【感想・ネタバレ】メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオットのレビュー

あらすじ

暗号名ソリッド・スネーク。悪魔の核兵器「メタルギア」を幾度となく破壊し、世界を破滅から救ってきた伝説の男は急速な老化に蝕まれていた……。戦争経済に支配された世界と、自らの呪われた運命からの解放のため、伝説の英雄ソリッド・スネーク最後の戦いが始まる。全世界でシリーズ3300万本を売り上げた大ヒットゲーム完結編を完全小説化!

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ネタバレ

メタルギアシリーズの総復習にもなる1冊
メタルギアサーガの最終章ということもあり、これまでのメタルギアシリーズのストーリーもまとめられていて、ゲームをプレイしていた時から忘れてしまった内容も思い出すことができた。登場人物も今までのシリーズのキャラが集結しており、まさに総決算といったところ。著者の伊藤計劃氏は大のメタルギアファンだったとされているが、言われてみれば、確かに虐殺器官などメタルギアから影響を受けている世界観だったなぁと今更気づいた。そして今回の作品では、ゲームのストーリーをただ語るだけではなく、作者が感じた思いもうまく織り混ぜられており、伊藤計劃氏の書いたメタルギアを読むことができて本当によかった。

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2025年03月15日

nas

ゲームノベライズのベストかも

こんなに凄いゲームノベライズはちょっと他に思いつかないな。単体でも楽しめるけどメタルギアソリッドのゲームで1,2,3,4を知ってるともっと楽しい。ノベライズってことでゲームの4と同じ物語なんだけど違うというか、圧縮されて濃くなってるのに話やテーマが分かりやすくなってる気がする。「物語」のキーワードを使った描写は上手すぎる

#アツい #感動する #深い

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2024年06月25日

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伊藤計劃は中二病だ。優しい中二病だ。それをこじらせたまま逝ってしまった。優しさに溢れた中二病的文章をできればもっと読みたかった。
オリジナルの作品よりは残酷、グロテスク描写は少なかった。文章のそこかしこにメタルギア・サーガへの溢れんばかりの愛情を感じた。
人は死なない。生物学的に死んでも、その人の遺した物語が誰かに伝わる限りはその人は生き続ける。それがこの作品のテーマでありおそらく原作ゲームのテーマでもある。そしてこの作品自体が、作者である伊藤計劃の死後発表されたこと、彼の存在感を世に強く刻み付けたことにより、メタ的にこのテーマを踏襲しているようにも思える。
メタルギアシリーズめっちゃやりたくなった。

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2019年07月17日

購入済み

単なるノベライズではない

作家・伊藤計劃、そしてMGSのファンとしてこの作品は、その両方の真髄が見える作品でした。
私は伊藤計劃作品の一つとして、この作品を読みだしたため、その作風や描写、構成に至るまで、伊藤計劃らしさが、どこかぼやけて、違和感を感じました。ただ、「本体」であるMGS4ともどのか違う、何か別のものという感じが、第一印象でしょうか。
ただ、読み進めていくうちに、その両方の世界が緩やかに融合していくような、そして昇華していくような、心地よい読書体験へ変わっていきました。
ゲームでは「読めない」MGSがあり、伊藤計劃作品では「読めない」文体がここにあります。
ゲームノベライズとなると、あまりいい印象を持たなかった私ですが、この作品と出会い改めて、創作というものの素晴らしさ、小島秀夫、伊藤計劃両氏の、創作に対する熱意を感じられます。
一言に、壮絶な作品です。

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2019年05月11日

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 メタルギア・ソリッドというゲームのノベライゼーション。
 幸か不幸か僕はこのゲーム未体験。
 ゲームを知っていればもっと面白かったかもしれない。
 ゲームを知っていればしらけてしまったかもしれない。
 
 ノベライゼーションなのでどこまでが伊藤氏の創作が含まれているのか判らないが(もしかしたら全くないのかもしれない)文句なしに面白く読めた。
 読者を先に先にと導く物語への吸引力に満ち溢れており、魅力的なキャラクターが多く登場するし、伏線もきちんと張られており、おもわず「ハッ!」とするような伏線の回収の仕方も見事だったと思う。
 ここはどうかなぁ? と思わせる箇所がないわけではない。
 例えば、物語の世界感の説明が若干くどく、説明も長いような気もする。
 また、物語は「オタコン」の語り、いわゆる一人称で進んでいくのだが、時に主人公である「スネーク」視線で語られている、あるいは三人称で語られている、と錯覚を起こさせるような場面が所々あった。
 視線がふらついてしまう、って感じだろうか。
 人によっては、そういった欠点と思われる箇所が気になるかもしれないが、僕はそんなマイナス要素を補って有り余るほどに面白く読めた。
 伊藤氏はもうこの世にいない。
 本書の主人公である「スネーク」は物語が進む中でどんどんと衰弱していくのだが、そんな姿は癌に犯された伊藤氏自身を投影しているのかもしれない。
 ゲームのノベライゼーションであるから、伊藤氏だけでなく、ゲーム・クリエイターである小島秀夫氏も称賛されるべきなのだろう。
 いつの日か読み返すだろう作品……本当に面白かった。

