伊藤計劃のレビュー一覧

  • ハーモニー

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    読み終わった後に本文冒頭を見てハッとした。

    幸福とはなんだろう。誰もが幸せな世界は実現不可能なのだろうか。
    いつかこんな未来がくるんじゃないかと思わせる説得力がある。

    とてもおもしろかった。作中の仕掛けに驚いたし、登場人物たちも魅力的な人ばかり。「姉御(クイーン)」って呼ばれてるのかっこよくて好き。
    世界観を理解するのにも時間は掛からず、ぐいぐい読み進められた。
    大好きな一冊になりました。「虐殺器官」も読みます。

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    2026年01月12日
  • 虐殺器官

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    ネタバレ

    読みながら、ノベライズ版の『PSYCHO-PASS』との共通点を感じた。『虐殺器官』風に書くと、語る内容は違うが文法は同じ様な印象。テクノロジーによる人間の制御を主題にしたSF的な世界観、静かでどこかグロテスクな文体、人文学的な引用を織り交ぜながら展開する物語。どちらにも、文学的マッドサイエンティストのような犯人が登場し、事件の裏でフィクサーとして暗躍する。
    また、犯人と主人公の関係性にも通じるものがある。『虐殺器官』では「言語」を、『PSYCHO-PASS』では「犯罪係数」を軸に、正義と悪の曖昧な世界を描いている。物語の最終舞台が社会を支えるインフラ(人工筋肉製造工場/食料供給プラント)であ

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    2025年10月17日
  • 虐殺器官

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    ★4.5ですけどおまけで。
    日本のレベルに収まっていないストーリー展開と設定、返す返すも惜しい作家を失ったなと。
    ただ小松左京が感じたようですけど、全体として軸に据えた虐殺の文法が物語として大きく昇華し切れていない感が否めない。
    才人なれどデビュー作であるという粗さであり、だからこそもっと読みたかったなぁ、この作家の作品を。

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    2025年09月25日
  • ハーモニー

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    ネタバレ

    文体が綺麗で、残酷。
    「調和」と「意識」という哲学的なテーマで、こんなにも惹かれるとは思わなかった。「意識の消失は死なのか」という命題に、真っ向から勝負している。
    病気が根絶され、「福祉」という公共的な優しさで満たされた息苦しい社会。
    苦痛や自殺を悪と見なし、「セラピー」という論理的な優しさで抑えつける社会。
    まるで予言書のようで恐ろしかった。
    結末がハッピーエンドかバッドエンドか、どちらとも解釈できるのが魅力的だった。

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    2026年01月18日
  • 虐殺器官

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    ストーリーは奇想天外でありながら、会話や深層心理は哲学的で理路整然としていてなかなか興味深く面白かったです。
    ストーリー自体も面白いが、対話のやりとりも面白い。
    未来の創造上のアイテムも描写が細かく目に浮かんできます。

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    2025年09月08日
  • ハーモニー

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    ネタバレ

    体の中に入れられた「WatchMe」のおかげで病気がなくなった世界。
    危険な事も先回りして勝手に回避され
    個人情報も常に公開されている社会の中で、人々はお互い慈しみ支え合い暮らす。そんな少し未来の話。
    3人の女子高生、トァンとミァハ、キアンの関係とか、ミァハの存在感に掴まれます。
    トァンの退廃的でちょっと投げやりな感じ、そしてミァハに傾倒している感じも…ビジュアル的にも「真紅のコート」だし!
    こんなふうにキャッキャと読んでも、雰囲気やストーリーに浸れて、うすら寒さも感じて、ホントに面白いのですが
    何やらわかる人にはわかるものすごい仕掛けがあるらしいですね!
    〈えー?〉
    どなたかの解説を読んで

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    2025年10月16日
  • ハーモニー

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    ちょこちょこ科学的なのに,自意識みたいな非科学的なところに重点を置いているストーリー性が良い。

    2025年17冊目

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    2025年08月24日
  • ハーモニー

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    ネタバレ

    ふとした時に読み返したくなる、大好きな作品。
    私にとって、この小説の世界はユートピア風のディストピアである。そんな不穏な世界を読んでいるとなぜか心が落ち着く。
    極端に行き過ぎた世界を目の当たりにすることで、むしろ自分が本当に望んでいるものと、そうでないものとがはっきり浮かび上がってくるからかもしれない。

