佐藤健太郎(サイエンスライター)のレビュー一覧

  • 炭素文明論―「元素の王者」が歴史を動かす―

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    化学と文明の深いつながりを学ぶ一冊。カーボンに特化し、本来なら香辛料から始まる系統の本だが、日本人に馴染み深いデンプンから始まるのは見事だと思った。

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    2014年04月13日
  • 炭素文明論―「元素の王者」が歴史を動かす―

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    炭素で見る世界史的な流れで、堅苦しくなく、初めて知ることがたくさんあってかなり面白く読めた本。理系と文系をうまく融合させたなと感心しました。

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    2014年02月28日
  • 炭素文明論―「元素の王者」が歴史を動かす―

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    炭素と世界史の関連の深さに驚いた。化学物質名は覚えられなさそうだけど。
    世界の歴史はエネルギーや食料争奪の歩みなんだなって思った。今後エネルギー、食糧問題は避けられない大きな問題になる。
    最後の最先端技術は心が躍る。メタンハイドレートが実用化されたら日本もついに資源国の仲間入り。期待しちゃうね。
    第二部の話も身近なトピックだけど壮大なロマンとフロンティア精神によって開拓発展したんだと思うと感慨深い。
    切っても切れない人間と炭素の関係。面白く学ばせてもらえた。

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    2014年02月23日
  • 炭素文明論―「元素の王者」が歴史を動かす―

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    世界史と有機化合物とを見事に繋ぎ合わせた傑作。過去に起こった様々な戦争が、実はたった一種類の有機化合物を巡っての争いであることも少なからず。このような観点で、化学の歴史も学べるなんて、まさに目から鱗。

    もしこの現代になってアルコールが発見されたら、恐らくアルコールの摂取そのものが認可されないだろうというのは、確かにその通りと納得。

    あとがきに書いてあるが、化学物質と聞くと世間一般には危険、汚染、悪者といったネガティブなイメージしか湧かないかもしれない。しかし、この世の人々の生活は全て化学物質・化学反応の進化の上に成り立ってるんだという著者の熱い思いには、同じ化学者として大いに賛同いたします

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    2014年02月09日
  • 炭素文明論―「元素の王者」が歴史を動かす―

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     やばい。これはすごく面白い。興味深い。
     炭素由来と言って簡単に思いつくのは鉛筆やダイヤモンド、せいぜい石炭だろうか。

     現代の科学においては、有機物といえば炭素化合物になるのだそうな。私の中では有機物は生命が元になっているもの、無機物はミネラルなどの鉱物系のイメージだったので驚いた。 
     つまり、石炭は言うに及ばず、ガス、石油も炭素化合物なのである。
     いやいや、それだけじゃない。でんぷん質、砂糖……我々が生きていくために、炭素は必要不可欠なのである。

     人間が狩猟民族から農耕民族に代わり、穀類の争いが始まり、産業革命がおきてからはエネルギーをめぐる戦争が起きている。
     オイルショ

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    2014年01月27日
  • 医薬品クライシス―78兆円市場の激震―

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    医薬品開発の今とこれから。
    「製薬会社が世界を支配している」とか厨二病的な内容かと思ったら全然違った。

    医薬品開発がこれほど難しい状況に来ているとは知りませんでした。
    市場と開発速度が噛み合っていない。

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    2013年04月11日
  • 「ゼロリスク社会」の罠~「怖い」が判断を狂わせる~

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    大学時代に習った内容もいくつかあった。
    食品添加物の基準値、トランス脂肪酸、ニセ科学、リスクはゼロにできないことなどなど
    考え方を学んだはずなのに、メディアが偏った内容を大々的に流すとそれだけが真実に思えるときがある。
    テレビで言ってたから、雑誌に載ってたから正しいわけではない
    いろんな側面からみないといけないな

    何がどれだけあればどの程度危険なのか、わかるようになりたいなぁ

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    2013年01月21日
  • 「ゼロリスク社会」の罠~「怖い」が判断を狂わせる~

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    ヒステリックにリスクを恐れるのではなく、正しくリスクを評価してトレードオフしながら選択していく必要性が非常に明快に書かれている.
    ゼロリスク希求症候群の現在に読んでおくべき本だと思います.

