伊藤計劃のレビュー一覧

  • Running Pictures―伊藤計劃映画時評集1

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    ホームページに連載していた映画時評を二分冊にまとめたものの一冊目。名作以上に「とんでもない作品」に対する筆者の愛情が感じられて面白い。

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    2013年02月10日
  • Running Pictures―伊藤計劃映画時評集1

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    どんな形であれ彼の言葉を読めることは嬉しい。そしてこれを読むと無性に映画が見たくなる。すごいことだ。
    同時に死後公開された多くの映画を「ああ、この人ならどう評しただろう」と思わずにいられない。それを二度と目にすることができないのが残念だ。

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    2013年01月31日
  • メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット

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    ノベライズ、ということでなんというか、伊藤計劃成分は薄味で、物語に重点がおいてありました。もちろんそれがノベライズであり当たり前のことなので読む前から重々承知してたのですが。


    メタルギアのノベライズ。ゲームの1作目からのノベライズではなく、急に4作目のノベライズは非常に難しかったのでしょう。詳細に物語のルーツを書いてありますが、それでも伝わり切るものではありませんでした。それはとりもなおさずメタルギアシリーズの、ゲームという枠に収まり切らない物語性を示しているのでしょう。


    私はメタルギアシリーズをプレイしたことはありませんが、本作を読んで「自分がこのゲームを理解しきるのは不可能だ」と思

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    2012年11月12日
  • The Indifference Engine

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    デビューから長編二作、『屍者の帝国』へと続く流れを俯瞰できる短編集。作品によって完成度はまちまちだが、どれも筆者が描きたいものがしっかり伝わってくる、濃い作品ばかりだった。収録作のいくつかは既読だったけど、前後を考えつつ興味深く再読できた。特に『From the Nothing, With Love』は長編二作を繋ぐ非常に重要な作品で、単体としても十分の完成度があった。本当に「これから」が期待される作家だったのだなと感じた。『ディファレンス〜』から生まれた二人の作家がどういう作品を生み出すのか、期待大。

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    2016年01月17日
  • メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット

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    伊藤計劃が信者的に愛した小島秀夫の物語。「メタルギアソリッド」は、ぼくの中では戦争アクションゲームというジャンルとして抵抗があった。しかしそれは大きな思い違いだった。小島秀夫がPS3で一番新しい「メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット」で描こうとしたテーマは反戦であった。
    また、このメタルギアのステルスアクションと称されるゲーム性は、いかに敵と遭遇せず、敵を殺さずにミッションを遂行するかというゲームであり、このゲーム性自体が先のテーマを象徴している。そういえば「4」が出た当時、興味本位で体験版をDLしプレイしてみたが敵を前にして速攻死んでしまった記憶があるが、つまるところ戦わない

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    2016年02月18日
  • 虐殺器官

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    この作品を語る力が自分に無いのが残念です。
    だからひとことだけ。
    伊藤計劃は天才です。 
    騙されたと思って読んでみて下さい。 スゴいから。

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    2024年10月22日
  • 虐殺器官

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    ネタバレ

    罪の意識が極端に低い主人公クラヴィスが虐殺を引き起こすポールと言葉を交わし、はじめて自由意志で選んだ行動。それは決して世界を守るためなどという単純な利他精神ではなく、結局は戦場を利用した母への贖罪という究極の利己主義的選択であると思う。
    人類にとって言語は生まれながらに備わっている正得的能力なのか、環境で習得する後天的な能力なのか。種の存続のために人間が得た虐殺能力は時を超えて今も眠っているのか
    結末も含めて、なかなかに危うい作品を読んでしまった。こんな物凄い作家が既に亡くなっているとは…

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    2025年10月15日
  • 屍者の帝国

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    とある人物が世間のしがらみから逃れて、再生技術を用いた屍者の軍隊を束ねて、中央アジア奥地で独自の王国を作る……そんな伝聞を確認する任務のために、主人公ワトソンはアフガニスタンへ向かう。
    その様子は、小説「闇の奥」または映画「地獄の黙示録」を彷彿させる。

    その後、新型の屍者の謎を追い、明治初期の日本、南北戦争ののち勢いづくアメリカへ。

    時代は19世紀、設定は“屍者の行動再生技術”のあるSF設定。

    死者と生者の違い
    屍者と生者の違い
    死者と屍者の違い

    科学は時に混沌を産み出す。

    人物名が「カラマーゾフ」「フランケンシュタイン博士」「ヴァン・ヘルシング」「ナイチンゲール」「レッド・バトラー

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    2025年09月12日
  • 虐殺器官

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    わたしにはキツかった。
    ちょこちょこ読みするような小説じゃなかったな。
    もー常にクラヴィスの心の声読んでて疲れたw
    また読める時がきたら読もうかなw

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    2025年08月13日
  • 虐殺器官

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    内容は戦争ものなのに、なぜか哲学的な思いを感じた。
    個人を殺して望まなくてはならない暗殺機関に属する主人公は人としての思いが強いために、相手に一部共感したのだろう。


