伊藤守のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
社会とは関係性や他者との共通認識によって形作られてるものである。一つの対象でも見方によって全く異なる解釈ができ、複層的な見方で社会は構成されている、という話かな。好きな考え方だし、内容もそこまで固くなく読みやすくて良かった。折を見てまた読み返してみたい。
基本的に私も同じような価値観で生きているなと感じたので、私も社会構成主義者なんだろうと思った。
女はこうだ、外国人はこうだ、高齢者はこうだ、というステレオタイプな見方も否定している。
というか。そういう狭い了見で社会を見るとつまんないし間違えるよね、という単純な事を指摘してるだけなんだよな。
科学から見える事実と、宗教から見える事実は異なるが、それぞれの見方からしか得られない事実はどちらも重要なものであり、優劣はない。
痛みや試練に対する捉え方として、苦痛と捉えるか、乗り越える試練と捉えるかは関係の文化による。
探求的ナラティブという考え方が面白かった。人は自分自身を精神的な悟りに向かう使命を持つと考えるそうだ。そこまでは思った事ないなぁ。
リーダーシップも関係性の中で形作られるという考え方もしっくりくる。
対話に参加する人たちがリーダーシップの役割と行動を自分達の間で創造するときにリレーショナルリーダーシップが生まれる。
ただ実践論的な章ではもう少し深掘りが欲しかった。アプリシアティブ・インクワイアリーは肯定的に問題を調査する、ポジティブコアを見出す(上手く行った時はどうだった?みたいな)考え方だと思うが、それだけで上手くいくと考えるのは少し楽観的すぎると思うんだよな。
コラボレーティブ(協働)もそう。そんなに上手く協働できない人や組織は沢山あるよね。
パブリックカンバセーションプロジェクトは至って普通の行動だと思った。要するに議論の前に雑談しましょう、同じ人間だと理解できれば建設的な対話ができます、って事。飲みニケーションとかアイスブレイクとかと同じ発想だよね。当然大事だけど。
あと男性と女性の好むナラティブ(語り)の違いが面白かった。男性はモノミス(主人公が冒険して英雄になる物語)を好み、女性はそういうストーリーより人間関係の記述を好むらしい。
あと最後の方の道徳的相対主義への批判(構成主義はいろんな見方を認めるので道徳的価値が曖昧になる、と理解)に対する反論も、なんか甘く感じた。
構成主義を既存の「善」の価値観に立脚したものだと説明しているが、その価値観すら相対的なモノで社会構成主義では前提にしてはらいけないのでは?と思う。
例としてフェミニストやゲイ、精神患者グループなど少数派に力を与える考え方だと述べているが、それも社会的な認知が進んできたから出てきた思想であり、批判に対する反論にはなってないと思う。要するに治安が悪化して犯罪推進派が増えたらその価値観も認めなきゃ行けないのが社会構成主義の弱点なのでは?と思ってる。
まぁ、主義というと矛盾が出てくるが、個人的な社会の捉え方としてはとても有意義な考え方だと思うし、個人的にも推したい思想です。
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Posted by ブクログ
コーチングを日本に紹介した著者による、会社内でのより意味のあるコミュニケーションを推進するものとしての「3分間コーチ」を提案する一冊。
職場の後輩とどのように接すればよいか考えるための参考書として購読。
「1分間マネジャー」という本を読んだことがあったので、それと同じように「3分間コーチとは具体的にどうすればいいのか」という話に終始すると思っていた。
だが実際には、コーチングによって人と人との対話を円滑に行うことで組織に変化をもたらす重要性について、200ページ以上にわたり説明する内容であった。
本の中では、さまざまなコーチと著者とのやりとりや逸話が収められている。その中で個人的に好きなのは、元カナダのローイングのナショナルチームのコーチを務め、選手たちをオリンピックへ送り出した経歴を持つダグ・クラークの言葉だ。
「金メダリストと銀メダリストの違いは何か。
金メダリストは金メダルを目標にはしていない。金メダルを取った後の自分の人生のビジョンをしっかりと持っている選手が、金メダルを通過点として持つのだ。
