関裕二のレビュー一覧

  • 古事記の正体(新潮新書)

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    20251016−1023 本居宣長以来、『古事記』は日本の大和心をすなわち日本人の精神性の根源を伝える書であるとの評価が定着している。しかし、その成立過程や編纂の目的については未だ明らかにされていない。本書はその謎について論じている。著者の論によれば、『古事記』は『日本書紀』の歴史改竄を暴くための稗史である、という。たしかに日本書紀は天皇家の正当性を主張している正史であろう。論を進めていくと、渡来人の出自を持つ秦氏が古事記に深く関わっていたのだろう背景もわかってくる。
    面白くて一気に読んでしまった。

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    2025年11月30日
  • アマテラスの正体(新潮新書)

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    アマテラスの暗号を読み、もっと深く知りたいと思い読みました。そうしたら今度は藤原氏を深く知りたいと思ってしまいました。

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    2025年03月28日
  • 消された王権 尾張氏の正体

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    一筋縄ではいかない古代日本史
    本書で指摘されているように、歴史の表舞台に出てこない東日本の謎は実に興味深い。
    古代史で時折り登場する東海地方の有力豪族尾張氏は、なぜ三種の神器のうちの草薙剣を祀り続けたのか。
    東海系の勢力が日本建国に一定の役割を果たしたことは、事実であろう。出雲との関係、東国、日本海勢力など、まだまだ謎は多い。

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    2025年02月09日
  • 消された王権 尾張氏の正体

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     日本の歴史には表舞台から消えた者たちがいる。古代尾張氏もその一つだ。
     ヤマト王権成立に深く関わりながらもやがて歴史から姿を消した。その理由は何か。本書は尾張氏の足跡を丹念に追い権力闘争の実態を明らかにする勝者が歴史を作るならば、敗者の声はどこへ消えたのか。歴史を知ることは現在を理解する手がかりでもある。

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    2025年02月03日
  • 伏見稲荷の暗号 秦氏の謎

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    突拍子もない発想を楽しんでいるかのよう、こんな見方もできるのかと感心。
    様々な書物の引用が、簡潔にまとめられており役立つ。
    秦河勝は依然としてよくわからないが、秦氏のもたらしたものが日本の文化の根底に影響していることはわかる。

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    2024年10月17日
  • 『古事記』と壬申の乱

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    奈良への旅行に行く前に予習の一つとして。

    教科書では数行の記載の事象も解説されると面白い。真偽はともかく、古代の人々も懸命に生きてきたんだなと思うと奈良にますます行きたくなった。

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    2024年04月13日
  • 百済観音の正体

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    この人の作品は好きで何冊も読んでいるけど、だいたい言ってることは一緒。本書はこれまでと違う切り口かなと楽しみに読んでみたが、推論が飛びすぎて善光寺にまで飛んでいってしまうと、もはやついて行けず結論も中途半端な印象を拭えず残念。
    2024-019

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    2024年04月09日
  • 継体天皇―分断された王朝―(新潮文庫)

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    ■継体天皇とは、今の天皇から遡れる、実在が確認できる一番古い天皇。
    ■日本書紀・古事記にも登場するが、謎の多い人物でもある。
    ■著者なりの考えをはっきりと主張しているように感じるが、結局王朝交代があったのか、本当に応神五世の孫なのか、なぜ「関東」の大王を呼ばなければならなかったのか、肝心なところがボヤけてよく理解できなかった。でも、日本の古代にはロマンがあって面白い。

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    2023年10月09日
  • 新史論/書き替えられた古代史6 呪われた平安京と天皇家の謎(小学館新書)

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    呪われた平城京と言うと何だか恐ろしいタイトルだが、よく言われている38代天智天皇(中大兄皇子)系と40代天武天皇(大海人皇子)系の骨肉の争いが背景にある。
    49代の光仁天皇になってようやく天智系に戻るが、この背後には天武系の血筋を絶やそうと、血で血を染める歴史がある。そして裏に表に天皇と結び付くのが藤原氏。
    藤原氏の祖、中臣鎌足は百済王家の出身。平安京に遷都した桓武天皇の母も百済系だ。
    そもそも桓武天皇が平城京から離れたのも、天武系抹殺の祟りを恐れてと思われると言う。
    藤原氏は不比等の四人の子から、南家、北家、式家、京家に分かれるが、北家が勢力を失う鎌倉時代まで天皇家に娘を嫁がせる等して権力を

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    2022年09月17日
  • 邪馬台国とヤマト建国の謎

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    読み易かった。
    邪馬台国論争の歴史や畿内説・北九州説の根拠と可能性などわかりやすく解説。北九州説が有力か。

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    2022年07月30日
  • 神武東征の謎 「出雲神話」の裏に隠された真相

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    初代天皇神武天皇の大和への東征神話を考察した本。神話だから事実ではないと決めつけずに検証すべきという筆者の言葉はまさにその通りだと思う。
    ただ内容は若干筆者が走りすぎている感も無きにしも非ず、もう少し練ってもよかったのではないかという気もする。

    筆者の不満にもある通り、どちらかというと記紀の事実性に疑問がついたまま置かれているという印象の、古代日本、王朝文化の始まりの考古学的探究も、いつかは大きな発展があるのだろうか。

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    2022年05月08日
  • 海洋の日本古代史

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    以前は日本の古代史にはあまり興味がありませんでしたが、最近では遺跡の分析技術も向上したり、様々な新しい文献が発見されたりして、以前習っていた内容と異なる部分が、特に古代には多いようですね。

