伊藤計劃のレビュー一覧

  • The Indifference Engine

    Posted by ブクログ

    『虐殺器官』から随分と空いてしまった。
    伊藤計劃のストーリーは彼が踠いているように思えて苦しくなってしまう。
    The Indifference Engine
    ルワンダの歴史を感じさせる。

    From the Nothing,With Love.
    何を読まされているのだろう…からラストが素晴らしい。


    『俺』と『お前』が憎み合うから戦争が起こるんじゃない。
    戦争するために『俺』なんてものは存在するんだ

    0
    2025年12月28日
  • 虐殺器官

    Posted by ブクログ

    1.なにのために戦うか。
    諸悪の根源のように描かれていたジョン・ポールにも、明確な行動原理があった。彼は「破壊するために戦った」のではなく、「守るために破壊した」。単純な善悪の対立ではなく、葛藤のなかで揺れ動く主人公クラヴィスを通して、それぞれの「正義」の輪郭を見ていく物語だった。誰もが誰かを守ろうとしているのに、結果として誰かを殺してしまう。そこに人間の矛盾が凝縮されていた。

    2.SF的な要素
    IDタグ、環境追従迷彩、人工筋肉……。「ありそうな未来」を想像させるテクノロジーの描写がリアルで良かった。倫理と科学がどこで交わり、どこで断絶するのか。虐殺器官という発想も、単なる空想のようには思え

    0
    2025年12月08日
  • ハーモニー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    伊藤計劃の長編の素晴らしいところは、「人間を人間たらしめるのはなにか」という本質を突きながら、常に“社会的生物としての人間”という集団にフォーカスしている点だと思っています。

    長編第一作『虐殺器官』では、「言葉」が虐殺のための臓器として描かれていました。デマ、欺瞞、対立──それらは言葉によってもたらされ、人間は集団の中でいかに安易に誘導されうるか、その危うさが描かれていたように感じます。

    今作『ハーモニー』では、大災厄を経た後の社会が、WatchMe に代表される総監視社会・究極の合理社会として描かれ、その中に生きることについての思考実験のような要素を強く感じました。WatchMe による

    0
    2025年12月07日
  • ハーモニー

    Posted by ブクログ

    人類の救済は最終的にアポカリプスによってしか成されないんやなぁと。
    テクノロジーの力で人類が死を乗り越えられるようになってしまえば、こういう結末が必要になるかもなぁ。

    0
    2025年11月23日
  • ハーモニー

    Posted by ブクログ

    今の価値感で想像すると、ハーモニー後の世界はぞっとしないけど、意識を理由づけする存在とするなら、自分で選んだと思い込んで案外幸福でいられるのかも⁈今の世界だって選んだつもりになってることの方が多いし、そう考えると大差ない⁈私が目指したい調和はどんな形⁈とか
    とにかくいろいろ考えさせられる本

    0
    2025年10月24日
  • ハーモニー

    Posted by ブクログ

    読み終わった後に本文冒頭を見てハッとした。

    幸福とはなんだろう。誰もが幸せな世界は実現不可能なのだろうか。
    いつかこんな未来がくるんじゃないかと思わせる説得力がある。

    とてもおもしろかった。作中の仕掛けに驚いたし、登場人物たちも魅力的な人ばかり。「姉御(クイーン)」って呼ばれてるのかっこよくて好き。
    世界観を理解するのにも時間は掛からず、ぐいぐい読み進められた。
    大好きな一冊になりました。「虐殺器官」も読みます。

    0
    2026年01月12日
  • ハーモニー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    文体が綺麗で、残酷。
    「調和」と「意識」という哲学的なテーマで、こんなにも惹かれるとは思わなかった。「意識の消失は死なのか」という命題に、真っ向から勝負している。
    病気が根絶され、「福祉」という公共的な優しさで満たされた息苦しい社会。
    苦痛や自殺を悪と見なし、「セラピー」という論理的な優しさで抑えつける社会。
    まるで予言書のようで恐ろしかった。
    結末がハッピーエンドかバッドエンドか、どちらとも解釈できるのが魅力的だった。

