無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
【Innocence:[名]無罪、潔白】
音海星吾は美術サークルに所属する大学生。中学生時代、不良に絡まれた星吾は、彼を助けようとして身代わりに刺された青年を見捨てて逃げてしまう。青年はその後死亡したため、星吾はネット社会を中心とした世間の誹謗中傷を浴び続ける。
大学入学後も星吾は心を閉ざして生きていたが、ある日、ホームから飛び降りようとした中年男性に「そんなに死にたいなら、夜にやってよ。朝やられると迷惑なんだ」と心無い言葉をぶつけてしまう。現場を目撃していた同じ大学の学生・紗椰にその言葉を批判されるが、それがきっかけで星吾は彼女と交流を持つようになる。星吾は心惹かれるようになった紗椰に思いを告げようとするが、自らの過去の重みのため、踏み出すことができない。コンビニのバイト仲間の吉田光輝、美術サークルの顧問・宇佐美ら周囲の人間との交流を通して、徐々に人間らしい心を取り戻しかける星吾。
そんななか、星吾を狙うように美術室の花瓶が投げ落とされ、さらに信号待ちの際、車道に突き飛ばされるという事件が起こる。星吾を襲う犯人の正体は? そして星吾の選択とは――。
一度過ちをおかした人間は、
人を好きになってはいけないのだろうか。
魂を揺さぶるラストが待ち受ける、慟哭のサスペンス!
Posted by ブクログ 2020年10月11日
作品を発表するたびに、社会的な問題を提起する作者。
今作では14歳の時に恐喝から救ってくれた男性が刺されたのにも関わらず、警察にも消防にも通報せず、逃げてしまったことでその男性を死なせてしまった大学生の苦悩の物語。
帯では「事件の加害者は人を好きになってはいけないのか」と問いかけているが、厳密に言う...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月01日
星吾は中学生の時にカツアゲにあった所を、通りすがりの大学生に助けられる。だが、その大学生はそのまま暴行をうけナイフで刺されてしまう。
助ける事ができずに逃げた星吾。亡くなってしまった大学生。
星吾が、その後背負った物の重さに終始苦しい。
家族の優しさに触れて泣きそうになるが、ずっと眉間にシワ寄せなが...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年02月16日
『ジャッジメント』『罪人が祈るとき』『救いの森』と立て続けに問題提議作品を発表される小林由香さん。
タイトルの『イノセンス』意味は「無罪、潔白」本作はその意味通り、法で裁かれない者の贖罪がテーマだ。
中学時代、不良に絡まれた星吾は彼を助けようとして刺された青年・氷室を見捨て逃げてしまう。
その後...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月12日
中学生時代に恐喝されているところを助けてもらったのに、その後見殺しにし逃げてしまったことで世間から吊し上げられた少年。心を閉ざして生きてきたけれど、大学生になりバイト仲間に心を開き始めたところでまわりに不穏なことが起こり始める、というミステリー。
自分を守ろうと、つい逃げてしまったことで取り返しの...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年01月18日
自分にとって、大切な人がトラブルに巻き込まれ、理不尽な形で亡くなってしまったとき、きっと、多くの人がその命を奪った相手に対して"憎しみ"を抱くと思う。
だが、もし、憎みに憎んできた相手が、自分と同じくらい"苦しみ"を背負って生きているとしたら、果たして、それ...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年11月07日
デビュー作『ジャッジメント』で度肝を抜かれた小林由香氏の最新作『イノセンス』。
本作も非常に考えさせられるものがあった。
あらすじであるが、
不良3人からカツアゲされていた中学生がある若者に助けられた。しかし、その若者は不良にナイフで刺されてしまった。その場でその中学生が助けを呼べばその若者の...続きを読む
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。