佐藤健太郎(サイエンスライター)のレビュー一覧

  • 世界史を変えた薬

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    全編通して読みやすい。アスピリンに癌やアルツハイマー予防効果がありそうとか初耳だった。人類の次の課題は自己免疫疾患への対処。

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    2023年11月11日
  • 炭素文明論―「元素の王者」が歴史を動かす―

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    炭素が主役なので、元素や化学がメインの話かと思いきや、どちらかと言うと、文化史。勿論、炭素を切り口として、人類がどのように社会を発展させてきたのかという内容で分かりやすく面白い。

    スタートから説明が易しい。素人向きだ。

    元素と元素が互いに結びつき、化合物と言うものを作る。紙ならばセルロース、食肉ならばアクチンとミオシン、衣服ならばナイロンやポリエステルといったように、身の回りのものは全てこの化合物の集まり。

    中でも木材や皮膚、絹糸などの物質は有機化合物と呼ばれる。有機とは生命力が生み出したと言う意味。現在では有機化合物と言う言葉は、炭素を基本とした化合物と言う意味合いで用いられている。そ

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    2023年10月24日
  • ChatGPTの法律

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    技術者ではなく何人かの弁護士が各章を受け持ってChatGPTを始めとした生成AI利用にあたっての注意点を具体的に説明してくれているのがこの本のポイントです。生成AIがもたらす利便性は多岐に渡り一般的なビジネスにおいて例えば翻訳用途に利用されるなど、ChatGPTが盛り上がる前から日常的に利用されるようになっています。

    その場合問題になりえるのは情報の漏洩や著作権の侵害です。例えばなんの気なしにわかりにくい英文メールをChatGPTやDeepLを使って翻訳するという行為には既に個人情報漏洩に関するリスクが内在しています。オプトアウトが有効であっても、一時的にその情報はサービスプロバイダーに渡っ

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    2023年07月17日
  • 「ゼロリスク社会」の罠~「怖い」が判断を狂わせる~

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    日本人はリスク評価と相性が悪い。減点法社会や同調圧力の影響だろう。リスクの中でも、恐怖心を煽るもの、制御不能のもの、人工的なもの、子どもに関わるもの、未知のもの、関心の高いもの等はリスク評価を謝りやすい。
    この本ではリスク分析の中でも特に筆者の専門の化学物質のリスクについて分かりやすく解説されている。どんな危険要因も定量的な評価(分母は何でいくつか)が重要だなと感じた。

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    2023年03月21日
  • 世界史を変えた新素材(新潮選書)

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    金、鉄、紙、炭酸カルシウム、ゴム、磁石、アルミニウム、プラスチック、シリコンなど、人類の進化の歴史を変えた素材たちについての読み物。
    それぞれの素材の歴史や人類に与えた影響を難しすぎない範囲とレベルでエピソード紹介してくれるので楽しく読める。
    炭酸カルシウムに一見違和感があったが、セメント・肥料・石灰など幅広い活躍ぶり。ゴムタイヤの商業戦争のトピックがおもしろい。

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    2023年03月12日
  • 世界史を変えた新素材(新潮選書)

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    時代は一人の天才による発明や思想、戦争のような外圧などにより大きく変転する。イノベーションにより歴史が変わり、青銅器文明、鉄器文明など象徴的技術で時代を区切る。まさに、初期の世界史は、素材の歴史だったのだ。

    雑学では無い、テーマ毎にきちんと整理された知識が学べる。初耳な事も多いし、確かにと合点する論拠も多い。一口に素材と言っても金属類だけでは無い。寒冷期を生き延びる為に毛皮が重要。毛皮はなめす必要があり、加工には唾液から、柿渋などのタンニンを用いるなど、ここでも技術の発展があった。死活問題として、毛皮を扱えた者だけが生存できたという超重要なターニングポイントでもあったのだ。

    これだけではな

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    2023年02月23日
  • 世界史を変えた薬

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    ビタミンC、モルヒネ、キニーネ、麻酔薬、消毒薬、サルバンサン、サルファ剤、ペニシリン、アスピリンなどの薬について、発見までの歴史、与えた影響、作用原理をわかりやすく説明してくれる一冊。読み物としておもしろい。
    人類の歴史を変えたのは間違いない。

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    2023年01月14日
  • 世界史を変えた薬

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    病気になり薬のありがたさを心底感じたことをきっかけに手を取りました。誰がどんなことをきっかけに薬を制作したか、発見したかを複数事例とともに紹介。病気や発見者などの知名度から引きがあるエピソード多数。今ではあり得ないと感じる間違った治療法なども、少し前の時代までは当たり前のように使用していたことからも日々の薬品の進歩を感じる。

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    2023年01月03日
  • 世界史を変えた薬

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    医薬品メーカーで開発研究者であった著者による、歴史的に重要であった医薬品の紹介です。鎮痛剤や抗生物質、麻酔剤などの歴史やその社会的ニーズ、開発の過程などが判りやすく詳述されています。現代における医薬品は莫大なお金が動くので、それら利権等における人間模様なども記述され、薬という側面からの歴史が理解できます。また薬効機序の解説もありますので、その薬剤の一通りがりかいできます。可能な限り使用しないのが望ましいと考えますが、いざ使用するときに前向きに理解できる良書と思いました。

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    2022年11月20日
  • ふしぎな国道

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    酷道というワードは知っていたけど、あらためて整理されて提示されるとおもしろい。
    標識、旧道、完走など様々な楽しみ方があるようだ。
    いきいきとしたマニアの方の熱量を感じられる。

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    2022年10月23日
  • 炭素文明論―「元素の王者」が歴史を動かす―

