伊藤計劃のレビュー一覧

  • 虐殺器官

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    もはや伝説と言っていい早世の作家伊藤計劃のデビュー作。虐殺の文法によって世界中で内戦が起こる近未来を舞台に、主人公であるアメリカの諜報軍人は自ら発見した虐殺の文法を駆使して内戦を引き起こす謎の男を追う。

    個人認証技術やバイオテクノロジー技術など細かな描写がリアルで近未来SFとしてめちゃくちゃ面白い。そして、ここで描かれる世界は今の現実を予言しているようにも見える。核爆弾の使用のタガが外れていたり、戦争がアウトソースされていたり、アメリカの介入が混乱を生んでいたり、認知戦が虐殺の文法のように思えたりと今と重なる点が多い。

    トランプにも習近平にもプーチンにも自らの物語があるのだろう。それが虐殺

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    2026年04月28日
  • ハーモニー

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    つまらなくはなかったが、手放しで面白い!と言えるかは微妙なところ。徹底された優しく健康的な世界という設定がどうにも想像しにくく、主人公のように捻くれた人間がもっと大量にいてもおかしくないのでは?という違和感を常に抱えながら読み進めた。あと、途中に挟まれる意識に関する哲学的な議論も難解で、個人的にはあまり共感しきれなかった。ただ最期のミァハとの会話から結末に至る流れは圧巻で、めちゃくちゃ良かった。このラストを読むためだけでも価値があったと思える

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    2026年04月19日
  • 虐殺器官

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    ずっと夢の中にいるような気分にさせつつ、アクションの描写も面白い!途中ダレて、あれ評価いいはずなんだけどなーと思いながら読むと最後が面白い!いい作品でした

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    2026年04月16日
  • ハーモニー

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    ネタバレ

    文中にダグを入れるギミックは今まで見たどんなギミックよりも気に入った。後半加速度的に話のスケールが大きくなるのでやや冷めるが、ギミックの件もあって読書体験としてはかなり良い。伊藤計劃の書く文章が好きだということにこの2作目で確信を持った。個人的には殺伐としていた虐殺器官の方が好き

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    2026年04月15日
  • ハーモニー

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    ネタバレ

    擬似プログラム言語のような独特の文体に慣れるまで、読み進めるのがなかなか大変でした。しかし、その「読みにくさ」こそが、人間がシステムの一部として管理・記述される不気味さを象徴しているようで、読み終えた今はそれも演出の一部だったと感じます。

    痛みや苦しみがなくなり、ただ穏やかに生存し続けるだけの世界。それをユートピアと呼ぶのか、それとも意識の死と呼ぶのか。私は、たとえ苦しむことがあっても、自分自身の意志を持ち続けたい。人間が人間であるための「意識」というバグが消えていくラストには、言葉にできない恐怖を感じました。

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    2026年04月11日
  • 虐殺器官

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    最初と最後が面白い、途中の怠さも良かったと思わせるくらいとにかくラスト30ページくらいから面白いのでつまらんと思ったらそこだけでも読んでみると良いのではないだろうか。

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    2026年03月27日
  • ハーモニー

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    物語としていまいち没頭できなかった。
    オチの世界は特筆すべきもので、もっと早く読んでおけばよかったという作品。このオチの世界観によって金字塔、名作となっている。

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    2026年03月13日
  • ハーモニー

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    ネタバレ

    日本SF界において、伊藤計劃前・伊藤計劃後と言われるほど伝説的な作家とは聞いていた。「屍者の帝国」は読んで個人的にイマイチでそれから離れていたのだけれど、この「ハーモニー」には「なるほどぉ…」と唸るほどの魅力がある。

    「健康」を盾にした息苦しいまでの管理社会という視点において、「一九八四年」や「素晴らしき新世界」に近い世界構造。作者へインタビューの内容を見るまでもなく「二分間憎悪」も出てくる。
    その中で、合理的な社会で人間が苦しむのは人間を人間たらしめる意識のせい、そして、意識は神の与えた神秘的な能力ではなく、動物としての生命維持器官であり、進化の過程で切り離してもよいものだとのストーリー。

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    2026年03月12日
  • ハーモニー

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    伊藤計劃の本は初めて。壮大な世界観と緻密な設定は圧巻でした。その上とても考えさせられる。面白く、深い、とても良い一冊。

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    2026年02月19日
  • ハーモニー

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    (備忘)虐殺器官に次ぐディストピア小説。高度な福祉社会により個人が統制されすぎてしまう世界、淡々と描写されていく世界観がもはやホラー。クライマックスも戦慄だった。伊藤計劃恐るべし。

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    2026年01月17日
  • 屍者の帝国

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    いつ果てるとも知れない意識ばかりが先になって、ひとは生を実感できているのだろうか。無意識をいいことに、生のなんたるかなどは置き去りにして。

    この物語を読んでいるあいだに出会した思いがけない事実がある。太陽は宇宙空間を秒速230キロメートルで、天の川銀河の周回軌道に乗り移動し続けているというのだ。一周するのに2億年という時をかけて。
    太陽系の惑星たちも、太陽の移動に付随して、飛びまくっている。ぼくらの大地も、当然のごとく。ぼくらは、まったく意識をしないけれど。

    ひとは、ひとの一生を至上のものと信じて揺らがない。それはそれで、ひとつの真理だろう。疑念の余地もないけれど、本音を漏らせば、いささか

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    2025年11月03日
  • 虐殺器官

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    SF小説は普段全く読まないけど、印象的なタイトルと評判の良さから、なんとなく気になっていた本。