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2018年01月04日

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ネタバレ

シャドー・モセスの前までのリキッドの動向がほんのちょっとではあるけれどわかるので、たいへん俺得です。
いつか、このほんのちょっとの密度を高めてスピンオフをぜひ。ぜひ。

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2017年08月13日

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ネタバレ

この本はステルスアクションゲーム「METAL GEAR SOLID 4」をノベライズ化したものです。
ゲームの方は、敵に見つからないように潜入するスリルと、映画のようなシナリオがとても人気のある作品です。
小説ではゲームをやっていたときにはわからなかった設定や、キャラクターの心情が補完されているので、500ページ以上ありましたが、終始楽しみながら読めました。本当にこの主人公はカッコいいですし、その相棒との友情も素晴らしく、メタルギアソリッドという作品の良さをさらに高めてくれる良い本です。
その反面ゲームをプレイしていない人は・・・どうなんでしょうね。

実はこの小説の作者、伊藤計劃さんは2009年に亡くなられていますが、メタルギアソリッドを作った小島監督が伊藤さんに向けて後書きを書かれました。
その中で
僕はゲームを作るうえで一つの基準を設けている。それはこのゲームは伊藤さんが喜んでくれるか、というものだ。この基準こそが僕にとっての「伊藤計劃の物語」のひとつである。だから、もうすでに僕の作品には伊藤計劃が宿っている。
という部分がとても印象的でした。

自分に置き換えるなら、今の自分を形作っているのは、家族や、友人、映画、ゲーム、本などの様々な物語です。そして、自分の物語を子供たちや周りの人達に伝えることで今度はその人たちの中で私は生き続けるというように考えたのですがいかがでしょうか?

伊藤さんのデビュー作『虐殺器官』が今度映画化されます。伊藤さんの物語はまだまだ終わりません。

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2017年01月19日

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伊藤計劃まだ二冊目だけど、すごく強く伊藤計劃らしさを感じた。
とても好きだ。
伊藤計劃を読みたいと買ってきたけど、これまでのメタルギアソリッドのネタバレ的な要素が多分に含まれている気がして、若いシリーズのノベライズを先に読むべきだったのではないかと後悔している。
150214

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2015年02月15日

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ゲームのノベライズって、どうなの?
って思うでしょ?
これはちがう!
さすが伊藤計劃!すごい本になってます。
ゲームは一度挫折したけど、もう一回やってみようかな…

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2014年02月11日

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「少しでも気を緩めれば、ぼくはたちまち絶望のうちへ崩れてしまいそうだ。もちろん、どうすればいいかは判っていた。過去に二度も大切な人を失って、慣れることはできなくとも耐える術は学んでいたからだ。単純にも目蓋を閉じて呼吸を整えれば、気持ちはある程度落ち着けることができる。肉体に気持ちがついてくるのだ。それはある意味で残酷な、人間の肉体と精神に備わる身も蓋もなさだった。そんな自分の心身を、束の間ぼくは激しく憎んだ。」

「世界はささやかな物語の集合体なんだ」と終わる世界。この置いていかれる悲しみはどうしたらいいのだろうか。僕らには国家、組織、規範、時代に囲われた『内』なる自由しかない。いや、それすらも充分にはないのかもしれない。闘う必然性も術もないまま、ぬるま湯に浸かって肥え死んでいくだけのこの世界のつまらなさからどうやったら抜け出せるのだろうか…。

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2014年01月26日

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伊藤計劃さんの本がよみたくて、中身を何も見ずにかりました。最初に読んでいると「前ふり」というか「前提知識」の多い内容だな~とおもっていたのですが、ゲームのタイトルの小説化だったのですね。
読み進めていくうちに、全体が把握できましたが、最初の2章くらいはちょっと大変だったかな?という気もします。ロールプレイングゲーム的な感じではありましたが、伊藤計劃さんの世界観がある作品だと思いました。

