安藤寿康のレビュー一覧

  • 生まれが9割の世界をどう生きるか 遺伝と環境による不平等な現実を生き抜く処方箋

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    ネタバレ

    自然科学の話を読むのは、自意識でいっぱいになっているときに気分転換になってよいです。

    本書は、ずっと遺伝子について研究されてきた著者が、2021年に親ガチャという言葉が流行語大賞となったことを受けて、執筆を依頼され、遺伝と能力の関係をあらためて一般向けに説明する、とても読みやすくてためになる本でした。自意識でいっぱいになりがちな中で、少しフラッとに生物学的に物事をとらえられて、よかったです。

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    2025年09月23日
  • 教育は遺伝に勝てるか?

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    子育てをしていくにあたり、多くの親が何度かは考えたことがあるであろう「遺伝」と「教育」の関係について、行動遺伝学の専門家が、豊富なふたご研究のデータ等をもとに解説する。

    人の能力や興味・関心は遺伝に規定されているのだろうか。
    それとも、教育や家庭環境により後天的に形成されるのだろうか。
    これらの疑問について、行動遺伝学の分野においては、膨大なふたご研究の蓄積によって、実は能力や性格面・行動面における特質、精神的な疾患の発症傾向などにいたるまで、統計的に処理された傾向が既に導き出されている。
    ふたごを研究することで、それぞれの側面が「遺伝」による影響が大なのか、「共有環境」(ふたごで言えば二人

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    2025年08月27日
  • 能力はどのように遺伝するのか 「生まれつき」と「努力」のあいだ

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    遺伝や進化に関連する新書を立て続けに読んで(聴いて)いた中の一冊。長年行動遺伝学の研究に携わってきた著者が著者自身の研究データや成果のほか、最新の研究で明らかになっていることを解説する。

    遺伝の影響の大きさを指摘することにはどこか優生学的な気配がついて回るのでタブー視されがちだが、科学的にはどこまでわかっていて、そのことは私たち一人ひとりが生きる上で、あるいは私たちが生きる社会のあり方を考える上でどのように活かしうるのかを考えることは重要だと感じる。

    特に面白かったし一般的なイメージとずれるであろう部分は、遺伝か環境か、ではなく遺伝は環境と相互作用するということやどのような環境で育つかや環

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    2025年08月20日
  • 教育は遺伝に勝てるか?

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    教育か、遺伝かという二項対立ではなく、それぞれがどの程度作用し合うのかという理解が深まった1冊。親にはどうにもできない限界があることを知り肩を落とす人もいれば、胸を撫で下ろす人もいそう。
    教育現場では、子どもが本来持つ得意や不得意などが顕在化するような環境を整える必要があると、新たな視点から再確認することが出来た。

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    2025年08月17日
  • 日本人の9割が知らない遺伝の真実

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    ・遺伝と非共有環境の比率は1:1。だから遺伝の影響は私が思っていたよりも少なかった。
    ・言語であれば遺伝はあまり関係ない。非共有環境の影響は80%。→ 高等数学も極論すれば言語なので遺伝は気にしなくていいのでは。
    ・この著者は遺伝のことを大げさにいいすぎかもしれない。これからのAI時代、人間の知能はAIに勝てないかもしれない。そうなったら遺伝とかはあまり意味はないかもしれず、人は好きなことを進めればいい。

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    2025年06月24日
  • 運は遺伝する 行動遺伝学が教える「成功法則」

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    社会が豊かになるほど、貧しい家庭よりも豊かな家庭ほど遺伝率が上がる、知能の遺伝率は年齢と共に上がるが、それは20歳位までで、その後の遺伝率の上昇はフラットになる、しかし遺伝子が人生を変えるように、環境も遺伝子の発現の仕方を変える、パーソナリティと知能の関係、知能と政治イデオロギー、知能と障害や精神病との関係など興味深い話満載だった。衝撃的な内容もあったが、結局、自分のできること、得意なことを見つけて、それを追求していくことが一番、というごく普通の結論に至ったことが面白い。圧倒的な才能も圧倒的な努力も答えになっておらず、2割の努力で8割のライバルに勝てることを目標にするのが良いというのは少し救い

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    2025年06月11日
  • 教育は遺伝に勝てるか?

