長山靖生のレビュー一覧

  • 文豪と食 食べ物にまつわる珠玉の作品集

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    どれも名作すぎてびっくりします。こんな贅沢な本はないです。なんだか本当にこんなにいいものたくさんをこの本一つで味わえていいんですかという思いです。
    まだ途中ですが国木田独歩「牛肉と馬鈴薯」の岡本の語りと近藤の視線が切なくて好きです。

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    2025年02月16日
  • 漫画のカリスマ~白土三平、つげ義春、吾妻ひでお、諸星大二郎~

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    この本で取り上げられている漫画家さんや雑誌『ガロ』には以前から興味があったのですが、なかなかいい文献に巡り会えずにいました。

    なので、本書を見つけた時には思わず飛びついてしまいました。

    4人の漫画家さんと現代のマンガやアニメ、社会がどのように繋がっているかがよくわかります。

    今のところ、この中では、つげ義春しか読んだことがないので、他の方の作品も読んでみたいです。

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    2024年10月27日
  • ゴジラとエヴァンゲリオン

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    ゴジラファンかつエヴァファンの自分にとってはとても楽しめた。端的にゴジラシリーズがまとめられているので、ゴジラ研究時の参考文献としても役立つだろう。エヴァについては作品解説と作者である庵野監督についての記述が半々という印象。エヴァの裏事情が詳細に書かれていて、個人的にはゴジラへ言及している部分よりもエヴァの部分の方が面白かった。

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    2020年04月02日
  • ゴジラとエヴァンゲリオン

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    以前読んだ『「ポスト宮崎駿」論』でも思ったけれど、ウンチクと分析がすごい。ゴジラはあまり接点がなかったけれど、ハマっていた人にとっては読み応えがある内容かと。そして庵野秀明氏と軸にゴジラとエヴァが絡んでくる本書の骨格がいい感じ。

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    2018年12月02日
  • 帝国化する日本 ──明治の教育スキャンダル

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    先の大戦へと至る道は、主に注目される政治面や軍事面だけでない様々な面がある。その様々な面の内、この本が着目しているのは教育面。
    「哲学館事件」や教科書採用過程における泥々の癒着など初めて知る事は多い。何より南北正閏論争の影響力の大きさには目を見張る。確かに、明治維新の表看板は天皇主権であり、目指した所は建武の新政だ。倒幕の錦の御旗である。その為、史実を無視し、南朝を正当化するのは流れとしては間違いではない。だが、北朝の血を継ぐ明治天皇に、南朝を正しとするのは余りにむごい。また、史実の無視は亡国への道であるように思う。
    先の大戦を泥沼に引き釣りこんだのは、明治の教育を受けた者たちであったことを

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    2018年11月15日
  • 「ポスト宮崎駿」論―日本アニメの天才たち―(新潮新書)

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    宮崎駿、ジブリ作品を中心に、現代の主に劇場アニメを語る。興味深い解釈多数。購入して何度も読み返したい本。

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    2018年08月18日
  • 謎解き 少年少女世界の名作

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    [ 内容 ]
    十九世紀から二十世紀初頭、資本主義の浸透と身分制度の解体が進み、現在の社会秩序の基礎が確立される過程の欧米諸国で書かれた「少年少女世界の名作」。
    これを単なる子供だましと侮るなかれ。
    『十五少年漂流記』に隠された英米仏の領土問題、『宝島』に貫かれているビジネスの過酷さ―。
    そこには、近代史の真相、民衆心理、社会の根底にあるさまざまな仕組みやカラクリが隠されている。
    世界の見方が変わる一冊。

    [ 目次 ]
    第1章 経済原理と世界戦略(フランダースの犬―貧しかった日本人にとっての「癒し系」 王子と乞食―偽王が偽造される民主主義への批判 小公子―日清戦争後の母子家庭を魅了した夢物語 

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    2011年05月22日
  • 日本SF精神史 幕末・明治から戦後まで

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    [ 内容 ]
    日本SFの誕生から百五十年、“未来”はどのように思い描かれ、“もうひとつの世界”はいかに空想されてきたか―。
    幕末期の架空史から、明治の未来小説・冒険小説、大正・昭和初期の探偵小説・科学小説、そして戦後の現代SF第一世代まで、近代日本が培ってきたSF的想像力の系譜を、現在につながる生命あるものとして描くと同時に、文学史・社会史のなかにSF的作品を位置づけ直す野心作。

