【感想・ネタバレ】世界史を変えた新素材(新潮選書)のレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2019年12月11日

この人とサイモンシンの本は絶対に読むくらいに好きな作者。
今回も歴史とその社会を形作る素材の進歩をエピソードを交えて講釈してくれるのが本当に楽しい。

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Posted by ブクログ 2019年05月07日

人類の文明にとって重要な材料として、金、陶磁器、コラーゲン、鉄、紙、炭酸カルシウム、絹、ゴム、磁石、アルミニウム、プラスチック、シリコンを取り上げて解説した好著だ.特にコラーゲンと炭酸カルシウムが異色だと感じた.終章のAIに関する記述も楽しめた.このような解説書はもっと読まれるべきだと思う.これらの...続きを読む事項をある程度把握してうえで世の中の事象を見つめる必要があると思っている.

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Posted by ブクログ 2019年02月17日

あまり詳しいことが書いてあるわけではないが、なるほど面白いなぁとあっさり読める良書であると思う。興味の入り口としてとても良い。世界は色々な素材の発明によって成り立っているんだなぁということ、そしてこれら素材がない頃を想像できないなぁという驚きがあってよかった。

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Posted by ブクログ 2019年02月17日

科学者による、歴史的に見て優れた素材について説明した本。金や陶磁器、鉄、紙、ゴムなど社会に大きな影響を与えた素材を簡潔に説明している。身近にある物の発明経緯や歴史的な価値を知ることができ、たいへん有意義な内容だった。
「考古学というものはどこの国であれ、まず壺とその破片を探すところから始まる。土器、...続きを読む陶器、磁器などの発達度合いは、その文明の成熟度を測るよきバロメーターだ」p33
「粘土を低温で焼いて作ったものは、いわゆる「素焼き」と呼ばれ、縄文式土器や弥生式土器は全てこれに当たる」p37
「(地続きから島になったタスマニア)(人の行き来がなくなると文明は衰退する)結局タスマニアからは、ブーメランや骨製の釣り針、魚とりの罠や衣服を作る技術が、わずか数千年で失われてしまった。外部との交流を絶たれて自給自足の状態に追い込まれると、進歩が止まるどころか衰退さえ起きてしまう」p50
「スズで鋼板をメッキしたブリキ、亜鉛でメッキしたトタン、ダラス質を焼き付けた琺瑯(ほうろう)」p73
「(製紙の開始年)中国105年、スペイン1056年、イタリア1235年、ドイツ1391年、イギリス1494年、オランダ1586年、北米1690年。以外にもその拡大速度はかなり遅い」p88
「東洋では、書道や水墨画など、紙を画材とする芸術が発展した。これに対し、西洋では長らく彫刻などが芸術分野において重要な地位を占め、絵画もフレスコ画や油絵といったジャンルが主流となってきた」p88
「8世紀から13世紀にかけて、イスラム圏の科学技術は世界の最高水準にあったが、ルネサンス以降のヨーロッパに逆転を許し、大きく水を開けられた。これは、印刷技術の導入に抵抗したため、知識の普及が阻害されたことが大きな原因と指摘されている」p91
「(ワシントンモニュメントの頂点をアルミキャップで覆った)このアルミニウム1オンス分だけで、この塔を建てた全労働者の1日分の給料をまかなえたという。ほんの数百年ほど前のアルミニウムは、金やプラチナなど足元にも及ばぬほどの高価な「貴金属」であったのだ」p165
「破壊的なイノベーションとは、その種を発見することよりも、それを形あるものとして世に送り出すことのほうが、難しい」p180
「(破壊的イノベーション)(トキワ荘など)才能の異常な結集と爆発が起きているケースには、いくつかの共通点がありそうだ。新しく切り開かれた分野であること、十分な資金が集まっていること、リスクのあるチャレンジができる状況であること、自由闊達に議論ができる環境であることなどだ」p210

