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Posted by ブクログ
私が初めて触れた荻原先生の作品「これは王国のかぎ」の主人公、上田ひろみをまたまた主人公に書かれた学園ミステリー。これかぎから二年後のお話。つまりひろみは高校二年生。
これかぎを最後に読んでから時間が経っているからか、この主人公があの主人公と同一人物とはなかなか受け入れられませんでした。それだけに印象が違っていたのです。作品の雰囲気も。作者は意図してそうしたかも知れませんが、最愛とも言えるこれかぎの続編として手に取った身には少なからず淋しくも感ぜられました。しかし思春期の中にあっては特に、人は変わっていくものです。新たな気持ちで読むとしましょう。
学校行事を中心に書かれているのですが、学校を出てより強く思う、学生時代特有の思い入れだったり、暗黙のルールだったり人間関係のあれこれが実に丁寧に書かれていて、当時のことなど振り返り、なんとも言えず不思議な心地がしました。
まるでリアリティに欠ける昼ドラのようなやり取りを交わし、悩みを抱えて、年を経た今思えば、そんな役柄をそれぞれが真面目くさって演じていたようでもあり。しかし当の本人たちにとっては全てが大問題で。
そんな学生の日常を瑞々しく書き出す筆者は化け物のようです。当時の感じ方を今になってそのままに読者に伝えると言うのは難題です。
そして伏線とその回収が気持ち良い。考える余白を残して尚且つその真相はすとんと落ちる。「いやでももしかして」を残してくれる親切。ミステリーにはとりわけ重要ですよね。かと言って真相が突拍子もないものでも読み手はムッとするだけで納得できません。
荻原先生はそのさじ加減が絶妙だと思うのです。
そしてやはり先生の作品にはときめきがあります。共感があります。自分の中にモヤモヤ漠然としていた何かを「こう言う気持ちってない?こんな時にこう感じたことない?」と的確な言葉で表現してくれるのです。孫の手のように。
これかぎに思い入れが強過ぎると少し切ない部分もありますが、作品としては好きです。
Posted by ブクログ
きっかけは、ほんのなりゆきだった。巻きこまれるようにしてかかわることになった生徒会執行部の活動。合唱祭、演劇コンクールに体育祭、そして、あの事件――。高校2年生の上田ひろみが出会った、学校に巣くう「名前のない顔のないもの」とは?
友人たちと過ごす「ゆりかご」の中の不安定な季節を、夏の日差しとともに切り取った、ミステリアスな物語。
「これは王国のかぎ」の主人公が高校生になって学校生活の中で事件に遭遇する。
一見普通の学園ものの小説のように思うかも知れないけど、恩田陸さんの小説のような不気味っぽさがあって、それでいて恋や学校行事もあったりと楽しめる作品だと思う。
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