    「WatchMe」と「メディケア」によって基本的に事故と老衰以外で人が死ななくなった世界。国家や政府がなくなり、自分と他人の健康を最大限に尊重する〈生命至上主義〉が前提となった世界では、争いも起こらない。

    若くして病気で亡くなった著者の伊藤計劃さんにとって、誰よりも健康な身体は切実に欲しい

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    2025年08月06日
  • ハーモニー

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    ネタバレ

    重いSF(想像の域を超えすぎているもの?スターウォーズみたいな、もうそれはその人にしか思いつくのも無理や!みたいなの)は割と苦手で、SFという先入観で読み入ったので自分に合う作品かかなり不安だったけどとても面白く読めたので嬉しかった。
    ただ、本の前半35%ぐらいは割と世界観の説明づくしで物語としては詰まらなかったかな。後半はその世界の解像度がグンと上がってテンポよく読めたのでおすすめ。

    内容は人類がほぼすべての病気を克服したらどうなっていくだろうという思考実験を物語にしました!みたいな感じ。

    伊藤計劃は初めて読んだので、とにかく理屈と予測が丁寧でそれでかつ読みやすいように没頭しやすいように

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    2025年08月13日
  • The Indifference Engine

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    生誕50周年記念限定カバー版。

    この強烈に作品を理解りたいという感覚をもたらしてくれる数ある作家の内の一人。これが愛するということ、カリスマということか。

    変な話、夭折の作家というのは、もう続きが見られない、新たな境地を辿れないからこそ、数少ない断片の希少性が上がるわけで、亡くなって良かったなんて全く思わないが、渇望の度合いは他の比じゃないんだよな。

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    2025年06月27日
  • The Indifference Engine

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    やっぱ伊藤計劃ですわ!とニコニコせずにはいられない素敵な短編集だった。現実世界に対する皮肉が込められた視点、それでいて悲観的ではないユーモアに富んだ描写、世界観に説得力を持たせるSF的なディテールといった具合に、伊藤計劃らしさを余さず感じられる作品だと感じた。

    「The Indifference Engine」
    上記の3要素が最も色濃く感じられたのがこの短編。虐殺器官とハーモニーを読んでからしばらく時間が空いていたが、一気に伊藤計劃ワールドに引き戻される感覚だった。俺は今伊藤計劃を読んでいるんだ〜!みたいな。極々身近なものとして暴力を振るい振るわれる主人公は、エリスンの少年と犬を彷彿とさせる

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    2025年04月15日
  • メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット

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    ネタバレ

    メタルギアシリーズの総復習にもなる1冊
    メタルギアサーガの最終章ということもあり、これまでのメタルギアシリーズのストーリーもまとめられていて、ゲームをプレイしていた時から忘れてしまった内容も思い出すことができた。登場人物も今までのシリーズのキャラが集結しており、まさに総決算といったところ。著者の伊藤計劃氏は大のメタルギアファンだったとされているが、言われてみれば、確かに虐殺器官などメタルギアから影響を受けている世界観だったなぁと今更気づいた。そして今回の作品では、ゲームのストーリーをただ語るだけではなく、作者が感じた思いもうまく織り混ぜられており、伊藤計劃氏の書いたメタルギアを読むことができて

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    2025年03月15日
  • 屍者の帝国

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    ネタバレ

    とても面白かった。
    けど、自分の読書力ではこの本を100%楽しめてない気がする。
    いつかもう一回読みたい
    ラストシーンは感動した

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    2025年01月11日
  • ハーモニー

    購入済み

    電子書籍でこそ読んでほしい

    データとして記述されたトァンの人生を参照しているという設定が面白い。
    感情の動きなどもわかり親切設計だなと思ったが、エピローグを見てそれが必要な理由に納得した。


