小林由香のレビュー一覧

  • チグリジアの雨

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    ネタバレ

    母親の再婚で田舎の高校に転校して、いじめに遭う。
    継父である高校教師が生徒にセクハラをしているという理由で…。
    不条理な目に遭うたび心は削られ、誰にも相談出来ずに我慢の限界。
    選んだのは「死」。
    5つの遺書を書き、誕生日に河で死を決意した時にクラスメイトと会い、そこから報復ゲームへ参加させられることとなる。

    いじめ問題というのは、テーマが重くて暗く心の中がもやもやとしてくるので好んで読まないのだが、これは自殺を少しでも考えたら手にしてほしいと思う本。

    正直、本当に心が荒んでる時に読書はしないのかもしれないが…。

    ここに書かれている遺書は、他人に向けた悪意なんて少しもなく、自分の変わりたい目標が綴られている。
    だからかもしれないが、救いがある。

    誰ひとりとして不要な人間なんていないと伝わってくる。

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    2021年12月28日
  • チグリジアの雨

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    ネタバレ

    どれほど残酷な記憶だとしても、
    君と一緒に過ごした日々を、
    僕は永遠に忘れることはできないだろう。

    今も世界のどこかで、
    紫色の雨が降り続いているはずだから。


    東京の中高一貫校から母の再婚によって転校した成瀬航基は転校先の高校の体育教師である継父が生徒の安藤菜々子にセクハラをしたという噂が流れ、クラス中の酷いいじめに遭います。
    いじめの首謀者は絹川淳也で菜々子に好意を寄せる男子生徒です。

    家族とも上手くいかなくなった航基は、遺書を書いて自殺をはかろうとしたところ、同じクラスの月島咲真に止められます。

    そして航基は咲真の手引きによって同じくいじめに遭っていた青柳麻衣と共に三人で淳也を殺す一歩手前まで痛めつけます。

    咲真は、11月25日を「世界報復デー」として理不尽に人を苦しめた奴らに同等の痛みを感じさせる日にするのだと言い放ち、航基のパソコンから世界中の子どもたちにメールを送っています。

    全部ストーリーを紹介したいくらいですが、無理なので端折りますが、咲真はなぜか学校に来なくなり、航基は咲真の言葉によって真実を知ろうとし、継父の無実を知り、いじめていた生徒たちに自力で反撃します。

    そして最後の第四章は涙腺のそれほど緩くない私でも涙なしには読めませんでした。
    描いてある言葉、すべて書き写したいくらいですが、この作品に興味を持たれた方は読んでみてくださいとしか言えません。

    航基と咲真の間にはこれ以上ない絆が結ばれていました。
    咲真の世界に発信した想いも届けられるようにと願ってやみません。

    私は日本の15歳から20歳の死因のトップがまさか自殺だとは知りませんでした。
    そうした子どもたちにも是非読んで欲しい本です。
    小林由香さんの本はこれで4冊目ですが、一番よかったです。

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    2021年11月24日
  • イノセンス

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    ネタバレ

    確かに主人公は罪を犯していない。自分の弱さから2人を見殺しにしたという罪悪感。しかし彼は生きている間、常にそれと対峙しないといけない。その苦悩を鮮明に綴った作品だった。主人公はそれにどう対峙すればよいのか?一方、故人の家族や恋人は主人公を恨み続けている。それを知ってしまったら、自分は幸せにならなければ良いのか?自死すればいいのか?故人のために祈り続ければよいのか?答えは「ない」あるいは「自分では決められない」ということなのか。主人公が最後に描いた表紙絵、彼の苦悩と赦してほしいという意思が見えた気がした。

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    2021年01月03日
  • 罪人が祈るとき

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    人間の感情、繊細で扱いづらい。感情は幸せ、憎しみどんなものにも成り得る。イジメや自殺、つまり負の感情には負の感情が集まる。自分の感情、他人の感情、感情は人生にずっと付き纏うやっかいなものだ。

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    2020年11月17日
  • 罪人が祈るとき

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    2020年7冊目。
    設定の妙で読ませた前作に比べると、物語自体のインパクトは控えめだが、圧倒的な人間ドラマは健在。一つ一つの場面がいちいち胸に響いて来る。許されざる罪人ではあるけれども、どうか彼の祈りが届きますように、と願わずにはいられない。

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    2020年11月11日
  • 「LABプロファイル」で人を動かす!

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    ネタバレ

    凄く腑に落ちる内容でした。自分や自分の周りを想像しながら読むと各タイプに当てはまる事例がたくさんあって、仲が良かったり馬が合わなかったりする原因がよく判りました。上司の立場や部下の立場で、プロファイリングを基にした影響言語を使う方法は、間違いなく今後の仕事運びや調整を楽にしてくれると思います。初めてLABプロファイルの本を読む人は、全てを解説したシェリー・ローズ・シャーベイの「影響言語で人を動かす」よりは、やさしく咀嚼してくれた本書のほうがわかりやすいと思います。

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    2019年06月02日
  • 「LABプロファイル」で人を動かす!

