「真の学力」とはいかなるものか
受験で勝つために駆使している単純計算力や暗記力は海外では評価されない。
実生活にどれだけ活用できるか
速さや量ではなく、生活への活用力を学力としている。
優れた文章を読んで内容を理解し、鑑賞するという、国語本来の「学び」の基本
社会で求められている人材は、豊かな発想力を持ち、思考力に長け、自己表現力に優れていて、なおかつ他者と協働できる人
競争神話に取り憑かれている
学業不振が10代の自殺理由トップ
競争原理が生むのは「格差」だけ
国連から受験競争を是正するように勧告されている
習熟度別クラス編成授業をやめたフィンランド→競争型教育からの脱却
基礎教育中には、通知表がない。代わりに年一回評価レポートが手渡される。
7歳から16歳まで総合学校で9年間学び基礎教育を実施している。
教育や学びの主体は子ども自身。
日本の教育が過度な競争主義に洗脳されている。日本の教育は、「入り口重視」のシステム。学校教育のシステムは、常に学校(親)が主体で子どもが従属する姿勢が強いのが特徴。
受験が競争であるために受験に向けた教育も競争にならざるをえなくなっている。
25人規模で完全なる個人指導のフィンランド。大きく日本の教育と異なるのは、「競争がない」「徹底した“個”の尊重」
子どもの教育を担うのは、国の役割であり、責任であるという考え方が世界の主流。
学力=国力
“人”という資本に投資する。
個に寄り添う指導による本当の意味での“平等性”が必要。奨学金破産という言葉。
貧しくても、せめて教育だけは子どもに授けたいと苦しい家計から工面して教育費を捻出する教育熱心な国民性が災いした。国が教育に力を入れずに済んできたともいえるから。
教育力の低下→国全体の衰退
キー・コンピテンシー
1. 相互作用的に道具を用いる
2. 異質な集団で交流する
3. 自律的に活動する
情報や知識、言葉やテクノロジーなどを“ツール”と捉え、うまく活用する
他者と円滑にコミュニケーションを取り、協力し、問題解決を図る
大きな展望を持って活動し、自ら実行する
2030年 社会で求められる能力
1. グローバル化し複雑化する社会において、多様な協力関係を結び、それらを管理する能力
2. 問題の細かな要素を結びつけ、価値を生み出す能力
3. 情報を整理する能力
4. 専門家としての深い知識と、ゼネラリストとしての知識の幅広さを併せ持つこと
フィンランド・メソッド
日本ではこれまで「批判的思考力」「論理的思考力」「表現力」を身につける教育に力を入れてこなかったことが指摘できる。
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クリティカルシンキング
ー なぜ?、本当?、バイアス
ロジカルシンキング
ー 分解、分類、データ
プレゼンテーション
ー ロゴス、パトス、エートス
ディベート(サークル)
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ヨーロッパで盛んなオルタナティブ教育の一つであるイエナプラン教育
複数領域を横断的・総合的に学ぶ課題学習・体験学習
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サーキットトレーニング
→ プレゼンテーション
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「ゆとり」は間違いではなかった
自ら考え、自ら行動し、自ら表現するという「学び」の結実。柱となっていたのは、知識の量を増やす教育ではなく、知識の活用力をつける教育への転換でした。
アクティブ・ラーニング
アメリカの1960年代の教育改革から生まれた
◆ 平均学習定着率
* 講義 5%
* 読書 10%
* 視聴覚 20%
* デモンストレーション 30%
* グループ討論 50%
* 自ら体験する 75%
* 他の人に教える 90%
文明の利器も使い方を誤ると、そのメリットを生かすことができなくなります。
電子黒板、タブレット端末によるICT教育
SNSのいじめ
→リテラシー教育が不可欠。
日本の教育を変えるには、大学入試制度を変えることが肝心です。
国際バカロレア
大学で学ぶ意味「真理の探究」
今日においては、さらに「この混迷の時代をいかに自由に生き抜くのか」という課題と向き合い、確かな「実践知」を身につけること、磨き上げることです。
日本以上の学歴社会で、受験戦争の激化が問題視されている韓国。
学び直しができる教育環境を
子どもだけでなく、大人も。
リカレント教育
生涯学び続けることを重要視(北欧)
教師と生徒との間の“心の距離”
教育委員会→学校
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下請けの企業の仕組みに似ている
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教師を萎縮させる成果主義
教育委員会の意に沿った学校運営をし、
いじめなどの問題を生じさせない教師は、校長から高く評価されるという図式。
評価は数値で測れるものに限られている。
どの国においても、重要なのはシステムの質より教師の質です。
同僚性(パートナーシップ)
子ども応援委員会
日本の教育は管理的で不自由
→教師や学校の裁量が認められれば、教育はもっと豊かで深みのあるものになる可能性がある。
大人と同じように自分の意見を持ち、考えを述べます。
ドイツの政治的中立性の確保
1. 圧倒の禁止の原則
2. 論争性の原則
3. 生徒志向の原則
学校は「民主主義の練習の場」
民主的な意思決定の方法や仲間と対立したときの解決法、社会(学校)に対する責任意思決定、多様な意見や考え方の受容などについて学びます。
ヨーロッパ(特にオランダ)では、民主主義とは何かを教える「市民教育」シチズンシップ教育に力を入れている。
自分たちが選んだ本を読まれなかった少数派をどう取り扱うか。
一人ひとりの意見が尊重されるのが本当の「民主主義」であるはず。
多数派原理は民主主義ではない。
教育の主役は“子ども”
大人が最善と思うものを子どもに一方的に押しつけているだけ。
→子どもの視点を取り入れる
教育を受ける立場の子どもたちにしかわからないことが、おそらくあるから。また、大人が与えるだけになると、教育を与える側の都合に偏りすぎて、受ける立場の不都合に気づいていない恐れもあるから。
子どもの自主性に委ねると、大人がまるで予想していなかった大きな成果を出してきます。
地域社会に対しても、もっと子どもの参加を増やしていくべき。「小さな仲間市民」
教育は日本の未来を変える。
国家を支えているのは、他ならない一人ひとりの国民自身だから。
フィンランド
教える教育→学び支援する教育
「知識偏重型」学力観は、とうの昔に時代遅れになっている。
自己の目標にどれだけ近づけたか、自己実現がどれだけできたかという達成感と充実感が本来の学習の目的。
教育の主体、学びの主体は子どもです。
広義のインクルーシブ教育
自分とは異なる能力や個性に刺激され、人格の形成や人間理解力、コミュニケーション力などを同時に高めることもできる。
クラスが少人数化されても、多種多様な子どもの集まりにしておくことを忘れてはなりません。
日本型キー・コンピテンシーの実践。
憲法第26条
「能力に応じた教育を受ける権利の保障」
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武道では、受け身の取り方から教える
スキー/スノボーでは、転び方から教える
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いじめはいつ、誰にでも起こり得るという認識を教師が生徒持つことは大前提です。
教育を取り戻す「6つの処方箋」
1. 国際的な学力観、子ども観への転換を
2. 競争主義から脱却しよう
3. 教育の手法としての「子ども参加」
4. 個に寄り添う教育へ
5. 国の責務として、子どもの学力保証を実現する
6. 子どもの命と安全を大切にする学校へ