伊藤計劃のレビュー一覧

  • 虐殺器官

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    対テロのための暗殺を仕事とするシェパード大尉。
    重要なターゲットを追跡する中で、国家が虐殺によって滅びていく理由を知ることになる。
    倫理的な問題、言語について、人類の進化と社会的要因などが複雑に組み合わされた物語。
    単にグロテスクな描写に頼る作品ではなく、テーマがしっかりと考え抜かれていて非常に興味深い。

    文章も巧みで、慣れない専門用語や概念が多いにもかかわらず、読み進めるのが苦にならない。
    読んでいる最中は緊張感が途切れず、展開にハッとさせられる場面も多く、一気読みしてしまう力のある小説だった。

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    2026年01月13日
  • 虐殺器官

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    自由とは何かについて、闘病中の作者による作品だからこそ理解できた気がする

    ラスト100ページでいろいろな話が繋がってきてとても面白かったが、自分の読解力がなく前半の話に入り込めなかった。何年か後に必ずまた読みたい

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    2026年01月04日
  • ハーモニー

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    面白いなあ。ユートピアなのかディストピアなのか、いやディストピアに決まってる。こんな未来が来たら怖いよな。強固なロジックと心に訴えかけてくるエモーショナルな要素うまく合わさってグッと引き込まれた。

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    2025年12月30日
  • ハーモニー

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    ハーモニー。そういうことでしたか。
    SF小説ですが、どう読むか難しかったです。
    本書内の設定は、何百年先にも実現はしないもののように個人的には思いますが、そのイデオロギーは今の現実世界に確かに存在しているようにも思えます。
    現代は日々、人間への抑圧が強くなっているように感じますが、抑圧されているものの中には、きっと必要性があって、存在していたものもあるんだろうなと時々考えます。
    それが、そのときには悪く見えるようなものでもです。
    このまま抑圧されることが加速していったとしたら、その先にはどんな世界があるのでしょうか。
    こうならないことを願います。

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    2025年12月17日
  • ハーモニー

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    「虐殺器官」と同じ世界観の未来の話。

    「虐殺器官」のラストは「この先、世界は壊滅的な状況になるんだろうなぁ」エンドだったけど「ハーモニー」は言わば終わりのその先の物語。ジャンルはディストピアSFで、「こんな社会はやっていられないよ」という書き方がされているのだけれど、でもどうしても頭の片隅で「この社会で何も気がつかず一生を終えることができたら一種の幸せかも」という思いが読んでいるとどうしても消しきれない。読み終わったらどっと疲れちゃった。

    「虐殺器官」で一度崩壊した世界では新たな社会体制が生まれ高度な医療経済社会となり、その社会体制で生きる人々は「個人」ではなく公共のリソースと見なされるよ

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    2025年12月31日
  • ハーモニー

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    医療分子により病気がほぼ消滅、健康、標準体型を維持できる高度な福祉社会
    健康面の生活が保障された社会に女子高生が叛旗を翻す
    10年以上前に読んだ今回再読
    今の世の流れにふとこの本を思い出したから
    大変なテーマを綺麗な文体で描かれているし
    最後の結末は究極のホラーとも取れるし
    とにかく面白かった

    けれど、伊藤計劃さんはこの本を最後に病に倒れ亡くなったことを知っている今は
    何か違う読み方、悔しさとも似た
    表紙の真っ白加減がまた……ハーモニーだった
    10年以上経っても細部まで覚えていた
    だからこそ冒頭から痺れるものがあった。名作と思う

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    2025年12月02日
  • 屍者の帝国

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    いつ果てるとも知れない意識ばかりが先になって、ひとは生を実感できているのだろうか。無意識をいいことに、生のなんたるかなどは置き去りにして。

    この物語を読んでいるあいだに出会した思いがけない事実がある。太陽は宇宙空間を秒速230キロメートルで、天の川銀河の周回軌道に乗り移動し続けているというのだ。一周するのに2億年という時をかけて。
    太陽系の惑星たちも、太陽の移動に付随して、飛びまくっている。ぼくらの大地も、当然のごとく。ぼくらは、まったく意識をしないけれど。

