あらすじ
もはや乱世を越え「末世」の様相を見せる現代社会は、幕末維新ではなく、平家物語の時代に似ている。朝令暮改をくり返す為政者(政府)、批判するだけで何もしない貴族(野党)、騒ぎ立てるだけの寺院勢力(学者・マスメディア)等々。そして男だけではなく、女もそれぞれの戦いを生きている。本書では登場人物をいくつかの身分に分け心の動きを眺めつつ、物語の背景にあるいつの世も変わらぬ人間の各階層のドロドロを描き出す。【光文社新書】
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Posted by ブクログ
大河ドラマ平清盛や鎌倉殿を楽しむために。平家物語の全体像が把握できて良い。ドラマの細かなエピソードも実際に平家物語に残っているものと知れて面白い。
Posted by ブクログ
吉川英治の新・平家物語でも挑戦しようと思ったら、16巻くらいあると知って即断念。即。
なので、ざっくり概要が掴めるのと、ちょっと変わった視点も取り入れたような本がないかしらと思い、即購入。
んー、まあフツーですね。新書でざっくり平家物語。タイトルどおり。
ただ読んでみると、今の大河はやっぱり細かい歴史エピソードも丁寧に拾ってることが分かる。
Posted by ブクログ
平家物語は無常と普遍、栄光と没落を学ぶ最高のテキストだと著者さんは言う。
大震災前から、現在の世の中は、もはや乱世を超えて末世の様相を呈していると著者さんは言う。国土は疲弊し、庶民の生活は逼迫しつつあると。
さらに著者さんは、以下のような分析をなさる。
朝令暮改をくり返す為政者たち(政府)、批判するだけで何もしない貴族たち(野党)、
騒ぎ立てるだけで仕事をしない寺院勢力(学者・マスメディア)...etc.
確かに、どう考えても、現代という末世は、幕末維新ではなく、平家物語の時代に似ているよね。
著者さんは、歯医者さんらしいですけど、なかなか興味深い分析でした。
さらにさらに、戦うは男ばかりとは限らず、女たちもまた、それぞれの戦いを生きているという。OLも女学者もキャバ嬢も、千年前からいたのだと。
確かに平家物語関連の新書を読んでいると、そんなことがおぼろげながらわかりますねぇ。オイラみたいな歴史音痴にも、楽しく読める本でした。
おすすめ度は5点中、3点。
◎目 次
はじめに 「現在」はいつも乱世
第1章 平清盛は悪人か
第2章 貴族という「官僚システム」の腐敗、平家の変質
第3章 院----「代行」という無責任な権力者たち
第4章 山門・南都寺院という火種----わがままな「知識」と「大衆」
第5章 戦う男を駆り立てるもの
第6章 女たちの物語
終章 「歴史」「物語」の使い方