伊藤計劃のレビュー一覧

  • Running Pictures―伊藤計劃映画時評集1

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    ネタバレ

    作家さんの書評はよくあるし楽しく読みますが、書評に比べて映画評の方はあまり見かけない気がします。
    しかも基本的に褒めるスタンス、楽しく読みました。批評じゃないっておっしゃってますが、紛うかたなき批評です……
    「面白そう!」と思っても、たぶん実際は楽しめないんだろうなわたし…という作品もチラホラあるので、伊藤計劃さんの感性好きだなぁ。

    ストーリーもそこそこ大事だけど、それよりは世界観がキッチリ造られ作中で描かれているか、なのかな…?
    SFは特に世界設計が大事なので頷けるものがありました。

    伊藤計劃さんの書く小説がもう読めない、というところで早逝が悔やまれますが、「あの映画観たらどういう批評さ

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    2025年04月20日
  • 虐殺器官

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    久々に定価で購入。

    生きているとは、私とは、言葉とは。

    非常に難しい問題である。

    利他的であり他愛的であることが全てではない。

    後半から非常に良い。

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    2025年04月06日
  • The Indifference Engine

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    10年以上ぶりの伊藤計劃、今の時代に読んでも全く色褪せてなくてすごかった。とにかく面白い。
    表面的にはスパイ物、あるいは戦争物でいかにもオタクが描きそうなストーリーだが、なぜか伊藤計劃の文章は登場人物の生き様から強烈なメッセージを感じた。どの短編も題材や設定が違えど、生きるとは何か、をどうしてこうも考えされてしまうのだろう。

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    2025年03月06日
  • 虐殺器官

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    難解な文章と哲学的な内容が相まって読むのに苦労したが、クラヴィス、ルツィア、ジョン・ポールの知的な会話は、読んでいて楽しかった。
    これだけ他分野の専門的な内容を織り交ぜながらこのストーリーに落とし込むというのは難しいものだと思う

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    2025年02月27日
  • 屍者の帝国

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    屍体を蘇生させて操る技術が発達した歴史ifストーリー

    以下、公式のあらすじ
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    屍者復活の技術が全欧に普及した十九世紀末、医学生ワトソンは大英帝国の諜報員となり、アフガニスタンに潜入。その奥地で彼を待ち受けていた屍者の国の王カラマーゾフより渾身の依頼を受け、「ヴィクターの手記」と最初の屍者ザ・ワンを追い求めて世界を駆ける──。伊藤計劃の未完の絶筆を円城塔が完成させた奇蹟の超大作。
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    屍体を蘇生させて簡単な命令をする技術が発達し、屍者が労働力として社会の一旦を担うようになった十九世紀後期
    諜報機関にスカウトされ

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    2025年02月05日
  • 虐殺器官

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    「自由とは、選ぶことができるということだ。できることの可能性を捨てて、それを『わたし』の名のもとに選択するということだ。」

    良心と残虐性、利他と利己、世界に対してどう振る舞うか、世界がどう反応するか。
    自由があること、選択すること、それによって負うべき、負うことが出来る責任の話。
    海外、というか翻訳されたものに寄せた文体、漢字にセルフで振られるカナのルビ。テクノロジー、カルチャー、哲学、政治、社会、世界のさまざまなところから出来るだけ捨てずに『わたし』の名のもとに選択したディティールをサンプリング、というよりはそれらを可能な限りストレートに、「わたし

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    2025年01月21日
  • ハーモニー

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    著者のデビュー作の虐殺器官に通ずる作品で、ミステリー要素とSF要素が本当にうまく絡み合っている。
    生とは?死とは?
    生きること、生かされること、
    どちらが幸せか?人間らしいか?
    今の保険制度もいずれ、こうなるのでは?と、感じてしまう。
    著者の経歴を知った上で、是非読んでいただきたい作品

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    2024年12月23日
  • ハーモニー

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    なんだこれ!おもしろすぎる!
    これが感想というのもアレだけど、素直に読後の興奮を残しておきたい。
    哲学的で非現実的で現実的。幸せとは…
    きっときちんと理解できていないだろうけどそれで良い気がする。

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    2024年11月09日
  • 虐殺器官

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    ネタバレ

    社会の矛盾や歪みを生々しく描いておりたまらない。
    人それぞれの矛盾した善悪や正義が蔓延っているこの世界はある種地獄と言えるかもしれない。
    虐殺器官というこの言葉自体も余白があり、この不可思議さと作品全体の生々しさとグロテスクさが魅力。

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    2024年09月16日
  • ハーモニー

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    ネタバレ

    虐殺器官とはまた違った趣。より哲学に振り切った内容になっていた。管理社会だったり、人間の意識の必要性など、十年以上前の作品とは思えない斬新さ。SF苦手って人でも読めると思う。

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    2024年05月03日
  • ハーモニー

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    ネタバレ

    人間に意識や意志は必要か、そうでないか。最後まで読んでも自分の中で答えが出せなかった。
    争いもなく自死もない世界は望ましいのだけれど、「わたし」というものが無くなったら、それは生きている意味があるのだろうかと悩んでしまう。時には自らを傷つけもするこの自我を、どれだけ厄介であっても、持ってしまった以上は捨て去る勇気は出ないだろうなと思う。
    読んでいる最中、病気や体調不良をなくしたいという気持ちと、空気を読むなんて真っ平御免、何にも指示されたくないという気持ちが拮抗してつらかった。
    ユートピアでありながらディストピア。少女が夢見た世界を、少女自身は見られなかったのが切なくて、でもその決断をしたトァ