    [ 目次 ]
    序章 近代日本SF史―「想像/創造」力再生の試み
    第1章 幕末・維新SF事始―日本SFは百五十歳を超えている
    第2章 広がる世界、異界への回路
    第3章 覇権的カタルシスへの願望―国権小説と架空史小説

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    2010年06月05日
  • 若者はなぜ「決められない」か

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    これは私にとって目から鱗の理論がてんこ盛りでした!!今まで漠然と感じていたことを、この著者は論理的に、説明してくれました!!素晴らしい本。

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    2009年10月04日
  • 文豪と食 食べ物にまつわる珠玉の作品集

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    文豪15人の「食」にまつわるアンソロジー。
    文豪といっても知っている文豪もいれば知らない文豪もいる。
    そもそも文豪の基準ってあるのかなぁ?
    名前は知っているけど作品を読んだことがない人は多いのではないだろうか。
    アンソロジーの良いところははいろいろな作家の作品が読めること。

     森鴎外 「牛鍋」
    1800字くらいで4頁しかない短編なんだけど
    最初読んだ時に「なんだこれは?」
    箸のすばしこい男と箸がすばしこくなろうとしている少女がひたすら牛鍋をを突っつく話。
    弱肉強食の世界。
    そして「人は猿より進化している」と。
    一度読んだだけではなかなか理解が難しいが分かると面白い。

    谷崎潤一郎 美食倶楽部

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    2025年09月08日
  • SF少女マンガ全史 ――昭和黄金期を中心に

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    2024-10-27
    少女マンガの成立までの概要に始まり、70〜80年代の黄金期を代表する作家/作品をまとめて紹介。紹介だけでなく、ざっくりとした作家論/作品論も興味深い。自分にとってもほぼリアルタイムだが、あとから追いかけて読んだものも多く、前後関係など初めて知ったことも多かった。
    にしても、やっぱり萩尾望都は特別。
    参考文献は嬉しいが、出来れば人名索引も欲しかったところ。

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    2024年10月27日
  • 萩尾望都がいる

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    残念ながらリアルタイムでは知らないのですが、萩尾望都の作品が、初期のものからずっと大好きです。母の影響です。小さい頃から、英才教育並みに、実家の書棚に並ぶその時代の少女漫画を読んできました。成長して読み返せば、どの時点で読み返したとしても新鮮に新たな感想を持つような、深みがある作品ばかり。最近の優れた漫画は映画的だなと思うことが多々ありますが、この時代の少女漫画は、文学的なものが多い。萩尾望都はその頂点では?

    ちなみに実家の書棚には、竹宮惠子作品は「私を月まで連れて行って」しか並んでなかったです。キュートでオシャレでポップだけど、少しだけ切ないようなSFコメディ。こちらも大好きでなんども読み

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    2024年10月26日
  • SF少女マンガ全史 ――昭和黄金期を中心に

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    少女マンガの草創期から現代まで、SFマンががどのように描かれ発展してきたかを、全体状況と作家論で語る。SFといっても幅広く、本格SFからファンタジー作品まで含む。私も10代から20代にかけて少女マンガをよく読んでいたので、懐かしい作品や作家に再び会った気分だ。萩尾望都、大島弓子、岡田史子、高野文子…どの人も個性的で読み応えのある作品を描いた。おっと、萩尾望都は今も現役で「ポーの一族」を描き継いでいる。早速、読んでみよう。

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    2024年10月24日
  • 漫画のカリスマ~白土三平、つげ義春、吾妻ひでお、諸星大二郎~

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    <目次>
    第1章  白土三平~革命願望と権力の神話
    第2章  つげ義春~実存と彷徨と猥雑と生活
    第3章  吾妻ひでお~リアルと幻想に境界はあるのか
    第4章  諸星大二郎~夢の侵犯、神話の復讐

