あらすじ
戦後日本における特撮とアニメの最高峰――それがゴジラとエヴァンゲリオンだ。異形の怪物はどのように生み出されたのか。なぜ大衆の心をつかんだのか。製作者たちの過酷な戦争体験はどう作品に反映されたのか。庵野秀明監督と「ゴジラ」をつなぐ線とは何か。なぜオタクたちは「エヴァンゲリオン」に熱狂するのか。日本SF大賞受賞の著者が、作品への深い愛情と膨大な資料をもとに、鬼才たちの企みを解き明かす。
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Posted by ブクログ
ゴジラファンかつエヴァファンの自分にとってはとても楽しめた。端的にゴジラシリーズがまとめられているので、ゴジラ研究時の参考文献としても役立つだろう。エヴァについては作品解説と作者である庵野監督についての記述が半々という印象。エヴァの裏事情が詳細に書かれていて、個人的にはゴジラへ言及している部分よりもエヴァの部分の方が面白かった。
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以前読んだ『「ポスト宮崎駿」論』でも思ったけれど、ウンチクと分析がすごい。ゴジラはあまり接点がなかったけれど、ハマっていた人にとっては読み応えがある内容かと。そして庵野秀明氏と軸にゴジラとエヴァが絡んでくる本書の骨格がいい感じ。
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「ゴジラ」と「エヴァ」という特撮とアニメの最高峰の作品を解明する、というよりも、既にあらかた解き明かされでしまっていることを改めて読み返しつつ、そうだよねぇと納得して楽しむ本。
Posted by ブクログ
ぐいぐいと進んだ。
それは、ゴジラとエヴァのまとめだったということからで、別にその関わりが面白かったからというわけではない。
今回シンゴジラを庵野監督がやったからって繋いだんだろうが、最後の最後、双方が乗り換えられずにいる戦いないしは現実逃避を描いてきて、共通するものは「繰り返し」
なるほど。
仮面ライダーやウルトラマンもそうだろうと思うけども。
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ゴジラとエヴァの2つをもっと関係づけた話が読めるのかと思ってたからちょっと拍子抜け。でも、割と楽しめて読めた。エヴァはもう1度見直してみたくなった。
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ゴジラとエヴァについての蘊蓄の良質なサマリー。
いろいろな裏話を読めばオタク的知識欲は大いに満足される。
が、この二つを併記した意味は何か、となると、正直疑問符がつく。
後書きで著者はいみじくもアニメか特撮か、どちらかを選べと言われたら、というような問いを立てているが、オタクトークとしては盛り上がりそうだが、それだけとも言える。
ゴジラと言えば安藤礼二や加藤典洋をはじめ、一級の思想家が多くを論じている。ここにエヴァをどう絡ませたのかに興味があったのに、、、
もっとも私も含めた、この二つの作品に関する小ネタならいくら読んでも退屈しない、というタイプの人には一読の価値はあり。
Posted by ブクログ
タイトル通り、両シリーズの紹介が中心。ゴジラシリーズ見たことないのでなるほど、見てみようと思えたのは収穫。エヴァは細かいトリビアや裏話とかはへえーと思ったが、あとは旧劇の解釈についてがメインで、それも大きな驚きなどはなし。両作品が交錯するところからなにかを論ずるのを期待してたのだが、そこまで踏み込むこともなくちょっと肩透かし。庵野がシン・ゴジラやるので思いついたんじゃないか。まあ読んでておもしろくはあったのでちょっとオマケして(笑)★3
Posted by ブクログ
【由来】
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【期待したもの】
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※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。
【要約】
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【ノート】
・そこかしこに見られる知見に面白いものはあるものの、庵野賛歌的な印象がつよく、膝を打つほどのものは感じなかった。
・なお、おっきな明朝体という表現手法については角川映画の横溝正史シリーズが初出ではないかとも思うが、これって意外と言及がない。関係ないのかな?
【目次】
Posted by ブクログ
シン・ゴジラが面白すぎて、知識を深めたくて読みました。
ゴジラについては、過去の作品をあまりよく知らないのですが、エヴァについては楽しく読めました。
エヴァ、観直したいです!
Posted by ブクログ
借りたもの。
『シン・ゴジラ』公開に先駆けて、『エヴァンゲリオン』の歴史と、『ゴジラ』の歴史をまとめた本。
『ゴジラ』『エヴァ』に関する時系列はきちんとまとまっているので、考察本の入門として良い本。文庫なので読みやすい。
その分、著者の独創性を見出すものではないかもしれない……
ゴジラ制作秘話、「怪獣映画」というジャンルが成立していない時代のクリエイターの試行錯誤と、変容、昭和の模索が迷走になり、”大人向けから“子供だまし”になった事。
(ここでは庵野監督を筆頭にして)先人のクリエイティブに影響を受けている現代のクリエイターという視点から、エヴァのヒットを皮切りに認知度が高まった“オタクカルチャー”総論”だった。
インスパイア、オマージュを総称して「コピー」と解釈するのは、私は府に落ちない。
「やおい(山なし、オチなし、意味なし)」が、救いようのないキャラクターへの、ファンからの救済措置的な動機の指摘は、核心だと思う。
著者が”予定調和されて破壊神から守護神のようになったゴジラ”“スペクタクル(大人向け)から子供向け(露骨な教育要素)になってしまったゴジラ”を、庵野監督が初代『ゴジラ』”的”な恐怖要素をもたらしてくれるだろうという、淡い期待を込めているような節がある。
それは『エヴァ』に(TVシリーズが予算と時間の都合上、投げやりな作品であること、旧劇場版は救いと昇華の一歩手前で頓挫する寸止め状態であったにせよ)破滅的な要素の中に淡い希望を持たせている作風、『ヱヴァ(新劇場版)』の繰り返しと微妙な変化を持たせた物語展開から、『ゴジラ』シリーズの子供だましな紋切型展開を破壊しうる可能性を持っていると考えているのかもしれない。
『シン・ゴジラ』は初代『ゴジラ』がそうであるように、徹底した情報規制が成されていたので、この著者が執筆するにあたり、前もって『シン・ゴジラ』を観ていたとは思えないが……
『ゴジラ』と庵野監督の繋がりを見出そうと検証している本かもしれない。