    ひとは、ひとの一生を至上のものと信じて揺らがない。それはそれで、ひとつの真理だろう。疑念の余地もないけれど、本音を漏らせば、いささか

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    2025年11月03日
  • 虐殺器官

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    SF小説は普段全く読まないけど、印象的なタイトルと評判の良さから、なんとなく気になっていた本。

    いやー、面白かった。

    SFと聞くと、自分のような文化に疎い人間には 『STAR WARS』や『ターミネーター』ような、無骨な機械と宇宙と大戦争みたいなストーリーをイメージしてしまうけれど、本作ではSF要素はあくまでスパイスとして盛り込まれているような印象。取り上げられている題材は、今の世界にも存在する諸問題や哲学に関連したもので、はるか未来の空想というよりは、隣り合った世界の話のようで、不思議なリアリティさも感じる。

    タイトルの"虐殺器官"が何なのかについては、ネタバレにも

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    2026年05月29日
  • The Indifference Engine

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    私をわたしと認識しているワタシは私なのか?
    答えの出ない問いを自分の貧弱な脳味噌で捏ねくり回し、考えるのに疲れたら、蛮族くんにアックスを頭蓋に振りおろしてもらえる素敵な小説です。

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    2025年08月05日
  • 屍者の帝国

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    医学生が主人公で各地を旅することに
    その世界は・・・屍者たちがいる世界
    労働に使われたり戦闘に使われたりの
    実際の歴史を改変しての物語のようですが
    死者が屍者として生きているのがなんとも
    いずれそんな世界がやってくるのだろうか?

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    2025年06月17日
  • Running Pictures―伊藤計劃映画時評集1

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    ネタバレ

    作家さんの書評はよくあるし楽しく読みますが、書評に比べて映画評の方はあまり見かけない気がします。
    しかも基本的に褒めるスタンス、楽しく読みました。批評じゃないっておっしゃってますが、紛うかたなき批評です……
    「面白そう!」と思っても、たぶん実際は楽しめないんだろうなわたし…という作品もチラホラあるので、伊藤計劃さんの感性好きだなぁ。

    ストーリーもそこそこ大事だけど、それよりは世界観がキッチリ造られ作中で描かれているか、なのかな…?
    SFは特に世界設計が大事なので頷けるものがありました。

    伊藤計劃さんの書く小説がもう読めない、というところで早逝が悔やまれますが、「あの映画観たらどういう批評さ

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    2025年04月20日
  • The Indifference Engine

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    10年以上ぶりの伊藤計劃、今の時代に読んでも全く色褪せてなくてすごかった。とにかく面白い。
    表面的にはスパイ物、あるいは戦争物でいかにもオタクが描きそうなストーリーだが、なぜか伊藤計劃の文章は登場人物の生き様から強烈なメッセージを感じた。どの短編も題材や設定が違えど、生きるとは何か、をどうしてこうも考えされてしまうのだろう。

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    2025年03月06日
  • 屍者の帝国

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    屍体を蘇生させて操る技術が発達した歴史ifストーリー

    以下、公式のあらすじ
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    屍者復活の技術が全欧に普及した十九世紀末、医学生ワトソンは大英帝国の諜報員となり、アフガニスタンに潜入。その奥地で彼を待ち受けていた屍者の国の王カラマーゾフより渾身の依頼を受け、「ヴィクターの手記」と最初の屍者ザ・ワンを追い求めて世界を駆ける──。伊藤計劃の未完の絶筆を円城塔が完成させた奇蹟の超大作。
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    屍体を蘇生させて簡単な命令をする技術が発達し、屍者が労働力として社会の一旦を担うようになった十九世紀後期
    諜報機関にスカウトされ

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    2025年02月05日
  • 伊藤計劃記録 I

