関裕二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
地形で読み解く古代史 関裕二 KKベストセラーズ
物証の少ない古代史を今に残る地形と地理の関連性と
現場に立って当時を思い起こしながら
人間の選択肢を拾い起こしていく
のそ状況証拠から当時何が起こっていたかを洗い出す
まるで探偵のように手足で物証を探し求めると言う
実態のある研究方法で読み解いた日本古代史である
政治的な編集が歪めている日本書紀と古事記や
風土記とか魏志倭人伝とは別の姿も浮かび上がってくる
大陸から見れば南東に太平洋という堀をめぐらす
東のはずれである日本列島は攻めるに攻めにくく
そレに値する大きな利益も臨めない特異な場所である故に
激しいせめぎ合いも回避できて来たと同時に
時間を懸けて世界の吹き溜まりともなっていたのだろう
独裁者が生まれなかった理由
なぜ日本人は多神教的なのか
独裁者ではない王がなぜ巨大な古墳群を造ったか
日本を二分する植生の違い
世界の常識を覆した縄文人
ヤマト建国を巡る謎
豊国で朝鮮半島とつながる神功皇后
瀬戸内海と日本海の対立が生んだ天孫降臨
なぜ神奈川に巨大前方後円墳が造営されたか
なぜ八世紀に東北蝦夷征討つは本格したのか
卑弥呼は30の国から選ばれた合議制の倭国王だと
魏志倭人伝に記されているという
この理由は複雑で狭い山と谷と森で仕切られて
大群が動くには不向きだったからだと著者は言う
更には各地の自然災害が多いために
それぞれに恐れるものを神とする多神教が生まれる風土であった
飛騨山脈と鈴鹿山脈をつなぐ豪雪地帯の狭い関が原で
東西を二分している日本列島
又縄文時代の人工は東側で発展していた
西で稲作が盛んになってからも
豊かな狩猟採集栽培の食生活を捨てることはなかった
西は照葉樹の文化で鉄の文化と共に森林が消滅する
北と東は広葉樹のブナやナラの森で植生も違い
雑穀とイノシシの家畜化による文化の違う
農耕を拒んだのは豊かだったことと
土地の所有という所有意識による戦争をきらった兆しがあるらしい
継体天皇は東の福井から返り咲くことになる
縄文人が東から西に移動して来たことで
脅威を感じた西の人々が東を警戒しながら奈良盆地にヤマトに都を造る
日本書紀に見る歴史の改ざん
継体天皇以前の記事を鵜呑みにすることはできない
当時権力を裏で握った藤原氏は天皇の正当性を建前として
本音は日本書紀の編纂によって藤原家が正当な家柄だと見せなければならなかった
正当な蘇我氏を悪者に仕立てることで自分の正当性を築いた -
Posted by ブクログ
天平の甍、井上靖さんの小説だが、これを30年近く前に読んで古代に興味が沸いた。大化の改新とかの時代が、現在につながっているなどと思ったこともなかったのが、今と同じように活き活きと人々が暮らしている、自分達と変わらないじゃないか、というか、自分の祖先なんだ、と急に身近に感じたものだ。もしかすれば、輪廻転生した自分が、その中の登場人物であったかもしれないし。
「聖徳太子の秘密」関裕二氏の本を読んで、目から鱗が落ちた。聖徳太子は実は架空の人物で、時の政権を担う天智系の天皇家とそれを支えてきた藤原氏が創り上げた虚構だというのだ。つい最近まで、聖徳太子の実在を疑ったこともなかったが、そういう見方もあるんだ、と自分の古代史観に激震が走った。
簡単に言えば、実権争いのために天智天皇(中大兄王子)と藤原鎌足が諮って蘇我入鹿を暗殺し、その正当性を主張するために捏造したのが日本書紀という正史であり、前政権の良かった点を聖徳太子という架空の人物の業績とし、悪かった点を殺害された入鹿の仕業とした、というのである。
とても納得できる筋書きであり、なんとか当時の全容を知りたいと思っている。学者じゃないので、自分が納得できる程度でいいわけだし。
日本人は「畏れ」という感情を根っこに持っている、という本があった。つまり、祟りを恐れて、不承不承ながら従ったり、敬うふりをする。全国に数ある神社の多くは、祀られている人の祟りを恐れるがためだという。有名なのが、菅原道真の天神様だろう。その他にも、理由が伝わってないだけで、ほとんどは鎮魂のために神社が建てられているのだ。
そういった畏れの感情を犯人の子孫だけに留まらせず、いわば日本人全体の原罪意識としての畏れの感性になってしまったのはいつ頃からなんだろうか。まずは、犯人であった現天皇の祖先と、藤原氏の罪状を明らかにし、その上で初めて現日本人の文化特質を考ることができるのかもしれない。