    <内容>
    わりとよく読んだ漫画家の詳細な紹介。各作品をかなり細かく紹介しているので、未読の人はこの本を読むときに注意した方がよい。分析はともかく、著者は4人が好きなのだと思う。4人の内、白土、吾妻は死んでしまった。つげももう作品は書いていない。今から追っかけるのがチャンスだろう。

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    2024年10月03日
  • 三木清 戦間期時事論集 希望と相克

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    難解だが真理を明かしている。
    「悲劇を知らぬ国民」と「教養と時代感覚」では、特にそう感じた。現代の文章だといわれても違和感がないからだ。前者のどうにかなるだろうという楽天性は生々しい。

    153ページの「偉大な書物は無駄な書物」というフレーズはいい喩えだ。この本がまさしくそうで、いろいろな引用から様々な見方を知ることができた。

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    2023年12月19日
  • 謎解き 少年少女世界の名作

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    昔読んだ名作たちが、経済原理、民族、国家などで解釈。
    「本当の自分さがし」のページでは近代人の無限地獄を知らしめさせる「ピーターパン」まで!
    「最後の授業」も現代の移り変わり行く情勢と併せ解説してもらい、もう一度読んでみたいとしみじみ。
    これらの本を読んで大人になった自分、豊かな少女時代だったと思う。
    今の子どもたちはどんな本を読んで大人になるのかな、読んでほしいけれど…

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    2023年11月24日
  • 萩尾望都がいる

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     萩尾望都氏は、まぎれもなくマンガ界の巨匠である。なにしろこうやって「作家論」の本が出ているのだから。

     実は先日、「11人いる! 復刻版」を読んだばかり。昔読んだ時と比べると、かなり違った印象を受けた。自分を取り巻く環境や社会の変化もあるかもしれない。また、それだけの「深さ」がある作品なのだろう。

     本書の「あとがき」にこうある。「まだ読んでいない萩尾作品がある人は幸いです。こういう本を書いておいてなんですが、皆さんもまずは他人の言葉など気にせず、読んで感じて味わって、自分の感覚で楽しんで下さい」と。未読の作品に限らず、既読の作品でも読み返せば、また違ったものが見えてくるかもしれない。

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    2022年08月03日
  • 萩尾望都がいる

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    ネタバレ

    2021年9月頃に極私的萩尾望都月間を敢行したことで、萩尾作品を総復習できただけでなく、どこかしら世界の見え方が変わった気がしていた。
    ところへ、都合よく作家論が出た。
    その上読んでみたら、長山靖生氏の文章がそもそも美味しい上に、萩尾の味が思い出されてきて、評論を読むことでこれくらい「めくるめく」思いをしたのは久しぶり。
    「一度きりの大泉の話」以後の歴史観を整理するという意味でも重要な一冊だと思う。

    個人的には萩尾作品の幅の広さを一覧すると同時に、対象(読者層)の広大さを思った。
    少女ではなく少年を経由することで、当時女性として描きづらかったことを描くという手法が、実は現代においてはフェミニ

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    2022年07月30日
  • 恥ずかしながら、詩歌が好きです~近現代詩を味わい、学ぶ~

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    明治以降の近代詩の潮流を解説。代表的な詩人もキャラクターがわかりやすく説明されていて良い。
    『風立ちぬ』の堀辰雄が重要な位置を占めていたようで意外だった。

    詩と関係ないが、現代の若者は「カワイイ」と「ヤバイ」でだいたいのことを済ませてしまうが、曖昧さが好まれる伝統に則ったもので、平安時代だと「をかし」と「あはれ」でだいたいが済んだ、というのが面白かった。(p.57)

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    2022年06月28日
  • 独身偉人伝(新潮新書)

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    「おひとりさま」であることに着目した19人の生涯。
    第一章 恋多き人生を全うする
            カサノヴァ、モーパッサン、ココ・シャネル
    第二章 憧れゆえに思いを遂げられない
            アンデルセン、立原道造
    第三章 世を正しく導くために
            コルベ神父、マザー・テレサ、エラスムス
    第四章 自然と人間の真理を探究する ニュートン、カント
    第五章 芸術と自由の精神を求めて
            ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ゴッホ
    第六章 女性ならではの社会の変え方
            ナイティンゲール、津田梅子
    第七章 君主でありながら子孫を残さず
            エリザベス一世、上

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    2021年11月18日