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    ところどころ引っかかる部分はあったけれど、自分の中ではある程度納得したので読んでよかったと思う。遺伝vs教育、ではなくて、遺伝的要素をのびのびと発揮するために教育がある、というイメージかな。長所ばかりが遺伝するわけではもちろんないから、いいところは押さえ込まずに、困りがちなところはなだらかにできるように。

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    2025年03月17日
  • 運は遺伝する 行動遺伝学が教える「成功法則」

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    黒色人種は遺伝の影響で持って生まれたバネが違うから、短距離走で勝てないのは当然、などと普段耳にしていましたが、なるほど確かに身体能力について遺伝の影響が話題に上がることはあっても、知能については遺伝の影響だと話題に上がることはあまりありません。
    「努力すれば東大に行ける」などと言いますが、「努力できるかどうか」も含めて遺伝で決まっていると言われると、最初から決まっているのかもしれない。
    生物学を専攻していても、少し内容は難解でしたが、結局ほとんどが遺伝で決まってしまうという内容で、なぜかそれを声を大にして言うことはタブー視されている。でも、だからこそ、遺伝の影響は無視しちゃいけない、念頭に置い

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    2025年03月15日
  • 日本人の9割が知らない遺伝の真実

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    一言要約:何度でも咲き続ける、その為の旅(移動)が人生

    帰結としてはロバート・キーガン氏の成人発達理論への通底、養老孟司氏の「元来人は変わっていくもの」との示唆に共通する
    人は成長とともに遺伝的素質が多く発現してくる(つまり変わる)為、それに合わせて自分が咲ける環境に身を置くことで社会の構成員としての役割を全うし、幸福を得られる というのが、普遍的な「人類の生存と繁栄の仕組み」なのだろう
    特に、変化の早い現代では自身の素質発現と環境の変化の両軸(視点)で見の「咲ける場所探し」が必要にもなるとみる
    一方で、流行りの「自分探しの旅」のような、旅自体を目的にしていては若いエクスプローラー時期はいい

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    2025年03月05日
  • なぜヒトは学ぶのか 教育を生物学的に考える

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    学習および教育が社会的な行為であることを、様々な他種の生物と比較しながら生物学の観点で考えていく。
    また教育の定義を論じている部分で、教育は利他的な行為で、教育者は直接の利益を被らないというのも成程〜となるが、周り回って社会全体の利益になることに気づき、教育の場を作り上げてきた人類の歴史は興味深い。そしてその難しさにも思い至る。

    乳幼児のナチュラル・ペタゴジー(自然の教育)実験には驚いた。
    ヒトは産まれた後、一体いつ、どのようにして、「公」と「私」の社会性を身に付けるのだろう。。。周りにいる人間を観察することによってなのか。それがまさに学習なのか。社会的な振る舞いを1歳やそこらで会得している

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    2025年03月01日
  • 運は遺伝する 行動遺伝学が教える「成功法則」

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     行動遺伝学の専門家の対談形式で話が進んでおり、かみ砕いて説明しているにしても頻出する専門用語と科学的なロジックを理解しながら読み進めるのに、かなりの労力を要する本であった。
     知能やパーソナリティのかなりの部分は遺伝によって決するということや、遺伝子解析から個人の将来をある程度予測できるだろうという衝撃的な見解を、エビデンスを示して説明している。キリスト教が地動説を感情的に否定したように、行動遺伝学を感情論だけで否定や批判することの社会損失についても、合理的な説明がなされている。
     結局は、人間の自由意志も遺伝の支配から脱却できないといわれると寂しくも感じるが、人間である以上その事実も含めて

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    2025年02月22日
  • 教育は遺伝に勝てるか?

