安藤寿康のレビュー一覧
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流石の橘玲さん。エビデンスベースで良質な物語を紡ぐチカラは圧倒的。安藤寿康さんも凄いんだけど、領域の広さと深さ、言葉の選び方が神がかっていて比較にならない。
人工的なゲノム編集と自然淘汰で環境適応遺伝子が残ってきた事実とは、構造上は同じでも時間軸が圧倒的違う。100万年単位のことが、数年、若しくは数日で可能になる。この事実に二人は気付いていて言及してないのか、気付いていないのか。気付いてないわけないから、言及しても落とし所がないって思ったんだろうな。
ユヴァル・ノア・ハラルが人類は神を目指すって言ったのけど、遺伝子はいつまでもブラインドウォッチメーカーでいた方が幸せだと思いました。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ遺伝対環境。どちらが重要なファクターか?
結論は両方。しかし、遺伝的に決まる部分が大きい、とする。ヒトの遺伝の研究は一卵性双生児と二卵性双生児の差異を見ることで進歩してきた。
しかし、ある遺伝子がこのファクターに直結…という単純な話ではなく、遺伝子aとbとcが重なるとこれが出やすい、ということだそう。
知能と遺伝の間には相関があるが、さらに強い相関があるのは、知能と学歴、だそう。この部分は、パティシエは甘党の傾向がある、というようなもので「?」な感じ。
親ガチャはある。しかし、本人の適性に合った、能力開発をしていけばそれも克服できる、とする。(直前に「人口ゼロの資本論」で親の -
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Posted by ブクログ
セントラルドグマはともかく、遺伝上では、地球上の生命は皆、統計情報化された確率の変移にすぎないのかな。
逆かな、確率の変移が、統計情報化されて個体総体として成立していると考えればいいのかな。
まあ、知能という次元では、言語処理として生成AIと然程の違いは無い。この単層限定なら、暗黙知が成立している感じがする。でも単層では、暗黙知ではないか。
生命としては、確率の変移で、言語処理、知能としては統計情報化と考えた方がいいのかな。こっちは意味か。
個々の微細な意味の集合、集積が、単線ではなく複層、複雑化した結果、奥深い様々な物語を誕生させるのか。
ゆえに、それがより趣のある一意では捉えられな -
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遺伝と環境と偶然の産物。それらの堆積物が人というもの。
極端に言えば、自由や意思などどこにもない。
そんな論考に、そのとおりだよなあ。
と思っていて…
でも、その遺伝、環境、偶然ってどう違うんだろう。
選べないという意味では、主体・自分にとっては、全て同じ。
全ては偶々。
と言っているに等しいようにも思う。
この本では著者は、
遺伝と言っても、それは親から子に引き継がれるもの、という意味あいより、たんに偶然に配られる生命の設計図であること。
共有、非共有環境と言っても、それは、受け止める主体の、生命の受け止め方でしかなく、特定の事実そのものとは違った、体験、感想・感覚を指すものであること。
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Posted by ブクログ
ネタバレ著者自ら「橘玲さんの『言ってはいけない』の便乗本」とおっしゃっているところに好奇心が湧き、積読リストに入れていました。
『言ってはいけない』のインパクトは強烈でしたから。。
行動遺伝学の双生児研究(一卵性双生児と二卵性双生児の類似性の比較)により、人間の身体や知能、性格、才能などが環境や遺伝にどの程度影響しているのかの研究結果を紹介し、行動遺伝学に基づき、今後の社会をどのように作っていくべきかの提案もされていました。
これらが形成される要因は、遺伝、共有環境(双子が共有している親との家庭環境)、非共有環境(双子が共有しない親以外の友人などの人間関係・学校などの環境)の3つで構成されるそうです -
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おすすめの一冊。遺伝について研究で得られたことを一般向けに解説するとともに、教育のあり方を議論する。
p37「知能とは、知能検査ではかられる能力である」というのは目からうろこであった。このような定義を操作的定義と呼ぶ。(反対は概念的定義。)操作的定義によって定量的研究が可能となった。従って言葉が示す一般的な意味からずれているかもしれないので注意が必要。
遺伝の影響は一卵性双生児と二卵性双生児の比較から主にえられた。「共有環境」は遺伝以外の、二人を似させようとするもの、であり、「非共有環境」は二人を異ならせようとするもの。
双子の身長や数学・音楽能力などの相関係数を算出する。
一番簡単なモ