長山靖生のレビュー一覧

  • 新書で名著をモノにする 平家物語

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    平家物語は無常と普遍、栄光と没落を学ぶ最高のテキストだと著者さんは言う。

    大震災前から、現在の世の中は、もはや乱世を超えて末世の様相を呈していると著者さんは言う。国土は疲弊し、庶民の生活は逼迫しつつあると。

    さらに著者さんは、以下のような分析をなさる。
    朝令暮改をくり返す為政者たち(政府)、批判するだけで何もしない貴族たち(野党)、
    騒ぎ立てるだけで仕事をしない寺院勢力(学者・マスメディア)...etc.
    確かに、どう考えても、現代という末世は、幕末維新ではなく、平家物語の時代に似ているよね。

    著者さんは、歯医者さんらしいですけど、なかなか興味深い分析でした。

    さらにさらに、戦うは男ば

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    2012年02月14日
  • 若者はなぜ「決められない」か

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    フリーターに関しての本。なぜフリーターが多くなったのか、当時の仕事観や社会通念を説明し、前半は重点的にフリーターに焦点を当てて面白く読めた。
    でも後半は社会の現状・問題点をただ提示したり、筆者の好きな明治期の作家をあげて「この点はフリーターにも当てはまる」とリンクさせながら話が展開されていくので、少し冗長な文に感じた。後半少しつまらん。

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    2011年12月15日
  • 「人間嫌い」の言い分

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    [ 内容 ]
    「人間嫌い」というのは、いくらか偽悪的な言い方だが、仲間に甘い顔をせず、自分の信念を押し通す人間は、日本社会ではこう呼ばれる。
    それが現実である。
    それなら、人間嫌いでいいではないかというのが、まず私の出発点だった。
    そうやって「人間嫌い」を標榜してみると、意外とこれがけっこう楽しい。
    少なくとも楽である。
    友達がいないと不便かもしれないが、別に恥ずかしくはない。
    恥ずべきは自分がいないことである。
    自分がいてこそ、はじめて本当に他者とかかわれる。
    変わり者の多かったあまたの文士の生き方などを引きながら、煩わしい人間関係や世間との距離の取り方を説く。

    [ 目次 ]
    第1章 人間

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    2011年04月12日
  • 貧乏するにも程がある~芸術とお金の“不幸”な関係~

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    本書では、「下流化」につながると槍玉にあげられる「自分らしさ」という価値観に執着し、その価値観がもたらす幸と不幸、欺瞞と真実に、さまざまな作家・芸術家の生き方を通して肉薄する。
    自分らしさを貫くために損をし、貧乏をしていた作家・芸術家は数多いが、それでも彼らは己の道を貫きながらどうにか生き延びた。
    どうすればそれが可能になったのか。
    その観点から見ると、作家・芸術家たちは狡猾に生き残り戦術を駆使していたことが分かる。
    彼らの姿は私たちに、自分の生き方や社会のありかたを考える上で、大きな示唆を与えてくれるのではないだろうか。

    [ 目次 ]
    序章 「自分らしさ」は悪なのか
    第1章 

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    2011年04月07日
  • 若者はなぜ「決められない」か

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    著者の主張は全体的にすこし悲観的な印象を受けましたが、共感するところも数多くありました。
    少子化や社会が衰退をすることを理由に、その人の生き方が制限されるべきではないという見方に賛成です。したがって、著者はフリーターという生き方を否定していません。その一方で、フリーターであり続けることのリスクを示し、若者が自分の希望と向き合って生きてほしいと締めくくっています。

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    2011年08月01日
  • 日露戦争―もうひとつの「物語」―

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    本書は歴史書ではない。戦場にいない当時の市民のが見た「情報」を綴った本だ。報道ジャーナリズムを活用した現代の最初の戦争と表している。
    市民だけでなく、国際世論を味方につけるために、ロシアのような派手な工作はせずに、様々な国の新聞記事を地道に読み、事実誤認記事の訂正を求める程度だった。この正攻法うが好感度をアップさせたらしい。
    下に引用したくだりは、私たちの情報の受け取り方に注意喚起している。
    当時の朝日新聞の役割は今日異なり、戦争を国民が高揚するような報道をしていた。別途、社の方針の移り変わりだけを見てもおもしろいだろう。

