佐藤健太郎(サイエンスライター)のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ここ数年で、一番読み応えがった。
人類の最大の敵の1つである細菌に対して、
作られた人類の武器である薬。
それらのなかでも、歴史を変えたであろうという
薬剤をピックアップした本書。
漫画ワンピースでも紹介された壊血病へのビタミンC
人類初の抗菌薬、サルファ剤
奇跡のセレンディピティが起こした神の恩恵とも
いえるペニシリン
20世紀に出現した最悪のウイルスであるエイズの
治療薬を生み出した日本人、満谷裕明さん
人類文化史初期の治療では、動物の糞や血を薬にする事で
汚れによる悪魔を追い出すという発想の汚物薬から、
消毒という概念が理解できなかった中世医学。
今では、信じられないような治療 -
Posted by ブクログ
密度が濃い。どの章も分かってはいるけれど、目から鱗のネタが豊富でと書き口も説得力があった。
1章は社会心理学的な総説。
2章は天然好き、化学由来嫌いを斬る。
3章は中国餃子をネタにリスクの基本。
4章は発がんの恐怖の罠
5章は血液ドロドロ論の罠
6章:ホメオパシー、7章:放射能との適切な付き合い方。ここが出色の書き口。
・リスクを下げる、あるいは一定に保つためには、それなりのエネルギーや労力をつぎ込む必要がある。(放っておくと増えていく)
・定性思考から定量思考へ
・半減期が長ければ長いほど怖いという誤解をしている人も多いのですが、半減期の短い放射性物質の方が、ある意味では危険が高い。
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Posted by ブクログ
ーーー農耕開始から世界大戦まで、人類は地上にわずか0.08%しか存在しない炭素をめぐり、激しい争奪戦を繰り広げてきた。そして地球温暖化とエネルギー危機に直面する現在、新たな「炭素戦争」が勃発、その勝敗の行方は…?「炭素史観」とも言うべき斬新な視点から、人類の歴史を大胆に描き直す、興奮のポピュラー・サイエンス。
先輩のすすめで。
面白かった。小説ばっかりでこういうのは読んでなかったから新鮮だった。
読みながらSFを読んでいるときの感覚と似ているような気がしたが
恐らく、現状の問題点や未来に対して前向きな姿勢がそう思わせていたのだろう。
内容は濃いけれど文章は平易で、世界史をあまり学んで来