荻原規子のレビュー一覧
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西魔女は、新書で揃えてました。
ハードカバーで出たとき買い直すつもりだったのですが(挿画の人が好きだった)、当時の私にはお財布的にきつくて断念。その後文庫で出たときもなんとなく気が乗らずに買わないでいました。本屋に行くたびに手にはとるんだけど。
しかし、今回は購入しました。ハッケンくんストラップにつられて。
そしたら、なんと!フェアの対象外だったようです。犬神家のハッケンくんが欲しかった…。まあ、いい機会なので買い直そうと思っています。新書の挿画、嫌いじゃないけどいかんせん古すぎる…。
ちなみに、今回の表紙は個人的には可も無く不可も無く。ちょっとメルヘンすぎる気がしないでもないけど。フィリエルのイメージは、やっぱり最初の新書のイメージが強かったのかも。
もう何度も何度も読み返して身もだえした話なので、正直、真新しい感動というのはないのですが。
でもやっぱり、気付けば夢中になってました。
ちょっとね、思うのが、荻原さんの他の作品ほど児童文学っぽくないぶん、萌えが全面に出る前の時代のラノベを読んでいた物語を追うわくわく感や昔の姫だの嫁だの言い始める前のコバルト文庫のような身悶え、そういうのを余計に感じられるような気がします。RDGにも萌えさせていただきましたがそれはそれとして。
あまりはやりすたりに左右されない作風で、少女向けの、難しくなくて良質なSFだと思います。
一応10代向けなんでしょうが、少女漫画やファンタジー好きなら大人が読んでも充分楽しめるんじゃないかなと思います。だから、RDGが盛り上がっている今、角川の文庫化をしたのかも知れないなと思いました。 -
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現代が舞台のファンタジー。でも十二国記と比べるとファンタジー要素は薄く、人間ドラマに注力している感じかな。
最近わりと濃密な小説ばかり読んでたからか本作は薄いというかあっさりした感じ。悪い意味ではなく、気軽に読むにはこれがちょうどいい。そういう意味ではまさにライトノベル。
話的にはシリーズの序章でしかない感じで、この巻単体だとなんとも言えないところはあるが、とりあえず深行くん眺めてニヤニヤしとけばいいんですかね?
スニーカー版って「Another」の件があったからどうせ表紙とピンナップだけでしょ?って思ってたので挿絵が普通にあったのは嬉しい誤算。 -
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心に残ったエピソードは三つ。古事記に現れる馬の皮。カエル漫画を描きつづけた理由が読者の存在だという話。何故ファンタジーが中世欧州風世界で展開されるか。
馬の皮は何か養蚕と結びつくようなのだが、何を意味するのかが現代では明らかでないというところでエッセイは終わる。この分からなさが妙に心に残った。
カエルの漫画は弟が読者として存在したことが続けられた理由だとしたもの。作者と読者の関係について色々考えていたのでタイミング的にはまった。
最後のファンタジーの舞台については(いま本が手元にないのでうろ覚えだけど)「中世には現代と同じ問題が全てある」からだという中沢新一氏の説が紹介されていた(ような気がする)。
いわれてみると確かに現代とは異なる環境で貧富の差、家族問題、戦争、都市と辺境、各種産業、知識欲や名誉欲などを描くことができ、魔法やエルフやゴブリンが現れても許容されるのは中世欧州風世界だよなぁと思う。
本自体は一章ごとにファンタジーに登場する動物のタイトルを振り、タイトルの動物をキーに自分の思い出や動物が登場する作品について語ったウェブ連載をまとめたもの。そういえばダイアナ・ウィン・ジョーンズにはまったのは荻原さんのエッセイの影響も大きかったよな、と改めて思ったり、中沢新一氏の著作を改めて読んでみたいなと思ったり。 -
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本編の少し先の話なので、これが事実上最終巻、と言うところでしょうか。