    ストーリーも面白い。
    『虐殺器官』から半世紀。
    監視の目がついに身体の中にまで行き届いた生命主義社会。

    そんな世界に抗う組織が出てくる。
    でも実は世界よりも別のものが間違っているという答えに辿り着くのは、さすが伊藤計劃と言わざるを得ない。


    これは小説を先に読むことをおすすめする。
    小説の細かい描写を読むことでアニメ作品とは印象が変わってくる。

    特に変化したのがキアン。
    昔話で語られるキアンの思いを聞いたトァンの心情を垣間見

    #タメになる #共感する #深い

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    2024年09月08日
  • 虐殺器官

    購入済み

    SFで社会派小説

    作品内の何も知らないで平穏な生活を送るアメリカ人は、まさに今の日本人そのもの。
    皮肉が効いていて読み進めるたびに複雑な感情を抱く。

    ジョン・ポール(犯人)の大量虐殺を行う動機が予想外だった。
    そうきたか!って鳥肌もので私的には今までにないタイプの犯人像が魅力的。

    私はアニメ映画→小説という順番で観た。
    近未来的な世界観なので先に映像を見ておくとわかりやすいかもしれない。
    小説はクラヴィス(主人公)の過去の掘り下げや心理描写があるところがいい。
    終わり方は映画の方が好み。

    #深い #タメになる #ダーク

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    2025年08月15日
  • メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット

    nas

    ゲームノベライズのベストかも

    こんなに凄いゲームノベライズはちょっと他に思いつかないな。単体でも楽しめるけどメタルギアソリッドのゲームで1,2,3,4を知ってるともっと楽しい。ノベライズってことでゲームの4と同じ物語なんだけど違うというか、圧縮されて濃くなってるのに話やテーマが分かりやすくなってる気がする。「物語」のキーワードを使った描写は上手すぎる

    #アツい #感動する #深い

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    2024年06月25日
  • 屍者の帝国

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    伊藤計劃のsfは何故こんなに魅せられてしまうのか。
    結局伊藤計劃はメタルギアを除けば三作品しか残していないが、残りはハーモニーのみとなってしまった。

    虐殺器官でも同様だったが、言葉と身体性、人間性を伊藤計劃は意識しているように感じられる。
    言葉に対する伊藤計劃の思い入れはひとしおだったのではないかと思った。

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    2024年04月22日
  • ハーモニー

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    今も至る所で発生している紛争、暴力、自殺。これらをこの世から消し去ることができれば、きっと人類は幸福になれるだろう。理不尽な不幸に見舞われないように、人類は進化を続けてきた。医学を進歩させ、法律を作り、国際秩序を保とうとしてきた。最終的にどんな進化をすれば、紛争は、殺人は、自殺はなくなるのだろう。本書はそれに対する回答を示すと同時に、人間が人間らしくあるとはどういうことなのかを問うている。

    ユートピア感のあるディストピアの話は個人的にとても大好き。終わり方も最高に好き。
    「病気にならないこと」と「病気になることが許されないこと」は似て非なるものではあるけれど、じゃあどうすれば人類は幸福になれ

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    2025年12月24日
  • 屍者の帝国

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    アニメ映画が公開されたとき、友人に誘われて観に行ったのが『屍者の帝国』との出会いだった。出演声優のファンであった友人も、もちろん私も、作者も作品も詳しく知らないまま鑑賞。にもかかわらず、舞台設定とそのストーリー運びに一気に夢中になった。
    これは原作にあたらねばならぬーーと原作を入手。2時間でまとめられた映画とはやはり違う部分があるが、この世界観はやはりゾクゾクする。改めて読んでもその印象は変わらない。
    屍者技術の発展と19世紀末の歴史的な出来事がさも当然のように織りこまれ、「屍者がすぐそこにいる」リアリティに現実と虚構の境目が曖昧にさせられる。視点者としてのワトソンというキャラクターも滋味深い

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    2022年11月06日
  • 虐殺器官

    ネタバレ 購入済み

    現実とリンクする恐ろしいSF

    導入部は、一見すると泥臭い戦闘モノ。けれど読み進めるにつれて、現代社会への疑問が散りばめられてくる。なんでも情報化し監視する社会、遠い国で日常的に起こる戦争、それに知らんぷりを決め込む先進国。たくさんの死体の上に成り立つ偽物のユートピア。この作品はただのSFではなく、現代社会の闇を書いたモノだ。間違いなく、何度も読みたい作品の一つ。

    #アツい

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    2022年05月16日