安藤寿康のレビュー一覧
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行動遺伝学者の安藤寿康(あんどう・じゅこう)氏による教育論。行動遺伝学では、人間のあらゆる行動には遺伝の影響が想像以上に大きいという。教育学の前提とされた真っ白な白板(タブラ・ラーサ)などなく、人が生まれつき持っている板は色も形も大きさもそれぞれ違う。教育は全能どころか、ほとんど意味が無いのだろうか。社会の環境整備が進み、各人の社会・経済的基盤が安定すれば、各人の自由度・選択の幅が広がり、結果として遺伝の影響が大きくなっていく。各人の遺伝的才能を十全に開花させるための環境的要因として、教育の意味がなくなることはないが、結果としての遺伝的才能の不平等がより明確になっていく。このどうしようも無い現
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さらっと凄いこと書いてある。先生と相手から名乗られ偉そうにされるのが大嫌いだったし、先生と思いたい人は自分で決めたかったから学校とか先生という職業をずっと見下してたんだけど、この著者は学校は売春宿で先生は売春婦という言い方をしててびっくりした(笑) 私は売春婦は見下してないな。偉そうじゃないし、売春婦側から恋人面されるわけじゃないじゃん。学校の先生という職業がもう勘違いを職業化したみたいな存在だもんね。友達や恋人じゃないのに、私友達だよね?私恋人だよね?みたいな圧をかけられる感じに似てる。先生という職業は。
安藤寿康(あんどう・じゅこう)
1958年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、同 -
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想像以上に遺伝によって人の能力は決められていることが分かる1冊
考えてみれば、遺伝(本人が持っている手札)は生まれつき固定されている。
その手札の中で何を切っていくか?が人生である。
特に記憶に残っている例は以下です。
20歳頃までは、共有環境(家族同士で似させようとする影響)が学力の70%を決める
年齢を重ねて、45歳頃になると共有環境の影響はほぼなくなり遺伝の影響が70%ほどになる。
要するに、結局は遺伝子が得意とすることに人の行動は集約されていく、と読み解きました。
①持って生まれた遺伝子で自然と活躍できる環境に巡り合う。
②本人が自分でそれを好きになり、その領域での取り組みを続 -
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人は努力すれば成長できる。能力を身につけ、何にでもなれる。
落伍者は、努力しないからだ。自業自得だ。
・・・と、ついこないだまで、私自身そう思い込んでいた
だからといってどこかの議員、党みたいに生活保護を否定するものではないが
親のしつけ、教育がなってないから、子供が変な方向に行くのだ、
環境さえ作れば、子供は無限の可能性がある。なんてことも思っていた。
でも最近その考えを変えつつある。
いろいろ読んでいる本の影響もあるが、実体験として感じているのが、部下だ。
この3年間どう教えても同じ失敗を繰り返す。
これを、親の教育のせいと思ったりもしたが、どうやらそうではなく、
発達障害由来だというこ -
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これは哲学書ではないかしら?
一卵性双生児の事例、一緒に暮らす双子、別々の養父母に育てられる双子、
それぞれの共通点、このあたりはなかなか読ませる。
全く違うルートをたどっても、なぜか同じ特性を持つ、
そんな事例がたくさん紹介される。
これだけ読んだら、遺伝がすべて、教育なんて関係ない、
となりそうだが、著者はそれは否定する。
教育によって、あるいは社会の環境によって、
発現する遺伝子、眠る遺伝子、そういった例を紹介する。
・・・そういえば最近読んだ発達障害の本も、
環境が違えば「発達障害」などと言われず、のどかに暮らせる人が多かったはず。
やはり環境は大事。
とはいうものの、さらに事例 -
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橘玲氏と行動遺伝学の第一人者である安藤氏の対談形式の本で、運すらも遺伝していると言えるのだというのが大きな主張。元々は安藤さんが2000年には遺伝の重要性を指摘する新書を出していたんだけど、2010年代になって橘氏の著者が売れて話題になった。
運は遺伝するというのは、例えば遭難したとして運も悪いけど遭難しやすい環境に身を置く選択をしたのは遺伝だよねという。
ただ性格とかはポリジェニックなので特定の遺伝子がどうこうというわけではない。平均への回帰が効くので両親が能力高くとも子はそうでもないことや鳶が鷹を産むもあり得る。少子化で子ども1人を当りにしないとという強迫観念があるが、子が多かった時代は当 -
購入済み
衝撃的のち疑念
遺伝が9割とのことで、そのまま信じると衝撃的だが、原著をあたってみないと信用ならんと思ったりもする。興味深い話でした。
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