安藤寿康のレビュー一覧

  • 運は遺伝する 行動遺伝学が教える「成功法則」

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    知性と豊富な表現力を備えた方々の対談というのは、本当に面白い。
    橘さんが自説や過去の著作で披露してきた知見を縦横無尽に展開するのに対し、安藤さんが防戦的に対応している様子が目に浮かんだのですが、あとがきを読むと、それが安藤さんのスタイルだと理解しました。
    安藤さんが説く行動遺伝学の理屈や概念は、私には理解が難しい点もあるのですが、読者の立場から橘さんが確認、言い換えをしてくれるので、助かりました。今後、安藤さんの著作にも挑戦したいと思います。

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    2023年12月21日
  • 運は遺伝する 行動遺伝学が教える「成功法則」

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    流石の橘玲さん。エビデンスベースで良質な物語を紡ぐチカラは圧倒的。安藤寿康さんも凄いんだけど、領域の広さと深さ、言葉の選び方が神がかっていて比較にならない。
    人工的なゲノム編集と自然淘汰で環境適応遺伝子が残ってきた事実とは、構造上は同じでも時間軸が圧倒的違う。100万年単位のことが、数年、若しくは数日で可能になる。この事実に二人は気付いていて言及してないのか、気付いていないのか。気付いてないわけないから、言及しても落とし所がないって思ったんだろうな。
    ユヴァル・ノア・ハラルが人類は神を目指すって言ったのけど、遺伝子はいつまでもブラインドウォッチメーカーでいた方が幸せだと思いました。

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    2023年12月05日
  • 運は遺伝する 行動遺伝学が教える「成功法則」

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    「言ってはいけない」の橘氏と、行動遺伝学の泰斗である安藤氏による対談形式で、最新の行動遺伝学の研究からから導き出さるれている事実と、その事実を前提に教育のあり方等様々なテーマが議論されるている。
    遺伝の影響を受けていない表現型や知能、様々な能力、パーソナリティはないという不都合な事実を正しく認識し、その事実を前提に世の中で起こっている事象を理解しないと間違いを起こしてしまうし、皆が生きやすい社会は実現できない。遺伝的な適正を見つけることが幸せにつながることを教えてくれる1冊。

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    2023年11月27日
  • 能力はどのように遺伝するのか 「生まれつき」と「努力」のあいだ

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    ネタバレ

     遺伝対環境。どちらが重要なファクターか?

     結論は両方。しかし、遺伝的に決まる部分が大きい、とする。ヒトの遺伝の研究は一卵性双生児と二卵性双生児の差異を見ることで進歩してきた。

     しかし、ある遺伝子がこのファクターに直結…という単純な話ではなく、遺伝子aとbとcが重なるとこれが出やすい、ということだそう。

     知能と遺伝の間には相関があるが、さらに強い相関があるのは、知能と学歴、だそう。この部分は、パティシエは甘党の傾向がある、というようなもので「?」な感じ。

     親ガチャはある。しかし、本人の適性に合った、能力開発をしていけばそれも克服できる、とする。(直前に「人口ゼロの資本論」で親の

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    2023年11月26日
  • 運は遺伝する 行動遺伝学が教える「成功法則」

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    いつもの橘節だけではなく対談なので、他の意見も聞けてなお参考になった。印象に残った文章として、安藤さんが言う「確かに行動遺伝学の研究で知能なら60%位非認知能力でも30から40%の遺伝率があることがわかっていますが、ここで測っているのは、あくまでも一般的な知能であり一般的な非認知能力に過ぎません。わかっていない残りの能力に、その人にとっては非常に大事なことがある」と言うが、くだりが参考になった。

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    2023年11月15日
  • 能力はどのように遺伝するのか 「生まれつき」と「努力」のあいだ

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    セントラルドグマはともかく、遺伝上では、地球上の生命は皆、統計情報化された確率の変移にすぎないのかな。
    逆かな、確率の変移が、統計情報化されて個体総体として成立していると考えればいいのかな。