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     ゲームデザイナー小島秀夫の作品に関するエッセイと伊藤の個人ブログに掲げられたテクストから主に映画評と闘病に関する記述を抜粋。言い尽くされた言いまわしだが、抗がん剤治療の苛酷さを淡々と綴っていくくだりには、胸が苦しくなってしまった。「わたし」の身体が自己の思う通りには決してならないという現実を生きながら、伊藤は小説を書いていたわけだ。

     「1」の中心は映画評だが、伊藤が'90年代~'00年代のぶろっくばすたー商業映画を(くだらないもののくだらなさをふくめ)徹底的に渉猟していたことがよく分かる。批評もじつに的確で、博覧強記ぶりにも舌を巻かざるを得ない。「映画狂人」蓮實重彦の

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    2023年11月23日
  • The Indifference Engine

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    単語やら難しい表現が飛び交うが特に気にせずわかった気持ちになって読めばおもしろい。
    その分野に明るい読者であれば何倍もその魅力は増すと思う。

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    2023年07月14日
  • 屍者の帝国

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    伊藤計劃の『虐殺器官』をちょっと前に読んで面白かったので購入。
    実際伊藤計劃が書いたのはプロローグだけらしいので、結末や根幹の設定含めて円城塔の作品と言った方がいいっぽい。
    中盤けっこう読みづらかったけど、全体的な世界観はかなり好き。
    クライマックスシーンは映像映えしそうだな、、と思ったので映画化してると知ってうれしかった
    円城塔の他の作品も読みたいなと思った

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    2023年07月12日
  • 屍者の帝国

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    読む「バイオハザード」って感じですんごい引き込まれた。屍者に霊素ってもの入れて資源(人的な意味で)にできるとかいうトンデモ19世紀だった。会いに行った先の屍者の帝国の王カラマーゾフは死ぬし、ヴィクターの手記と初めの屍者ザ・ワンを追いかけて世界をめぐる。

    日本の浜離宮(大里化学)でのアクションシーンがマジでかっこいい。山澤カッコよすぎ。

    にしても、、、Xの正体は驚いた。まさかそれを持ってくる発想はなかった。

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    2023年07月08日
  • The Indifference Engine

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    虐殺器官やハーモニーに対する補完作品や、メタルギアソリッドやある有名映画のオマージュ作品かな?
    From the nothing, with love.が、伊藤計劃の他の作品とも違ったまた独特の世界観のある作品で、なかなかな着眼点に基づくSF作品で特に良かったです。

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    2022年11月18日
  • 屍者の帝国

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    伊藤計劃の遺作を円城塔が仕上げた合作!!
    あとがきで思わず涙が……。


    伊藤計劃が書いたのはどの程度なのだろう。
    何にせよ、彼がプロットを書いた作品である以上、たとえ中途半端でもファンは読みたいハズですよね。

    後を引き継ぎ仕上げて出版するのはかなり勇気がいる事だと思う。

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    原稿用紙にして三十枚ほどの試し書きと、A4用紙一枚ほどの企画用プロット、集めはじめた資料が残され、『屍者の帝国』は中断された。
    (文庫版あとがきより)

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    原稿用紙30枚程…
    プロローグ部分のみと言う事かな。

    元々『虐殺器官』や『ハーモニー』との関連付けはなさそうだし、構

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    2022年11月09日
  • 屍者の帝国

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    ネタバレ

    「作家刑事毒島」に作者の名前が出て来たので。

    といっても、あとがきによると、
    「原稿用紙にして三十枚ほどの試し書きと、
    A4用紙一枚ほどの企画用プロット、集めはじめた資料」が残され、
    伊藤計劃は亡くなり、円城塔が書いたものということだった。
    個人的には違和感はなかった。

    「歴史改変もの」と言うらしい。
    実際の歴史のどこかを変えて展開するストーリー。
    その「どこか」は、
    フランケンシュタインが作り出した技術が一般化されたということ。
    死者を労働力として利用している世界、明治が始まったばかり。
    それゆえ、少年や女性は炭鉱の労働から解放され、
    戦争は銃を意味をなさず、肉弾戦が有効とされ、
    日本刀

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    2022年09月03日