基、母の再婚により転校した先でいじめの標的になってしまう。今後に絶望した航基は自殺したいと思い詰め遺書をしたためたが、決行日にクラスメイトの月島咲真と出逢い踏みとどまる…。
読み終えていじめだけではない…人々の苦しみは声を上げることが遠いようでも一番の近道であること、そんなときに声をあげた人々に寄り添える人になりたいなぁ…と感じました。航基のおじいちゃんのキャラも個人的には好きです。航基が咲真と出会えてよかった、最後は涙なしでは読めませんでした。小林由香さん、初読みでしたが他の作品も読んでみたい…この作品はおすすめです!