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2013年12月14日

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ゲームは1、2、3とプレイしてきましたが4は大まかなストーリーを知っているだけでしたので5の発売が決定したのを機に購入。でも正直ゲームのノベライズということであまり期待していなかったんです。MGSというゲームはストーリー性やメッセージ性が強いゲームですけどやはりゲームは実際にプレイしないと、って思っていたので。でも全くそんなことなかった。お爺ちゃんが頑張り過ぎてて途中読むのが辛くなりましたけどほぼ一日で一気に読み終えました。とにかく皆が報われてよかった。MGS好きな人には是非読んで欲しい一冊。

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2013年05月06日

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 同名のゲームの原作本・・と ひとくくりに言えない密度の濃さでゲームの世界観を緻密に表現しています。
 特に各キャラクターの心理描写はゲームでは語られないことなのでゲームをプレイされる方・興味のある方にはぜひ読んでいただきたいです。
 もちろん この本だけでも十分楽しめます(そしてぜひゲームのムービーで映像を確認してください)。
 主人公のスネーク視点ではなく相棒のオタコン視点で語られていることでより広く・深くエピソードを理解できます。
 洋画のように練られたストーリーと世界観 熱いメッセージはどの世代にも共感を与え日本国内よりも海外からの支持が多いシリーズなので他作もぜひ読んで(ゲームプレイして)いただきたい。
 ゲームの各ステージのボス戦であるBB(ビューティービースト)との戦闘はあえて省略。
 最後に一つだけ残念なことは MGS1・MGS2・MGS3・MGS-PW・MGS-GZ・MGOなどシリーズ全作品 伊藤 計劃氏に小説化していただきたかったことです。

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2012年11月14日

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壮大な男の一代記。相棒のオタコンが語る過去と現在。こんがらがったが、なぜそういう作りなのかがわかった瞬間、泣けた。

好きだから大切にしたいモノがある。大切にしたいけど好きだから…。こう「好き」が詰まった宝物のような物語。長かったけど、気持ちいい読後感だった。

「毎日の食卓にも、誰かの物語が生きている。この世界は、そんなささやかな物語の集合体なんだ。」たとえ。まずい目玉焼きがでてこようと…。

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2012年11月14日

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メタルギアを知らない人には少し難解だが、メタルサーガを網羅しておりメタルギア初心者にも面白い一冊。涙なしには語ることができない。

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2018年01月06日

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ゲームのノベル版なので、楽しく読めればいいかなと思っていました。
しかし、メタルギアソリッドの深い物語と伊藤計劃さんの文章で、のめり込んでしまいました。

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2016年06月06日

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シリーズものとは知らず本書からはじめてしまった。もともと伊藤計劃が好きだったので手に取ったが、まだ初期だからか、ノベライズだからか彼らしい作品ではなかった。しかし、彼があとがきで述べているようにこれはノベライズにもかかわらずなんども読むに耐える文章で、読みごたえも充分だった。

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2015年04月12日

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ネタバレ

早逝した作家・伊東計劃の手によるメタルギアソリッドのノベライズ作品。
伊東先生が好きなので購入しましたが、ぶっちゃけメタルギア某なるゲームについては名前しか知らず、プレイしたこともないので本作がどの程度ゲームに忠実なのか、そうでないのかはわかりませんでした。が、作品としての面白さ奥深さは超本物。全く予備知識のない自分にはところどころ人間関係や世界観でわかりづらい部分もありましたが、丁寧な解説が差し込んである場合が多いため、読むのに苦労はしませんでした。ただ、その分多少説明的ではあったかな…。それゆえ「虐殺器官」等よりは点数低めにはしてあります。
さて、本作の主役は言わずと知れた暗号名ソリッド・スネーク。悪魔の核兵器「メタルギア」を幾度となく破壊し、世界を破滅から救ってきた伝説の男です。
しかし彼の肉体はナノマシンによる急速な老化に蝕まれ、余命いくばくもない。宿命の兄弟リキッド・スネークを葬るため再び戦場に老いたスネークは赴くが、そこで世界を覆う巨大な真実と向き合うことになる…。
作家になる以前からメタルギアソリッドが好きだったという伊東先生の、深い作品愛を感じます。特有の精緻で機微に富んだ作風は、映像以上に世界観を想像させてくれるのですよ。本当スゴイ。返す返すも惜しまれる作家さんを亡くしたんだなぁと思いましたわ。
ちなみに、本編後に収録されている「あとがき」「伊藤計劃さんのこと」も良いのよ。

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2015年04月05日

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メタルギアソリッド4のノベライズ本にして、ノベライズ本にあらず。ゲームの焼き増しではなく、これはまさに伊藤計劃の作品だ。もちろん素晴しいゲームシナリオがあるからこその作品ではあるが、それをすばらしい小説に仕上げたものがこの作品。自ら生きること、その意味を深く考えさせられる作品。ベースにはもちろんメタルギアソリッドの物語があるのでだ、そこにはどうしても伊藤氏の「生」や「死」への想いが重なる。それは氏の他の作品にも見られることだ。自らの死を意識した上なのか、作品の重みや言葉の重みが違う。