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    とても参考になった一冊♪


    プロファイルに関して興味があり、学んでみたいと思っていただけに、読みやすくありがたい一冊でした。

    現在していることとの興味もあり、また何度も読み返して、深めたい一冊です(^^)

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    2012年08月25日
  • ジャッジメント

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    かなり感情を揺さぶられた作品だった。ほぼすべての章で涙腺に来るものがあった。良作。

    設定は、殺人事件の被害者遺族が加害者に同じ方法で報復できる「復讐法」。一見すると「復讐は是か非か」を問う小説に見えるが、読んでいて自分が強く惹かれたのは、そこではなかった。

    この作品では、復讐を執行する過程で被害者と加害者の間に対話が生まれる。

    被害者は「なぜ大切な人を殺したのか」を知ろうとする。それは真実を知りたいからでもあるが、これから自分が行う凶行に「それでも相手は罰せられて当然だ」という正当性を得たいからでもあるように感じた。

    ところが、相手の奥深くまで入っていくと、単純だったはずの因果が崩れていく。

    加害者にも、そこへ至るまでの理由がある。

    もちろん、理由があれば罪が消えるわけではない。それでも、その人にも過去があり、愛する人がいて、恐怖や弱さがあり、その行動に至った因果がある。

    人は自分の理由を抱えて行動する。しかし相手に渡るのは、その「理由」ではなく「結果」だけなのだと思う。

    だから被害者には加害者の理由が分からない。そして今度は被害者が、自分の理由を抱えたまま報復する。

    世の中の悲劇とは、この連鎖なのかもしれない。

    特に刺さったのが、
    「私があのとき〇〇をしていなければ、今も〇〇は元気に笑っていたはずだ」
    というような、存在しなかった未来を思う苦悩だった。

    失った過去が悲しいだけではない。
    自分が別の選択をしていれば存在したかもしれない「今」が想像できてしまう。その分岐に自分自身が関与しているからこそ、人は自分を責め続ける。

    そして後半の『フェイク』『ジャッジメント』は、さらに残酷だった。

    『フェイク』では、人気占い師に子どもを殺された母親が、偽りの情報によって自分自身を責めるようになり、最後には自殺する。自分には、情報戦を仕掛けた加害者側が勝ち、復讐法による正義が失われた結末に見えた。

    表題作『ジャッジメント』では、ネグレクトによって妹を死なせた実母とその内縁の夫に対し、兄が「食事を与えない」という同じ苦しみを与える。しかし最後には兄自身が食事を取らなくなり死亡する一方、母たちは食事を与えられて生き残る。
    ここでも復讐法による正義はなかったと感じた。

    そして読み終えて、一つ怖いことを考えた。

    この復讐法は、責任感が強く、優しい人間ほど先に罰してしまう制度なのではないか。
    相手を単純な「悪」として処理できる人なら、復讐を終えて生きていけるのかもしれない。

    しかし、相手の事情を知ろうとする人、自分自身の責任まで考える人、自分だけを例外扱いできない人は、相手を裁いた後、今度は自分自身を裁き始める。

    そして、復讐を終えても人生は終わらない。
    翌朝が来る。
    自分がしたことを抱えたまま、その後の人生を生きなければならない。

    法律による刑罰には終わりがある。しかし、自分自身による裁きには刑期がない。
    だからこの作品で最も残酷だったのは、復讐そのものではなく、
    相手を裁くためにその人の奥深くまで知ろうとした結果、最後には自分自身まで裁かずにはいられなくなることなのではないか。

    復讐するか、しないか。
    どちらを選んでも、それを選んだ人間の人生はその先も続く。
    その人が自分を偽って生き続けるのか。それとも自分自身に最後の審判を下すのか。

    『ジャッジメント』というタイトルが、読み終わった後に一番重く感じられた。

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    2026年10月02日
  • まだ人を殺していません

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    途中まではエスターの様な子供を描いた作品かと思いきや、全く違う内容でした。
    深い傷を負った子供の不器用ながらも愛情表現をしていたり、少しずつ子供らしさを取り戻していく様に感動しました。

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    2026年09月29日
  • この限りある世界で

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    普通に面白かったし、後半は涙を流すほど色々な登場人物に感情移入してしまった
    ただ、たしかに中盤は物語が大きく進む場面があまりないので中だるみが少し目立った
    だがそこを超えると一気に物語が進むし、求めていた場面が見え始めてくる
    色々なことを考えさせられた

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    2026年09月07日
  • ジャッジメント

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    大切な人が無惨な殺され方をした。「あなたなら復讐しますか?」と問われたら、自分ならどうするのか。

    娘が、妻が、親が……そう考えるだけで頭が混乱する。復讐が合法だったとしても、自分は同じように相手を殺害するのか。答えが出ない。

    復讐したとしても、しなかったとしても、その出来事を一生背負って生きていくことになる。

    自分ならどうするのか。読んでいる間ずっと考えさせられる、重い作品

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    2026年09月07日
  • まだ人を殺していません