    これがわたし。
    これがわたしというフィクション。
    わたしはあなたの身体に宿りたい。
    あなたの口によって更に他者に語り継がれたい。
    ━━伊藤計劃「人という物語」より   

    9・11を経て、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。
    米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェ

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    2025年07月13日
  • 虐殺器官

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    ネタバレ

    少し難しかったけど、面白く読めた。
    虐殺器官、人々を虐殺に向かわせる言語というのは一体なんなのかはよく分からなかった。 
    核で地域が一掃されたあとの、世界が あ、使ってもいいんだ みたいになる感じが実際にそうかもしれない…という嫌な説得感がありぞくっとした。

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    2025年07月03日
  • The Indifference Engine

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    もともと『ハーモニー』が好きで、SNSで紹介されているのをきっかけに手に取った一冊。正直、SNSで見かける絶賛ほどの期待値には届かなかったけど、普通に面白い。短編集ということもありテンポもよく、一気に読み進められる構成になっている。

    なかでも印象的だったのは、伊藤計劃氏の過去作とつながりを感じられる点。直接的な続編ではないものの、世界観や設定がリンクしているような作品がいくつかあって、ファンにはニヤリとできる仕掛けが随所に散りばめられている。時系列や設定の裏側に想像を巡らせながら読むのが楽しい。

    伊藤計劃作品をすでに読んでいる人にはより深く楽しめる構成だし、初めて読む人にも短編としてサクッ

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    2025年05月17日
  • 虐殺器官

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    残虐な描写が多すぎて、内容が入って来ない。
    脳科学とか、心理学とか、いろいろ勉強してるんだなーっていうのはわかる。でも、主人公の後悔の気持ちはわからない。
    母との関係性の描写をもっと丁寧に書いても良かったのでは?

    考えられて書かれてはいるけど、個人的に好きじゃない作品だった。

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    2025年05月14日
  • 虐殺器官

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    余韻の残る物語だった。

    普段あまりSFは読まなくて、堅く難しい世界観の説明がなかなか入ってこなかったが、軍人である主人公の抱える罪への葛藤が丁寧に描かれていて良かった。

    ☆3.0

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    2025年05月03日
  • 屍者の帝国

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    伊藤計劃と円城塔の合作。合作とはいっても遺されていたのは30ページ程のプロローグと設定等のメモだけで、続きというよりは本人もあとがきで語っている通り、遺されたものを元に円城塔が作り上げた作品という感じ。そこまではわかっていたし、十分面白かったけど、それでも…と考えさせてしまう伊藤計劃の名前の大きさ。「言葉」というものについて考えるという点で、『自生の夢』の解説をきっかけに読んでみたのだけど、この点については飛浩隆が凄すぎる。とはいえ創作物と実際と歴史の登場人物が織り混ざった改変歴史ものとしてはなかなか楽しかった。

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    2025年01月15日
  • 虐殺器官

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    ネタバレ

    どこかで見た映画のようなシーンが多く楽しく読み始めたが、中盤ぐらいからハリウッド臭さが増してきて少し飽きてきた。それでも第五部のクライマックスの展開は読みごたえがあった。でもエピローグがダメだった。わずかに取り留めていたリアリティの糸がプツンと切れた。これじゃ魔法じゃないか。もう少し穏便で未来に不安を残すような終わり方のほうが良かったのではないか。

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    2024年09月25日
  • 屍者の帝国

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    初読。わかってない部分もたぶん多いが、『フランケンシュタイン』の後日談としても『ホームズ』のワトソンの前日譚としても歴史改変ものとしてもおもしろかった。ロボット三原則もちょっと出てきて、いろいろな知識があれば、もっといろいろ楽しめそう。
    もう少し若いときに読んでたらめちゃくちゃはまってただろうなと思った。

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    2024年04月28日
  • Cinematrix―伊藤計劃映画時評集2

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    2000年〜2004年の公開作品についてブログの映画評。
    この中で見ていたのはWXⅢだけ!
    どの映画も周辺の話がとても詳しいので見てなくても苦にならない。
    特にロード・オブ・ザ・リング二つの塔の、サウロンの記述!そうだったのか…。私はシルマリルで挫折したのでありがたい。
    音楽についても、よく言及されている。

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    2023年03月04日
  • 屍者の帝国

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    伊藤計劃という夭折した作家の。
    芥川賞作家の円城搭が筆を引き継ぎ。
    時代設定独特の暗さと雰囲気が伝わってくる。でもなんだかよくわからなかった。というのが感想。割と歴史上の実在・仮想の人物の固有名詞が踊り、理解の混乱を助けているところがまた、独特かもしれない。なんとなくこんなものかなという感じの作品だが、もう一度読みたくなるかもしれないとも思います。

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    2022年09月19日
  • 屍者の帝国

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    むずかしい…!!
    ザ・ワンの口上述べ述べシーンあたりが辛うじて意識を保っておもしろく読めた気がするけれど他は文章と展開についていくのに必死でなんとか読み終えたという感じ…。
    ひとえにわたしの知識不足です、、
    もっと色んな本を読んだり今の段階ではまだ知らないことをこれから知ったりしていって、またいつか再読したいです。

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    2022年08月12日