伊藤計劃のレビュー一覧
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虐殺器官の直後に読みました。空っぽに吹き抜けている中を涙を流しながらただ歩いているような。その時々にできる最善の選択をし続けた結果が人類の進化であるなら、人間は動物と何が違い、何が我々を人間たらしめるのか。
こうして感想を書いていて、ああ、あそこのあのフレーズはそういうことか…と走馬灯のように文字が浮かんでくるのが、伊藤計劃さんの文章と表現の素敵なところですね。ちりばめられている。
文庫版巻末の佐々木敦さんの解説もぜひ読んでいただきたいです。
以下、早々に17ページ目で心ごと引きずり込まれた好きなやり取りを。ネタバレではありませんが、すべて自分の目で読みたい方はご注意ください。
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Posted by ブクログ
ネタバレアメリカ情報軍のクラヴィス・シェパードは、日々暗殺任務をこなしながら、自らが生命維持装置を止める決断をして死なせた母親への罪の意識を持って暮らしていた。そんな中、大量虐殺の地に必ず現れ、捕まりそうになると姿をくらます男、ジョン・ポールを捕らえるため、チェコに向かうも、罠にはめられて逆に捕まってしまう。現れたジョン・ポールが語ったのは、人々を大量虐殺へと導く「虐殺の文法」の存在だったーーー。
軍や戦争に特化したSFものということで、読んだことのないジャンルだったが、特に後半はどっぷりハマった。虐殺の文法、愛するものを守るための虐殺など、身近ではない題材だったが、我々先進国に暮らすものがあえて目 -
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一生本棚に置いておく。今、世界がこうなっている時にこそ、読んで欲しい。
「小説はラインマーカーを引いたりするのではなく印象で楽しみたい。実用書とは読み方が違うよね」と夫と話した直後でした。メモして大事にしたいフレーズがこんなにもたくさん出てくる。読書メモがパンクしてます。
優しく、大きな叫びはなく、そこに世界があり社会構造があり、人間の脳と感情と肉体としての構成物があり、情報と歴史があり。
ただ静かにすぐそこに、体内に、あらゆるところに地獄がある。
どうしたらこんな文章が書けるんでしょう。伊藤計劃さんの本、全部買います。
15年ほど前になんとかなく手に取り、ずっと実家の本棚に置きっぱなし -
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場面設定の理解に苦戦しつつも読み始めればやはりSFというものは面白く奥深いと心底思います。
ハーモニーは近未来で、だれも病気やケガでは死ななくなった世界、でも若年層の自殺だけは増えているという状況が舞台である。福祉社会に完璧に近づき優しさで包み込まれるようなはずなのになぜか虚しい、寂しい、辛いのである。優しさというものがここまで鋭い刃になることをこの作品で改めて突き付けられた気がする。
誰も死なないこと、だれも体調を崩さないこと、健康的な毎日を送れることというのはこの上ないことだと思っていた。だが、「死」ということを老衰、事故、または自殺でしか達成できないとなった場合、我々はこのような結 -
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「ジョン・ポール」
「この男が入った国は、どういうわけか混沌状態に転がり落ちる。」
「この男が入った国は、どういうわけか無辜の命がものすごい数で奪われる。」
どこからが「わたし」なのか。この意思は、選択は、本当に「わたし」のものなのか。
いろいろと考えさせられた。これが『ハーモニー』に繋がっていく辺り、作者自身も答えは出ていないのかなと思う。もっと伊藤計劃さんの書く物語が読みたかった……。
昨今の世界情勢に通じるところがありつつも重くなり過ぎず、SF・ミステリ・ミリタリー小説として楽しめた。
人は見たいものしか見ない。ほんとうにその通りだと思う。 -
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魂は人間に特有のものなのか?
―ではその魂とはなんなのだね?
伊藤計劃の遺稿を、円城塔が引き継ぐ形で生まれた『屍者の帝国』。
伊藤氏の作品、『虐殺器官』『ハーモニー』が好きで、今でも時々読み返している。
一方で本書は、以前途中で離脱してしまいそのままになっていた。
もし同じく途中で離脱してしまった方がいたら、登場人物たちの目的をなんとなく掴んだうえで、398ページからだけでも読んでみてほしい。
(失礼かもしれないけれど、途中でやめてしまった方にこそ、ぜひ)
そこからの展開はドキドキが止まらず、もっと早く読んでしまえばよかった!と思ったくらいだった。
『虐殺器官』『ハーモニー』『屍者の帝 -
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ネタバレ1.最適化
合理性を求めていった結果、規則や、空気に縛られて、最終的に人類の意識はなくなってしまう。そのきっかけが医療の高度化によって引き起こされるのは面白かった。「脳もまた肉体の一部である以上、それを制御してはならない根拠など、どこにあるだろうか。」脳を制御し始めた場合、自分の意志はどこに存在するのだろうか。正しい報酬設定のために生きることに意味はあるのだろうか。
2.美
トァンの最後の意志としてミァハを撃った。そして意識は消滅した。その表現がとても綺麗に感じた。文中のタグ表現で無機質に見えるような場面も多かったが、後半になるにつれて、そして一番最後の場面は「感情のテクスチャを生起」させ -
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やっぱ伊藤計劃ですわ!とニコニコせずにはいられない素敵な短編集だった。現実世界に対する皮肉が込められた視点、それでいて悲観的ではないユーモアに富んだ描写、世界観に説得力を持たせるSF的なディテールといった具合に、伊藤計劃らしさを余さず感じられる作品だと感じた。
「The Indifference Engine」
上記の3要素が最も色濃く感じられたのがこの短編。虐殺器官とハーモニーを読んでからしばらく時間が空いていたが、一気に伊藤計劃ワールドに引き戻される感覚だった。俺は今伊藤計劃を読んでいるんだ〜!みたいな。極々身近なものとして暴力を振るい振るわれる主人公は、エリスンの少年と犬を彷彿とさせる -
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ネタバレメタルギアシリーズの総復習にもなる1冊
メタルギアサーガの最終章ということもあり、これまでのメタルギアシリーズのストーリーもまとめられていて、ゲームをプレイしていた時から忘れてしまった内容も思い出すことができた。登場人物も今までのシリーズのキャラが集結しており、まさに総決算といったところ。著者の伊藤計劃氏は大のメタルギアファンだったとされているが、言われてみれば、確かに虐殺器官などメタルギアから影響を受けている世界観だったなぁと今更気づいた。そして今回の作品では、ゲームのストーリーをただ語るだけではなく、作者が感じた思いもうまく織り混ぜられており、伊藤計劃氏の書いたメタルギアを読むことができて -
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電子書籍でこそ読んでほしい
データとして記述されたトァンの人生を参照しているという設定が面白い。
感情の動きなどもわかり親切設計だなと思ったが、エピローグを見てそれが必要な理由に納得した。
ストーリーも面白い。
『虐殺器官』から半世紀。
監視の目がついに身体の中にまで行き届いた生命主義社会。
そんな世界に抗う組織が出てくる。
でも実は世界よりも別のものが間違っているという答えに辿り着くのは、さすが伊藤計劃と言わざるを得ない。
これは小説を先に読むことをおすすめする。
小説の細かい描写を読むことでアニメ作品とは印象が変わってくる。
特に変化したのがキアン。
昔話で語られるキアンの思いを聞いたトァンの心情を垣間見