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2014年06月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

突然シリーズものを最終回から読み始めたので、まったく入り込めなかった部分もあるが、にしても問題意識はいつもの伊東さんだな、と確認。

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2014年03月16日

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シリーズの筋書きについて細かく補完はしているものの、やっぱりゲーム未経験者には辛い部分が少々。
とはいえやっぱり読ませます。だってゲームしてみたくなりましたもの。
ナノマシンとか、意識とか、影響を受けたのであろう部分が出てくるとちょっぴり泣ける…

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2013年11月25日

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SF小説界に彗星のように現れ消えた異色作家、伊藤計劃。その生涯最後の作品は名作アクションゲームのラストエピソードをノベライズ。戦争が政治の手段でなくなりワールド・ビジネス化した世界で究極の兵士として造リ出された男の運命と「史上最大のテロ」との戦いの記録を、友人の視点で淡々と語られる回顧録としてストーリーは展開する。計劃の手腕により、主人公のあまりにも男臭い生き様はゲームストーリーの小説化を「まんが小説」に貶める事なく、さらに第一級のサスペンスSF小説として昇華させる。筆者最後のメッセージは「生きる事」と。

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2013年10月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ゲーム作品のファンとして読み進めたが、その世界感に織り込まれた著書の死生観が痛切に感じられ、小島監督のあとがき 無念さがそれを倍増させた。

“わずかでも自分の面影を見出すことの出来る、年老いた肉親の死。 それを看取るということは、いずれ自分が迎える死の予行演習でもあるのだ。”

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2013年03月03日

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ネタバレ

メタルギアソリッドシリーズは1、2、3、4とプレイした経験があったので、わりと読みやすかった。でも、内容は重い感じで読み終えるのに時間がかかった。
ゲームでのあのシーンはそういうことだったのかと思うところもあって、ゲームプレイ済みでも楽しめた。

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2013年02月19日

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ノベライズ、ということでなんというか、伊藤計劃成分は薄味で、物語に重点がおいてありました。もちろんそれがノベライズであり当たり前のことなので読む前から重々承知してたのですが。


メタルギアのノベライズ。ゲームの1作目からのノベライズではなく、急に4作目のノベライズは非常に難しかったのでしょう。詳細に物語のルーツを書いてありますが、それでも伝わり切るものではありませんでした。それはとりもなおさずメタルギアシリーズの、ゲームという枠に収まり切らない物語性を示しているのでしょう。


私はメタルギアシリーズをプレイしたことはありませんが、本作を読んで「自分がこのゲームを理解しきるのは不可能だ」と思うほど伊藤計劃のメタルギア愛が伝わってきました。

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2012年11月12日

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伊藤計劃が信者的に愛した小島秀夫の物語。「メタルギアソリッド」は、ぼくの中では戦争アクションゲームというジャンルとして抵抗があった。しかしそれは大きな思い違いだった。小島秀夫がPS3で一番新しい「メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット」で描こうとしたテーマは反戦であった。
また、このメタルギアのステルスアクションと称されるゲーム性は、いかに敵と遭遇せず、敵を殺さずにミッションを遂行するかというゲームであり、このゲーム性自体が先のテーマを象徴している。そういえば「4」が出た当時、興味本位で体験版をDLしプレイしてみたが敵を前にして速攻死んでしまった記憶があるが、つまるところ戦わないことがこのゲームの肝であったのだ、といまになって理解できた。
それを知るやいなやプレイせざるをえない衝動にかられ一気プレイしたが、このゲームの奥の深さは只者ではないし、「4」がPS2でリリースされた「2」の続編でありシリーズ全体に絡んでしまっている以上、今度発売されるPS3のHGリマスター版のシリーズ作品をぼくは多分プレイすることになるだろう。

メタルギアソリッドのノベライズは、伊藤にとって自身を体言化したファンタジーだと思う。死を宣告されたスネークが世界の存亡を賭けて戦う。それを支えるオタコン。どちらも伊藤自身を描いてるのだと思う。
つまり、伊藤がスネークの死を宣告されても自分の宿命に対して立向う姿を、自身と投影していたと思うし、それに対するオタコンが客観的な伊藤の気持ちだろうと思う。
そういう意味では、自伝的な性格も持つことになったこの作品は、伊藤の遺作として相応しいかもしれない。まあその後ハーモニーがでるんだけどね。
病気と立ち向かうことは、生きるということの証であり、いわば戦争だと思う。だから、伊藤は戦争というテーマを自然と受け入れたのだと思うし、それは同世代的によくわかる。またメタルギアソリッドのストーリーは親殺しによって成長する主人公が描かれ、いわゆるエディプスの異型ではあるが、死を抱え、宿命付けれながら、それでも生きることを選択し懸命に生きることの意義を全うしようとするスネークの姿勢はそのまま伊藤計劃の生き様を踏襲しているようで泣けてくるのだ。

