安藤寿康のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
内容的に難しいところもあり、飛ばし飛ばしで読んでしまうところがいくつかありました。ただ、自身のこれまでの人生を振り返ったりスマホがある現代は他者の生活や様々な情報が飛び交っている。そんな中で遺伝って関係ないのかな?とかメンタリティのようなものは遺伝の影響はないのか?などと気になることもある。
とまあ、なんか上手く文章を書けていないが自分の性格や能力について遺伝がどのくらい関与しているのか?そもそも影響はあるのか?などを実験データを用いながら説明してくれました。
知能なども遺伝の影響であるとか努力でなんとかなるなど述べられるが、どちらか一方の論理に集約することはなく様々な要因が複雑に絡み合って得られる結果である。そのため、本書をきっかけに能力への遺伝の影響度合いなどを知ることで極端な理解をしないこと・無知であるから不安になることがある・知識があるから解決策を提示できるということを知ってほしいです。 -
Posted by ブクログ
遺伝子について相当分かりやすく書いてくれていました。
「遺伝」と「環境」のどちらが人格形成等に影響を与えているのか。という二項対立は合っているが違う。遺伝が環境を選び得るし、環境によって起こされる(または抑えられる)遺伝もあり得る。
塩基の組み合わせをバラバラにするとか、DNAの半分を分けて与えるとか、どうやってそうなったん?って感じた。
それができた種や個体が生き延びているのだろうが、「できる/できない」も遺伝子や環境によるのだろうから、その確率っていったい…。
生命誕生して、減数分裂ミスる個体ばかりやったら今はないんだとすると、遺伝子も必死やったんやろうか。その遺伝子が受け継がれているとしたら、当時必死やった遺伝子は僕らの中にも残っている可能性は非常に高い。今も必死な遺伝子…。 -
Posted by ブクログ
この本の主題は「環境次第で人はどのようにも…変われない」である。
身体的特徴は遺伝が9割。
神経質、外向性、勤勉性といったパーソナリティは遺伝が5割。
統合失調症、自閉症、ADHDは8割が遺伝。
反社会的行動は6割が遺伝。
知能は5〜6割が遺伝。
世間では、学力のような認知能力よりも、非認知能力が大切。さらには、非認知能力は環境で変わるので、ちゃんと育てば育つものという考えが支持されている(と思う)。
だが、著者の専門である行動遺伝学的に言えば、この考えは否定されている。
例えば、非認知能力の一つである「やり抜く力」の遺伝率は37%らしく、他のパーソナリティの遺伝率と同程度。「やり抜く力」を向上させると考えられる訓練をさせたものの、心構えだけは向上したが、本当に「やり抜く力」が向上した訳ではない結果に。むしろ、その心構えですら非共有環境(運)の影響で説明がつく結果となった。つまり、非認知能力は、遺伝と運で説明がついてしまうという恐ろしい結果である。
反対に、学力の認知能力は家庭環境の影響を多少は受ける。と言っても、数%。しかも、これを家庭で徹底すれば必ず学力が上がるというものは見つかっていない。効果があるかもと言われているのは「静かで落ち着いた雰囲気の中できちんとした生活をさせること」「本の読み聞かせをすること」。
環境の個人差にも40%くらいの遺伝率が見出されてる。例えば、遺伝的に本を読むのが好きな子にはより多くの本が与えられ、遺伝的に聞き分けのいい子には親が頭ごなしに叱りつけるのではなく子どものいい分に耳を傾けようとしている。つまり、その人が自分で作る環境、自ずと呼び寄せてしまう環境には、その人の遺伝的素質が多かれ少なかれ反映される。
結局、自分の意思で人生をコントロールできるのは、多く見積もってせいぜい1〜2割程度。やっぱり、世の中ガチャなのかと身も蓋もない感が残る。
与えられた能力を最大限生かしつつ、社会のために生きることが大切だし、周りの人の能力を見極めて、認め合うことが大切。
この本を読んだのも、自分や子ども、周りの人の未来をより良いものにしたいという想いが根底にあると思うが、そのこと自体、自身の能力や特性、長所の発露として捉えるべき、と書いてあり、なんかこの一文には救われた感がある。
読みながら、全体的に何とも虚しい気持ちになりつつも、中年になった今、今までの人生を振り返って納得のいくことも多いのは事実。若い時に読むのと年齢を重ねてから読むのは全然印象が違ってくる本に違いない。
-
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルの「運は遺伝する」という表現は、あらゆる行動や傾向に遺伝子が影響を及ぼす、という意味で捉えると分かりやすい。
遺伝を過小評価すると、環境ばかりに目が向き、教育現場や本人・教師・保護者が過度に疲弊する。
早期教育は親の影響を受けやすいが、成長につれて遺伝的特徴が強まり、能力の方向性が固まる。意図的な環境操作で結果を変えようとする行為は、不確実性が高く、実質的にはギャンブルに近い。
知能と性格(BIG5:開放性・誠実性・外向性・協調性・神経症傾向)には一定の関連があり、とくに知能と開放性には0.3〜0.4程度の相関がある。
行動遺伝学が示す成功戦略は、努力万能論でも才能決定論でもなく、遺伝×環境の最適化という視点。自分の遺伝的傾向に合う場所と行動の選択がベスト(できる?)。
偽悪芸人・橘玲× 行動遺伝学者・安藤寿廉の対談。前回よりも解像度高く読めた(気がする)。再読。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ親が期待するほど、子は家庭環境の影響は受けない。影響度の大きさは「遺伝子>非共有環境>共有環境」の順になる。とはいえ、知能や技能の形成には、共有環境の累積的な影響も受ける。
自由で平等な環境(社会階層の高さや社会体制)は、遺伝子の影響を増幅させる。一方、貧困状態や制約の高い環境では環境要因が強く働き、遺伝の影響は抑制される。
子どもが健やかに成長するための最低限の環境整備は欠かせない。一方で、親としては子どもの遺伝的特徴を「良いもの」と信じたくなるが、必ずしもそうとは限らない。そう考えると、遺伝の影響を過度に強めるような環境づくりが本当に望ましいのかなと考えてしまう。 -
Posted by ブクログ
こちらも、読書家の先輩からのご推薦。「高学歴発達障害」と合わせて読むと、非常に理解が深まった。
1.運すら遺伝している。
環境を選ぶのも正確に起因する。例えば、リスクを取りがちな人は、交通事故に合う可能性が高くなるなど。だから、このように直接的に遺伝子に刻まれていないことも遺伝子が環境を選ぶということが起こり得る。
ビッグファイブ;性格を記述するスタンダードな方法
外向性(社会性)、神経症傾向(慎重性・繊細性)、協調性、堅実性(勤勉性)、経験への開放性(開放性。文化性)、
遺伝子と性格の関連性の例
脳内のセロトニン輸送体の多型で、脳内のセロトニン濃度が変わる。セロトニン濃度が高いと陽気(アフリカなどで多い)に、低いと神経質になる(東アジアやヨーロッパに多い)。
ドーパミンの遺伝子も、新奇性を好むような性格になり。冒険的になるか、保守的か。