伊藤計劃のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ノベライズ、ということでなんというか、伊藤計劃成分は薄味で、物語に重点がおいてありました。もちろんそれがノベライズであり当たり前のことなので読む前から重々承知してたのですが。
メタルギアのノベライズ。ゲームの1作目からのノベライズではなく、急に4作目のノベライズは非常に難しかったのでしょう。詳細に物語のルーツを書いてありますが、それでも伝わり切るものではありませんでした。それはとりもなおさずメタルギアシリーズの、ゲームという枠に収まり切らない物語性を示しているのでしょう。
私はメタルギアシリーズをプレイしたことはありませんが、本作を読んで「自分がこのゲームを理解しきるのは不可能だ」と思 -
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ゲームのメタルギアソリッド4をノベライズ化した作品ですが、私自身はこのゲームをやったことがないので、正直話について行けない部分がありました。過去の事件との関連性や登場人物間の関係性が理解できていないと、物語世界に没頭しづらいかなあという気はしました。
ただ、そこはさすが伊藤計劃というべきか、それらマイナス面を差し引いても十分に楽しめるミリタリーSF作品になっていると思います。
また単なるミリタリー小説ということでなく、生きることの意味、生きることの尊さが幾度となく語られ、伊藤計劃が書くからこその重みも感じます。
癌に冒され余命幾ばくもない状態で、自らの責務を果たそうと奮闘する登場人物が描かれて -
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伊藤計劃が信者的に愛した小島秀夫の物語。「メタルギアソリッド」は、ぼくの中では戦争アクションゲームというジャンルとして抵抗があった。しかしそれは大きな思い違いだった。小島秀夫がPS3で一番新しい「メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット」で描こうとしたテーマは反戦であった。
また、このメタルギアのステルスアクションと称されるゲーム性は、いかに敵と遭遇せず、敵を殺さずにミッションを遂行するかというゲームであり、このゲーム性自体が先のテーマを象徴している。そういえば「4」が出た当時、興味本位で体験版をDLしプレイしてみたが敵を前にして速攻死んでしまった記憶があるが、つまるところ戦わない -
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ネタバレ下3つが印象的。
The Indifference Engine
停戦後の少年兵が主人公。
自分の家族を酷い目に合わせた奴ら、つい最近まで殺し合っていた奴らと隣で暮らしていく。それが出来るように洗脳していこうとする世の中に疑問を抱き、争う。
自分が悪だと思っていたものが、急に真横で同じ目線で一緒に生きてるって、耐えられへんわなぁ。
戦争に翻弄される人々と、戦争が止まっても簡単には終わらない悲惨。
セカイ、蛮族、ぼく。
作者かわった?くらい急なテンションで始まったと思ったらえっぐい展開で笑ってもた。
From the Nothing, With Love.
自我を他者に移し変えることで永遠 -
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アメリカ暗殺部隊の大尉の視点で描かれる、ある種の終末世界。
9.11が起きた後の近未来が舞台。
「虐殺器官」の正体も、黒幕の目的も、フィクションだと分かっていてもあり得てしまいそうに思える。SFを読んでいて面白いと思うのは、フィクションの中であり得ないとは言い切れない世界が描かれるときの、背筋が凍るような思いを感じる瞬間だと改めて思った。
主人公は、あらゆるテクノロジーで心身のダメージを軽減しながら、戦争や紛争が起こる地帯へ潜り込んでいく。その無敵感はある種爽快でもある。一方で、敵地にいない間は、自分自身の罪について自問し続ける「地獄」の時間を過ごし、罰されることを望み続ける。
最後は想 -
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とある人物が世間のしがらみから逃れて、再生技術を用いた屍者の軍隊を束ねて、中央アジア奥地で独自の王国を作る……そんな伝聞を確認する任務のために、主人公ワトソンはアフガニスタンへ向かう。
その様子は、小説「闇の奥」または映画「地獄の黙示録」を彷彿させる。
その後、新型の屍者の謎を追い、明治初期の日本、南北戦争ののち勢いづくアメリカへ。
時代は19世紀、設定は“屍者の行動再生技術”のあるSF設定。
死者と生者の違い
屍者と生者の違い
死者と屍者の違い
科学は時に混沌を産み出す。
人物名が「カラマーゾフ」「フランケンシュタイン博士」「ヴァン・ヘルシング」「ナイチンゲール」「レッド・バトラー -
Posted by ブクログ
もともと『ハーモニー』が好きで、SNSで紹介されているのをきっかけに手に取った一冊。正直、SNSで見かける絶賛ほどの期待値には届かなかったけど、普通に面白い。短編集ということもありテンポもよく、一気に読み進められる構成になっている。
なかでも印象的だったのは、伊藤計劃氏の過去作とつながりを感じられる点。直接的な続編ではないものの、世界観や設定がリンクしているような作品がいくつかあって、ファンにはニヤリとできる仕掛けが随所に散りばめられている。時系列や設定の裏側に想像を巡らせながら読むのが楽しい。
伊藤計劃作品をすでに読んでいる人にはより深く楽しめる構成だし、初めて読む人にも短編としてサクッ