上田秀人のレビュー一覧
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シリーズ第十三弾にして、完結巻。
将軍家の血を絶やそうとする者たちの存在が明らかになり、その理由を探る為過去の記録を辿っていた良衛は、三代将軍・家光の出生に関わる驚きの真相に辿り着きます。
それは触れてはならない徳川家の闇といえることで、知りすぎた良衛を消すために、漂泊者たちと彼らを束ねる中根新三郎が襲撃してきますが、真野さん達の助力を得ながら撃退します。
さんざん権力争いの渦に巻き込まれて大変だった良衛ですが、その後将軍から寄合医師への出世を命じられ、“矢切に手出しを止めよ”と側近の柳沢さんを通して良衛を狙う政敵に釘を刺してもらったので、ようやく一息つけそうです。お疲れ様でした。 -
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シリーズ第十二弾。
将軍の食事の異常な味付け(塩気が強すぎる)から、将軍家への悪意を察し探索を続ける良衛は、将軍・綱吉だけではなく、その兄の家系である甲府藩にもその悪意が及んでいることを嗅ぎ付けます。
ただ、良衛が探索の為“見舞い医師”として甲府藩の屋敷に赴いた事により、事情を知ると思われる甲府藩お抱え医師が消されてしまいます。
良衛も自分が留守の時に、妻子を狙われて家を襲撃されてしまいますが、真野さん配下の方々の助けで何とか無事でした。
どうも、“漂泊者”を束ねる“中根新三郎”という者が鍵を握っているようで、3代将軍・家光の頃からの根の深さがあるようです。彼らの目的はいったい何なのか、続き -
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シリーズ第十一弾。
大奥で将軍に出される料理に携わる仲居が起こした腹痛に疑問を持った良衛。
将軍・綱吉に目通りし、綱吉の脈などに異常を感じた良衛は、お伝の方に頼み込んで実際に将軍に供される食事を試食したところ、塩気が強すぎる味付けに疑問を持ちます。
この味付けが誰の申し送りだったのか、将軍の体調を視る奥医師たちが何故見逃していたのか(わざとか?)、疑問が募ります。
毎度のことながら、良衛が探索させられ、お約束のように妨害するべく襲撃されてしまうのですが、凄腕の浪人・真野さんが味方になってくれたので心強いですね。
私の中では真野さんはイケメンなのですが、どうなんでしょう。 -
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シリーズ第十弾。
良衛が持ち帰ったとされる和蘭陀の秘術を奪おうと、ついに良衛が思いを寄せる美絵さんが人質として攫われてしまいます。
以前良衛が貸しをつくっておいた浪人の真野さんの助けもあり、何とか無事に美絵さんを取り戻しますが、この騒動の黒幕として、将軍側室・お露の方の実家である房総屋と、義父・今大路兵部大輔の政敵・半井出雲守の存在が浮かび上がります。
房総屋は捕縛されましたが、半井出雲守と争う今大路兵部大輔は、お露の方に代わる側室選定の身体検査を良衛にさせるよう計画します。
そうすると、“良衛が側室を選ぶ”かのように噂が広がり、自分の娘を何とか側室にしたいと目論む旗本たちが良衛の元に殺到し -
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シリーズ第八弾。
良衛に抜け荷の薬草を見られたと勝手に勘違いしている南蛮屋と、良衛が和蘭陀流産科の秘術を習得していると勝手に思い込んでいる房総屋が、しつこく良衛を狙います。
(確かに薬草は見たけど、それが抜け荷のものだとは良衛は全然思っていない)
ついに出島で、オランダ人刺客にも襲われる始末。長崎奉行さんも良衛のトラブルメーカー(?)っぷりにうんざりしている様子です。
そうこうしている内に、将軍の命で急ぎ良衛を江戸に戻すようにとの通知が届きます。
せっかく長崎にきたのに、ろくに勉強できないまま帰らなけらばならないとは、何とも気の毒な良衛です。 -
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シリーズ第五弾。
前巻で起きた、伊賀者襲撃事件の真相を追うため、将軍の側室・お伝の方の局に通うことになった良衛。
京からきた礼儀指南役・山科が関わっている事が判明し、どうも朝廷が絡んでいるらしいと憶測されましたが、本人に自害されて真相はわからず。
今回の探索で、先達医師に痛くもない腹を探られたり、大奥出入り商人の恨みを買って襲われたり、弟子入りした若者が実はスパイで貴重な薬を盗まれたあげくにとんずらされるという、踏んだり蹴ったりの良衛でしたが、さすがに良衛を使う側も引け目を感じたようで長崎遊学というご褒美が提示されました。
ただ、今回の朝廷がらみの件を良衛が長崎に行く途中に京に寄らせて探らせ -
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シリーズ第三弾。
将軍の毒味役が謎の死を遂げます。この事件の解明を大目付・松平対馬守から命じられる良衛。
“自分は医師で、探索方ではない”と命令される事に難色を示す良衛ですが、大目付さんに脅されたり論破されたりして結局渋々動く羽目になり、例によって刺客に襲われ、危険な目に遭います。
そもそも、良衛と松平対馬守は、医師と患家(患者)の関係で上司と部下ではないので(勿論、身分の差はありますが)、良衛が“なんで自分がやらなアカンの?”と思うのはごもっともですよね。
今回も、終盤で良衛がせっかく将軍毒殺を阻止したのに、褒めるどころかダメ出しばかりするのはいかがなものかと思いました。大目付さんも、良衛 -
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シリーズ第二弾。
殿中で大老が斬殺された事件を、探るというか、“探らされて”いる良衛。
その動きを封じる為に圧力をかけられたり、刺客から襲われたりと、完全に貧乏くじ引いちゃった状態です。
良衛に探索をさせる大目付・松平対馬守も、良衛を便利に使って、いざとなれば切り捨てる気満々なのも何とも非情ですよね。
ところで、この大老・堀田正俊が殿中で若年寄・稲葉正休に刺殺された事件は、未だに謎の多い歴史ミステリーなのですが、著者の上田さんはこの事件にかなりのご興味をお持ちのようですね。別著書の「軍師の挑戦 上田秀人初期作品集」でもこの事件を取り上げていますし。
この巻での“解釈”もなかなか興味深かったで -
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シリーズ第一弾。
表御番医師として江戸城中の診療に努める、矢切良衛が主人公。
城内で起きた刃傷事件に不審を抱いた良衛は、真相を探るべく動き出したのを機に、彼の身辺がザワつきはじめ、刺客に襲われたりもします。
襲う側は良衛が医師ということで舐めてかかるのですが、良衛は元御家人ということもあり剣術の達人で、しかも外道(外科)の医師として人体を熟知しているという強みがあり、敵の急所をピンポイントで狙って撃退するという、なかなかの頼もしさです。
今後、良衛が様々な思惑や権謀術数に巻き込まれていくことは必至なので、どう乗り切っていくのか楽しみですね。 -
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シリーズ第十五弾。
越前福井松平家藩主・綱昌が書かされた“詫び状”を巡って、金沢では本多主殿(息子)、江戸では本多政長(父)がそれぞれ越前松平家を翻弄。
本多父子の策略家っぷりも大したものですが、何にせよ、越前福井藩に人材がいなさすぎますね。藩主を筆頭に皆が愚策を繰り返している感じです。それで自分達が対処できないのを“恨み”に変換してしまうので、今後また本多翁や数馬が狙われ続けるのでしょう。越前福井藩の元留守居役・須郷が逃亡してしまったのも気になります。
そして、ラストで紀州家の留守居役が爆弾発言。読者が「!!」となった状態で次巻へ続く・・と。どうする、どうなる!?