    いやー、面白かった。

    SFと聞くと、自分のような文化に疎い人間には 『STAR WARS』や『ターミネーター』ような、無骨な機械と宇宙と大戦争みたいなストーリーをイメージしてしまうけれど、本作ではSF要素はあくまでスパイスとして盛り込まれているような印象。取り上げられている題材は、今の世界にも存在する諸問題や哲学に関連したもので、はるか未来の空想というよりは、隣り合った世界の話のようで、不思議なリアリティさも感じる。

    タイトルの"虐殺器官"が何なのかについては、ネタバレにも

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    2026年05月29日
  • The Indifference Engine

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    ネタバレ

    最後は『屍者の帝国』だったが、フランケンシュタイン、ホームズ、吸血鬼ドラキュラなどが下敷きとなった作品で好みの題材だしこの先も超面白そうなのに絶筆なのが本当に本当に残念!!!

    『セカイ、蛮族、ぼく。』は冒頭から食パンをくわえて走ってくるというコミカルな女性が、僕にぶつかってきて転倒したので犯した。という2度見するスタートから始まり、本編中でもう一人強姦する。
    好きでやってるわけじゃない、蛮族という血に従ってるんだ、などと、今の時代では問題アリな作品だが、依頼されて同人誌に寄稿した作品だという説明で少しは納得できた笑
    著者作品はそこまで書かなくても良いんじゃないか?と突っ込みたい女性の性・強姦

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    2025年08月22日
  • The Indifference Engine

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    私をわたしと認識しているワタシは私なのか?
    答えの出ない問いを自分の貧弱な脳味噌で捏ねくり回し、考えるのに疲れたら、蛮族くんにアックスを頭蓋に振りおろしてもらえる素敵な小説です。

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    2025年08月05日
  • 屍者の帝国

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    医学生が主人公で各地を旅することに
    その世界は・・・屍者たちがいる世界
    労働に使われたり戦闘に使われたりの
    実際の歴史を改変しての物語のようですが
    死者が屍者として生きているのがなんとも
    いずれそんな世界がやってくるのだろうか?

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    2025年06月17日
  • Running Pictures―伊藤計劃映画時評集1

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    ネタバレ

    作家さんの書評はよくあるし楽しく読みますが、書評に比べて映画評の方はあまり見かけない気がします。
    しかも基本的に褒めるスタンス、楽しく読みました。批評じゃないっておっしゃってますが、紛うかたなき批評です……
    「面白そう!」と思っても、たぶん実際は楽しめないんだろうなわたし…という作品もチラホラあるので、伊藤計劃さんの感性好きだなぁ。

    ストーリーもそこそこ大事だけど、それよりは世界観がキッチリ造られ作中で描かれているか、なのかな…?
    SFは特に世界設計が大事なので頷けるものがありました。

    伊藤計劃さんの書く小説がもう読めない、というところで早逝が悔やまれますが、「あの映画観たらどういう批評さ

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    2025年04月20日
  • The Indifference Engine

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    10年以上ぶりの伊藤計劃、今の時代に読んでも全く色褪せてなくてすごかった。とにかく面白い。
    表面的にはスパイ物、あるいは戦争物でいかにもオタクが描きそうなストーリーだが、なぜか伊藤計劃の文章は登場人物の生き様から強烈なメッセージを感じた。どの短編も題材や設定が違えど、生きるとは何か、をどうしてこうも考えされてしまうのだろう。

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    2025年03月06日
  • 屍者の帝国

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    屍体を蘇生させて操る技術が発達した歴史ifストーリー

    以下、公式のあらすじ
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    屍者復活の技術が全欧に普及した十九世紀末、医学生ワトソンは大英帝国の諜報員となり、アフガニスタンに潜入。その奥地で彼を待ち受けていた屍者の国の王カラマーゾフより渾身の依頼を受け、「ヴィクターの手記」と最初の屍者ザ・ワンを追い求めて世界を駆ける──。伊藤計劃の未完の絶筆を円城塔が完成させた奇蹟の超大作。
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    屍体を蘇生させて簡単な命令をする技術が発達し、屍者が労働力として社会の一旦を担うようになった十九世紀後期
    諜報機関にスカウトされ

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    2025年02月05日
  • 伊藤計劃記録 I

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     ゲームデザイナー小島秀夫の作品に関するエッセイと伊藤の個人ブログに掲げられたテクストから主に映画評と闘病に関する記述を抜粋。言い尽くされた言いまわしだが、抗がん剤治療の苛酷さを淡々と綴っていくくだりには、胸が苦しくなってしまった。「わたし」の身体が自己の思う通りには決してならないという現実を生きながら、伊藤は小説を書いていたわけだ。

     「1」の中心は映画評だが、伊藤が'90年代~'00年代のぶろっくばすたー商業映画を(くだらないもののくだらなさをふくめ)徹底的に渉猟していたことがよく分かる。批評もじつに的確で、博覧強記ぶりにも舌を巻かざるを得ない。「映画狂人」蓮實重彦の

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    2023年11月23日
  • The Indifference Engine

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    単語やら難しい表現が飛び交うが特に気にせずわかった気持ちになって読めばおもしろい。
    その分野に明るい読者であれば何倍もその魅力は増すと思う。

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    2023年07月14日