山田悠介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
押すと心臓が止まるスイッチ。
それを持たされた子供たち。
そして、それを監視する大人。
残酷な現実の中で、それでも夢は叶うのか。
どうしようも無い結末の中で生きる、主人公や子供たちの気持ちが、とてもリアルで切ない作品です。
何が正しかったのか、やるせない気持ちが残ります。
感動と、切なさと、悲しさと、色んな感情が押し寄せてきて、気がついたら読み終わっていました。
また、私はJR横浜線沿いに住んでるのですが、作中、JR横浜線近辺の地名がよく出てくるため、なんだかドキドキしました。
住んでる地名が作品に出てくると、なんだか嬉しくなりますよね。 -
Posted by ブクログ
この頃から漫画などでも○○島でサバイバルという前提のストーリーが多くなりましたので、この設定自体に目新しさは個人的に感じません。
構成としても、仲間とのトラブルや殺し合い、ヒロイン的な存在との恋愛というありきたり感は否めないと思います。
しかし、なぜその島に行く必要があるのか?そして、その後の結末までの流れは作者自身の個人差があり、私は楽しめる作品でした。
また、山田の作品の中でも最大級にページ数があり、読み応えも抜群です。
個人的にはもう少しヒロインとの関係性と付き合うまでのプロセスを丁寧に書いていただきたかった。読んでると分かりますが、お互い初対面なはずなのに、生活を始めて結構最初からお互い好きになっているのは、展開ありき過ぎる感じを受けます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・東京都新宿区にある、 The Youth Suicide Control Project(青少年自殺抑制プロジェクト =通称 YSC)
・守らなければならないことがもう一つある。それは、実験台に選ばれたという事実を子供に黙っていなければならないということ。死ぬと分かっている我が子と、普段通りの生活を送らなければならない。そして五年後、その子供は突然親と引き離され、全国に点在するセンターへ連れていかれる。そこで初めて、灰色の四角い箱の形をした機械を渡される。真ん中には赤いスイッチ。簡単に押せないように透明のプラスチックが被せられている。
・そう、このスイッチが、子供たちの命。押すと、心臓が停止するよう作られている。痛みもなく、一瞬。
・父親は違うが、南洋平が血の繫がった兄だったなんて。その瞬間、彼に対しての見方が変わった。躊躇いなどなかった。隣に洋平がいる。そう思うだけで、心のどこかにあった恐れは消えた。
・「最後の最後で、妹に押されるとはね……どんな気持ちだったんでしょうね。妹になら、この海でなら、本望だったんでしょうね」 彼には、十分楽しませてもらった。「終わったんですね。全てが。長い年月、彼を見てきましたからね。少し、寂しくもあります。今年の四月から、横浜の施設には新たな子供たちが収容されます。八年ぶりにね。でももう二度と、南洋平のような子は現れないでしょうね」 堺は、自分が一つだけ間違っていることに気づいてはいなかった。 洋平は最期まで、真沙美が妹だとは知らなかった。
了、君明、亮太、真沙美、看守の洋平。
ボタンを持っていた全ての人間がボタンを押した。でも果たして最期は不幸だったのか?成し遂げたいことを成し遂げたことで少しは救われたんじゃないのかとも思う。境が望んでいる通りにことは進んだようにも見えるが洋平が最後まで真沙美を妹だと知ることなく亡くなる姿は堺の思惑通りに進んでいないことになっているのでそこは少しスカッとした。でも母親の気持ちを考えると子どもふたりとも政府に殺されたなんてあまりにも悲しくて憎い。