    まあ、知能という次元では、言語処理として生成AIと然程の違いは無い。この単層限定なら、暗黙知が成立している感じがする。でも単層では、暗黙知ではないか。

    生命としては、確率の変移で、言語処理、知能としては統計情報化と考えた方がいいのかな。こっちは意味か。

    個々の微細な意味の集合、集積が、単線ではなく複層、複雑化した結果、奥深い様々な物語を誕生させるのか。

    ゆえに、それがより趣のある一意では捉えられな

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    2023年09月30日
  • 日本人の9割が知らない遺伝の真実

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    行動遺伝学の知見。
    50%は遺伝の影響、残り半分は非共有環境の影響を受ける。
    遺伝の影響=やっても仕方ないではない。
    評価される能力は社会環境によって変化する。
    発言していない能力の発見。
    経験を通じて自分に合った環境探し。
    学年制ではなく、能力制による学校改革。
    12年間ないし15年間の教育を受けても残らない知識。
    遺伝の影響は無視できるほど軽くはないけれど、全てを決定するものではない。
    遺伝的才能を生かす道を探す。

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    2023年09月24日
  • 日本人の9割が知らない遺伝の真実

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    知能を含め、人間のあらゆる能力が半分は遺伝によって決まる。しかし、そこで諦めるのは早計、その先、能力を評価する基準軸の多様化を理解すること、それでもなお一定数存在する能力が無いとされる人々に対する配慮が必要ってことか。

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    2023年09月11日
  • 生まれが9割の世界をどう生きるか 遺伝と環境による不平等な現実を生き抜く処方箋

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    遺伝と環境と偶然の産物。それらの堆積物が人というもの。
    極端に言えば、自由や意思などどこにもない。
    そんな論考に、そのとおりだよなあ。
    と思っていて…
    でも、その遺伝、環境、偶然ってどう違うんだろう。
    選べないという意味では、主体・自分にとっては、全て同じ。
    全ては偶々。
    と言っているに等しいようにも思う。

    この本では著者は、
    遺伝と言っても、それは親から子に引き継がれるもの、という意味あいより、たんに偶然に配られる生命の設計図であること。
    共有、非共有環境と言っても、それは、受け止める主体の、生命の受け止め方でしかなく、特定の事実そのものとは違った、体験、感想・感覚を指すものであること。

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    2023年09月01日
  • 日本人の9割が知らない遺伝の真実

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    遺伝と能力の関係をエビデンスを元に説明。
    実際に行動遺伝学の前線で研究してる方だからこそ信用でき素直に読み進める事ができた。

    遺伝の真実を知った上で、
    教育をどうしていくのかを書いてあるが
    教育のページが具体的でないのが残念。
    ふわっとしていてみんなの意識改革みたいな感じ。

    ただ、遺伝の真実を知れたのは良かった。

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    2023年08月24日
  • 生まれが9割の世界をどう生きるか 遺伝と環境による不平等な現実を生き抜く処方箋

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    人間のほとんどは遺伝と運で決まる、らしい。

    がしかし、お金で人の可能性やきっかけ、やりたい事を与えられない、受けられないことへの不満や不平等は消えない。

    親の教育や先生への過剰な期待よりも、システムや情報が広く、安く、手軽に行き渡っている事の方が重要。

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    2023年08月16日
  • 能力はどのように遺伝するのか 「生まれつき」と「努力」のあいだ

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    遺伝学×統計学。統計学って凄い。セントラルドグマの制約→遺伝子の相互作用による「発現(表現型)」(確率の問題)→パーソナリティも遺伝要素大。「能力」とは「ある特定の状況や課題において、個人に同じ機能を持った行動を反復して起こさせる神経的・身体的ネットワーク」。「環境」も遺伝の影響を受ける。著者も述べているが、本書を優生学的に勘違いされることを危惧します。著者の思いは真逆なので。

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    2023年08月14日
  • 能力はどのように遺伝するのか 「生まれつき」と「努力」のあいだ

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    橘玲の「言ってはいけない」で同様に遺伝の影響についてある種危機的に煽っていたと思うが、本著ではより研究のデータに基づいて、専門的な分析がなされている(ように素人からは見える)が、ブルーバックスとはいえ門外漢には手に取るように、とは行かない内容。

    研究方法やその領野について、なかなか専門として進めようとする初学者でも骨太に思われるが、雑読の徒からすると、遺伝という視座がそもそも生物学の深遠な学術領域の一つなのだと再確認。

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    2023年08月13日
  • 日本人の9割が知らない遺伝の真実