    0
    2026年01月18日
  • ハーモニー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    体の中に入れられた「WatchMe」のおかげで病気がなくなった世界。
    危険な事も先回りして勝手に回避され
    個人情報も常に公開されている社会の中で、人々はお互い慈しみ支え合い暮らす。そんな少し未来の話。
    3人の女子高生、トァンとミァハ、キアンの関係とか、ミァハの存在感に掴まれます。
    トァンの退廃的でちょっと投げやりな感じ、そしてミァハに傾倒している感じも…ビジュアル的にも「真紅のコート」だし!
    こんなふうにキャッキャと読んでも、雰囲気やストーリーに浸れて、うすら寒さも感じて、ホントに面白いのですが
    何やらわかる人にはわかるものすごい仕掛けがあるらしいですね!
    〈えー?〉
    どなたかの解説を読んで

    0
    2025年10月16日
  • ハーモニー

    Posted by ブクログ

    ちょこちょこ科学的なのに,自意識みたいな非科学的なところに重点を置いているストーリー性が良い。

    2025年17冊目

    0
    2025年08月24日
  • The Indifference Engine

    Posted by ブクログ

    生誕50周年記念限定カバー版。

    この強烈に作品を理解りたいという感覚をもたらしてくれる数ある作家の内の一人。これが愛するということ、カリスマということか。

    変な話、夭折の作家というのは、もう続きが見られない、新たな境地を辿れないからこそ、数少ない断片の希少性が上がるわけで、亡くなって良かったなんて全く思わないが、渇望の度合いは他の比じゃないんだよな。

    0
    2025年06月27日
  • The Indifference Engine

    Posted by ブクログ

    やっぱ伊藤計劃ですわ!とニコニコせずにはいられない素敵な短編集だった。現実世界に対する皮肉が込められた視点、それでいて悲観的ではないユーモアに富んだ描写、世界観に説得力を持たせるSF的なディテールといった具合に、伊藤計劃らしさを余さず感じられる作品だと感じた。

    「The Indifference Engine」
    上記の3要素が最も色濃く感じられたのがこの短編。虐殺器官とハーモニーを読んでからしばらく時間が空いていたが、一気に伊藤計劃ワールドに引き戻される感覚だった。俺は今伊藤計劃を読んでいるんだ〜!みたいな。極々身近なものとして暴力を振るい振るわれる主人公は、エリスンの少年と犬を彷彿とさせる

    0
    2025年04月15日
  • メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    メタルギアシリーズの総復習にもなる1冊
    メタルギアサーガの最終章ということもあり、これまでのメタルギアシリーズのストーリーもまとめられていて、ゲームをプレイしていた時から忘れてしまった内容も思い出すことができた。登場人物も今までのシリーズのキャラが集結しており、まさに総決算といったところ。著者の伊藤計劃氏は大のメタルギアファンだったとされているが、言われてみれば、確かに虐殺器官などメタルギアから影響を受けている世界観だったなぁと今更気づいた。そして今回の作品では、ゲームのストーリーをただ語るだけではなく、作者が感じた思いもうまく織り混ぜられており、伊藤計劃氏の書いたメタルギアを読むことができて

    0
    2025年03月15日
  • 屍者の帝国

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    とても面白かった。
    けど、自分の読書力ではこの本を100%楽しめてない気がする。
    いつかもう一回読みたい
    ラストシーンは感動した

    0
    2025年01月11日
  • ハーモニー

    購入済み

    電子書籍でこそ読んでほしい

    データとして記述されたトァンの人生を参照しているという設定が面白い。
    感情の動きなどもわかり親切設計だなと思ったが、エピローグを見てそれが必要な理由に納得した。


