高山なおみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
たとえば、背中とくっつきそうなくらいおなかがへっていたら、
目の前にドン、とほかほかの美味しそうなドンブリが出てきたような。
あるいは、甘いものが食べたくて食べたくて仕方ないときに、
そっと、柔らかくて甘くてつめたいものが差し出されるような。
もしかすると、調子が悪くてなんにも食べたくないときに、
香りだけでほっとするような、さわやかなお茶を渡されるような。
この本には、そんな力がある。確実にある。
高山なおみさんからあふれてくる言葉たちは、
みんなどれも、なまなましくて、体にとびこんでくる。
男らしいかと思えば、びっくりするほど繊細な表現にも出会う。
そして、はっとさせられる。
彼女 -
Posted by ブクログ
高山なおみさんが、自身のサイト「ふくう食堂」で書いていた日記を本にしたもの。
(書いていた、というのは、今年2月でWebでの日記が終わってしまったからなのです。残念…涙。今10巻が最新刊。12巻まで出るそう。楽しみにしていようーっと)
1巻〜2巻あたりは、まだクウクウ(吉祥寺のレストラン)でシェフをしていた頃なので、少しぴりぴり感というか、時間に追われている感じが出ています。
その後はどんどん緩やかになっていくイメージ。
高山なおみさんを取り囲む周りの方も魅力的です。
(だんな様で発明家のスイセイさん、編集者の方、富良野に移住してネットでプリン販売している夫婦とか。読んでいてわくわくする人生 -
Posted by ブクログ
料理研究家の日記エッセイ第1弾。「なんでもない毎日が、たんたんと積みかさなってゆくしあわせ」。何気ないのに深く染みる文章だ。毎日の生活をきちんと見つめて生きている人の言葉だ。この料理を作りたい。今日は晴れた。体調が悪い。そんな当たり前のことに当たり前に気付いて泣いたり笑ったりできる、その豊かさ。仕事に対して、頭も身体もフルに使うけど感情はいらない、そう言えてしまう潔さには仕事を持つ者として納得させられるものがあった。ごはんの描写のひとつひとつにもほっこりさせられる。ちゃんと食べるってとても大事なこと。毎日少しずつ読んでいきたい本だ。ちょっとまわりを見回してみようか、そんな気持ちになれる。