伊藤計劃のレビュー一覧

  • 屍者の帝国

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    とてもおもしろいけれども2回通しで読んでもまだ理解できてないので主要参考文献の方も読んでからまた読みたい。

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    2021年03月15日
  • The Indifference Engine

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    伊藤計劃の世界観が詰まった短編集。人間とはというテーマでリアルかつ残酷に物語を描いている。おそらく、もっと深く詳細なテーマがあり、今の自分では読み取れ切れないのが残念。虐殺器官、ハーモニーを再読したくなった。

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    2021年03月12日
  • The Indifference Engine

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    虐殺器官との繋がりもあり、面白かった。
    自分は、この中では『the indifference engine 』が一番面白かった。虐殺器官と比べてみることができ、また、「戦争が終わっても、本当の意味での戦争は終わっていない」というのがとても印象的だったからだ。
    その他の作品で、読みづらいものや難しいものもあったが全体的にとても面白かったと思う。
    衝撃的だった作品は、『セカイ、蛮族、ぼく』だ。冒頭から凄かった。曲がり角でぶつかる、漫画、ゲームで定番のシチュエーションで、伊藤計劃さんらしくないと思ったが、その後で納得(というか圧倒された)した。長さは短いが、内容が深かった。
    『屍者の帝国』の冒頭も収

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    2021年07月18日
  • The Indifference Engine

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    ネタバレ

    「虐殺器官」などの長編を思わせるキーワードがちらほら。書いた時期とか、元の作品とかを知らないので、むむむ…となるところも多いのですが…

    この方の、ひらがなの使い方が好き。
    書いてある内容は殺伐としているのに、なんとなくやわらかく感じてしまうし、心地いい。

    読んでいるうちに、「身体」というのはただの「うつわ」なのだと思わされる…ような気がする。

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    2020年11月19日
  • The Indifference Engine

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    伊藤計劃の短編やコミックの原作を務めた作品を集めた作品集。『虐殺器官』で描かれた戦争や悲劇に対する考察や、『ハーモニー』で描かれた意識、自由意志などそれぞれの作品に補完の関係があり、呼応している。「007」シリーズや「メタルギア」シリーズに対するオマージュの作品もあり、伊藤計劃の作品は自身の作品群の枠を拡張し、メディアの形式を超えて遺伝子が引き継がれているのだと感じた。

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    2020年03月10日
  • 伊藤計劃記録 I

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    ぼくらのまわりを見てごらん、自然物がどれだけある?人間の手によって植えられた草や鉢植えや街路樹や、駐車場の雑草が「自然」かな?近所を流れている川、それは自然の川かね。何か最近になって出来た用水路は論外としても、実は昭和、明治、さかのぼって江戸時代につくった農業用水だったりしないかね。
     ぼくらは人工物に囲まれて生きている。ぼくらは人間が思考してそう望んだ環境に囲まれて生きている。人間の思考の結果に囲まれて生きている。なぜ大地震で5000人の人が死ぬことにみな驚きながら、年間の交通事故によるものすごい数の死者には驚かないのかな?それはすなわち、自然は「降ってわいた災害」で、予測できないファクター

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    2020年03月08日
  • 伊藤計劃記録 II

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     要注意ワードは「深い/浅い」です。あと「薄い」。
     これは、責任とか自分といったものからものすごく遠い単語です。深い/浅いは具体的にどうだったのかを全く述べないときに使われる、印象批評では下の下の下下々の下ぐらいの単語でしょう。テーマが深い。よござんす。しかし、「どう」テーマが深いのかを書くのが文章というものの機能なのであって、それをきちんと書けている人はわざわざ「深い/浅い」とは書きません。つまり「深い」と書くのは馬鹿です。要するに何も考えていないということのぶっちゃけというか告白なので、その文章の知性を駄目な方向に数ランク引き下げたいのだったらがんがん使うべきです。

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    2020年03月08日
  • Running Pictures―伊藤計劃映画時評集1

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    伊藤計劃氏の映画批評。エッセイに近いラフな調子でぐいぐいと進んでいく。口調は軽快ですが、映画への思い入れや知識、監督や役者の個性やカラーまでを熟知して書かれる批評は絶品。一般的には駄作と評されるような作品についてもだめな部分は明確にしつつ、それでも愛すべき箇所を伊藤氏しか書けないだろう視点で書いているところには、映画という文化、媒体そのものへの愛を感じました。

    そのかわり、世間では名作と呼ばれているようないくつかの作品は容赦なく喝破されていましたが…笑

    ほんとうに早逝が惜しまれる人、というのは伊藤さんのような人なのだと思う。生きていたとしたら今の世界、映画をどう観てどう論じたのだろうか、そ

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    2019年05月20日
  • The Indifference Engine

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    "短編集、The Indefference Engineという表題の作品が強烈な印象を残す。
    ホテルルワンダの世界そのまま。
    007への愛情あふれる作品もいくつかある。
    最後に収録されている「屍者の帝国」は最近別の作家の手を経て発売された。"

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    2018年10月28日
  • メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット

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    メタルギアを知らない人には少し難解だが、メタルサーガを網羅しておりメタルギア初心者にも面白い一冊。涙なしには語ることができない。

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    2018年01月06日
  • Running Pictures―伊藤計劃映画時評集1

