伊藤潤二のレビュー一覧
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原作である佐藤優著『国家の罠』をほぼそのままなぞってコミカライズしたものです。
人名や団体名は微妙にぼやかしていますが、まず実名がわからないことはないと思います。
原作者・佐藤優氏は今でこそ「知の巨人」などと言われ、知識人としての名声を不動のものとしていますが、『国家の罠』上梓前は世間的にはそれこそ犯罪者のイメージしかありませんでした。外務省は伏魔殿と言われ、そこに巣食う怪僧というキャラクターでした。そして、それを一変させたのが本書です。
本書は2つの場面を転換しながら語られます。1つは佐藤氏が外交の裏舞台でインテリジェンスオフィサーとして活躍しながらも、やがて政争に巻き込まれていく様を活写し -
Posted by ブクログ
ネタバレ何でこう伊藤順二さんの描く女の子はこんなに魅力的なんでしょう。
ず~っと見惚れていたくなってしまいます。麗美奈ちゃん。
たくさんの人が麗美奈ちゃんのファンになっちゃう気持ちも分かります。
でも、溺愛と憎しみは本当に表裏一体。
人間って狂うと怖いな。
よく「もし明日地球が滅びるとしたら何をしますか?」って質問があるけれど、私は地球最後の日が来たときに果たして心穏やかにいる事が出来るのだろうかと思ってしまった。
美しい麗美奈と美しい地球。
それを食い尽くそうとする狂った人々と惑星レミナ。
なんか対な感じがします。
あと『億万ぼっち』もひしひしと忍び寄る狂気がゾクゾクとして良い感じです。
何 -
Posted by ブクログ
「富江」でブレイクした奇才・伊藤潤二の、電波度満点恐怖コミックス。
(何だその紹介は)
このひとの作品を読むと、漫画という媒体はかくも凄いものか、と思わせる。白と黒だけで表現される二次元の世界に、捩れた空間を現出させる手腕。
全ての作品に言及できないのが残念(でもいつかは必ずここで書く!)だが、今回はこの作品について語りたい。
ひとことで言うならば、「うずまき」に囚われた人々と街の顛末。
吹く風もうずまきなら、火葬場の煙もうずまき、死体さえもうずまき。主人公は可憐な女子高生だが、ボーイフレンドとともに「うずまき」に立ち向かう。だが、だんだんと全てが「うずまき」に侵食され、狂っていく。
端正な