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    2012年10月06日
  • 医薬品クライシス―78兆円市場の激震―

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    ネタバレ

    ビジネス新書なのに、泣けた。

    例えば、「スタチン剤の生みの親、遠藤氏は自分の化合物が会社方針でつぶされかかったとき、社に無断で勝手に臨床試験を行うという恐ろしい「暴挙」に出ている。難病に苦しむ少女を救うためでもあり、安全性、有効性について確信があったからこそ試験に踏み切ったのであろうが、何か事故でもあれば間違いなく氏の首は飛んでいたところだろう。こうして自分の存在証明をかけてあらゆる障害と闘う人がいるからこそ、新薬は生まれるのだ」

    研究者の最大のインセンティブは研究それ自体の喜びであり、患者を救いたいという強い思い、使命感だ。これは決してきれいごとではなく、研究に喜びを感じない人に対し

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    2012年06月30日
  • 医薬品クライシス―78兆円市場の激震―

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    学部2年の頃に、医薬品研究開発の現状について認識するきっかけとなった本。

    ある程度知識のついた今、読み返したい。

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    2011年11月02日
  • 医薬品クライシス―78兆円市場の激震―

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    医薬品業界という産業は新薬を創りにくいものの、一つ一つの医薬が膨大な利益を生む観点から考えれば、非常に高収益でかつ不安定な業界特性だ。

    膨大なR&Dを経て次々に登場する新薬から巨大な利益をあげ、世の景気に関わりなく右肩上がりの急成長を続けて来た医薬品業界が、本当にここに来て初めてつまずきを見せているのならば、この不可解な現象がなぜ起きたのか。医薬の進歩は本当に限界を迎えたのか。そしてこれから一体何が起こるのか、という論点を考えることは多分色んな面で今後役に立つと思う。

    ~“経営コンサルタント、証券会社のアナリストといった人々は、「クリティカルマス」「スケールメリット」などの言葉を

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    2011年05月28日
  • 世界史を変えた薬

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    おもしろかったですね〜!分かりやすくて読みやすいです。うんちくがふんだんで好みでした。
    人類はずっと昔から病と共存していて、今の私たちはそれらの蓄積の上に、生きていることがよく実感できます。
    直近ではコロナウイルスの流行がありましたが、あれから数年、気づけば以前の生活にすっかり戻っています。
    今更ですが、それは本当にすごいことに感じました。世界中で蔓延しているということは、そこに投資することにまず正当性があったのだと思いますが、きっと個人単位ではこのウイルスをどうにかしようと思って、尽力してくれてたのだと思います。
    コロナウイルスのピークの状況が具体的解決策となく続いていたとしたら、それは恐ろ

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    2025年11月21日
  • 世界史を変えた新素材(新潮選書)

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    新しい材料は変革をもたらして文明を発展させるという意味で、人類の歴史に果たしてきた役割は大きい。

    ファインセラミックスは、純度100%近い材料を用いて、粒のサイズ、焼成温度をコントロールして作る焼き物。コンデンサや電池の電極、高温超電導材料が作り出されている。

    コラーゲンは、アミノ酸の鎖が3本絡み合った長い繊維で、ヒドロキシ基によって3本の鎖が結合されている。細胞間の隙間を埋めて貼り合わせる役割を持つほか、骨もコラーゲン繊維の間をリン酸カルシウムの結晶が埋めた構造をしている。コラーゲンは、人間のたんぱく質の3分の1を占める。コラーゲンを煮込むと鎖がほどけて水分を含んだゼラチンになる。木製の

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    2025年09月26日
  • 「ゼロリスク社会」の罠~「怖い」が判断を狂わせる~