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    こーゆー育ち方した子どもは少年犯罪を犯すよね、の典型的な一例の生育歴をもった少年。
    主人公も読者も、その少年の不気味さや何を考えているか分からない心情にミステリー作品と思い読み進めていく。
    犯罪者になるかならないか、この少年は人を殺すのか殺さないのか、主人公(翔子)と少年(良世)の絆は深まるのか途切れるのか。。。
    ある出来事をどのように受け取るか、考えるかは人によるし、解釈できる方向も心の安定具合にもよるよね。
    子どもを養育することの難しさと尊さがテーマだけど、親も間違うことがあるし、子どもも何もわかってないわけじゃない。
    それでも向き合い続けることって大事だなと思った。

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    2026年09月02日
  • まだ人を殺していません

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    ネタバレ

    題名から想像した話とは全然ちがった。徐々に成長していく良世の姿がうれしかった。人を育てることは悩むことばかりだ。

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    2026年07月24日
  • まだ人を殺していません

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    ネタバレ

    猟奇殺人犯の息子、良世は噂されるような「悪魔の子」なのか…?そこが焦点のミステリーかと軽い気持ちで読みに入って大後悔。
    小林由香さんの作品はやはりそんな単純なものじゃなかった。
    亡き姉の息子である彼を引き取ることになった翔子を通して、子どもと真剣に向き合い育てる難しさ、信じ見守る苦しさががっつりとのしかかってくる。その重さに何度も押し潰されそうだったが、同時に幾度も心が震える忘れられない一冊になった。
    娘の抱えていた気持ちがわからないまま事故で失ってしまった翔子の過去も親として身につまされたな。

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    2026年07月11日
  • この限りある世界で

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    私の本当の犯行動機を見つけてください、とクラスメイトを刺殺した少女は言った。その少女は小説の新人賞受賞の一歩手前で落選した。最初はそれが哀しかったからという犯行動機を語っていたが、取り調べが続くにつれてころころ変わっていった。その小説新人賞の受賞者は自分の作品なんかが選ばれたから少女が人を殺すことになったんだ、と責めるようになり、世間からも少女の方が面白いとかなんでこっちが大賞なんだという声が上がる。1人の少女の行動がさまざまなところに影響を与える。その責任はどこにあるのか。
    その少女と向き合う篤志面接委員を通して彼女の動機を探っていくこの小説。
    人の心理を描くのがうまく、心に残るフレーズがいくつもあった。作中に大人は正解を隠す、とあったが、確かにそうだなと思った。子供だからという理由で詳しく言わなかったり、本当のことを隠したり。親はいつまでも子供と思っているが、子供はそう思われるのが嫌なわけでそこの区切りが難しいなと感じた。人には善と悪の両面がある、だから難しいし、犯罪を犯したとしても更生していけるんだなと思った。いい作品だった。

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    2026年07月10日
  • この限りある世界で

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    とある仕掛けがわかった時は、あっなんだそういうこと?という気持ちだったけど、そこからラストへと進むにつれての登場人物たちの気持ちや、過去にあった出来事にグッときた。
    もう取り返しのつかないこともあるけれど、少しでも明るい未来が見えて良かったです。

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    2026年07月05日
  • 魔者

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    人の心の傷…希望…自分の居場所ってどこだろう?
    被害者家族と加害者家族の心の葛藤
    ハッピーエンドでなくても少しだけ希望を残して終わってくれたのが 私にとっては唯一の救いである

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    2026年06月08日
  • ジャッジメント

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    ハンムラビ法典のごとく「復讐法」という新しい法律が制定された架空の現代が舞台です。
    著者のデビュー作ということですが大変センスのある発想力だと感じました。
    大切な人を理不尽に凶悪な事件で喪った人達が、その犯人に同じ手口で合法的に復讐するという物語です。
    その復讐の場面に立ち会う応報執行官という立場の若い女性職員が主人公です。
    連作短篇集となっています。

    復讐を望む人達の深い苦悩と悲しみが押し寄せてくる内容です。
    私はとても涙脆いので、よくある展開だと思いながらもめちゃくちゃ泣いてしまいました。
    どの事件も現実でよく起きているものです。
    特に目新しい事件はありません。
    それが逆に恐ろしいです。
    よくある事件、よく聞く物語、と片付けてしまうのは心が麻痺している証拠でしょうか。
    決して起きてはいけない凶悪犯罪を無くすにはどうしたらいいのでしょうか。
    私はきっと復讐を望むタイプの人間です。
    それに気付かされたことも少し怖いです。

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    2026年05月21日
  • この限りある世界で

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    面白かった
    一気に読めた
    読んでみても、進まない事も多いなか、久々にあっと言う間に終わってしまった
    作中にでてくる本、本当にあれば、読みたいと思った

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    2026年05月20日
  • ジャッジメント

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    犯罪者に同じ苦痛を与える「復讐法」が制定された日本を舞台に、被害者遺族の究極の選択を通して真の裁きと救済のあり方を痛烈に問うサスペンス

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    2026年05月18日