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    2011年02月26日
  • 若者はなぜ「決められない」か

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    古本屋で購入した本。「わかもの合宿」のテーマの参考資料にならんかと思って読んでみた。途中ちょっと間延びした感はあったが、著者のメッセージは伝わった。
    若者はなぜ決められないのか、また決めつけるのか?興味深い一冊。

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    2011年01月21日
  • 日露戦争―もうひとつの「物語」―

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    [ 内容 ]
    開国から五十年後の一九〇四(明治三十七)年、近代化の節目に起きた日露戦争は、国家のイメージ戦略が重んじられ、報道が世論形成に大きな役割を果たした、きわめて現代的な戦争だった。
    政府は「正しい」戦争の宣伝に腐心し、新聞は開戦を煽った。
    国民は美談に涙し、戦争小説に熱狂した。
    大国ロシアとの戦争に、国家と国民は何を見て、何を考え、どう行動したのか?
    さまざまな「物語」を通して、日露戦争をとらえ直す。

    [ 目次 ]
    第1章 誰が戦争を望んだのか
    第2章 「正しい」戦争と情報戦略
    第3章 戦場の表現者たち
    第4章 「露探」疑惑と戦争小説
    第5章 架空戦記と大陸への論理
    第6章 反戦・厭

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    2010年05月29日
  • 若者はなぜ「決められない」か

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    [ 内容 ]
    八〇年代以降、フリーターの数は増え続け、今や就業人口のなかで無視できない存在となった。
    日本の近代史をふり返れば、たとえば「高等遊民」という現象のように、「決められない若者たち」は過去にも存在した。
    けれども現代のフリーターは、先進国のなかでも特殊な今日的現象である。
    なぜこうした現象が生じたのだろうか?
    自らも「オタク」として職業選択に際し違和感を抱いた著者が、労働(仕事)観を切り口に、「決められない」若者たちの気分を探る。

    [ 目次 ]
    第1章 フリーターに対する社会の困惑
    第2章 フリーターは告発する
    第3章 決められない若者
    第4章 決めつける若者
    第5章 勤労を尊敬し

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    2014年10月27日
  • 若者はなぜ「決められない」か

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    タイトルの
    「なぜ決められないのか」に対する
    答えを記している本ではなかった。

    職業理念に関する感想というか、なんというか。

    真実でもあるし、彼の意見でもある。

    でも読み終わっても特に何も考えない類の新書。

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    2010年04月30日
  • 不勉強が身にしみる~学力・思考力・社会力とは何か~

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    著者自身も不勉強だったようだが、しかしあなた大学出て歯科博士の歯科医じゃないか。
    なんか題名に騙された感じはあるが、内容は我が子に勉強を教えようと思っている親にはいい刺激になるような事が書いてある。
    奮起剤として読むべし。

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    2010年04月12日
  • 『論語』でまともな親になる~世渡りよりも人の道~

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    表題にある「まともな親になる」ってのがあんまりなくて拍子ぬけ。
    光文社の新書はタイトルうまいわりにタイトルあってないよな~。
    でも論語に親しむにはなかなかいい本。やっぱり論語ってなかなか良い。
    もちろんこの本の中で使えるやつをピックアップしてるだけなんだろうけど。
    今度はきちんと原典に立ち向ってみます。

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    2010年01月31日
  • 「人間嫌い」の言い分

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    「人間嫌い」をキーワードにした社会時評と、漱石を中心とした文学評。共通の価値観に隷属する「つるみ系」の社会に与せず、一歩引いた所に生きることの意味を述べている。孤高の勧めとも読め、共感出来る部分も多々あるが、結局はひねくれ者の自己弁護になってしまった。著者は爺さんかと思ったら、儂より若いではないか。厄そこそこの歳でこんなに偏屈になってどうする。