本編登場時から私が興味を惹かれていた吟遊詩人を軸にしたお話で、これでついに謎が解けた気がします。それでもまだまだミステリアスではありますけれど。
メインの世界観は所謂王族、貴族、幌馬車などが登場するおとぎの国、童話の世界、ファンタジー、なのですが、それを包んでいる真実はどちらか言えばSFの世界なんですね。
そのギャップがなかなかに面白いと思います。
個人的に吟遊詩人のような飄々とした人物は好きなので、世界の真実を知らない人たちが彼に敵愾心を向けるのにはイライラしましたが、それは当然ですね。読者は裏の裏まで見ているわけで、だからこそ「謎の人物」にも愛着が湧きますし、信頼もできますが、当事者たちがそれを知ることはない。それを忘れさせるところが巧いですね。
そしてそして、前作を読んでいればニヤリとしてしまう場面も。幸せカップルもいるんですね。安心しました。
あとは、女王候補三人の中で一番好きなレアンドラの素顔に触れたのが私には嬉しかったです。作中では女性に嫌われるタイプと言われていますが、私は初登場時から好感を持っていました。
そのレアンドラの扱いを見ると、外伝において活躍の見られなかったユーシスは不憫ですが(笑)
一応完結とはありますが、いくらでも膨らませることのできる作品なので、余韻もたっぷりです。
遅読の私が一日二冊ペースで読めたので、荻原先生の筆力もありますが、気軽に読めるファンタジーだと思います。恐らくラノベ感覚でも楽しめますよ。 -
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前作よりも更にノベルス的、と言えると思います。
良く言えば読みやすく、悪く言えば俗っぽいとも。
本作はとにかくタイトル通りの内容ですね。主人公が女学校に編入することになるのですが、若い読者の思う「女学校ならあんなことこんなこと」が全て叶えられていると言っても過言ではありませんね。痒いところに手が届く、言ってしまえばベタな展開が待ち受けているのですが。
そんなベタな展開にゾクゾクとしてしまう私もばっちり俗物ですね。
桃、百合、薔薇、一応全て網羅していると言えなくもないです。
内容としてはそんなわけで意外とベタなのですが、それでもやはり荻原先生の手にかかればドキドキわくわくファンタジーなのです。そこが凄い。
他作品のような重厚感は無いにせよ、充分読み物として楽しめると思います。
やはり何よりも一作目に引き続き登場人物たちが魅力的ですね。主人公は勿論、敵役とも呼べる対立者までもが憎みきれないみずみずしさを放っているのです。
そして相変わらず女が強い!
爽快ですね。
白と黒とでははっきり区別できない問題が山とあってそこが良いところかと。
筆者にとっては初の学園ものだったそうで、筆者自身が楽しんで書いているのが伝わってくる作品でもあります。
私の中では親世代と子世代を比較して、その関係の類似性にニヤニヤ笑いが。こう言うちょっとした対比と言いますか、遊び心と言いますか、運命を思わせる描写、私は好きです。
一作目にも増してフランクで笑いどころ、ときめきどころ満載です。 -
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私が初めて触れた荻原先生の作品「これは王国のかぎ」の主人公、上田ひろみをまたまた主人公に書かれた学園ミステリー。これかぎから二年後のお話。つまりひろみは高校二年生。
これかぎを最後に読んでから時間が経っているからか、この主人公があの主人公と同一人物とはなかなか受け入れられませんでした。それだけに印象が違っていたのです。作品の雰囲気も。作者は意図してそうしたかも知れませんが、最愛とも言えるこれかぎの続編として手に取った身には少なからず淋しくも感ぜられました。しかし思春期の中にあっては特に、人は変わっていくものです。新たな気持ちで読むとしましょう。
学校行事を中心に書かれているのですが、学校を出てより強く思う、学生時代特有の思い入れだったり、暗黙のルールだったり人間関係のあれこれが実に丁寧に書かれていて、当時のことなど振り返り、なんとも言えず不思議な心地がしました。