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2016年02月18日

Posted by ブクログ

伊藤計劃さんの作品だということで、読んでみた作品だが、とにかく長くて大変だった。また、名前を区別することができなかったため、読むのが大変だった。印象に残ったのは機械の冷酷で残酷な攻撃が描かれる戦争の場面だった。

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2020年06月12日

Posted by ブクログ

人気ゲーム作品である『メタルギア・ソリッド4―ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』のノベライズ版です。

「PMC」(民間軍事会社)が世界各地で戦争を繰り広げる世界で、伝説の男と呼ばれる「ソリッド・スネーク」は、その肉体の急激な老化に抗いつつ、彼とおなじく「ビッグ・ボス」の遺伝子コピーのよって生まれた「リキッド・スネーク」を暗殺するという任務に就きます。やがてナオミ・ハンターによって彼の肉体に注入された殺人ウィルスが、世界を破滅にみちびくであろうことが明らかになり、ソリッド・スネークはわずかにのこされた時間を、「オタコン」ことハルとともに戦います。

ゲームの世界設定をていねいにおさらいしながら物語が進められていくので、ゲームについて知らない読者でもたのしめる内容になっています。とはいえ、このゲームの熱心なファンだった著者だけに、たんに元の世界を舞台にした一本のストーリーをえがくだけでなく、さまざまな事件へのリンクをぎっしり詰め込んでおり、本の厚さ以上のヴォリュームを感じます。

十分にたのしんで読むことができた作品ではありましたが、伊藤計劃の作品というよりも、「メタルギア・ソリッド」の熱烈なファンによる作品という印象があり、その点に若干の不満を感じてしまいました。

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2020年05月07日

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【ノート】
・これを読むことで、少しゲーム内で分かりづらかったことが補完された。
・このゲームをやり続けてきて、なぜ、アメリカが舞台なんだろうと思っていた。今もまだぼんやりとしか、自分なりの解釈はできていない。このノベライズでは、日本に向けてのメッセージ性を読み取れる箇所もあったが、それは小島ワールドとのシンクロなのか、伊藤計劃独自なのか。
・脚本ありきでのノベライズだからか、若干、描き方で「おや?」と思う箇所に何度か出くわした。決定的なのは、オタコンの一人称で描かれていながら、時々、三人称的な描かれ方をされている箇所。もちろん、後から聞いた話ということなんだろうが、それを差し引いても、違和感を感じる箇所があった。
・当然だが「虐殺器官的」な匂いもする。こちらの方、つまり小島ワールドの方がより壮大で、しかも希望があるが。このノベライズを読む前に「虐殺器官」は読んだが、その時に、主人公に感じた雰囲気と、このノベライズでのオタコンに感じた雰囲気が似ているように思った。
・それにしても、PSの最初のMGSをやった時に、オタコンがここまで重要なキャラクターになるとは思わなかったなあ。

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2018年10月28日

Posted by ブクログ

友人に薦められた本。ゲームから入る方が、具体的にイメージを持てて、より読む楽しみが増える気がするが、自分はメタルギアソリッドの世界観をよく知らずに読んだため、寧ろ、伊藤計劃の世界観として本作を味わう事になった。思えば伊藤計劃を知るきっかけも本作からだったのだが、ゲームからのノベライズというアプローチを取っていない虐殺器官やハーモニーの方が小説として正統派な気がして、薦められながらに敬遠していたのだ。

伊藤計劃が亡くなったのが惜しい。本作に限らず、たまに思い出しては、悲しくなる。しかし、その世界観は小説の中に永遠に生きるのだろう、小説家とは素晴らしい職業だ。

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2018年02月23日

Posted by ブクログ

老い、傷つきながらも戦いへと赴くスネークの「物語」がカッコいい。
久しぶりにシリーズをやり直したくなった。

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2013年02月21日

Posted by ブクログ

ゲームを以前に遊んだことがあったから話を思い出しながら読み進める。オタコンの視点で話が進むところは良かったけれど、少ししつこいなーと思う場面も所々にあった。「ハーモニー」を読み返したくなった。

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2012年12月08日

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