【感想・ネタバレ】聖徳太子の秘密 「聖者伝説」に隠された実像に迫るのレビュー

あらすじ

摂政として推古天皇を補佐し、十七条憲法を制定し、遣隋使を派遣するなど、国家としての態勢を整え、大陸文化の移入に努めた聖徳太子……。われわれが描く聖徳太子のイメージは、仏教を重んじた清廉な政治家というのが一般的だ。それは、『日本書紀』のなかで、聖徳太子が「聖者」として扱われていることと無関係ではないだろう。しかし、「聖者」として礼賛される一方で、日本の各所に「鬼」として祀られる聖徳太子が存在する。著者の聖徳太子に対する関心は、「聖者伝説」と「鬼伝説」という、一人の人物に真っ向から異なった二つの評価が存在しているところから出発している。はたして聖徳太子は「聖者」なのか「鬼」なのか!これまでも、大化改新、壬申の乱、神武天皇、継体天皇、物部氏など古代史を彩る事件や人物の謎に、定説にとらわれることなく、大胆な発想で鋭く迫った著者の筆の切れ味は、本書でも多いに発揮されている。古代史ファン垂涎の一冊。

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Posted by ブクログ

 天平の甍、井上靖さんの小説だが、これを30年近く前に読んで古代に興味が沸いた。大化の改新とかの時代が、現在につながっているなどと思ったこともなかったのが、今と同じように活き活きと人々が暮らしている、自分達と変わらないじゃないか、というか、自分の祖先なんだ、と急に身近に感じたものだ。もしかすれば、輪廻転生した自分が、その中の登場人物であったかもしれないし。

 「聖徳太子の秘密」関裕二氏の本を読んで、目から鱗が落ちた。聖徳太子は実は架空の人物で、時の政権を担う天智系の天皇家とそれを支えてきた藤原氏が創り上げた虚構だというのだ。つい最近まで、聖徳太子の実在を疑ったこともなかったが、そういう見方もあるんだ、と自分の古代史観に激震が走った。
 簡単に言えば、実権争いのために天智天皇(中大兄王子)と藤原鎌足が諮って蘇我入鹿を暗殺し、その正当性を主張するために捏造したのが日本書紀という正史であり、前政権の良かった点を聖徳太子という架空の人物の業績とし、悪かった点を殺害された入鹿の仕業とした、というのである。
 とても納得できる筋書きであり、なんとか当時の全容を知りたいと思っている。学者じゃないので、自分が納得できる程度でいいわけだし。

 日本人は「畏れ」という感情を根っこに持っている、という本があった。つまり、祟りを恐れて、不承不承ながら従ったり、敬うふりをする。全国に数ある神社の多くは、祀られている人の祟りを恐れるがためだという。有名なのが、菅原道真の天神様だろう。その他にも、理由が伝わってないだけで、ほとんどは鎮魂のために神社が建てられているのだ。
 そういった畏れの感情を犯人の子孫だけに留まらせず、いわば日本人全体の原罪意識としての畏れの感性になってしまったのはいつ頃からなんだろうか。まずは、犯人であった現天皇の祖先と、藤原氏の罪状を明らかにし、その上で初めて現日本人の文化特質を考ることができるのかもしれない。

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2010年11月14日

Posted by ブクログ

なんとなく目にとまって買った本ですが、学校で習った聖徳太子像とは違った見方をしていて、そういう点では面白かったです。

万葉集にも隠語が使われてたとか、興味をそそる部分もあったんですけど、細かい人物の名前が、ごちゃごちゃしてきて最後は読み流しで読んだ部分もありました。

その辺りの歴史人物や歴史背景を詳しく知っておくともっと面白く読めたと思いました。

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2017年01月05日

Posted by ブクログ

法隆寺が好きなのでその派生として聖徳太子に関するものを読んでみたいと思い
「本が好き」サイトで知ったので買ってみた。

こういう考え方もあるんだなと。
だれもタイムスリップしてみることはできないので
ホントウのことはわからないけど
一つの説として興味深く読んだ。

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2014年01月29日

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