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Posted by ブクログ 2019年02月02日

金、陶磁器、コラーゲン、炭酸カルシウム、ゴム、紙(セルロース)、絹、鉄、磁石、アルミニウム、プラスチック、ケイ素(シリコン)。現代の生活に欠かせない材料に関して、人類がどのように利用するようになったかの歴史だけでなく、その物理・化学的な説明も一般読者向けに分かりやすく解説されています。材料科学の専門...続きを読む家にとっても、全体を俯瞰するのに役立ちそうです。

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Posted by ブクログ 2019年01月20日

「黄金が人類を魅了するのは太陽や火の輝きに似ているからではないか」
「黄金の色が鈍かったら世界は平和で、しかしずっとつまらない世の中になっていたかもしれない」
「明の貿易が鄭和以降も続いていたら大航海時代はどうなっていたか」
”素材“を通じて筆者が立てる「イフ」の問いが面白い。

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Posted by ブクログ 2018年12月20日

金、陶磁器、コラーゲン、鉄、セルロース、炭カル、絹、ゴム、磁石、アルミ、プラ、シリコン。物性と化学と歴史で綴る材料文明論。孫引きではなく著者の言葉で描かれているので、知らないことはもちろん知っていることでも違う角度や別の表現になっていて楽しい。

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Posted by ブクログ 2020年01月02日

世界史というより材料史で、技術の発展のみでなく、文明・文化の発展にいかに素材が寄与しているかが記されている点がよい。既存の代替に加え、思想や価値の具現化に寄与していることに納得。あと文章、エピソードなど読み物として読みやすい

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Posted by ブクログ 2019年01月20日

 読み物として面白かった。

 優れたモノやアイディアを持った人同士が出会うと、お互いにそれをやり取りしたり改良したりして、さらに優れたものに進化させることが起こる。人が一生ひとところに留まっていれば、素晴らしいアイディアもぶつかり合い、磨かれ合うこともない。人が動き回ることは、文明の進展に必須の要...続きを読む素であったはずだ。
 マット・リドレー著『繁栄』には、その実例としてタスマニア島のケースが挙げられている。この島はかつてオーストラリア大陸と地続きであったが、海面の上昇によって1万点ほど前に本土から切り離された。すると、よそで開発された新技術は入ってこず、持っていた技術も継承者がいなくなるたびに消えていく。結局タスマニアからは、ブーメランや骨製の釣り竿、魚とりの罠や衣服を作る技術が、わずか数千年で失われてしまったという。外部との交流を絶たれて自給自足の状態に追い込まれると、進歩が止まるどころか衰退さえ起きてしまうのだ。筋力ではなく頭脳を武器として生きる人類には、過酷な旅のリスクを冒してでも、移動と交流、交易を行うことが決定的に重要なのだ。

 グッドイヤーは、ゴムに酸化マグネシウムや石灰などあらゆる粉末を混ぜ込む実験を重ねたが、溶解を防ぐことはできなかった。出資者が手を引いたために貧困に苦しみ、実験のために健康さえ害しながらも、彼は決して諦めなかった。借金のために何度も投獄され、貧しさのために子供を失いながらも実験を続けたというから、その執着ぶりは異常というほかない。
 グッドイヤーの凄まじい執念に対し、ついに運命の女神は微笑む。実験開始から5年目の1839年、ゴムに硫黄を加えて加熱することで、耐熱性を持たせられることを発見したのだ。グッドイヤーはさっそく特許を取得、1842年にゴム工場を立ち上げた。
 筆者はこの話を読んだ時、なるほどこれが世界屈指のタイヤメーカーであるグッドイヤー社であり、チャールズは長年の労苦が報いられて大金持ちになったのか―と早合点してしまった。だが実のところ彼は、加硫法という画期的な発明は成し遂げたものの、事業家としてはまったく成功できなかった。現在のグッドイヤー社の設立は加硫法の発明から半世紀以上も後の1898年であり、社名はチャールズ・グッドイヤーにちなんで命名されたものの、直接の資本関係などはない。

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