安藤寿康のレビュー一覧
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人生の行動の3割は遺伝
生物学の内容もあるから、生物学がわからない人にはむつかしいかもしれない。
双子研究による統計で導き出される遺伝率で、行動の何割かは遺伝だと説明できてしまふ。知能すら遺伝する。境界知能もさう。
経済環境が自由であれば、自身の遺伝的形質も発現しやすい。反対に、貧しくて制限さ...続きを読むPosted by ブクログ -
久しぶりの満点レビュー。
橘さんの本は、いつもインフォーマティブで良いのだが、時に身も蓋もないことがある。この本では、もう少し常識人よりの安藤先生との対談の形をとっているので、いつもながらの的確な情報提供をしつつも、多少常識よりの結論に落ち着くことが多いのがよい。
最先端の研究者との対談でも、ぜんぜ...続きを読むPosted by ブクログ -
正に夢の対談。
そしてお二人の造詣の深さに感銘を受ける。
敢えて断定的に話そうとする橘さん。
「それでも解釈の余地があるよ」と余白を提示してくださる安藤先生。
お二人のキャラクターのバランスが見事な一冊だった。Posted by ブクログ -
話題になった一冊のようですが、タイトル、サブタイトルから想像するような本ではありません。非常に読み応えのある、極めて真面目で、そして、何より勇気を与えてくれる本でした。
遺伝的多様性が誇示と社会を規定する重要なファクターであることを認めた上で、それがものようなものかを行動遺伝学、心理学の知見から解き...続きを読むPosted by ブクログ -
「音楽がやりたいと思った時点でそれは才能の発芽」等興味深い言葉も多かったです。
また年収に関しては若い内は遺伝の影響を多く受けるが、歳を重ねるにつれ非共有環境の影響が強くなってくるとも。これはよく感じます。
体型(痩せやすさ)に関しても遺伝の影響があるそうで、こちらはあまり他人をどうこう言うのは...続きを読むPosted by ブクログ -
昭和のスポ根世代は、成果は全て個人の努力によるものと思い込んだら試練の道を邁進してました。
教育ギョーカイに身を置く方は、そもそも教育とは何か、と見識があるのでしょうが、非教育者には生物学的見地からの教育の見解があるなど、実に新しい知見でした。
テスト成績を上げることが教育だと思い込んでる、狭隘な教...続きを読む -
行動遺伝学の視点から遺伝と環境の影響について述べられた本書。
安藤先生のお名前は橘玲さんの【言ってはいけない】で拝見して、もっと行動遺伝学について知りたい、原著にあたりたいと思っていたので読めて良かった。
とても学びの多い一冊だった。Posted by ブクログ -
行動遺伝学。面白い。
■脳は予測器
才能のある人は今よりも良い状態、完成形を予測し、そこに引っ張られるように学習してしまう
■知的好奇心の広さと知能に相関がある
パーソナリティの経験への開放性、つまり知的好奇心の広さに、知能との相関がある
■学校の影響は限定的
遺伝50%、家庭環境30%、学校...続きを読むPosted by ブクログ -
行動遺伝学の研究成果から、学力や知能は遺伝するという事実は本当であることが証明されている.音楽、美術、数学、スポーツなどはかなりの部分が遺伝するようだ.知能におよぼす遺伝と環境の影響の変化を示した図13(p117)は、人間は年齢を重ねてさまざまな環境にさらされるうちに、遺伝的な素質が引き出されて、本...続きを読むPosted by ブクログ
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本書のあとがきにあるように、前著までの内容をもう一度確認しているところが約7割ぐらいになっている。第5章、第6章が本書の核心部分である。
教育はどうあるべきなのか、そのために教育制度はどのようにデザインされたほうがいいのか、こうした論点を行動遺伝学の知見と重ね合わせながら展開させる議論はとても興...続きを読むPosted by ブクログ -
某模試で出題されていたので読んでみた。遺伝という面から教育を考えている中々見かけない話でした。ヒトは幼い頃から、また、親の知らないうちに親から教育されている。Posted by ブクログ
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学業成績は遺伝の影響が50%、本人の努力が20%、家庭環境が30%であることが科学的に立証されているそうだ。これを読むと、遺伝で決まっているのだから何をしても無駄、と思い込んで、遺伝を「制約」と考えてしまいがちである。だが、「他の誰でもない世界でたった一人の自分」ととらえてみる、という著者の考えを読...続きを読むPosted by ブクログ
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人の能力や才能や性格や成績などがいかにして決まるかを、行動遺伝学の観点から見た本。
それらの50%は遺伝子で決まり、30%は環境、20%が本人の努力である。
つまり半分は遺伝で決まる、と。
生まれた時から遺伝子によってそれらの能力値が決定される。
行動遺伝学の研究によって一貫して結果として得られる...続きを読むPosted by ブクログ -
「教育とは人間の遺伝的制約を「乗り越えて」、環境によって人間の可能性を開花させることではないということだ。」
遺伝の多様性は人間の数よりずっと多い。だから、同じ遺伝的組成を持つ人は2人いない。みんな個性的。
知能に対して、遺伝の貢献度は0.5、環境は0.35、それ以外が0.15。しかし、政治の世界...続きを読むPosted by ブクログ -
安藤寿康先生の一般書デビュー作(のはず)。すごく分かりやすく面白く遺伝と双生児研究の話がまとめられている。最後の方の、安藤先生ご自身の博論の内容をまとめた章もすばらしい。「遺伝」とか「双生児研究」に興味のある方は、安藤先生の近著も良いけど、この本もぜひ。なんでしょう。2010年代の本よりも、もっと臨...続きを読むPosted by ブクログ
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ダーウィンとゴルトンの写真からはじまる掴みはすばらしい。
内容もしっかりしていて(もちろん10年以上前だから分野的には古いのだろうが)、行動遺伝学とかでいろいろ気になっていたことがきれいに説明されている。ブルーバックスすげー。
遺伝よりもむしろ環境について考えたり。
「将来はわから...続きを読むPosted by ブクログ -
面白い
行動遺伝学の入門書。プロミンの本と内容が多く被っているが読みやすい。
遺伝、共有環境、非共有環境の寄与率の算出の仕方の説明。
遺伝と教育の関係。教育方法を変えれば、教育方法に応じた成果がでる。ただ
し、結局遺伝にも依存する。
環境は遺伝子の可能性を引き出すもの。どちらかだけではない。Posted by ブクログ -
心は遺伝するか。
本書はYESと答える。
一卵性双生児などの統計的な検査が根拠だ。
資質が共通していることが非常に多いという。
ただし、運命決定論ではない。
遺伝がすべてではない。
たとえば、親の資質がそのまま子どもに遺伝するわけではない。なぜなら遺伝するのは遺伝子であり、それ自体ではなく、そ...続きを読むPosted by ブクログ -
おもしろかったーこれ! 確かに新書にしとくの惜しいわ。
「行動遺伝学」っつーのの本で、一卵性双生児と二卵性双生児とふつーの人とを比べながら、遺伝の影響と環境の影響を測ってみよう! という学問。双子の研究は事例集めるの大変だし、倫理的な問題もあったりするので難しいと思うけど、それだけにとても有意義。...続きを読むPosted by ブクログ -
本書に記載されている、遺伝による決定要素と環境的な要素の割合について、どちらを多いと思うだろうか。これは人によると思う。
才能にも言及してあり、その発現時期はまだまだ不明であり、発現原因も容易には解明できない。
しかし、誰しも才能があるとメッセージは感じられ、関わる環境(人や生活様式など)がどのよう...続きを読むPosted by ブクログ