尾木直樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
思っていた内容とは少し違いました。格差についてというよりは、今の子ども達の現状報告といった感じでしょうか。
でも、尾木氏の言っておられることにはその通りだなと思います。
・子ども達に大学進学競争や学力テストなど、何でも"教育目標"を掲げて競い合う「成果主義」で迫っている。
・学校におけるテストとは、決して"競争"が目的ではない。
テストとは本来、個々の子ども達の学習上のつまずきなどの問題点を明らかにして、教員の指導の改善に役立てたり、子ども自身の学習方法の手直しに役立てたりするためのもの。
・国がすべきことはまず、子どもと教員にゆとりを与え、教育環境や条件整備にたっぷりと資金を投入すること。全国一斉に丸一委日を使って、50億円以上もの経費をかけて無駄な事業を実施するよりも、他にできることはいくらでもある。
・「ゼロ・トレランス」というアメリカ産業界における品質管理の発想が日本の児童・生徒指導の手法にまで及んだことで、生徒指導の在り方が激変した。
遅刻や早退、忘れ物、いじめ、暴力行為、教師への反抗などをレベルに応じて機械的にポイント化し、その累計数値によってペナルティーを与える。このやり方でいくと、教師が子どもの心のありようや非行・問題行動の背景などを理解したり考慮したりする必要はなくなる。単に事実を確認し、加点すれば済むからです。
・指導とは「従わせる」ことでも、「処罰によってコントロールすること」でもない。子どもが問題行動を起こす心理的・発達的な背景や弱点に丁寧に寄り添いながらサポートすること。本人自身の心をエンパワーメントすることが求められている。子ども自身が自らの成長・発達の証として問題行動から脱出していくのをサポートする人間的な関係性こそが、本来の「生徒指導」。
・子どものためと言いながらも、突きつめれば、子どもの心を顧みることも人格を尊重することもなく、ほとんど親自身の自己満足か自分の夢の実現のために、子どもに「よい子」になることを求めている。 -
Posted by ブクログ
尾木直樹氏と諸星裕氏との対談の中から。
驚いたのは冒頭に出てくる「便所飯」という言葉。最近の大学生の中には、「一人で食事をしているところを見られたくない」という人がおり、一人で食事をする時はトイレの中で食べるということのようだ。自立が出来ていないということだろう・・か。
また、最近は少子化が進み全員が大学へ入れるという時代になった。そのため大学生のレベル低下が見られという。以前「少数・分数の計算ができない大学生が居る」と新聞にも出ていたのを思い出した。
また、大学の教授自身も旧態依然のまま講義をしており、今の大学生の状態を知ろうとしていない。この様子では、大学は最高学府として機能していないということだろう。
「高校4年制」「大学3年制」「大学教員の教育力」「秋入学」・・など大学再生の話が興味深い。 -
Posted by ブクログ
テレビで「17歳事件」が騒がれていた頃、私はちょうどその年代でした。大人たちがキレる子どもを "得体の知れない危険なもの" のように見ていたような印象をその頃の私は受けました。事実、それはわからないではないのだけど、私には犯罪を犯した彼らに共感するような気持ちもありました。その背景には、学校や社会、大人への不信感や失望感があったような気がします。
企業人間と言われ頑張ってきた人たちのリストラは、学校の成績評価体制に対しての疑問を投げかけました。高学歴は高収入を約束する、という価値観が崩れたのです。勉強を楽しいと思いながらしている子どもがどれだけいるでしょうか。それを考えれば、「教える」ことから「学ぶ」ことへの方向転換を提示するこの本のあり方には賛同できるけれど、一筋縄にはいかないようにも思います。それでも、AO入試や総合学習時間の導入などにより、子どもたちが進みたい道を考えることができる社会に近づいている気がします。
今日本は、利害中心の考えを捨てることが大切なのではないでしょうか。危機を脱出するための方法として提示されていたものの中でも、子どもに自己決定権の機会を、親と子のパートナーシップを、というのに深く同意します。学校のあり方はまだまだ模索中のようだけど、いい方向に進んでいっているのを感じられる気がします。大人が子どものために動いてくれてるというのは、子どもからすれば案外嬉しいものです。 -
Posted by ブクログ
著者が伝えたいことは?
教育とは、学校や家庭などの現場において、日々営なまれる、ドロまみれで、人間臭い営みである。
教育再生は、外野から外野の論理を押し付けていくことではなく、主役である子どもたちの声を聞き取り、教師を尊重することです。その上で、必要な予算を注ぎ込む。
つまり、教師や学校は、子どもや保護者の力をかりて、彼らの実態や彼らが抱える問題をもとにした教育方針や指導方針を立てたうえで、日々実践していくことが、教育再生につながる。
学校と教師に自由と権限を与えることにより、いじめのない、創造性豊かで安全な安心できる学校が生まれてくる。
キーワードは、教育は、子どもたちのもの。
著書は、現状の教育の問題点について書かれているが、終始問題点の提示が主であり、具体案がないのが、残念である。 -
Posted by ブクログ
学生から読んでみませんかと渡されて読んでみた。
最近,授業の中で「何か疲れ損だよ。周りの先生達みたいに手を抜いてもいいんじゃないかと思う」とこぼしたからだろう。一部には「先生マタニティブルー説」が流れている。
さて,内容。まとめれば,
子どもだって一人の人格を持った人間であるから,親の思い通りに行かない。これを受け入れた上で,子どもを認めて,できるだけ時間を共有し,子どもの手本となるように生きましょう。子どもから逃げずに向き合い付き合うこと。いろいろな情報に惑わされない。教育には不易と流行がある。時には子どもから教えられることもある。共に育つことも教育である。
まぁ,20~30分あれば読める。
日本社会が日本の子ども達を見捨てているという怒りに共感。
大人が日本のことを真面目に考え,自分達の国をいかに作っていくか,そのための礎が子ども達の教育であることを相互に語ることが大切だと思う。
学生さん,ありがとう。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
なぜ教師はここまで追いつめられたのか?
教師力の低下と苛酷な教育現場の実態。
本当の「教育再生」への処方箋。
[ 目次 ]
序章 病める教師―教育の現場から
第1章 教師力は落ちたのか
第2章 「逆風」にさらされる教師
第3章 教師の条件
第4章 「教育再生論議」に見る、教師の未来
第5章 「教育再生」への提言
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
小学校低学年で急速に広がり出した学級崩壊、キレて凶悪事件を引き起こす十代の少年たち、いじめ、引きこもり、幼児虐待、援助交際、不登校…。
いま、子どもの世界では、何が起きているのか。
危機の実像とそれをもたらした背景を丹念に解明し、子育てと教育を再生させる考え方と実践例を提示。
従来の学校観や子育て観の転換を迫る。
[ 目次 ]
1 危機の実像(学級崩壊;新しい荒れ;いじめ;虐待)
2 危機の背景をさぐる(変化に取り残された学校;教師はなぜ力をなくしたのか;家庭の子育て力は低下したのか;大人と子どもの関係不全;子どもが問いかけていること)
3 危機からどう脱出するか(スクール・デモクラシーで学校再生を;「教え」から「学び」へ;子育てを社会化する;子どもと大人のパートナーシップ時代へ)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]