上田秀人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
全1巻。
だけど、別視点の
「天主信長〈裏〉 天を望むなかれ」とセット。
うむ。
本能寺の変の解釈は新しく、
少し強引な箇所はあるものの
それなりの説得力を持ち、
目から鱗だった。
ちょっとおおってなった。
おもしろい。
問題は、〈裏〉 を発表しちゃった事。
〈表〉は織田側視点で竹中半兵衛がメイン、
〈裏〉は黒田勘兵衛視点。
出版としては〈表〉 の別視点ですよって
セット感を押し出しているが、
前後関係が変わっちゃってたり、
想いや動機が変わっていたり、
視点が変わって見えてくる新たな真実とかじゃなくて
単純に別の物語にしあがってる。
基本は同じ物語なのに。
A案B案どっちが良い?ってだけ。
著者のあとがきでは、
捨てるに忍びなかった別案を、
文庫化にあたって〈裏〉 として出したとある。
ただの別視点じゃなくて、
読者が2度楽しめるように別の物語としたと。
しかし、別の物語と言えるほど違わず、
中途半端な調整レベルで、混乱しか起きない。
読者のための調整ではなく、
著者自身のための調整の結果だと思う。
上田先生は割とこうだよねって感じ。
設定とか凄く面白くて、
物語に引き込む力も強いのに、
ツメが甘い感じ。
そんなのいいから物語の核心である
上田版本能寺の真実について、
もっと深く掘り下げてほしかった。
〈表〉も〈裏〉も勘兵衛の動機付けが甘い。
あと信長の最期も。
やっぱり本気の伝奇ってより、
時代文庫が向いてる人なのかなあと思った。
ファンだけど。