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     伊藤計劃三冊目。
     デビュー前に「スプークテール」という著者自身が運営していたウェブ・サイトにアップされた映画に関するレビュー全51作をまとめたもの(「今月のまとめ」としてまとめて紹介された作品も勘定にいれた)。
     僕自身はそれほどに映画に詳しくはなく、かといって全然見ないわけでもない、まぁそこそこ映画好きな人間、ってところだろうか。
     本書に掲載されている51作品のうち、22作品は劇場、あるいはDVD等で鑑賞済。
     決して多い数字ではないだろうけれど、「映画に全然興味ないもんね」と胸を張って言える(?)には多い数字だろう。
     僕としては、映画のレビューを読みたい、というよりも、あ

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    2018年01月04日
  • Cinematrix―伊藤計劃映画時評集2

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    「Running Pictures: 伊藤計劃映画時評集 1」の続編。
     2000年から2004年にかけての、全30作品の映画レビューが掲載されている。
     そのうち僕が観たものは12本。
     前作とそれほどページ数が変わらないのに、掲載されているレビューが少ないのは、それだけ1本に対する掲載量が増えているから。
     また、「イントロ」「キャスト」「要約」「レビュー」と章分けされてもいる。
     感想は前作を読んだときと殆ど変らず。
     ただ今回は前出のように1作品に対する情報量が増えているので、読んでいて観たくなった作品の本数は増えたように思う。
     他の映画評論家と違うポイントで映画を観て

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    2018年01月04日
  • The Indifference Engine

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     書籍というきちんとした形でまとめられていなかった作品を集めた作品集。
     6つの短編に、2つの劇画、1つの他の作品の解説、という構成になっている。
     やはり6編の短編はどれも極上。
    「セカイ、蛮族、ぼく。」という短編だけは少し毛色が違っているが、残りはどれも伊藤計劃らしさが漂ってくる作品となっている。
     きっちりと論理立てされており、だからといって息苦しさを感じさせることもなく、読むものを良質のエンターテインメントへと誘ってくれる。
     最後の「屍者の帝国」のみ未完(遺稿でもある)。 
     のちに円城塔が後を引き継いで完成させているが、購入してはいるがまだ未読(評判はあまり芳しくないよ

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    2018年01月04日
  • Cinematrix―伊藤計劃映画時評集2

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    どんな駄作であろうと酷評してもその文章にはどこか愛がある。今存命であればどんなことを語るのかなと思った。次は小説を読んでみよう!

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    2017年12月02日
  • Running Pictures―伊藤計劃映画時評集1

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    恥ずかしながら伊藤計劃氏の作品を読むのはこれが初めて。映画批評だが面白かった。自身では批評ではないと書いているがそこら辺の批評やレビューよりずっと信頼できる。2巻も楽しみ。

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    2017年11月30日
  • The Indifference Engine

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    夭折の天才、伊藤計劃の遺稿を含む短編集。同人誌に掲載した試作や未完の作品が多く、「お試し」感の強いラインナップで、一読しての印象は「なんか中途半端だなー」というのが正直なところ。
    ただし、完結している作品ももちろん収録されてまして、この完成度が恐ろしく高いです。「虐殺器官」と同じ世界線にある表題作はもちろんのこと、鴨的には「From the Nothing, with Love」が衝撃的な出来。ぱっと見はあの世界的に有名なスパイ・アクション映画のパスティーシュで、なんでこの映画が題材なんだよ!と心の中で突っ込みながら読み進めたわけですが、これがちゃんとSFしていて、しかもいかにも伊藤計劃らしい

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    2017年08月03日
  • 虐殺器官

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    ・伊藤計劃のハーモニー、屍者の帝国、そして虐殺器官について考えていた。世界に残された三つの計画は、それぞれ個別でありながら深く絡まり合い、人間の心と脳そして魂の幸福についてある一つの答えを導き出す。その答えは作者の手を離れ、読者である我々の心と脳、そして魂に深く結びつき、そこに一つの種を植える。

    彼は何度も問うた『言葉で人を殺せるか?』と。そして彼はこう答えた。『言葉でしか人を殺すことはできない』

    言葉がなければ人を殺すことは出来ない。この言葉の意味をあなたはわかるだろうか。言葉、つまり意思の記号化がされてない人間は、人を殺すことも、自分を殺すこともできない。言葉とは思考そのものなのだと彼

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    2025年08月10日
  • The Indifference Engine

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    羊水の中で溺れてるみたいな気持ち悪さがありながらも、「かぁぁぁぁっこいい!!!」と唸りたくなる、劇場感。死がすぐ側まで、いやそれどころか内側まで、入り込んできているのに、まるで生まれ変わりの準備をしているみたいな安心感を感じるというか。中毒性高い。もっと生きてもっと多くの作品を残してもらいたかった…。表題作のThe Indifference Engineが一番好き。争うために歴史がいる。人を殺して死ねと教えたお前らが助け合えとのたまう。じょおおおおおだんじゃない!という不条理はそこらじゅうに転がっている。

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    2016年09月27日
  • メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット

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    ゲームのノベル版なので、楽しく読めればいいかなと思っていました。
    しかし、メタルギアソリッドの深い物語と伊藤計劃さんの文章で、のめり込んでしまいました。

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    2016年06月06日
  • The Indifference Engine

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    表題作と007の話が面白かった。
    表題作は今のシリアと照らし合わせて。
    007はメタを作品構造として取り込んだ質の良いオマージュ。
    他の作品はオリジナルの影響から抜け出しきれてない感じ。執筆順がどうなっているか分からないけど、作風のオリジナリティ獲得の軌跡として読むと面白い?
    この先にハーモニーや虐殺器官があるわけで、その2点をつないだ延長線上に必ずあるはずだった傑作を読めないのが本当に惜しい。

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    2016年02月27日