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    2009年11月18日
  • 不勉強が身にしみる~学力・思考力・社会力とは何か~

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     勉強とは何かを主題とする一冊。
     現代社会の分析から、親の世代には何が不足し何が必要なのか、
    若者の世代には何が不足し何が必要なのかについて、持論を展開す
    る。

     個人的には、共感できる部分もあればそうでない部分もあるのだが、
    その分析は面白い。
     というのも、分析の基礎となるのは、思想・哲学から学術書にいたる
    著者の幅広い読書歴であり、それらの観点から社会を見据えている
    ため、この手の分析にありがちな単なるステレオタイプに陥っていない。
     全てには共感できないという人もいるであろうが、一つの分析として
    読むことは、非常に参考になるといえる。

     私が最も強く感じ取ったメッセージは、最終的

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    2009年10月30日
  • 懐かしい未来 甦る明治・大正・昭和の未来小説

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    2009/
    2009/

    ねじくり博士 幸田露伴著. 基調作品・ねじくり博士 長山靖生著. 月世界跋渉記 江見水蔭著. 月世界競争探検 押川春浪著. スピードが生まれ世界が小さくなった 長山靖生著. 太陽系統の滅亡 木村小舟著. 超γ線とQ家 南沢十七著. 世相を映し出す滅亡の系譜 長山靖生著. 下女の時代 生方敏郎著. 建設義勇軍 宮野周一著. 夢かうつつかユートピア 長山靖生著. 人工心臓 小酒井不木著. 人間の卵 高田義一郎著. 不老不死の野望の果てに 長山靖生著. 人造恋愛 蘭郁二郎著. ロボットとベッドの重量 直木三十五著. 人間的ロボットとロボット的人間 長山靖生著. 夜のロマンツ

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    2009年10月07日
  • いっしょに暮らす。

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    ルームシェア、結婚、下宿、等々で他者と共に暮らすとはどういうことか、あるいは、どういう効果をもたらすかが書かれている著書。結婚しないという選択肢を取る人のことや、ルームシェアする人の主観的意見が盛り込まれているから、色んな考え方に触れることができる。小説『こころ』を現代に照らしながら読み解いているところは、面白いと感じる。

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    2009年10月07日
  • 若者はなぜ「決められない」か

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    最近自分が将来の職を考え始めたせいか内容がそれについてになってしまった。この書では主に「フリーター」が取り上げられている。断っておくが私は断じて「フリーター」になるつもりはない。もし将来好きな事を仕事にした場合、「収入が主観的に満足いくものにはなりにくい」「気分転換にはならない」という悩みが噴出するらしい。自省しても、塾講師のバイトがそれにあたるなと感じた。そして改めて現代日本の労働はNot労使間But既得権益、新規参入希望層に労働対立があることを確認した。これでは数十年後の日本がどうなっているか心配ではある。余談ではあるが、「ドラえもん」に出てくるのび太のライフコースが印象に残った。79年に

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    2009年10月04日
  • 不勉強が身にしみる~学力・思考力・社会力とは何か~

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    途中から割と脱線していた印象。
    言いたい事は大いに分かるけど、この内容を論じるなら官僚はもとより医者になった人間じゃ説得力なし。

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    2009年10月04日
  • 不勉強が身にしみる~学力・思考力・社会力とは何か~

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    序章の最後に書いてあるように、
    「本書は、凡庸な親が、子供の教育に悩みながら、親もまた勉強しなくてはならないと考え、
    しかし何をどうやって学ぶべきか、そもそも勉強とは何だっけ、といった事柄を思い悩むドキュメントである。」

    大人のための「本物の勉強」入門書。
    各章末に基本図書ガイドも載っていて参考になります。
    自分の不勉強が身にしみました。勉強します。。。

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    2009年10月04日
  • 大帝没後―大正という時代を考える―

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    主に文学の面を中心に大正時代の日本を考えている。明治天皇という象徴的な存在、また維新を支えた元勲などが歴史舞台から退いたその時代を文学による精神のありかたで探ってみている。

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    2009年10月04日