小林由香のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ母親の再婚で田舎の高校に転校して、いじめに遭う。
継父である高校教師が生徒にセクハラをしているという理由で…。
不条理な目に遭うたび心は削られ、誰にも相談出来ずに我慢の限界。
選んだのは「死」。
5つの遺書を書き、誕生日に河で死を決意した時にクラスメイトと会い、そこから報復ゲームへ参加させられることとなる。
いじめ問題というのは、テーマが重くて暗く心の中がもやもやとしてくるので好んで読まないのだが、これは自殺を少しでも考えたら手にしてほしいと思う本。
正直、本当に心が荒んでる時に読書はしないのかもしれないが…。
ここに書かれている遺書は、他人に向けた悪意なんて少しもなく、自分の変わりたい -
Posted by ブクログ
ネタバレどれほど残酷な記憶だとしても、
君と一緒に過ごした日々を、
僕は永遠に忘れることはできないだろう。
今も世界のどこかで、
紫色の雨が降り続いているはずだから。
東京の中高一貫校から母の再婚によって転校した成瀬航基は転校先の高校の体育教師である継父が生徒の安藤菜々子にセクハラをしたという噂が流れ、クラス中の酷いいじめに遭います。
いじめの首謀者は絹川淳也で菜々子に好意を寄せる男子生徒です。
家族とも上手くいかなくなった航基は、遺書を書いて自殺をはかろうとしたところ、同じクラスの月島咲真に止められます。
そして航基は咲真の手引きによって同じくいじめに遭っていた青柳麻衣と共に三人で淳也を殺 -
Posted by ブクログ
終盤で思わず泣いちゃった…
児童虐待や少年犯罪、リンチ殺人事件の加害者家族に対するいじめなど重いテーマを扱った作品です。
中盤は主人公の姉があまりにも気の毒すぎて読むのがとてもしんどかったです。
未成年の不安定な正義感と排他主義によるいじめはとてもリアルで想像しやすかったです。
社会に問いかける問題も多く、その中でミステリー要素もあったので読みやすく面白い作品でした。
でも面白いという表現は不謹慎かな…
ラストは希望を感じさせられるもので良かったです。
いい話を読んだな~~~という感想で締めくくりました。
❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀
誰も知らないあなたの過去が -
Posted by ブクログ
ネタバレ悲しい、悲しい事件の話。
ある日週刊誌の記者が本を読んでいると
自分の過去と酷似した内容の本と出会う。
と、同時に
職場に自分を告発するメッセージや、
過去を探るなという警告が届く。
本の作者の意図とは?作者は誰なのか。
告発や警告の犯人は誰か。
少年集団リンチによる死亡事故って
世の中には本当に沢山ある。
それ自体、すごく悲しいことなのに
加害者の家族と、被害者の家族が親友であったり、事件の後に出会って助け合ったり、恋に落ちたり。
なんとも人間関係がごちゃごちゃしていて、切ない。
加害者家族に非がないパターンなんて
きっとほとんどなんだろうけど
自分の家族が"加害者&q -
Posted by ブクログ
2011年第33回小説推理新人賞
日本の近未来
「復讐法」が制定される
被害者の親族は自ら加害者に裁きを与える選択肢を持つ
各事件の5章から成り
それぞれの事件の被害者家族の心情と
加害者との関係性を
緊張感と苦悩をもって描かれていきます
復讐で被害者家族は救えるのか
どんなに考えても結論は出ないけれど
新人賞とは思えない作品で
各章の事件と復讐方法がよく考えられていて
それぞれが違った方向から考えさせてくれる
これが事件そのものの抑止力となるのであれば
一つの方法であるし
一部であっても 復讐で救われる被害者家族が居れば 一つの選択肢になるのかもしれない
と、思いました
-
Posted by ブクログ
悲しくて、やるせなくて、胸が苦しくなるお話だった。
特に最後の話が一番辛かった。
虐待やいじめなど、酷い事件をニュースで聞くたびに「犯人も同じ苦しみを味わえばいい」と何度も思ったことがある。
ただそれが現実に可能になったとしても、神様が罰を与えてくれるわけはなく、結局誰かが手を下さないといけない。
自分の大切な人が酷い殺され方をしたとして、同じことをやり返していい権利をもらったとしても、それを実行して新たな苦しみがプラスされるだけ。
かといって、許すことも忘れることも出来ない。
そう考えたら救われる道なんて何もないのかな、とも思える。
自分だったらどうするか、ずっと考え続けるだろう。 -
Posted by ブクログ
もし、自分の家族が犯罪に巻き込まれたとして、被害者と加害者になるとしたらどっちがいいだろう。それが殺人事件ともなったら簡単に答えは出せそうもない。
以前『望み』を読んだ時、散々考えたけれど、なかなか答えが出せなかったことを思い出した。
さて、この『魔者』は、ある週刊誌の記者、柊二が自分の幼少期の記憶に酷似する小説を読み、疑問を持つ。その記憶とは、自分と亡くなった姉しか知らないはずの記憶だった。
その謎を解くべく、作家を探すことにした柊二。その頃から柊二の職場に『おまえの兄は人殺しだ』という嫌がらせの電話がかかるようになる。柊二の兄は『美麗村少年リンチ殺人事件』の犯人だった・・・。 -
Posted by ブクログ
『復讐法』か…
犯罪者から受けた被害内容と同じことを合法的に刑罰として執行できる!
今って、殺された被害者より、生きてる加害者の方の人権ばかり…
なので、こういうのをテーマにした小説できるんやろな。
自分の子供が、めっちゃな殺され方したら、感情としては、殺してしまいたい気持ちは分かるし、私もそう思うやろうな。
しかし、自分の手で、刑を実施しないといけない(相手を殺す)ので…
加害者と同じで、クズな人殺しになるって事なんで。
その刑が執行されるのを短編集5篇にして描いてる。
どれも、刑を受ける人は、受けるだけの資格がある(要は、思いっきりクズってこと!)ので、同情はしないけど、執行する人、