伊藤計劃のレビュー一覧
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「少しでも気を緩めれば、ぼくはたちまち絶望のうちへ崩れてしまいそうだ。もちろん、どうすればいいかは判っていた。過去に二度も大切な人を失って、慣れることはできなくとも耐える術は学んでいたからだ。単純にも目蓋を閉じて呼吸を整えれば、気持ちはある程度落ち着けることができる。肉体に気持ちがついてくるのだ。それはある意味で残酷な、人間の肉体と精神に備わる身も蓋もなさだった。そんな自分の心身を、束の間ぼくは激しく憎んだ。」
「世界はささやかな物語の集合体なんだ」と終わる世界。この置いていかれる悲しみはどうしたらいいのだろうか。僕らには国家、組織、規範、時代に囲われた『内』なる自由しかない。いや、それすら -
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同名のゲームの原作本・・と ひとくくりに言えない密度の濃さでゲームの世界観を緻密に表現しています。
特に各キャラクターの心理描写はゲームでは語られないことなのでゲームをプレイされる方・興味のある方にはぜひ読んでいただきたいです。
もちろん この本だけでも十分楽しめます(そしてぜひゲームのムービーで映像を確認してください)。
主人公のスネーク視点ではなく相棒のオタコン視点で語られていることでより広く・深くエピソードを理解できます。
洋画のように練られたストーリーと世界観 熱いメッセージはどの世代にも共感を与え日本国内よりも海外からの支持が多いシリーズなので他作もぜひ読んで(ゲームプレイ -
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虐殺器官・ハーモニーのエッセンスを感じる短編集だった。
ゲーム作品の二次創作や、世界史など、背景知識分からないものも多く、おそらく100パーセントで楽しめたわけでは無かったとは思うけど、それでも内容に思わず引き込まれる、さすが伊藤計劃としか言いようのない魅力ある短編ばかり。夢物語ではない問題提起的なSFというのが本当に好みです。
伊藤計劃の話って、どれも戦争や死生観に対するメッセージ性が強いなと思うけど、著者が本当に言いたいこと、考えてることは明記されてなくて、非常に考えさせられるもの。
特に、ハーモニーでもテーマになっていた人間の意識を扱う短編(From the Nothing, With -
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ちょっと読みにくくて
読み終わるのに時間がかかるお話だったけど
内容自体は面白く…と言っていいかは分からないけど
読んだ
主人公のクラヴィスが追っているジョン・ポールという人物
どれだけか進んだ先の世界の話かと思いきや
後退しているようにも感じたり
でも使っているものは進んだ先のものだったりして
物事は巡る
ということを感じたり…
読み進めていくと
出てくる題名の
虐殺器官
が出てくる
これが変に納得してしまいそうになる説明があって
クラヴィスの心の不安定さが
ゆらゆらと見えて
物語の終わりに向かう
どれだけ世界が進んでも壊れていても
人と人の関係とか繋がり
人の放つ言葉に翻弄され -
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ネタバレ初めての伊藤計劃に本作品を選ぶというかなりイレギュラーなことをしたが、しっかり楽しめた。
最初は屍者と主人公ワトソンの関わりがどこにいくのか読めなかったが、中盤、終盤と物語が進むにつれ実在的なものへの意識だけでなく、「人間の意識」の根源と倫理の話になってくる。
ワトソンたちがザ・ワンに出会ってからは、かなりワクワクしながら読むことができた。
ワトソンやフライデー、ザ・ワンなどフィクションの登場人物として有名な名前たちが後にその物語たちに回収されていく様も素敵だった。
どこから円城塔が加筆したのかは全くわからなかったが、言葉のリズムからこのあたりはそうかも?と想像したりして楽しかった。 -
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全国8000万人のディストピアファンのみなさん、お待たせしました。
ハーモニーです。和製ディストピアです。核戦争タイプです、ポストアポカリプスです。
いちディストピアファンとして、涎が止まりません。
いやー管理されたいですよね?みなさん?
ドMのワタシは勿論、ハードに管理されたい派です。
脳死バンザイ、僕等はリソース!
もはやナンバーワンどころかオンリーワンも許されません。
無個性バンザイ、僕等はリソース!
しかし、異端はいるもので主人公も例に違わず管理社会に疑問を持ちます。困ったものです。
人間とは、個人とは、
ここまで管理された社会の意味とは、
殺伐とした今の社会よりマシなんでしょうか、
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おもしろかった。
SF小説でありながら、情景や心情がリアルで
その圧迫感に終始圧倒させられる。
作中では、子どもを殺しても罪悪感を抱かないようにする科学技術によって、虐殺が可能になる。しかしその「感じなくて済む」という状態を自覚した瞬間に、逆説的に罪悪感が立ち上がる。
残された者には想像しかない。そして地獄は、いつだって内側に存在する。
人は結局、選ばされる。自由であるはずの選択は、不自由という結果を引き受けることと引き換えであり、そこには逃れようのない責任が伴う。それでもなお、自分を損なわないためには、選ぶしかないのだと思う。選択肢が多いほど自由に見えて、実際には守れるものは限られている