佐藤健太郎(サイエンスライター)のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
化学を専攻せずには難しく、専攻したなら物足りず、帯に短し襷に長しか。だが、しっかり読めば分かりやすく面白い。用語を一つ一つ理解しながら読み進める事が大事。
先ず、題名から。世界は六角形でできている。六角形とは、芳香族化合物と呼ばれる芳香環のこと。化合物とは、さまざまな化学元素の原子が化学結合によって結合した分子が、多数集まって構成された化学物質である。その中に有機化合物、つまり、炭素を含む化合物がある。
動物や植物の生命活動を維持するために必要なタンパク質、脂肪、炭水化物などを構成している物質や生活に不可欠な衣料、医薬品などに用いられている物質の多くは有機化合物。
この有機化合物も、更に -
-
Posted by ブクログ
郵便番号や電話番号、スポーツ選手の背番号などあらゆる番号についての謎やその成り立ちなどを徹底した調査のもと書かれた1冊。
電話番号やナンバープレートなど身近に溢れるものからプロ野球選手やプロストライカーの背番号、バーコードや原子番号に至るまでさまざまな番号について起源から豆知識まで紹介されており面白い一冊でした。
初めは3桁程度で始まった電話番号が今の桁数に至ることや国道や電話番号など明治時代からでき、ここまでに至る変遷を知ることを本書でできました。
電話番号やナンバープレートの数字に関する企業のこだわりや銀行や学校などの第○とつくところの成り立ちなども知ることができました。
4や9などの -
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに 「新素材」が歴史を動かす
第1章 人類史を駆動した黄金の輝き~金
第2章 一万年を生きた材料~陶磁器
第3章 動物が生み出した最高傑作~コラーゲン
第4章 文明を作った材料の王~鉄
第5章 文化を伝播するメディアの王者~紙(セルロース)
第6章 多彩な顔を持つ千両役者~炭酸カルシウム
第7章 帝国を紡ぎだした材料~絹(フィブロイン)
第8章 世界を縮めた物質~ゴム(ポリイソプレン)
第9章 イノベーションを加速させる材料~磁石
第10章 「軽い金属」の奇跡~アルミニウム
第11章 変幻自在の万能材料~プラスチック
第12章 -
Posted by ブクログ
薬品開発の歴史は、医学の歴史であることはもちろんだが、化学の歴史でもあるんだなあ。
マラリアの薬キニーネも、鎮痛剤アスピリンも、もとは自然界に存在する(キニーネはキナノキ、アスピリンはヤナギの樹皮に含まれる)ものだが、それを化学的に合成できて初めて、大量に生産できるようになるのだ。
この本は最初が滅法面白くて、ちゃんとした薬の歴史は浅く、ハーブ(薬草)なんかかなりマシな方で、(水銀を薬として使ったり、瀉血などの無意味どころか害になる治療をしたりというのは知っていたが)動物の血や糞尿、腐った肉なんてものを薬として使っていたと書いてあり、ゾッとする。病気は体に悪魔が入ることだから、追い出すために -
Posted by ブクログ
ネタバレ有名な薬が誕生した経緯を時代背景とともに紹介した本。「歴史のifを筆者と一緒に愉しんでいただきたい」と書かれているが、とくに「ifの物語り」は書かれていない。筆者が正確な記述に徹していることが感じられる点が大変気に入った。感染治療薬と鎮痛剤にフォーカスされている。
心に残ったフレーズ:
1.汚物薬の時代。病気は悪魔が体内に侵入したためにおこると考えらえていたため、悪魔が嫌う悪臭を放つ汚物が有効と考えられていた。
2.不老不死の薬。移ろいゆく動植物でなく、永遠に変わらない姿を保つ鉱物の力を取り入れる、と考えられていた。
3.薬効の判定の難しさ。医薬の効能の有無の議論は統計学が進展してからのこと -
Posted by ブクログ
現代社会が番号で溢れかえっていることに気づいた著者が、無味乾燥な番号にもドラマが秘められていると、その謎に迫る。
先ずは電話番号から解き明かす。
現在では天気予報で使われている177番は、最初は大隈重信の電話番号だったそうだ。
携帯電話の090-1234-5678番は、5500万円で取引されているとか、蘊蓄が次々と。
今では行き渡っている郵便番号。
その導入のためには、宣伝活動その他で当時の金額で約12億円も投じられたことには、驚き!
無人島にも郵便番号は付与されていて、尖閣諸島は907-0004だそうだ。
ナンバースクール=第一から第八までの旧制高校がスタートした時のこと。
第九を巡っては、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ<目次>
まえがき
第1章 一〇桁は田舎者の象徴?~電話番号
第2章 不思議な順序にはわけがある~郵便番号
第3章 混沌と抗争のナンバー史~自動車のナンバープレート
第4章 魔境を照らす一筋の光~鉄道にまつわる番号
第5章 国道100号線が存在しないわけ⁈~道路にまつわる番号
第6章 番号界の絶滅危惧種~ナンバー銀行
第7章 プライドと序列意識の間で~ナンバースクール
第8章 「四戸」はどこへ消えた?~地名と番地
第9章 選手が背負うもう一つの顔~野球の背番号
第10章 神様は10番が好き~サッカーの背番号
第11章 サーキットに散った伝説の27番~F1レース
第12章 -
Posted by ブクログ
タイトルにすごい分子とあるから、無機有機問わず広く紹介しているのかと思ったら、芳香族化合物にフィーチャーしてて、少し騙された感が無きにしも非ず。副題をちゃんと読めっていう話ですね笑
閑話休題。僕の有機化学の知識は高校化学レベル止まりので、その世界の広がりは予想以上だった。本書に書いてあるように、有機化合物で無機化合物の性質(例えば導電性とか)を再現できるのなら、人が生産する無機化合物で今後残るのは何だろう、と考えた。有機化合物には柔軟性などの特長があるわけだから、身の回りの製品は殆ど置き換わってしまうかもしれない。残るのは建物の骨組みとか構造物ぐらいしかない気がする。 -
Posted by ブクログ
普段から多々お世話になっている様々な薬。今の日本で生きていると、そのありがたみを感じにくかったりもしますが、この本を読むと薬のありがたみがよく分かります。
例えば麻酔。考えてみれば当たり前ですが、麻酔のない時代は、患者を押さえつけて外科手術やってたんですよね。それだけで麻酔薬開発に関わった、すべての先人に足を向けて眠れません…
きっと麻酔がなければ、僕は親知らずを抜くことはできなかったでしょうから。
そのほかにも、ビタミンCや消毒薬、アスピリンなど、今ではおなじみの薬の歴史や、開発秘話、科学的な考察が書かれています。
内容はいずれもあっさりしているので、読み応えは少し物足りな -
Posted by ブクログ
読み物として面白かった。
優れたモノやアイディアを持った人同士が出会うと、お互いにそれをやり取りしたり改良したりして、さらに優れたものに進化させることが起こる。人が一生ひとところに留まっていれば、素晴らしいアイディアもぶつかり合い、磨かれ合うこともない。人が動き回ることは、文明の進展に必須の要素であったはずだ。
マット・リドレー著『繁栄』には、その実例としてタスマニア島のケースが挙げられている。この島はかつてオーストラリア大陸と地続きであったが、海面の上昇によって1万点ほど前に本土から切り離された。すると、よそで開発された新技術は入ってこず、持っていた技術も継承者がいなくなるたびに消え