まるでリアリティに欠ける昼ドラのようなやり取りを交わし、悩みを抱えて、年を経た今思えば、そんな役柄をそれぞれが真面目くさって演じていたようでもあり。しかし当の本人たちにとっては全てが大問題で。
そんな学生の日常を瑞々しく書き出す筆者は化け物のようです。当時の感じ方を今になってそのままに読者に伝えると言うのは難題です。
そして伏線とその回収が気持ち良い。考える余白を残して尚且つその真相はすとんと落ちる。「いやでももしかして」を残してくれる親切。ミステリーにはとりわけ重要ですよね。かと言って真相が突拍子もないものでも読み手はムッとするだけで納得できません。
荻原先生はそのさじ加減が絶妙だと思うのです。
そしてやはり先生の作品にはときめきがあります。共感があります。自分の中にモヤモヤ漠然としていた何かを「こう言う気持ちってない?こんな時にこう感じたことない?」と的確な言葉で表現してくれるのです。孫の手のように。
これかぎに思い入れが強過ぎると少し切ない部分もありますが、作品としては好きです。 -
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作家の萩原規子さんが、ファンタジーの本の中に登場する動物たちのことを書いたエッセイのような児童書でした。
犬やクマ、猫、ライオン、イノシシ、ネズミなど、身近な動物の話に混じって、ドラゴンやユニコーン、グリフィンといった、ファンタジーでおなじみの架空の動物も登場する本の紹介をされています。
動物好きの私は、なんだかここに紹介されている本を全部読んでみたくなりました。もちろん、神話や伝説の話からもとっているので、知っている本もありましたが、知らない話もたくさんありましたので。
知っているのでは、まず、「ライオン」の章の『ナルニア国物語』の解説。映画のワンシーンが鮮やかによみがえってきます。ここではライオンのアスランが重要な人物なのでした。
それから、「ニシキヘビ」の章の『ジャングルブック』。懐かしい話です。オオカミに育てられたモウグリ少年がニシキヘビのカーにジャングルの掟をいろいろ教ります。モウグリがジャングルで生き延びていくうえでカーの存在はとても大きかった。そして、私もニシキヘビをここまで中心人物として書いた小説は読んだことがないなと思いました。
最後に「グリフィン」。この動物の印象は私は薄いのですが、『ハウルの動く城』にも登場していたそうです。私は未読ですので、この本で初めてしりました。その形態は、頭から胸がワシ、胴の後がライオンということで、ヨーロッパ王家の紋章をイメージするということで、なんだか興味深い動物です。
小説の物語は人間が主役となりますが、こんなに活躍している動物たちがいたのですね。彼らがいるからこそ、これらの話が、味わい深いものになっていたのでしょう。
ユニークで親しみ深い動物たちの活躍する話が、最初から最後までぎっしりとつまっているこの本は、その文章からも、子供の頃に読んだ本への懐かしさや動物たちの可愛らしさが感じられます。
暑くて眠れない夜には、この本で童心に返って、ファンタジーの動物に会いに行くのもいいと思いました。 -
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ファンタジー作品に登場する動物をお題に書かれたエッセイ。
本の紹介としても熱があって面白かった。
実はとても私的な本なのかもしれない。
著者が作家という職業についたわけや、彼女の小説作法まで、ところどころに垣間見えるのが興味深かった。
エッセイというのは、ある意味「わたしを理解して」っていってるようなところがある文章だからね。
読書歴とか微妙に重なっているところがあるんだけど、感じ方が違う部分も多々あって、そこら辺がわたしが著者の本の愛読者になれない理由なんだろうなと思ったりもしました。
(タイトルで「黒龍とお茶を」というマカヴォイのファンタジーを思い出した。続編、読みたいなー。ディズニーあたりが3Dで映画にデモしてくれないかな……無理か)