    ストーリーも面白い。
    『虐殺器官』から半世紀。
    監視の目がついに身体の中にまで行き届いた生命主義社会。

    そんな世界に抗う組織が出てくる。
    でも実は世界よりも別のものが間違っているという答えに辿り着くのは、さすが伊藤計劃と言わざるを得ない。


    これは小説を先に読むことをおすすめする。
    小説の細かい描写を読むことでアニメ作品とは印象が変わってくる。

    特に変化したのがキアン。
    昔話で語られるキアンの思いを聞いたトァンの心情を垣間見

    #タメになる #深い #共感する

    0
    2024年09月08日
  • 虐殺器官

    購入済み

    SFで社会派小説

    作品内の何も知らないで平穏な生活を送るアメリカ人は、まさに今の日本人そのもの。
    皮肉が効いていて読み進めるたびに複雑な感情を抱く。

    ジョン・ポール(犯人)の大量虐殺を行う動機が予想外だった。
    そうきたか!って鳥肌もので私的には今までにないタイプの犯人像が魅力的。

    私はアニメ映画→小説という順番で観た。
    近未来的な世界観なので先に映像を見ておくとわかりやすいかもしれない。
    小説はクラヴィス(主人公)の過去の掘り下げや心理描写があるところがいい。
    終わり方は映画の方が好み。

    #ダーク #深い #タメになる

    0
    2025年08月15日
  • メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット

    nas

    ゲームノベライズのベストかも

    こんなに凄いゲームノベライズはちょっと他に思いつかないな。単体でも楽しめるけどメタルギアソリッドのゲームで1,2,3,4を知ってるともっと楽しい。ノベライズってことでゲームの4と同じ物語なんだけど違うというか、圧縮されて濃くなってるのに話やテーマが分かりやすくなってる気がする。「物語」のキーワードを使った描写は上手すぎる

    #深い #アツい #感動する

    0
    2024年06月25日
  • 屍者の帝国

    Posted by ブクログ

    伊藤計劃のsfは何故こんなに魅せられてしまうのか。
    結局伊藤計劃はメタルギアを除けば三作品しか残していないが、残りはハーモニーのみとなってしまった。

    虐殺器官でも同様だったが、言葉と身体性、人間性を伊藤計劃は意識しているように感じられる。
    言葉に対する伊藤計劃の思い入れはひとしおだったのではないかと思った。

    0
    2024年04月22日
  • ハーモニー

    Posted by ブクログ

    今も至る所で発生している紛争、暴力、自殺。これらをこの世から消し去ることができれば、きっと人類は幸福になれるだろう。理不尽な不幸に見舞われないように、人類は進化を続けてきた。医学を進歩させ、法律を作り、国際秩序を保とうとしてきた。最終的にどんな進化をすれば、紛争は、殺人は、自殺はなくなるのだろう。本書はそれに対する回答を示すと同時に、人間が人間らしくあるとはどういうことなのかを問うている。

    ユートピア感のあるディストピアの話は個人的にとても大好き。終わり方も最高に好き。
    「病気にならないこと」と「病気になることが許されないこと」は似て非なるものではあるけれど、じゃあどうすれば人類は幸福になれ

    0
    2025年12月24日
  • 屍者の帝国

    Posted by ブクログ

    アニメ映画が公開されたとき、友人に誘われて観に行ったのが『屍者の帝国』との出会いだった。出演声優のファンであった友人も、もちろん私も、作者も作品も詳しく知らないまま鑑賞。にもかかわらず、舞台設定とそのストーリー運びに一気に夢中になった。
    これは原作にあたらねばならぬーーと原作を入手。2時間でまとめられた映画とはやはり違う部分があるが、この世界観はやはりゾクゾクする。改めて読んでもその印象は変わらない。
    屍者技術の発展と19世紀末の歴史的な出来事がさも当然のように織りこまれ、「屍者がすぐそこにいる」リアリティに現実と虚構の境目が曖昧にさせられる。視点者としてのワトソンというキャラクターも滋味深い

    0
    2022年11月06日
  • 虐殺器官

    ネタバレ 購入済み

    現実とリンクする恐ろしいSF

    導入部は、一見すると泥臭い戦闘モノ。けれど読み進めるにつれて、現代社会への疑問が散りばめられてくる。なんでも情報化し監視する社会、遠い国で日常的に起こる戦争、それに知らんぷりを決め込む先進国。たくさんの死体の上に成り立つ偽物のユートピア。この作品はただのSFではなく、現代社会の闇を書いたモノだ。間違いなく、何度も読みたい作品の一つ。

    #アツい

    0
    2022年05月16日