銀メダリストは金メダルを目標にしていて、だから金メダルに届かない。」(p.138)
実際に読んでみるとコーチングというものが、ただコーチが部下や後輩に対して意図する方向へ導くものではなく、二人が対話していくなかで現在地と今から行きたい場所を一緒に探るものなのだと気付かされる。
一度読んだだけでは内容を取り込みきれないので、後輩と対話を試みながら、ときどき読み返してみたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ変革的コーチングとは何か
本書はコーチングを単なる目標達成の手法としてではなく、「クライアントの内面に深く働きかける変革のプロセス」として捉えている。特に「内省的探求」という独自の対話手法を通じ、持続的な行動変化を引き出す点に新鮮さを感じた。
コーチングの本質と人間性
ICFの倫理規定やコア・コンピテンシーが「人のカタチを為す文章」として描かれていることは、コーチングが技術以上に人間性を扱う営みであることを体現している。単なる技法ではなく、生きた「あり方」としてコーチの在り方を問う核心だ。
理論と実践の融合
ティモシー・ガルウェイのインナーゲーム理論やジョン・ウィットモアのビジネス・コーチングの背景からも本書の位置づけが見える。心理的自由と主体的行動の重要性が理論と実践で深く結びつき、コーチングの普遍的価値を証明している。
実践的手法の具体性
変革的コーチングは、感情の揺れに寄り添いながら、SMARTな目標設定で決意を具体的な行動約束に変化させる実務的な方法も示す。これがクライアントの自己効力感を高め、持続的な変化を可能にしている。
組織におけるコーチングの可能性
個人だけでなく組織文化の変革に寄与するとの示唆も重要だ。リーダーがコーチングを理解し実践すれば、創造性豊かで適応力のある組織へと成長できることを学んだ。
総括として
本書はコーチングを学ぶ者にとって、技術だけでなく「人間としてどうあるべきか」を問い続ける深い示唆を与える。読むことで、自己の内面と対話し、他者の成長を真摯に支える真のコーチングの道に近づけると感じた。 -
Posted by ブクログ
・何かを始めるには、まず「起動時間」がかかる。その間に物事がうまく行っているかを確認し、必要なら調整を加え、最適化を目指す
・究極的に、企業が求めているのは利益であり、それが実現するのは10年単位だ。四半期単位で実現することではない
・忙しい人は自分の人生をコントロールできない人
・この世界は短期の思考の誘惑で溢れている
・前向きな制約があるおかげで、むしろ集中力が研ぎ澄まされる。こうなると必然的に、もっと大きな視点の問いを自分に投げかけることになる
・相手の都合に合わせて自分のスケジュールを変えない。自分にとって都合のいい日時のときだけ承諾する
・コマース銀行は営業時間を伸ばす代わりに利息を極端に安くする道を選択した。なにか大きな欠点を持つことは、偉大さを達成する唯一の方法だ。欠点を持つことを拒否すると無難な結果しか手に入らない
・ロングゲームで大切なのは「バカげた目標は、今だからこそバカげて見える」ということだ。永遠にバカげた目標であるとは限らない
・「お金」に最適化するのではなく、自分の「興味」に最適化することが大切。
・自分が相手を助けられる方法を考える。自分の目的はあなたの負担を軽くすることだという意図を明確に伝えなければならない
・夢に向かって行動したいなら、必要なのは「時間」ではなく「期限」だ
・自分の分野で一目置かれる存在を目指すには、キャリアを「学ぶ」「創造する」「つながる」「収穫する」という4つの大きな波に区切って考える必要がある
・多くのプロフェッショナルは、ネットワークづくりをなにか「卑怯なこと」のように感じている
・やりたいことがあるなら開始日を決める
・自分が仕事から何日離れていると、職場がガス欠の状態になるかを考える
・3年単位の目標ばかり追っていると、たくさんのライバルと戦わなければならない。しかし7年単位の目標にするとライバルは激減する。なぜなら、そんなに先まで考える企業は殆どないからだ。時間軸を伸ばすだけで、短期では達成できないような大きな目標に取り組めるようになる