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    2024年03月27日
  • 伊藤計劃記録 I

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     ゲームデザイナー小島秀夫の作品に関するエッセイと伊藤の個人ブログに掲げられたテクストから主に映画評と闘病に関する記述を抜粋。言い尽くされた言いまわしだが、抗がん剤治療の苛酷さを淡々と綴っていくくだりには、胸が苦しくなってしまった。「わたし」の身体が自己の思う通りには決してならないという現実を生きながら、伊藤は小説を書いていたわけだ。

     「1」の中心は映画評だが、伊藤が'90年代~'00年代のぶろっくばすたー商業映画を(くだらないもののくだらなさをふくめ)徹底的に渉猟していたことがよく分かる。批評もじつに的確で、博覧強記ぶりにも舌を巻かざるを得ない。「映画狂人」蓮實重彦の

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    2023年11月23日
  • The Indifference Engine

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    単語やら難しい表現が飛び交うが特に気にせずわかった気持ちになって読めばおもしろい。
    その分野に明るい読者であれば何倍もその魅力は増すと思う。

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    2023年07月14日
  • 屍者の帝国

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    伊藤計劃の『虐殺器官』をちょっと前に読んで面白かったので購入。
    実際伊藤計劃が書いたのはプロローグだけらしいので、結末や根幹の設定含めて円城塔の作品と言った方がいいっぽい。
    中盤けっこう読みづらかったけど、全体的な世界観はかなり好き。
    クライマックスシーンは映像映えしそうだな、、と思ったので映画化してると知ってうれしかった
    円城塔の他の作品も読みたいなと思った

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    2023年07月12日
  • 屍者の帝国

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    読む「バイオハザード」って感じですんごい引き込まれた。屍者に霊素ってもの入れて資源(人的な意味で)にできるとかいうトンデモ19世紀だった。会いに行った先の屍者の帝国の王カラマーゾフは死ぬし、ヴィクターの手記と初めの屍者ザ・ワンを追いかけて世界をめぐる。

    日本の浜離宮(大里化学)でのアクションシーンがマジでかっこいい。山澤カッコよすぎ。

    にしても、、、Xの正体は驚いた。まさかそれを持ってくる発想はなかった。

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    2023年07月08日
  • The Indifference Engine

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    虐殺器官やハーモニーに対する補完作品や、メタルギアソリッドやある有名映画のオマージュ作品かな?
    From the nothing, with love.が、伊藤計劃の他の作品とも違ったまた独特の世界観のある作品で、なかなかな着眼点に基づくSF作品で特に良かったです。

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    2022年11月18日
  • 屍者の帝国

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    伊藤計劃の遺作を円城塔が仕上げた合作!!
    あとがきで思わず涙が……。


    伊藤計劃が書いたのはどの程度なのだろう。
    何にせよ、彼がプロットを書いた作品である以上、たとえ中途半端でもファンは読みたいハズですよね。

    後を引き継ぎ仕上げて出版するのはかなり勇気がいる事だと思う。

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    原稿用紙にして三十枚ほどの試し書きと、A4用紙一枚ほどの企画用プロット、集めはじめた資料が残され、『屍者の帝国』は中断された。
    (文庫版あとがきより)

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    原稿用紙30枚程…
    プロローグ部分のみと言う事かな。

    元々『虐殺器官』や『ハーモニー』との関連付けはなさそうだし、構

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    2022年11月09日
  • 屍者の帝国

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    ネタバレ

    「作家刑事毒島」に作者の名前が出て来たので。

    といっても、あとがきによると、
    「原稿用紙にして三十枚ほどの試し書きと、
    A4用紙一枚ほどの企画用プロット、集めはじめた資料」が残され、
    伊藤計劃は亡くなり、円城塔が書いたものということだった。
    個人的には違和感はなかった。

    「歴史改変もの」と言うらしい。
    実際の歴史のどこかを変えて展開するストーリー。
    その「どこか」は、
    フランケンシュタインが作り出した技術が一般化されたということ。
    死者を労働力として利用している世界、明治が始まったばかり。
    それゆえ、少年や女性は炭鉱の労働から解放され、
    戦争は銃を意味をなさず、肉弾戦が有効とされ、
    日本刀

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    2022年09月03日
  • 屍者の帝国

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    シャーロックホームズと組む前のワトソン君、大英帝国のスパイになり世界一周の冒険活劇です。スチームパンクっぽい歴史改変SFなのですが、登場人物や秘密組織など聞いたことのあるのがたくさん出てきて、他の物語にも繋がっていく感じがおもしろいとことろです。?

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    2021年11月18日
  • 屍者の帝国

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    屍者を蘇生させる技術が普及した世界。
    ワトソン博士は軍人のバーナビーと共に、最初の屍者であるザ・ワンを追い、アフガニスタン、日本、イギリスへと旅をする。
    壮大なSFにして、屍者の本質を追い求める物語。

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    2021年08月24日