佐藤賢一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
おもしろくなくはない。というすっきりしない言い方なのは、最初から最後まで、彼の文体に馴染めなかったからだろうか。文体そのもの、というよりは、題材と文体のギャップに馴染めなかったという方が正確か。これはあくまで私の偏見なのは承知の上なんだけれども。中世のパリに住む人間が「ひええ」と声をあげるなんて、あんまり納得できない。ある意味、リアリティなのかもしれないが。なんかちょっと軽すぎる、とかんじたのも事実。でも、それはあえて彼の目論見なんだろうな。これまで、こういう題材をもとにしたエンターテイメント作品なんてなかったから。この文体ならば逆にすんなり読める、という読者も多いだろう。ただ、私の期待とずれ
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Posted by ブクログ
『王妃の離婚』『双頭の鷲』『カルチェ・ラタン』などなど、重厚な歴史物が得意な著者の今回の舞台はローマ三頭政治時代のガリア、すなわちヨーロッパです。
カエサルってのはもちろん日本でも有名なかのジュリアス・シーザーことユリウス・カエサル。
当時広大なガリア地方はローマの支配下に置かれていましたが、ヴェルチンジェトリクスという若者が各部族に分かれていたガリアを統一し、ローマに戦いを挑みます。
解放戦争って奴ですね。
若く猛々しいヴェルチンに対し、カエサルが臆病な中年男として書かれているのが面白いです。
でもヴェルチンの方は性格とか母親の影響とか、『双頭の鷲』のデュ・ゲクランに似ているのが気になりまし