あらすじ
暗号名ソリッド・スネーク。悪魔の核兵器「メタルギア」を幾度となく破壊し、世界を破滅から救ってきた伝説の男は急速な老化に蝕まれていた……。戦争経済に支配された世界と、自らの呪われた運命からの解放のため、伝説の英雄ソリッド・スネーク最後の戦いが始まる。全世界でシリーズ3300万本を売り上げた大ヒットゲーム完結編を完全小説化!
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Posted by ブクログ
メタルギアシリーズの総復習にもなる1冊
メタルギアサーガの最終章ということもあり、これまでのメタルギアシリーズのストーリーもまとめられていて、ゲームをプレイしていた時から忘れてしまった内容も思い出すことができた。登場人物も今までのシリーズのキャラが集結しており、まさに総決算といったところ。著者の伊藤計劃氏は大のメタルギアファンだったとされているが、言われてみれば、確かに虐殺器官などメタルギアから影響を受けている世界観だったなぁと今更気づいた。そして今回の作品では、ゲームのストーリーをただ語るだけではなく、作者が感じた思いもうまく織り混ぜられており、伊藤計劃氏の書いたメタルギアを読むことができて本当によかった。
Posted by ブクログ
シャドー・モセスの前までのリキッドの動向がほんのちょっとではあるけれどわかるので、たいへん俺得です。
いつか、このほんのちょっとの密度を高めてスピンオフをぜひ。ぜひ。
Posted by ブクログ
この本はステルスアクションゲーム「METAL GEAR SOLID 4」をノベライズ化したものです。
ゲームの方は、敵に見つからないように潜入するスリルと、映画のようなシナリオがとても人気のある作品です。
小説ではゲームをやっていたときにはわからなかった設定や、キャラクターの心情が補完されているので、500ページ以上ありましたが、終始楽しみながら読めました。本当にこの主人公はカッコいいですし、その相棒との友情も素晴らしく、メタルギアソリッドという作品の良さをさらに高めてくれる良い本です。
その反面ゲームをプレイしていない人は・・・どうなんでしょうね。
実はこの小説の作者、伊藤計劃さんは2009年に亡くなられていますが、メタルギアソリッドを作った小島監督が伊藤さんに向けて後書きを書かれました。
その中で
僕はゲームを作るうえで一つの基準を設けている。それはこのゲームは伊藤さんが喜んでくれるか、というものだ。この基準こそが僕にとっての「伊藤計劃の物語」のひとつである。だから、もうすでに僕の作品には伊藤計劃が宿っている。
という部分がとても印象的でした。
自分に置き換えるなら、今の自分を形作っているのは、家族や、友人、映画、ゲーム、本などの様々な物語です。そして、自分の物語を子供たちや周りの人達に伝えることで今度はその人たちの中で私は生き続けるというように考えたのですがいかがでしょうか?
伊藤さんのデビュー作『虐殺器官』が今度映画化されます。伊藤さんの物語はまだまだ終わりません。
Posted by ブクログ
早逝した作家・伊東計劃の手によるメタルギアソリッドのノベライズ作品。
伊東先生が好きなので購入しましたが、ぶっちゃけメタルギア某なるゲームについては名前しか知らず、プレイしたこともないので本作がどの程度ゲームに忠実なのか、そうでないのかはわかりませんでした。が、作品としての面白さ奥深さは超本物。全く予備知識のない自分にはところどころ人間関係や世界観でわかりづらい部分もありましたが、丁寧な解説が差し込んである場合が多いため、読むのに苦労はしませんでした。ただ、その分多少説明的ではあったかな…。それゆえ「虐殺器官」等よりは点数低めにはしてあります。
さて、本作の主役は言わずと知れた暗号名ソリッド・スネーク。悪魔の核兵器「メタルギア」を幾度となく破壊し、世界を破滅から救ってきた伝説の男です。
しかし彼の肉体はナノマシンによる急速な老化に蝕まれ、余命いくばくもない。宿命の兄弟リキッド・スネークを葬るため再び戦場に老いたスネークは赴くが、そこで世界を覆う巨大な真実と向き合うことになる…。
作家になる以前からメタルギアソリッドが好きだったという伊東先生の、深い作品愛を感じます。特有の精緻で機微に富んだ作風は、映像以上に世界観を想像させてくれるのですよ。本当スゴイ。返す返すも惜しまれる作家さんを亡くしたんだなぁと思いましたわ。
ちなみに、本編後に収録されている「あとがき」「伊藤計劃さんのこと」も良いのよ。
Posted by ブクログ
ゲーム作品のファンとして読み進めたが、その世界感に織り込まれた著書の死生観が痛切に感じられ、小島監督のあとがき 無念さがそれを倍増させた。
“わずかでも自分の面影を見出すことの出来る、年老いた肉親の死。 それを看取るということは、いずれ自分が迎える死の予行演習でもあるのだ。”