あらすじ
『虐殺器官』による衝撃のデビュー直後のロング・インタビュー、円城塔との対談、そしてデヴィッド・フィンチャーや「ダークナイト」、『ディファレンス・エンジン』などについて、死の直前まで書き続けられた個人ブログ「伊藤計劃:第弐位相」――2006~2009年までに作家・伊藤計劃が著したフィクション以外の文章、インタビューを集成する全記録第2弾。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
要注意ワードは「深い/浅い」です。あと「薄い」。
これは、責任とか自分といったものからものすごく遠い単語です。深い/浅いは具体的にどうだったのかを全く述べないときに使われる、印象批評では下の下の下下々の下ぐらいの単語でしょう。テーマが深い。よござんす。しかし、「どう」テーマが深いのかを書くのが文章というものの機能なのであって、それをきちんと書けている人はわざわざ「深い/浅い」とは書きません。つまり「深い」と書くのは馬鹿です。要するに何も考えていないということのぶっちゃけというか告白なので、その文章の知性を駄目な方向に数ランク引き下げたいのだったらがんがん使うべきです。
Posted by ブクログ
無茶苦茶残酷な本だな、というのが率直な感想です。
だって、「あ〜映画観てえ」って言い続けてて、十分すぎるくらい才能があって、次回作の展望もあって、まだまだのところで、1月にその年の展望を述べた記事で、ぶつって切れて、おしまい。って、あんまりにもひどすぎるんじゃないですか。
この人が、震災後の日本をどう論評するのか、聞いてみたかった(やっぱり、おれが入院しているあいだに、大惨事が、とか何とか言いながら、鋭いことを言ってくれるんだろう。)です。
もちろん、どんな人の最期だってこんなもんで、大河ドラマみたいに、「俺はやり切ったぞ。」とか言って終わる人なんていないのは承知のうえだし、自分だって、数時間後には、この日記、更新されなくなってるかもしれないのは、分かってるんだけど、やっぱり悲しい。
だからこそやはり、あなたと同じ言葉を、あなたに捧げなければなりません。
ありがとうございました。
あなたの物語は、今の私の一部を確実に成しています、と。
あなたの言葉は、今の私の一部を確実に縁取っています、と。
そして、付け加えるなら、あなたの物語で、世界は、確かに変わりました、と。