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    最近、メディアやネットを通じての炎上も度を越した「過剰反応」、企業ではオーバーコンプライアンスというように「ゼロリスク志向」を目にすることが増えた。やりすぎで、本末転倒になったり、逆に同じ貉として加担してしまっているケースだ。善悪二元論で分かりやすく、正義を演じる快楽にも浸りながら、つまりは思考停止状態とも言えるのではないか。そんな危険性について、ゼロリスクこそリスクであるという逆説的な論調で痛快に皮肉っていくのが本著。

    問題を起こした企業こそ、リスクマネジメントやCSR、コンプライアンスが金科玉条となり、それを優先していく傾向にあるが、それは間違えではないのだが、日本経済が長らく不況に苦し

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    2025年04月04日
  • 世界史を変えた新素材(新潮選書)

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    ネタバレ

    特に興味深かったところ。人間のタンパク質のうち3分の1がコラーゲン、細胞と細胞の隙間を埋め、互いに貼り合わせる。壊血病はビタミンC不足で起きるのは知っていたが、ビタミンC不足でコラーゲンができなくなり全身の血管が脆くなっていたことは初めて知った。イスラム教が印刷技術は迫害されたせいで、オスマン帝国の1927年時点で男女合わせてに識字率は10%以下、知識階級しか文字は知らなかった。知識の普及は阻害され、イスラム圏の科学技術はルネサンス以降ヨーロッパに逆転される。

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    2025年01月24日
  • 炭素文明論―「元素の王者」が歴史を動かす―

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    人類の歴史を作ってきた炭素化合物のはなし。炭素原子は電荷に偏りがなく4つの腕の結合を使って強固で長い結合を作れる。地球上に質量比0.08%しかないのに多彩な化合物を作り出した。
    デンプン、砂糖、香辛料、グルタミン酸、ニコチン、カフェイン、尿酸、エタノール、ニトロ、石油...
    人類の歴史は炭素の歴史だと感じる。

    ■人工甘味料
    アセスルファム、アスパルテーム、スクラロース...甘味受容体と結合して脳に甘みを感じさせるゼロ低カロリー甘味料

    ■香辛料
    カプサイシン(唐辛子)、ピペリン(胡椒)、ミリスチシン(ナツメグ)

    ■アルカロイド
    植物が作る毒素。肉体は拒否するのに精神は欲してしまう。

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    2025年02月28日
  • 世界史を変えた薬

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    古代に遡って、医薬の歴史を学ぶことができた。いかに今が恵まれた状態か、改めて思い知らされた(全ゲノム解析が進んだ未来から見たら、今も遅れているのかもしれないが)

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    2024年03月31日
  • 炭素文明論―「元素の王者」が歴史を動かす―

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     炭素の歴史といえば、「火の発見/活用」による(食材の軟化で)脳の発達にはじまって
     穀物栽培≒炭水化物食により定住、人口増加…。
     大航海時代になると新世界植物、食物だけでなくタバコや酩酊草、ゴム…火薬の威力により植民地支配…/近代化学の定量分析で分子構成の一部解明…/
     1856年、リン酸肥料確保の必要からアメリカは「グアノ島法」を成立させ、グアノ=海鳥糞のある島に領有をアメリカ人誰でも宣言可とした→ウェーク島やミドウェー島領有。
     1898年、英国科学アカデミー会長就任のクルックスは「文明は窒素肥料枯渇で衰退」と宣言→空中窒素固定法開発を促した。それは成功したが、高性能火薬や毒ガスも開発

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    2024年03月01日
  • 世界史を変えた薬

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    病気と薬に関する歴史や雑学が多くて
    読んでいて楽しかった。
    医療系の人はぜひおすすめで
    薬への興味を持つきっかけになるかもしれない。

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    2024年02月15日
  • 世界史を変えた薬

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    この本、シンプルな表紙とは裏腹におもしろい。
    人に薦められる医薬品関連の本ってこれぐらいじゃないかな?

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    2023年11月26日