佐藤健太郎(サイエンスライター)のレビュー一覧
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炭素が主役なので、元素や化学がメインの話かと思いきや、どちらかと言うと、文化史。勿論、炭素を切り口として、人類がどのように社会を発展させてきたのかという内容で分かりやすく面白い。
スタートから説明が易しい。素人向きだ。
元素と元素が互いに結びつき、化合物と言うものを作る。紙ならばセルロース、食肉ならばアクチンとミオシン、衣服ならばナイロンやポリエステルといったように、身の回りのものは全てこの化合物の集まり。
中でも木材や皮膚、絹糸などの物質は有機化合物と呼ばれる。有機とは生命力が生み出したと言う意味。現在では有機化合物と言う言葉は、炭素を基本とした化合物と言う意味合いで用いられている。そ -
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技術者ではなく何人かの弁護士が各章を受け持ってChatGPTを始めとした生成AI利用にあたっての注意点を具体的に説明してくれているのがこの本のポイントです。生成AIがもたらす利便性は多岐に渡り一般的なビジネスにおいて例えば翻訳用途に利用されるなど、ChatGPTが盛り上がる前から日常的に利用されるようになっています。
その場合問題になりえるのは情報の漏洩や著作権の侵害です。例えばなんの気なしにわかりにくい英文メールをChatGPTやDeepLを使って翻訳するという行為には既に個人情報漏洩に関するリスクが内在しています。オプトアウトが有効であっても、一時的にその情報はサービスプロバイダーに渡っ -
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時代は一人の天才による発明や思想、戦争のような外圧などにより大きく変転する。イノベーションにより歴史が変わり、青銅器文明、鉄器文明など象徴的技術で時代を区切る。まさに、初期の世界史は、素材の歴史だったのだ。
雑学では無い、テーマ毎にきちんと整理された知識が学べる。初耳な事も多いし、確かにと合点する論拠も多い。一口に素材と言っても金属類だけでは無い。寒冷期を生き延びる為に毛皮が重要。毛皮はなめす必要があり、加工には唾液から、柿渋などのタンニンを用いるなど、ここでも技術の発展があった。死活問題として、毛皮を扱えた者だけが生存できたという超重要なターニングポイントでもあったのだ。
これだけではな -
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素材が拓く歴史があり、歴史を通じて接し方が変わる。
◯金:近年、無用の価値だけでなく、有用な価値も発見。
・細長く延ばすことができ、伝導性に優れているため半導体電極とチップをつなぐ配線に使用(スマートフォン1台に30mg使用)
・ナノ粒子は有害物質分解、プラスチック素材製造の触媒機能がある
◯陶磁器:ファインセラミックスは高強度・高耐熱により、スペースシャトルにも用いられる。
◯コラーゲン:三重らせんの長い繊維として存在する得意なタンパク質。
・再生医療に不可欠な材料
◯鉄:安く大量に生産される材料。他の金属と合金にすることでさらに優れた性質を発揮すること、磁石になるうること。
・錆び -
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地表における元素存在比0.08%の炭素が成り立たせる生命の世界。
我々の生活を支え、文明・文化のあり方に深く影響を与える物質を化学的視点から考察。
◯炭素が本領を発揮するのは、「化合物を作る」段階だ。今までに天然から発見された、あるいは化学者たちが人工的に作り出した化合物は7千万以上にも及ぶが、これのうち炭素を含むものはそのほぼ8割を占める。
・エネルギー源のグルコース、貯蔵形態としてのデンプン
・様々な化学構造で甘味を感じる不思議
・肉食、保存用途があった頃の香辛料の重要性。農業発達・冷凍技術で嗜好品化。唐辛子のカプサイシンは16世紀にアジアにもたらされて食文化を形成。発酵文化、新鮮 -
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リスクを取ることを極端に嫌う国民性のためか、ゼロリスク信仰が蔓延している日本だが、リスクをゼロにすることはもちろんできないし、他のリスクが高まったりコストがかかり過ぎたりするらしい。
原子・分子の話は正直何のことやら?だったが、人工より自然のものが良しとされる風潮や、発がん性のある添加物の本当の危険性についてなど、なるほどと思う内容がたくさん。以前シリーズで読んだ『〇〇の危険度調べました』の著者を名指しで挙げ、反対意見を述べておられたのが大変興味深かった。
何事もきちんと調べて、何となく怖いから禁じる・叩くではなく、正しく知ることに尽きる。著者のコロナ関連の出来事に関する意見が知りたい。 -
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国道マニアという存在を知った本。
1章 国道の名所を行く
有名な国道を紹介していく。階段国道とか
2章 酷道趣味
国道マニアの中で大勢力を占める酷道趣味について
3章 国道の歴史
法律的な
4章 国道完走
国道の始まりから終わりまで一気に走りきることを完走、何度かに分けて走りきることを塗りとか言う。
5章 レコードホルダーの国道たち
最も長い国道、反対に短い国道などを紹介
6章 国道標識に魅せられて
国道標識を撮影する趣味。ちなみに「おにぎり」というらしい
7章 都道府県道の謎
国道ではない都道府県道について
8章 旧道を歩く
国道が新しく作られた国道に代わっていき前の国道を