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    ネタバレ

    面白かった。高校の時に習ったハーバー・ボッシュ法にそんな背景があっただなんて知らなかった。さらにこのハーバーがナチスの毒ガス開発に一役買っていたなんてことも知らなかった。
    知らなかったことを学ぶことができるのはとてもいいことだ。楽しいな。

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    2022年05月24日
  • 世界史を変えた新素材(新潮選書)

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    素材が拓く歴史があり、歴史を通じて接し方が変わる。

    ◯金:近年、無用の価値だけでなく、有用な価値も発見。
    ・細長く延ばすことができ、伝導性に優れているため半導体電極とチップをつなぐ配線に使用(スマートフォン1台に30mg使用)
    ・ナノ粒子は有害物質分解、プラスチック素材製造の触媒機能がある

    ◯陶磁器:ファインセラミックスは高強度・高耐熱により、スペースシャトルにも用いられる。

    ◯コラーゲン:三重らせんの長い繊維として存在する得意なタンパク質。
    ・再生医療に不可欠な材料

    ◯鉄:安く大量に生産される材料。他の金属と合金にすることでさらに優れた性質を発揮すること、磁石になるうること。
    ・錆び

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    2022年04月18日
  • 炭素文明論―「元素の王者」が歴史を動かす―

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    地表における元素存在比0.08%の炭素が成り立たせる生命の世界。
    我々の生活を支え、文明・文化のあり方に深く影響を与える物質を化学的視点から考察。

    ◯炭素が本領を発揮するのは、「化合物を作る」段階だ。今までに天然から発見された、あるいは化学者たちが人工的に作り出した化合物は7千万以上にも及ぶが、これのうち炭素を含むものはそのほぼ8割を占める。

    ・エネルギー源のグルコース、貯蔵形態としてのデンプン

    ・様々な化学構造で甘味を感じる不思議

    ・肉食、保存用途があった頃の香辛料の重要性。農業発達・冷凍技術で嗜好品化。唐辛子のカプサイシンは16世紀にアジアにもたらされて食文化を形成。発酵文化、新鮮

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    2022年03月21日
  • 番号は謎(新潮新書)

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    発刊された頃、Yahoo!でよく抜粋記事が載っていたので、気になって取り寄せた一冊。
    身の回りの色んな番号にまつわった話を22節。
    聞いたことのあるような話から、聞いたことないような話で、へぇって唸るような話まで。
    背番号やホームの話はよく聞く話だけど、ナンバー銀行の話はもうそろそろ歴史の話になってしまうのかも。
    原子番号も知っていたよりも増えていました。

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    2022年02月13日
  • ふしぎな国道

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    何かにすごく詳しいことと特殊な性癖を持つ人というのはほぼほぼ同類なのかもしれない。
    国道のことが気になって調べ始めたら知りたい気持ちを止められなくなってしまった、そんな人間の性を思いもよらず感じでしまった本です。
    国道の沼に人々を落とそうと手招きをしています。
    タイトル通り、不思議だなぁと思わず考えてしまう平和な本です。

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    2022年02月08日
  • 「ゼロリスク社会」の罠~「怖い」が判断を狂わせる~

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     リスクを取ることを極端に嫌う国民性のためか、ゼロリスク信仰が蔓延している日本だが、リスクをゼロにすることはもちろんできないし、他のリスクが高まったりコストがかかり過ぎたりするらしい。
     原子・分子の話は正直何のことやら?だったが、人工より自然のものが良しとされる風潮や、発がん性のある添加物の本当の危険性についてなど、なるほどと思う内容がたくさん。以前シリーズで読んだ『〇〇の危険度調べました』の著者を名指しで挙げ、反対意見を述べておられたのが大変興味深かった。
     何事もきちんと調べて、何となく怖いから禁じる・叩くではなく、正しく知ることに尽きる。著者のコロナ関連の出来事に関する意見が知りたい。

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    2022年01月28日
  • 炭素文明論―「元素の王者」が歴史を動かす―

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    炭素という元素を、人類史に関係する化合物を出して性質を説明。
    炭素化合物についてとても勉強になった。知らないことが多く、興味深い話ばかり。二酸化炭素削減など言う前にこのくらいの知識は必要だと痛感した。

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    2022年01月12日
  • ふしぎな国道

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    国道マニアという存在を知った本。

    1章 国道の名所を行く
     有名な国道を紹介していく。階段国道とか
    2章 酷道趣味
     国道マニアの中で大勢力を占める酷道趣味について
    3章 国道の歴史
     法律的な
    4章 国道完走
     国道の始まりから終わりまで一気に走りきることを完走、何度かに分けて走りきることを塗りとか言う。
    5章 レコードホルダーの国道たち
     最も長い国道、反対に短い国道などを紹介
    6章 国道標識に魅せられて
     国道標識を撮影する趣味。ちなみに「おにぎり」というらしい
    7章 都道府県道の謎
     国道ではない都道府県道について
    8章 旧道を歩く
     国道が新しく作られた国道に代わっていき前の国道を

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    2021年09月26日
  • 世界史を変えた新素材(新潮選書)

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    私は化学がとにかく苦手なのだが、本書は根気強く楽しく、歴史に絡めて説明されているので、とてもスムーズに読み進められた。

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    2021年07月26日
  • 世界史を変えた薬

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    人類の歴史とともに語られる薬の誕生秘話が全10話。歴史好きな方、医療従事者の双方におすすめできる。

    医薬品というものの存在が、いかに大きく生命の助けになってきたか。その背景にはどんな苦悩があったのか。そこまでしっかりと解説されている。

    ストーリー性を帯びたことで、暗記に頼らず薬の歴史を学ぶことができる良書。
    なぜこの薬が生まれたのか、という疑問が湧いて悶えていた人にはぜひ読んでみて欲しい。まるですっきりと雲が晴れるような心地よさを感じられると思う。

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    2021年01月27日