小林由香のレビュー一覧

  • まだ人を殺していません
    良い意味で裏切られました。子育ての難しさ、人との向き合い方など。

    自分の子供であっても、当たり前だけれど一人の人間で、今の私には必要な言葉の数々でした。言葉を話して紡いでくれる子供の話を、忙殺されながら向き合えずにいました。時間がないのはいいわけですね。一生懸命に聞こうと思わせてくれました。
  • イノセンス
    過去の事件から心を閉ざした主人公、星吾の心情が丁寧に描かれていて、とても惹き込まれた。
    大学生になった星吾が嫌がらせを受けたり殺されかけたり危ない目に合うが最後の方まで誰が犯人か私はわからなかくて全員が怪しく見えてドキドキした。
    やっぱり光輝…か…と思った時は、絶望的な気持ちになったけど、それでも光...続きを読む
  • イノセンス
    息苦しく辛い感情が続く物語でした。
    どの立場の苦しさも分かるからこそ、もどかしさでいっぱいで、1つの視点からでは見えないものが多いんだなと感じました。
    出会えて良かった作品です‪☺︎‬
  • まだ人を殺していません
    解説と被る感想になってしまうが、本を手に取った時になんとなく思い浮かべるストーリーに類似している訳でも、全く異なる事もない、圧巻される内容だった。作者の意のままに感情を振り回されてしまった。

    人の感情はいとも簡単に流されてしまい、固定観念に縛られて向き合うことを放棄してしまうものだなと感じた。
    ...続きを読む
  • まだ人を殺していません
    タイトルだけで手に取った本ですがその内容は衝撃的でした。読む前と読んだ後でタイトルの意味がぜんぜん違います。
    前半は不気味で不穏な雰囲気。後半は心を強く打たれて涙無しには読めなかったり心が暖かくなる様な場面がありました。
    前半の不気味さの謎が解けた時、子供の感情って繊細で複雑なのだと子を持つ親として...続きを読む
  • この限りある世界で
    素晴らしかった。
    久しぶりに読書に没頭できた一冊。
    残り少ないページで見えない終わりに、「最後のオチが面白くないパターンかな」という不安を一蹴する見事な顚末。
    教育者にはドキッと考えさせられる言葉もちらほらあったのでは。人間心理の動きもとても面白かった。
  • ジャッジメント
    著者お初。凶悪な犯罪が増加する日本で、新しい法律が制定された「復讐法」、この法律は被害者家族達を救えるのか?という近未来的なお話。五編からなる被害者家族の様々な葛藤はどれも深く考えさせられるし、「復讐法」で救えているとはとても思えない。作中、五十嵐の「報復できる権利を与えるが、やりたければ、相手と同...続きを読む
  • まだ人を殺していません
    本のタイトルを見て、まず衝撃を受け、裏の紹介文を読んだら”なぜか妙に惹かれて“手に取ってた1冊。

    「僕のこと…‥嫌いになったら捨ててもいいよ」

    最初の方は掴みどころの無い男の子という印象だったけど、最後まで読んだら、よりこの言葉が胸に刺さった。
  • まだ人を殺していません
    子育てを機に、自分の生き方を振り返ることが多いと友人が言っていた。
    きっと、似ていても、似ていなくても、何か思うことがあるのだろう。
    人生ってときに考えてもみなかったことが起こる。
    生きていくってなかなか大変だ。
  • まだ人を殺していません
    二転三転しながら深さを増していくストーリー展開。
    子を持つ母にはなかなか辛い内容もあるが、サスペンス要素を持ちながらラストは涙。
    最後まで一気に読みました。
  • この限りある世界で
    篤志面接員が双子だったのは意外だった。
    少女がなんだか雰囲気違うことに気づいていたあたり、1回目の面接、2回目の面接、ノートで見返していたところ、伏線はいろいろあった。
  • チグリジアの雨
    チグリジアの雨
    小林由香さん

    チグリジア
    花言葉。わたしを助けて。

    イジメ。自殺。
    辛くて悲しくて、
    打ちのめされそうな内容。

    涙が、止まらなかった。

    読んで良かった。

    課題図書にして、みんなが読んだら、
    イジメ。少なくなるかなぁー。


  • この限りある世界で
    現代的な話で鮮やかながら儚い雰囲気を感じる。
    後半の展開は急に感じるが、綺麗にまとまっていて読みやすい。
  • イノセンス
    読み進めているうちに、動悸がしてきた。
    過去を背負って生きる彼らを、重ねてしまった。
    どんな結末であっても、もう彼らの心の傷は癒えない。だからもう、やめて。そんなことを願ってしまうほど、苦しかった。
  • この限りある世界で
    小林由香作品、7冊目。ジャッジメントの衝撃から嵌っています。15歳の少女は新人文学賞の最終選考で落選し同級生を刺殺した。理由は被害者に虐められていたから。皮肉なことにその新人文学賞を受賞した作家が自殺。その理由は、殺人の加害者ではなく、自分が新人賞を受賞してしまったから、あの悲劇が起きたと考えてしま...続きを読む
  • 罪人が祈るとき
    あなたは、『少しはこの世界からいじめが減る』のであれば『復讐の日』を制定すべきだと思いますか?
    
    2021年度の小中高等における『いじめ』の認知件数が61万5,351件と過去最高を記録したことが文部科学省の統計によって明らかになりました。他殺による犠牲者が年々減り続ける一方で、『いじめ』という陰湿...続きを読む
  • イノセンス
    一気に読んでしまいました。
    少年の過ち…逃げてしまった愚かさに気がついた時自分の大切なひとを傷つけていた事、
    良い本でした。
  • チグリジアの雨
    主人公は高校1年成瀬航基、母の再婚により転校した先でいじめの標的になってしまう。今後に絶望した航基は自殺したいと思い詰め遺書をしたためたが、決行日にクラスメイトの月島咲真と出逢い踏みとどまる…。
    読み終えていじめだけではない…人々の苦しみは声を上げることが遠いようでも一番の近道であること、そんなとき...続きを読む
  • 罪人が祈るとき
    いじめがテーマの再生の物語。
    文句無しに、今年読んだベストスリーの一冊。

    『ペニー、僕はあなたに出会えてよかった。』
    最後のページが胸を打ち、ついウルウルとします。

    表紙の写真の、大空に浮かぶ沢山の風船は、そういう意味なんですね。
    多くの悲しみの中に、希望が感じられます。

    いじめにあっている少...続きを読む
  • ジャッジメント
    『目には目を、歯には歯を、その心境や如何に?!』

    被害者の家族が、自らの手で同じ手口で復讐できる『復讐法』復讐する人、復讐される人、復讐を監察する人、それぞれの複雑な心境を描く。悪法なのは間違いない…けど…救われる人、いるのかな?とても考えさせられる作品。