長山靖生のレビュー一覧
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ネタバレファム・ファタールだとか運命の女だとかいって、悪女とか、男を破滅させる魔性の女とかのニュアンスを持つが、なに、冷静に考えれば女と男は同時に転げ落ちるのであって、どちらがどちらを向上させもしなければ、どちらがどちらを引き摺り落としもしないはず。
が、「サロメ」をはじめ、19世紀末から20世紀初め頃の世紀末芸術で大々的に取り上げられたからには、その影響下にある文豪が、限られたフレームワークの中で、実人生と夢幻が切り結んだ際に、こういう作品をものしたことは、2025年に安易に切って捨てるべきではない。
編者の詳細な解説とともに、楽しめた一冊。
■森鴎外「杯」
目を瞠るようなお耽美。象徴、寓話。
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SF少女マンガの通史であるが、サブタイトルに「昭和黄金期を中心に」とあるように主に1970年台から80年台にかけて活躍した作家が中心の構成となっている。
2024年に「SF少女マンガ全史」と題して出す本であるからには、米沢嘉博の「戦後少女マンガ史」「戦後SFマンガ史」の2冊には書かれていない80年台から現在に繋がる流れを期待したいところだが、
90年台以降の作家については第1章の「SF少女マンガ概史」で清水玲子やよしながふみなど幾人かがざっくりと紹介する程度で、2章以降の個々の作家や作品の論評ではほぼ言及がない。それに対して、大島弓子や岡田史子、内田善美、高野文子といったSFマンガというと -
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ネタバレ当然、SF漫画の大傑作『11人いる!』にひっかけたタイトルだろう。どうせなら「!」も付ければよかったのに。それほどの、なかなかの力作だった。
あいにく、自分は、当時は妹の持ち込んだ少女漫画を盗み見するくらいにしかそちらの世界には触れていないので、『11人いる!』以外は、その続編を少しと、『ポーの一族』『トーマの心臓』あたりを、後追いで読んだ程度。『11人いる!』のテイストと違って、正直、のめり込めなかった。
また、読んだタイミングも後追いで、1975年当時ではなかった。
「まず強調しておきたいのは『11人いる!』が1975年の作品だということ。つまり劇場版『宇宙戦艦ヤマト』(1977 -
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戦前の文化人、小説家、哲学者、詩人が戦意高揚の声を上げ、それが「日本回帰」ということで説明される。必ずしも戦争賛成というわけではなかったが…戦後抱えることになった懊悩で戦後も「日本回帰」の努力を続けた人たち。読んでいく中で、白秋、朔太郎、達治、光太郎、折口信夫(釈超空)、茂吉たち実に多くの詩人たちが、本人の気持ちは別として、また物資不足の中で矛盾を感じつつ、戦争礼賛の作品を発表していたことが、「日本の美」を主張したい気持ちと重なっていたのだということが良く理解できた。戸坂潤の「なぜ人々は日本的なるものと言って、日本民衆的なものと言わないのか。…日本的なるものの定量分析は、現代の日本の民衆とつぎ
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ゴジラとエヴァについての蘊蓄の良質なサマリー。
いろいろな裏話を読めばオタク的知識欲は大いに満足される。
が、この二つを併記した意味は何か、となると、正直疑問符がつく。
後書きで著者はいみじくもアニメか特撮か、どちらかを選べと言われたら、というような問いを立てているが、オタクトークとしては盛り上がりそうだが、それだけとも言える。
ゴジラと言えば安藤礼二や加藤典洋をはじめ、一級の思想家が多くを論じている。ここにエヴァをどう絡ませたのかに興味があったのに、、、
もっとも私も含めた、この二つの作品に関する小ネタならいくら読んでも退屈しない、というタイプの人には一読の価値はあり。
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