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    知能とIQ、その他各種才能はほぼ遺伝で決まっているというのは分かっていたが、如何に双子の研究で導き出しているかという説明が勉強になった。

    遺伝というのも、親から大部分を引き継ぐわけではなく、割とランダムに、そして家庭環境もそこまで影響が大きいわけではないのが意外だった。数学、音楽、スポーツなどがほぼ遺伝と非共有環境で決まるのに対して、外国語はある程度共有環境による影響があるのも頷ける。

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    2023年08月13日
  • 能力はどのように遺伝するのか 「生まれつき」と「努力」のあいだ

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    「環境か遺伝か」という単純な話ではなく、遺伝と環境の交互作用によって説明される。
    遺伝の効果が環境によって変わってくる。逆に環境の影響が遺伝の条件によって変わってくる。
    知能の遺伝率は発達とともに増加するのは驚きだった。

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    2023年08月02日
  • 日本人の9割が知らない遺伝の真実

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    遺伝の影響について、考察した新書。『言ってはいけない』のエビデンス的な本。
    一卵性双生児が異なる環境で育った場合、遺伝による影響が強い因子と、環境による影響が強い因子を見極めるような研究を紹介している。とても、興味深いと感じたので、参考文献を読みたくなる。著者の他の書籍も探しているが、読みたい本に限って書店にはないようだ。
    ある程度の知識は、この人間社会では身につけないと生活ができない。誰もが、学ぶべきなのだが、ある領域を超えるところは遺伝による影響が大きくなるようだ。
    読み物として面白い。

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    2023年03月14日
  • 生まれが9割の世界をどう生きるか 遺伝と環境による不平等な現実を生き抜く処方箋

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    面白かった

    行動遺伝学から遺伝と環境が人に与える影響を知った上で、これからの人生をどう考えて生きていくか考える一つのきっかけになった

    行動遺伝学的に「結局これってどうなのよ?」って疑問をエビデンスと安藤教授の知見をもって答えてくれて、読み物として読みやすくておもしろかった

    もっと自分の内的感覚の声に耳を傾けよう

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    2022年12月12日
  • 生まれが9割の世界をどう生きるか 遺伝と環境による不平等な現実を生き抜く処方箋

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    タイトル通り、人は生まれたときに決まっている物(遺伝)が大きいという衝撃的な話。
    よく親ガチャと言われるが、親ガチャの定義もその人の環境によって3種類に分けられる。ただ、一般的に言われている親の遺伝を受けるから、人生負け組的な発想はナンセンスであるということも理解できた。
    統計的な話も多く、とにかく調べながら読み切った。

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    2022年11月17日
  • 日本人の9割が知らない遺伝の真実

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    ネタバレ

    著者自ら「橘玲さんの『言ってはいけない』の便乗本」とおっしゃっているところに好奇心が湧き、積読リストに入れていました。
    『言ってはいけない』のインパクトは強烈でしたから。。

    行動遺伝学の双生児研究(一卵性双生児と二卵性双生児の類似性の比較)により、人間の身体や知能、性格、才能などが環境や遺伝にどの程度影響しているのかの研究結果を紹介し、行動遺伝学に基づき、今後の社会をどのように作っていくべきかの提案もされていました。
    これらが形成される要因は、遺伝、共有環境(双子が共有している親との家庭環境)、非共有環境(双子が共有しない親以外の友人などの人間関係・学校などの環境)の3つで構成されるそうです

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    2022年03月21日
  • 日本人の9割が知らない遺伝の真実

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    おすすめの一冊。遺伝について研究で得られたことを一般向けに解説するとともに、教育のあり方を議論する。

    p37「知能とは、知能検査ではかられる能力である」というのは目からうろこであった。このような定義を操作的定義と呼ぶ。(反対は概念的定義。)操作的定義によって定量的研究が可能となった。従って言葉が示す一般的な意味からずれているかもしれないので注意が必要。

    遺伝の影響は一卵性双生児と二卵性双生児の比較から主にえられた。「共有環境」は遺伝以外の、二人を似させようとするもの、であり、「非共有環境」は二人を異ならせようとするもの。

    双子の身長や数学・音楽能力などの相関係数を算出する。
    一番簡単なモ

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    2022年02月19日