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    教育は遺伝に勝てない。遺伝はするけど遺伝はしない。遺伝に彩りを与えるのが教育。教育に重荷を感じすぎる必要はない。

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    2025年02月13日
  • 運は遺伝する 行動遺伝学が教える「成功法則」

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    橘さんと安藤さんのスタンスの違いがくっきり描かれていて面白い。
    行動遺伝学をタブー視せず、楽観的に捉えてゆく、そんな姿勢で良いと思う。に確認

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    2025年02月08日
  • 生まれが9割の世界をどう生きるか 遺伝と環境による不平等な現実を生き抜く処方箋

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    いろんな読み方ができるんでしょうが、私は肩の荷が下りた感じです。突出してなくてもなだらかに得意なことを組み合わせてコミュニティとつながりをもつ、そんな生き方が示唆されています。

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    2025年01月07日
  • 眠れなくなるほど面白い 図解 遺伝の話

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    安定の安藤先生監修による図解シリーズ。
    今まで読んできた内容がイラストにまとめられていて、さらに分かりやすかった。
    安藤先生の「行動遺伝学が一人歩きしないように」という配慮。
    第一人者としての責任と矜持を感じる。

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    2024年12月31日
  • 教育は遺伝に勝てるか?

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    興味があるタイトルなので読んでみました。遺伝的には同じといえる一卵性双生児を調査したデータが沢山載っており、どの能力・行動に遺伝が影響しているのかが数字で見ることができて新鮮でした。まばたきの回数すら遺伝が強く関係しているとは思っていなかったです。驚くことがたくさんありました。今後の子育てに役立てたいと思います。

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    2024年12月11日
  • 教育は遺伝に勝てるか?

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    私の欲しかった答えを貰えました。なるようにしかならないという明るい諦めをもらえたことが救いになりました。

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    2024年11月14日
  • 日本人の9割が知らない遺伝の真実

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    岡田斗司夫先生が紹介していたので読みました。

    かけっこ王国という国では運動とは関係ない研究職などの職業に就くのにも、かけっこの出来で決まるというのが不条理であるように思えるが、実は私たちの社会も学歴という別の尺度で全く同じことをしていると述べているのがとても面白く興味深かった。
    昨今N高校などのすべての授業をオンラインで行う学校など今までとは全く違う新しい教育方法が登場しているので、本書で登場した年齢が上がれば進級できる学年制を廃止し、能力に応じて進級する能力制も可能なのではないかと思う。

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    2024年10月31日
  • 教育は遺伝に勝てるか?

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    《感想》
    面白かった。行動遺伝学それ自体にも興味を持った。良くも悪くも「遺伝で決まる」と言えるようなものはほとんどなく(身長でさえそう)、確率的にブレることもあれば、共有環境(親の育て方)だったり、非共有環境(友人関係・学校やクラスの影響)も無視できない。「はっきりとしたこと(分かりやすいこと)は言えない」が真実といえるだろうか。その中でも何がどの程度遺伝や教育で説明できるか、などを統計等を駆使して科学的に追究している点が興味をそそられた。双子を追う、というのも面白いと感じた。図の見方が分かりにくい箇所が何点かあったが全体的によく書かれた本だと思う。ざっと読むというよりはじっくり読むタイプの本

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    2024年10月30日
  • 日本人の9割が知らない遺伝の真実

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    遺伝の影響を調べる行動遺伝学の方の本。
    橘玲さんの「言ってはいけない」を読んでいたので、遺伝の影響に関しては知っている事が多かった。
    知能や運動能力は遺伝の影響が強いこと。
    ならどうすれば良いかがちゃんと述べられていたのが良かったと思う。
    俗に言うFラン大学へ全員が行くのは私もおかしいと思う。中学生の勉強も分からないまま高校や大学へ行くのが本当に正しいのか。もう一度簡単な所からやり直した方が本人の為になると思う。
    筆者が言うように勉強の才能がない人は早くに専門技術を身につけて仕事を始めるのが良いと思う。

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    2024年09月24日