    海に囲まれた日本は古代から海と上手に付き合ってきたのだと思います。小学生の高学年から大学に入るまで、海の見える町(神戸)に住んだ私にとって、海を見ていると心が安まります。この本をはじめ、類書を読むことで海と上手に付き合っていた古代の日本人に想いを馳せることができました。

    以下は気になったポイントです。

    ・中国は「南船北馬」が有名であが、日本列島の場合「西の水運・東の陸運」「西の水軍・東の騎馬軍団」であ

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    2022年05月08日
  • 神武天皇vs.卑弥呼―ヤマト建国を推理する―(新潮新書)

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    弥生時代中期以降、農業が発展し地域ごとにクニを形成し小競り合い、3c初頭にヤマトの纏向に集まり政治と宗教に特化された都市が出現、3c後半から4cにかけてヤマト政権が誕生し東北北部を除く広域流通ネットワークが構築される。前方後円墳という埋葬文化を各地の首長が受け入れ先進の文物をヤマトの王が分配、ゆるやかなつながり「ヤマト政権」
    著者の主張は、王家の母型の祖は縄文の海人の末裔、神武天皇は疫神を退治する役割で九州から連れてこられた、との2点。
    纏向遺跡の外来土器の割合:東海49%、山陰・北陸17%、河内10%、吉備7%、関東5%、近江5%、西武瀬戸内3%、播磨3%、紀伊1%。
    3つの謎、1:弥生時代

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    2022年04月23日
  • 『古事記』と壬申の乱

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    関さんの本、15年くらい前に読もうとして(まだ中学生だった)難しすぎて断念したのです。
    今回読めて良かった。
    賛否両論ありまくりなんでしょうが、個人的に
    古代史ってわからないことが本当に多いので、これくらい色々推理して色んな説を打ち出してもいいんじゃないかなと思います。
    確かに教科書で習う飛鳥時代ってキレイにまとまりすぎてて、んなわけねぇだろとは思う(笑)

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    2021年11月22日
  • 「縄文」の新常識を知れば日本の謎が解ける

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    縄文時代からヤマト建国まで、ひいては現代にまで縄文文化の影響が脈々と繋がっていることを説いている一冊。
    日本人はどこから来たのかを母系のミトコンドリアの分析と父系のY染色体の分析から説明しているが、素人にはわかりにくいかった。
    縄文時代が一時教科書から消えたのは初めて知った。
    我々が教わったのは大陸から来た人たちが稲作を日本に持ち込んで、縄文人たちを北と南に追いやっていった、ということだったが、実はそうではなかったということを色々な角度から説明している。

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    2021年09月25日
  • 古代史の正体―縄文から平安まで―(新潮新書)

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    いわゆる通説を覆す系の本。日本書紀は実質的に編纂した藤原不比等の意向により藤原氏の正当化がなされているというのが全体的な主張。史学と考古学さらには万葉集といった文学を統合させて自説の根拠としてく手法は壮大だが、こうした本の例に漏れず主張が断定的で眉に唾つけて読むことは必須。
    ヤマト政権は瀬戸内、日本海、東海などの各地勢力が奈良盆地に実権を持たない祭祀王を推戴することで成立した。
    院政が権力を摂関家から天皇家へ奪い返すことができたのは、人事権によるもの。生前退位による後継者指名によって藤原家の息のかかっていない皇子を天皇にすることができたため、外戚としての摂関家の重要性を低下することができた。乾

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    2021年07月11日
  • 地形で読み解く 古代史

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    日本書紀も歴史を反映していると考え、現地調査も踏まえて想像力で飛躍しながら古代について書かれた本。
    きっと正しいことは分からないのだろうけど、歴史のIfを考えるとワクワクしますね。

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    2021年02月06日
  • 『古事記』と壬申の乱

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    なぜ、ほぼ同じ時期に『古事記』(712)と『日本書紀』(720)というふたつの歴史書を必要としたのか。しかも『古事記』は新羅に好意的で、『日本書紀』は百済に好意的(反新羅)である。中国の歴史書は多くの場合、新王朝が前王朝を倒した正統性を明らかにするために記されていることを考えれば、当時の日本では、2つの王朝が争っていたと推測できる。

    当時(7世紀中頃)の朝鮮半島情勢を見てみると、新羅、高句麗、百済が鼎立した三国時代。もともと、新羅、百済などから日本への移住者はおり、政権争いもあった(乙巳の変)。さらに、唐が新羅を支援して百済を攻撃し、百済が滅亡する(660年)あたりから、百済の遺民が大量に日

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    2019年09月15日
  • 『古事記』と壬申の乱

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    関裕二先生
    なぜだろう、読みづらいのに買ってしまう
    いつも中途半端にしか読めない
    古事記偽書説を述べているが肝心な事が書いていない
    712年に出来た古事記
    713年風土記編纂命令で、720以降(忘れた)出来た出雲風土記
    この出雲風土記の神話の数々が720年できた日本書紀には記載が無く、712年の古事記にはふんだんに記載ある
    多氏が自分の家系を飾り立てるため、政敵が編纂した新撰性氏録にない独自の神を出した日本書紀より古い国選史書を偽っているに決まっているじゃないか
    なぜ書かない

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    2019年05月03日
  • ヤタガラスの正体

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    八咫烏という存在の意味するものを知るため、一般にその正体とされる賀茂氏(葛城)の検討を経て、ヤマト王朝建国の功績を消された天皇系・出雲以外の尾張・近江(息長)・吉備(物部)、そして丹波の古代豪族の大きな役割を読み解く。

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    2019年01月04日